#210 [PG-18] 性の歴史 ー人類が紡いだ愛とセックスの物語ー

※今回のシーズンは18歳以上の方の視聴を推奨します※
【今回の内容】
今回のゲストの紹介/※放送前の注意点※/今の常識は昔の非常識/タブーと社会の規定/隠蔽されてきた性/デリケートな領域/人間以外はどうなのか、哺乳類の例/人間とそれ以外の違い/いつでも性行為ができることについて二つの説/妊娠のメカニズムがわかるまで/社会の変遷と性のあり方/性器信仰の始まり/現在も残る独自の文化/法律と社会が違うこと

樋口:世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオ。世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオパーソナリティの株式会社BOOK代表樋口聖典です。

深井:株式会社COTENの深井龍之介です。

楊:同じく株式会社COTENの楊睿之です。

樋口:このラジオは歴史を愛し歴史の面白さを知りすぎてしまった深井さんを代表とする株式会社コテンのお二人と一緒に学校の授業ではなかなか学べない国内外の歴史の面白さを学んじゃおうという番組です。お願いします。

深井:はい、お願いします。

楊:お願いします。

樋口:さあさ。今回本編また入る前に一人ゲストの方をお呼びして4人でお話していこうと思うんですけども。じゃあ深井さんの方からご紹介。

深井:そうですね。前人類学の番外編に出演していただいた室越龍之介くんが株式会社コテンに正式に加入しまして。

樋口:いよ。

楊:こんびやな。

深井:コテンてもともと調査を僕とヤンヤンだけでやってるわけじゃなくて。だいぶ前から最澄と空海くらいからかな。もともと室越ともう一人メンバーの橋本ともうひとかたに実は手伝ってもらってやってるんですよ。だから本当5人くらいで調べてやってるんです。

楊:分業体制。

深井:分業体制でやっていて、なんで今まで信長とかもそういうふうにやってきたんですけど、全部ですね、教育の歴史も。今回もう一緒に調べたし、スピーカーとして参加してもらおうかなと。

樋口:すごい。わざわざ田川までありがとうございます。

深井:コロンビアから田川。

室越:コロンビアから田川に参りました。

樋口:初めて生でお会いしました。

室越:そうですよね。ZOOMではちょいちょい。

樋口:どうですね。収録の時に初めてお話してそっからオフ会やったりとか、あとは僕勉強会やらせてもらったりしてるんです、室越さんと。

深井:そうか、読書会みたいなの。

室越:読書会みたいなのちょいちょいさせてもらってます。

深井:先生なんだ、樋口さんの、そこで。

樋口:なんですけど、ポッドキャスト業界では僕が塾長なんで。

深井:そうか、複雑な関係ですね。

樋口:ていう感じで室越さんよろしくお願いします。今日は。

深井:はい。

室越:よろしくお願いします。

樋口:そんな室越さんを迎えていいですか、本編に入って。

深井:はい。

樋口:性の歴史人類が紡いだ愛とセックスの物語。

深井:はい、よろしくお願いします。

樋口:室越さんこれを喋るために今日来られた。

深井:そういうこと。

室越:わざわざコロンビアから。

深井:デビューがこれだった。

室越:これを話すために帰ってきたみたいになっちゃった。

深井:試験的にこうやって4人でやってみようとやってるんですね、今回。それのデビューが性の歴史でしたね。

樋口:性。

楊:これはヘビーです。ヘビーなテーマです。

深井:人間存在そのものに近いですからね。

樋口:すいません。僕普通の感覚なんでめっちゃわくわくしてる。

深井:わくわくしていただいて問題無い。ワクワクしてもらって全然問題ないですけど、結構今回僕たち本当古今東西の性の扱われ方であるとかどういうアクションとか姿勢とかタブーがあったのか全部調べたんですけど。やっぱりね、この常識が揺らいじゃう。

樋口:常識が揺らぐ。

深井:今までも教育の歴史もそうだしいろんなやつで常識が揺らぐということは今までコテンラジオを聞いてくださってる方は感じてもらえたかと思うけど。性の歴史をこうやって通史で聞いて常識が揺らぐというのはちょっと他の奴に比べると生活が変わる可能性が高くなっちゃう。

