#197 教育の歴史 ー人間は何のために学ぶのか?ー

【今回の内容】
株式会社COTENからの重要なお知らせ/バリューブックスさんからの書籍プレゼントキャンペーンのお知らせ/『教育の歴史』スタート/そもそも教育って何だろう/コストと社会のニーズ/古代の学校/読み書き計算のシンプルスキル/古代文明ならではの事情/エリート階級のための教育/これからの流れ/過去シリーズ復習のススメ/サポーター募集中です

樋口:世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオ。世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオパーソナリティの株式会社BOOK代表樋口聖典です。

深井:株式会社COTENの深井龍之介です。

楊:同じく株式会社COTENの楊睿之です。

樋口:このラジオは歴史を愛し歴史の面白さを知りすぎてしまった深井さんを代表とする株式会社コテンのお二人と一緒に学校の授業ではなかなか学べない国内外の歴史の面白さを学んじゃおうという番組です。お願いします。

深井:はい、お願いします。

楊:お願いします。

樋口:さあさ、ということで早速なんですけども時間もあれなんで告知の方をやってもらいたいと思うんですけども。

深井:みなさんに報告が一つあるんですけども、株式会社コテンが資金調達を完了しました。

樋口:いよ。素晴らしい。おめでとうございます。

深井:ありがとうございます。ただ、スタートラインに立っただけなんですけど、資金調達が終わったからといって何も完了してない、始まってるだけなんですけど。始まれた。

樋口:これはでかいですよ。

深井:始まれた。これ世界史のデータベースに対する出資なんですよ。世界史のデータベースね、まだマネタイズ案てのは確定されてはない。確定されてないマネタイズ案にお金を出す方々が出現してきた。

樋口:ここがどれだけすごいことか伝わるかな。

深井:これは歴史的なことだと僕は勝手に思ってます。

樋口:これ、経営というかもしかしたらされてない方はこれのすごさがどれだけすごいかが。

楊:わかんないですね。僕はイメージできないですね。

樋口:だいたいだって出資する時って出資した分以上のお金が返ってくるから出資する。

楊:そうですよね。

樋口:個人投資家もベンチャーキャピタルもそう。

深井:その確からしさを説明するってのが大事なんだけど。どうなるかわかりませんが社会的に価値がありますという、もちろんマネタイズする気はあるからできると思うけど現時点で予測することにはあまり意味はありませんというそういうような調達の仕方をした。

樋口:すざましいですよね。

楊:投資家の方々のみなさんはどういう理由で投資いただいたの。

深井:もちろん人それぞれたくさんいらっしゃるので人それぞれで違うと思いますが。やっぱりこの事業に対する、この事業というのは世界史のデータベースの話ね、世界史のデータベースを作るということに対する意義の深さを理解してもらい、そしてそれができるだろう、そしてそれがインパクトがでかいであろうということを信じてもらって出資をしてもらってる。だからあくまで、現時点で具体的な予測はできませんがちゃんとそれはマネタイズしますよということは当然言ってます。でないと株式会社である意味がありませんから。ただ不確実な未来に対して投資をしてくれる人たちがいるということはすごいことです。金融なんで、金融の論理なのにそれができてるということは、すごいというのは僕たちがすごいんじゃない、出してる人たちの精神性がすごい。それが恩があるから頑張ろうとは思ってない、別に。ちゃんとやりたいことをやって実現させていきたいなと思っていて。データベースは今回調達した金額だけでは実は全く作れないんですけどごくごく最初の卵みたいなベータ版を作ることができる。そのβ版があればさらに次のステージに我々は突入することができると思っていて。そういうような調達として今回調達をしています。