樋口:生活が変わるんですか。

深井:生活が変わるというか。なんていうんですかね。

樋口:影響するということですか、日常生活。

深井:下手すると影響しちゃうから。今回の回に関しては今まで僕たちのこのコテンラジオ未成年のみなさんにも聞いてもらってるの知ってるんですけど、大人限定がいいかなと思います。

樋口:だいたい何歳以上くらい。

深井:感覚的には18歳以上がいいんじゃないかなと思ってます。本当に成人になってからということですね。で、18歳未満の方は保護者の方に確認してほしいです。保護者の方もこれを聞いたあとに子供に聞かせていいかどうかを判断してほしいです。別になんかめっちゃ卑猥なことを言うわけでもないし性を揶揄するわけでもなくて本当に真面目に喋っていくんだけれども我々はある一定の社会規範の中で生きてるわけじゃないですか、特に性に関しては。そこの常識が揺らぐというのは特に若い時にはどういう影響があるかわからないです。

楊:あと、単純に今回シリーズ喋っていくなかでいわゆるセクシャルな表現というのはたくさん出てくる。別に下ネタという意味ではなくて学術的に体の部位の話とかも出てくるのでそういったことも含めて視聴年齢制限というところで話させていただきます。

樋口:わかりました。

深井:推奨です。それが推奨なんで強く推奨します。なのでそういうつもりでみなさんにも聞いてほしいなというのと、興味深いですよ、内容は非常に興味深いですし、為にもなると思います。一方でちょっと人格の根幹にすごく近いところなんで、セクシャリティというのは。

樋口:ちょっと怖くなってきた。

深井:それくらいで聞いたがいいかも。

樋口:まじですか。でもやべ、見たい。そんな自分を見たいですね、壊れた自分を。

深井:壊れないです。壊れないでくださいねという話をしたんで。

室越:樋口さん壊れたらコテンラジオ続かないんで。

樋口:わかりました。よしよし。客観的にね勉強させてもらいます。

深井:ちょっと距離を置いて聞いてもらって。ぐらいがちょうどいいかなと思います今回の話は。いきなり結論から入るんですけど、今回の通じて僕たちが性の歴史を勉強して感じたことが性に関して例えば性欲があることであるとか性欲がないことであることとか本能的に生物学的なものだと感じるじゃないですか。

樋口:もちろん。

深井:あとはギリシャのスパルタの時にも喋ったと思うんですけど、男性どうしでセックスするというのはあのギリシャ時代には実はすごく一般的であった。それってその時もこういうことを言ったんだけれども僕は生物学的にはストレートだと思ってた、生物って。そうじゃないかもしれないことを示唆してるわけじゃないですか。

樋口:ということですね。普通に繁殖目的で生きてるならストレートがデフォルトであると思ってたということですね。

深井:そういうのが僕たちの性欲の湧き方とか何に興奮するかというのも我々一定の今コンセンサスがありますよね、合意形成が。男の人ってこういうの見たら興奮するよね、とか。そういうのもどうやらほぼ全てほぼほぼ全てが社会的に決まってるぽい。

樋口:ええ。

深井:だから僕たちの元々の生物としての性質ではないぽい。だから危ないですという話をしてる。全部その時の社会を反映してるだけなんです。

樋口:ええ。

楊:教育の時に子供の話でてきたじゃないですか。あれと似てます。子供は昔は別にお金とか愛情かけて育てるものじゃなかったけど今ではそれをかけて当たり前。それは社会的に構成された一つの価値感じゃないですか。性も同じなんです。

深井:性も一緒だったんです。だから今変態行為とされてることとか異常だと思われてることも時代と場所が変わると普通だったりとか異常ではなかったりだとか。逆に僕たちが今普通にやってることはちょっと時代が違えばものすごい変態行為だったりするということが平気であるということがわかってきました。それがほぼ全てがそうなんです。特定の同性愛だけがそうとかじゃなくて。

樋口:食う寝るセックスはザ本能と思ってたんで。じゃなかったってことですね。

深井:セックス自体は本能なんですけど、その性欲の対象が何かとか、そのそういうことです。何に興奮するかとか何をやってよくて何をやってはいけないか。ということが社会的に決められているので、すごく実は柔軟なんです。何にでも性欲が湧きうるということが実はわかる、歴史を勉強すると。人間が、ほぼ何にでも性欲を沸かせてる。