樋口:あとは走り続けるだけですね。

深井:そうですね。メンバーも増えましてね。本当に一年前から何人増えたかな。外部の人たちも含めて10何人くらい増えた。

樋口:増えましたね。

楊:そうだよね。

深井:この人数でどんどん事業も。コテンラジオの事業も進めていきますし。データベースの事業も進めていきたいと思ってますので。

樋口:はい。すばらしいですね。

深井:ありがとうございます。もう一つバリューブックスさんですね、いつも大量の本を送ってもらってますが。今回もまたコラボをしようねということでこの教育の歴史のシリーズの今回の特典すごいね、これ。あるハッシュタグ付きでツイートした人の中から抽選で1名様に今回の教育の歴史の参考文献を全部プレゼント。

樋口:太っ腹、全部。

深井:全部、大丈夫ですか、これ。

樋口:全部。

深井:おれら100冊くらい読んでると思うけど。プレゼントされる方も大丈夫ですか。

樋口:一人に全部。

深井:多分。

楊:しかも中国語の本もありますけどね。

深井:それもね。

樋口:へえ、すご、これはすごいね。

深井:バリューブックスさんから僕たちに送ってくれたのが40冊くらいあるので、それをプレゼントしてくれるんだと思う。それでも40冊ですから。

樋口:これは太っ腹。

深井:どうやったら応募できるかというのを言いますね。バリューブックスから本を購入してください。CDやDVDでもOKです。この届いた本の写真と購入番号ですね、もう一回言いますけど届いた本の写真と購入番号をハッシュタグ#コテンcoten-vbですね。もう一回言います#coten-vbでツイートをするとこのツイートをした人たちの中から抽選で1名の方に参考文献を全てプレゼントする。われわれがどういう本を読んだかということを追体験できるんじゃないかと思います。

樋口:すごい、これは。

楊:ハッシュタグは小文字だよね。

深井:大文字でもヒットはすると思うけど小文字でお願いします。あと対象期間は、応募対象期間はこの教育の歴史の放送開始日、今日ですよね、これを放送してる今日から最終エピソード公開日までですね。詳細については概要欄のURLを確認してください。あと、バリューブックスから本とかCDとかDVDを購入してその写真を載せないといけないのでアマゾンとかじゃなくてバリューブックスのサイトから購入をお願いします。バリューブックスさん本当僕たちのことを心の底から応援してくれてる人たちなので是非なんかもし我々を応援しようと思う方がいらっしゃったら我々を応援してくださってるバリューブックスさんを応援してくれると結果的に我々も喜びますので、是非欲しい本がある方はバリューブックスさんから1冊本買って応募してくださったら40冊届くかもしれない。後もう一つね、プレゼントする参考文献は古本と新刊どっちも混ざってるそうです。

樋口:まあ、文字はちゃんと印刷されてますから読めます。

楊:そうです。

深井:是非よろしくおねがいします。

樋口:したら本編にいきますか。

深井:はい。

樋口:教育の歴史、人間は何のために学ぶのか—でございます。さあさ、教育。前回は織田信長だったんですけども今回久しぶりに人物じゃなくて一気通貫型の。

深井:テーマ。テーマ系のやつですよね。

樋口:教育。

楊:要望多かったです。

深井:アンケートをとった、ツイッターで。教育の歴史とあともう一つ何かと迷った。税金かな。

樋口:税金か。税金もあった気がする。

深井:忘れた。それで教育の歴史の方が票が多かってこっちにしました。

樋口:教育は僕自身今3歳の子供がいるんでまじ悩んでます。悩んでるというかわからなさすぎてどうしていいかわからなく日々これであってるのかなと思いながらやってて。これがいつまで続くのかなと思ってる。だからめっちゃ興味あります。

深井:教育を歴史レベルでみると範囲が広すぎて。例えばですけど子供に教育するっていう概念も比較的最近の概念なんです。

樋口:え。

楊:樋口さんが息子さんに対してああでもないこうでもないと悩んでる。この悩み自体がそんなに歴史が長くない。

樋口:どういうこと。

楊:親が子育てに対して悩みを抱くというのは。

深井:そう。なんかの悩みは持ってたでしょうが今のように親が悩むみたいなこともなかった。だから今これを聞いたらまじで意味がわからないから徐々にそれが明らかになっていく感じなですけど。教育というのがまず出てきてるのが近世くらいからなんです。