樋口:何にでもってどういうこと。まあいいや、これ楽しみにしときます。

深井:本当、だからこれどうやって喋ろうかな。けど興味深いよ、興味深い。なんで性の常識が形成されてる前の人には聞かないでほしい、やっぱり。その常識と比べながら聞かないとこれ聞いてこっち常識にしたらそれって過去の話だから。今には今の社会規制とか社会規定が確実に存在していて。それにちゃんと縛られて生きてますから、我々は。法律もありますしね、ちゃんと。

楊:それを破ってくださいと主張したいわけではない。

深井:気をつけてほしいという意味です。

樋口:わかりました。

深井:実際に例えばですけど、さっき言った男色と呼ばれる男同士のやつとか女性同士というのは実はあんまり歴史は存在してないんですけど。

樋口:へえ。

深井:それもなぜかというの後で説明しますね。あとは例えば我々はロマンティックな恋愛ってすごく重宝してるじゃないですか。これもロマンティックな恋愛はくそだと思ってる人たちもいるんです。ベドウィンという部族とかはそうらしいんです。今は違うと思いますけどはしたない、ロマンティックは。

樋口:切ない。

深井:よくないよねと思われてたりとか、あとはセックスの体位とかも体位もこの体位をするなんてありえない。例えば騎乗位、すっごいだめと思われてたりとか。

楊:正常位しかだめ。

深井:とか、何が性的かというのも全く違うわけです。例えば今って女性のバストって性的なものとして扱われてるじゃないですか。露出しないものとして扱われてるけど、これは想像しやすいですよね、露出してる部族とかもいればそうじゃないところもいる。これは胸だけじゃないんです。全部そうなんです、体のほぼ全ての部位が何にでもどの部位でも性的対象になりうる、社会によって。

樋口:それちょっと僕友達に最近マスクの隙間からちらっと見える唇に興奮するって言ってる友達がいたけどそれも近いかもしれない。普段見れないから。そういうことか。

深井:あとはここらへんから何が危険かといったのがわかってくるけど、子供同士のセックスもしていいと言ってる人たちもいるわけです。例えば社会によっては。かなり近いところまで大人の男性と子供の女性がセックスするということを許容していた社会がほとんどずっと続いてたりする。そういうのも社会的に規定されてる。だから何をタブーかタブーじゃないかということも社会によって千差万別に違う。全ての社会で禁止されてることはないし、全ての社会で許容されてることもない。全部社会によって変わるということがわかってきました。

樋口:確かに、でもなんかこうやって例を挙げられるとどれだけあやふやなものかわかるし危ないというのがちょっとわかった。

深井:そうなんですよね。性について語ること自体が歴史的には基本的には隠蔽されているので、あんまり資料もない。

樋口:そこは意外と統一してるんですね。性ってやっぱり表立たないものというのはあるんですね。なんとなく。

室越:資料がないというのはどこにも書かれてないとかではなくて、裁判資料とかでこれはだめなことですみたいな感じで資料自体いっぱいあるんだけどそれを性というテーマで体系的に研究したりとかはあんまりされてこなかった。

楊:そういう研究することはあまりアカデミーの世界では評価されてない。

深井:それもありますよね。例えばですけど同性愛の研究をするって研究者が言った時点で変な偏見に晒されるとかいうとことが起こったり、性病の研究をしますとかね、性病の変遷の研究とか。そういうことをするだけでイロモノ扱いされてしまうというのもあります。なので本当にごく最近やっとこういうことがテーマとしてくくって研究する人たちが出てきてるけど、その人たちはおそらく現在進行形で蔑視されてるところもあると思う。

樋口:確かにな。それはわかりますね。

深井:というような。人類にとって非常にデリケートな領域だということですよね。基本的にはプライベートな行為であることはあんまり変わらない、どの時代を通じても、セックスが。それがパブリックであるということはあんまりなかった。なんでやっぱりそこがプライベートであるというところはすごい共通してるということですかね。で、人類の歴史に入る前に、そもそも人間と動物の違いも調べてみたんです。そしたら結構大きい違いがあって、ほとんどの哺乳類が生殖行為以外の性交をしてない、セックスをしてない。つまり、子供を産むという目的以外のセックスをしてない。人間とあとはボノボというチンパンジーの一種。

室越:そう、チンパンジーの一種だね。ピグミーチンパンジーという種類があって。それはチンパンジーとちょっと違うんです。彼らはコミュニケーションのために性行為をするとされてるんです。

深井:イルカとかもどうやら性行為を生殖行為以外、子供を産む時以外にもするらしい。だけどもそれくらいで哺乳類の発情期ってのは基本的には時期が限られていて。この発情期以外に性交をする動物というのはすごく少ない。人間てのはある意味ずっと発情期なわけじゃないですか。だから他の動物からみたらその時点ですごい変わった動物だということになります。

樋口:人間てなんのために性行為。コミュニケーションかやっぱり。

深井:それもだからなんのためにかというと、まだわからない。

樋口:そうですよね。コミュニケーションのためだけでもないような気がする。まあまあまあ。

深井:色々仮説はある。人間はまず性行為、セックスを楽しみのためにやってるのはあるよね。これが非常に少ないよねというのがさっきの形。これがなんで楽しみのためにやるようになったかという説に関しては何個かあって。

室越:そもそも人間て普通の動物と違う特徴がいくつかあって。まずパートナーを持つんです。そのパートナーと長期的な関係を持って一緒に子育てをする。今色々意見あると思うけど、他の動物とか、例えば爬虫類とか両生類とかってオスって生殖行動したらそのあといなくなっちゃうので。自力で大きくなったりとかメスが子育てしたりする、哺乳類そういう動物多いと思いますけど、人間の場合は基本的に男女が共同で子育てをする。それは基本的にあまり変わらない、パートナー。おまけにそういう長いあいだ同じパートナーを持つ動物オシドリはテリトリーを持ってることが多い。そのテリトリーに他の同種の動物が入ってこないという構図を持ってるけど、人間の場合は他の同じ年齢くらいの男性がいっぱいいたりとか女性がいっぱいいる中でパートナーを持って二人で子育てをするということが。さっきいつでもセックスできるということはこれも人間に特徴的なことなんですけども、いつでも妊娠できる可能性があるんですが、一方でそれが男性の側からわからないようになってる。

樋口:確かに。

室越:普通の動物は発情期になったらお尻が真っ赤になったりとか顔が真っ赤になったりして、あ、今セックスできて、そしたら子供ができるということがメッセージとしてシグナルとして出るんですけど。人間の場合はそれが出ない。これらの特徴ということを考えた時になぜ人間がそいういうふうにいつでもセックスできるような状態になったのかということがいくつか説があって。一つは子殺しをするという動物は多い。メス側が子供を持っていてもライオンとかもそうですよね、自分以外のオスの子供だと殺してしまうんです。

樋口:聞きますね。多分。

室越:その子供を殺すとメスが妊娠可能な状態になるので、そうすると自分の子供を残すということをやるんですけど。人間もそのリスクがあったんじゃないかという話になるわけです。そのリスクがあった時にメス、女性の側はどうやってその自分のパートナーをつなぎとめ、自分の子供を守るかということが課題となってくる。その課題となってくるときに進化生物学者とか人類学者の人たちがいくつか説を出してるんですけど、大きく分けて二つあって、一つはマイホームパパ説といって。

樋口:マイホームパパ説。

室越:そう。特定のオスにこの子供は自分の子供だということを信じさせるわけです。いつ妊娠したかオス側がわからないので、一緒にいることによってこれは自分の子だということを信じさせるという作戦をとったという人たちと、もう一つはたくさんの父親説というのがあって。いつでも排卵できるんでいろんな男性とセックスしても全ての男性がどれが自分の子供かわからない。そうすると自分の子の可能性があるから殺せないという状況が出てくる。そうするためにいつでもセックスできるような状態に進化したんじゃないかという話があって。ただ、この話ってちょっとえぐみとかやだみがあるというか。女性がいつでもセックスできるのはなんていうかな、こういうふうになったっていうことを言っちゃうとあたかもその意図のために女性がそういう動きをしてるということを思っちゃう人がいるんじゃないかなと思って。これは進化論的にそういうふうに出てきたんじゃないかという話にすぎなくて。今の女性がそういうふうに考えて行動してるとかそういうことではないんです。その違いって結構大きいけど混同されがちなので気をつけていただけたらいいかなと思ってます。

楊:そのまま今の家族の概念とか女性の概念に適応するのはあまり正しいとはいえない。

深井:単なる仮説でいろんなツッコミどころがあるなと個人的にも思ってる、この説自体に。ただそのように言われていて、現時点ではそれ以外の説ってそんなに出てきてないということです。超最新だと出てるのかもしれないですけど。今本で出てる限りではこんな感じで言われていて。とにかく人間てのはずっと発情期であるというところが他の動物と全然違う状況であるというのがあります。もう一つそれこそさっきの説とまた少しコンフリクトするというか矛盾するんだけど実はこういう話もあって。紀元前9000年頃になって初めて性行為と妊娠の繋がりがあるということがわかってきたんじゃないかという説もある。これも僕すごい興味深いなと思っていた。確かにこんなことあるかなと思ったけど、同時に。妊娠期間が長いんです、人間て。で、性行為をしたという行為と10ヶ月後に生まれるということが結びつくということが結構結びついてない人たちも確かにいたらしい。

樋口:確かに。でもたしかに。

深井:こういう状況だった。実はそういうことがわかったのも紀元前9000年、1万年ちょっと前がそういうのがわかってきた。それがなんでわかったかというと、これも仮説に過ぎないんですけど、文明が新石器時代とかになってきて牛、羊みたいな動物を飼うようになって。観察をしてるとどうやらペニスを持ったオスの羊がメスとセックスをするとメスが妊娠してるということがわかってくる。動物みてるとそうだと。これ、自分たちもそうなんじゃないかとわかってくる。けれども実はかなり長いあいだ男が子供が生まれることに必要だということは結構気づいてなかったみたいです。

楊:女性が勝手にお腹膨らんで妊娠してたという捉らえられた時期もあった。

樋口:なぜか妊娠する女性としない女性がいて、なぜかわからない。しかも一回セックスしたらできるとは限らないから。

深井:そういうことです。いろんな受け止め方があって、例えばいっぱいセックスするから蓄積して生まれるんだと思ってる人たちもいたし。だからみんなの子供だと本当に思ってる。それも確かめようがない。だってこの子がどの父親だけを引き継いでる、母親と父親だけの子だってわからない、みんながセックスしてる場合。原始社会ってそこそこみんなでセックスしてるんで。その集落で。なんで本当にわからないということが起こるということがありました。

樋口:これは面白い。

楊:あとさっき深井君がもうみんなでセックスした、誰が父親がわからないということ言ってたじゃないですか。本当に子供って生まれた親に所有される必要性がそもそも薄かったんじゃないかと言われていて。薄かったというよりも今インフラ整ってる今の時代と違って当時は共同して子供を育てていくということが子育てのインフラだったんじゃないかなという説もあります。それが実は一番子供たちの生存率を上げるという説もあったし、変化としてはさっき母系社会の話も出たんですけれども、それがだんだんと父系社会になっていく。ようするに男、父親の権力がすごく強くなっていくという。単純にいうとこうですよね。それもなぜそうなったか色々説があって。一つは社会が進んでいって生産力がすごく上がって富の余剰が生まれたんです。社会に富が生まれてそれぞれの富をそれぞれの人が所有して格差もそこで生まれてきたんです。そこで出てくる一つのニーズとしては自分の財産を自分で守りたい。そして自分の財産を自分だけの子供に継がせたいという欲求が男側から出てきたんじゃないか。いう説もあります。

樋口:信長編の時にちょっと似たような話が出てきた。家制度ということで。

楊:なので子供の親が誰かわからない状態ではなくてそれこそパソコンのフォルダー分けみたいにちゃんとフォルダー分けをしよう、子供と親を紐付けようというふうに社会の力学が働いていったのではないかともいわれてます。

深井:そうですね。

樋口:確かにありそう、それも。

深井:ちょっと話戻るけど、やっぱりその子供が生まれるメカニズムってずっと実はわかってなくて、19世紀くらいになって初めてわかってくる。

楊:結構遅い。

樋口:最近だ。

深井:もちろんセックスしたら生まれることはもうわかってるけど、なんでセックスしたら生まれるかが19世紀くらいまでわからない。精子と卵子が受精して生まれるんだということがわかったのが顕微鏡とかないとわからない。

楊:確かにね、科学の発展。医学の発展がないとね。

樋口:絶対そうだ。

深井:そういうのも実は性の概念にめちゃめちゃ影響してる。これも後々また出てくるんですけど、この性の領域に近代医学みたいなのがメスをいれてメカニズムを実際に解明するまでってのは子供が生まれるというのがすごい神秘体験で。まずなんでていう話だし、すごい神聖視されるようになる。それは、これ次回喋るけど元々は男がいなくても生まれてる感覚があったので。女性がひとりでに妊娠してるように見えていたので、最初は女性器信仰が始まるんです。その後男が必要なんだということがわかってきてから急に男の権力が上がりはじめて、ペニス信仰が始まる。

楊:さっき言った財産の話だけじゃなくてもしかして深井君が言ってた方が原因として理由として最初にあると思います。

深井:なので精液を神聖視するものとか。

樋口:精液。

深井:精液とかペニスとかを神聖視するみたいなものも出てきます。そのメカニズムが解明されるにあたって子供を産む力があるものとはなんなのかということの認識が変わっていって、それは基本的に神聖視されるみたいな。そういう現象が起こっていく。

楊:あるよね、ニューギニアにバルヤ族という部族があって。そこの部族では精液がすごく崇拝されてるんです。なので成人儀式でイニシエーションで精液を飲まないといけない。その年長者から精液をもらって。

樋口:え、僕とかがですか。年長者。長老とかの。

深井:そうですね。

楊:学者が彼らのこの行動に対する解釈の一つとしては男は母親のお腹の中で育ったじゃないですか。なので女の世界で育ってるということになってる。生まれて外の世界に出た。男を取り戻すために男の年長者の精液を飲まないといけない。

樋口:うわあ。今の感覚ですけどちょっときついですね。今の感覚です。

深井:それはバルヤ族がそう。サンビアじゃなくて。

楊:バルヤだった。

深井:サンビアは。

楊:サンビアも精液は崇拝されてて、どうも魔法の物質という捉え方をしてたし。あと、サンビア族では一人前の男になるために年長の男たちにたいしてフェラをしないといけない、する儀式が。

深井:少年がですよ。男が男にフェラチオをして毎日飲まないといけない、精液を。

樋口:ええ。

楊:精液を通じて祖先の霊を受け取る。

深井:それは性的行為じゃない。

楊:そう。宗教行為なんです。

深井:本当ね、儀式的な。これくらい違うやつがばんばん出てきます、この後。

樋口:うひょお。

深井:すごい違いますよ、だから。

樋口:ちょっと、うひょお。

深井:性って社会規範の最たるタブーの一つだから。社会規範の中で。もっとも侵食してはいけないやつ。タブーなんで。こういう今の話とか僕たちの社会からしたら絶対にやってはいけないことでしょ。少年に年長者の男のフェラチオをさせて精液を飲ませるのをやるみたいなこと。

楊:犯罪だよね。

深井:完全に犯罪になるじゃないですか。こういうことがばんばん出てくるので文化として、気をつけてねという意味です。今の社会を忘れないでねということです。

樋口:いや、でもこれ忘れないと聞けないな。一回ね。

深井:一回わすれないと全員犯罪者に見えちゃうんだけど、別の社会での話だとして聞いてもらわないと。

樋口:ですね。

深井:僕たちの社会は僕たちの社会でちゃんと存在してまして。法律がありますんで。変に影響される人がたくさんいるとは全く思ってないんですが、ごく一部でもおられたら困るなと思って言ってる感じです。

樋口:なるほど、わかりました。気をつけながら僕も聞きます。

深井:ていう感じですかね。じゃあ次回は先史社会の性がどうなっていたのか。特にメソポタミアとかオリエントとかヘブライ人の社会がどうなってたのかの話をしていきたいと思います。

樋口:なるほど。冒頭正直今日ここにくるまで若干エロい気持ちになってた自分が恥ずかしいです。全然イメージと違った。

深井:エロい気持ちになれるところもあると思います。

樋口:わかりました。ということで次回からも引き続き室越さんにもお話しいただいてやっていこうと思います。よろしくお願いします。

深井:はい。