樋口:え、そうなんですか。

深井:はい。それまでって僕たちからはすごく想像がしずらいんですけど、例えば生活の中で教育がめちゃくちゃされてたりする。だから農民に生まれて農民で死んでいく人に哲学とか教えてなくて、昔。農民として生まれていくためのこのコミュニティでどういう振る舞いをするべきかと座学ではなくて実践の中でしか教えてないし。種撒いたりとか稲植えてそれを刈り取るとかいうのこの時期にこうしないといけないよというのも実践の中で教えてるだけで。同じ年齢の子供集めてその子たちに段階的なカリキュラムもって教育をしないといけないというのはずっと誰も考えてないです。

楊:仕組みとしてね。

深井:考えてるだけだったら古代ギリシャとかで一瞬考えたりしてるんだけど、そもそもだれも行ってもないです。じゃあなんで行うようになったのかというのも今回のポイントなんですけどね。

楊:例えばもっと古い時代だと狩猟採取の時代ってあるじゃないですか。狩をしたりとかそこらへんに生えてある木の実を採ったりするような。そんな時代に生物としてサバイバルするためにすごくコストをかけなかってはいけない時代だった。そのスキルというのは生活空間の中にあった。今のように生活空間と仕事の空間と分離されてないので生活がそのまま仕事。なので当時の若者とか子供たちは親とか集団の先輩たちが例えばどういう風に狩りをするとかどういうように木の実を採ったりするのをそばで見て真似て、それで自分たちでスキルをつけてサバイバルスキルをつけていったんです。

樋口:なるほど。

楊:だからそこを教育といえば広い意味で言えば教育なんですけど仕組みとして今深井くんが言ったように学校の中で一つの枠組みの中でみんなで一斉に教育をうけるというような教育ではないですよね。

深井:そうなんです。

樋口:だから選んでもない。自然とそこにあってそこから学ぶから。何かを学びたいからとか教えないといけないかとうのも選ぶという感覚ではなかった。

深井:あとはさっき出てきた生きるということと仕事をするとか他のことが生きるなんです。つまり生きてるだけなんで、何かをするためにスキルを習得してそれを自己実現のためにやっていきたいみたいなことは到底誰も考えてない。

樋口:そうか。

深井:極々最近の、自己実現とかになると本当に最近の話。ここ僕たちくらいの世代くらいから。

楊:それまでには狩猟採取の後にだんだんと経済が、社会が進化して分業が生まれる。例えば貴族だったら貴族、統治者だったら統治者で宗教を司る人なら司る、稲を植えたりとか魚をとったりする、みんな分業が生まれてくるんです。その生活と仕事がここで分離されるんです。家の中では生活する、でも仕事は外に出かけてする。それぞれの領域でスキルというか知見が溜まっていく。その知見を溜まっていくことによってその知見を習得するのにハードルが生まれる。

樋口:難しいことをしだすから。

楊:そこで専門的な教育がそっから生まれていくんです。魚を獲る人は魚を獲るところだけスキルだけをつけていく。そのスキルに長けた人から教えてもらうことが生まれてくる。

樋口:そうかそうか、分業制。

深井:それも座学でもないけどね。結局のところ師匠が弟子に教えているみたいな状態。いずれにせよとっちらかりますけど、一回教育のこと全員忘れて聞かないとずっと意味わからないと思う。

樋口:なるほど。今僕らが想像している教育ってこれってやつですね。

深井:それは本当にごく最近にできた人類の営みの中で極々限定的な概念であって、ほとんど今まで生きてきた人類はそんなこと考えてもないし、子供に何かをしてあげないといけないということを考えてもないし、なんも考えてないです、教育に関して。

楊:そもそも子供という概念もものすごく近代の概念です。

樋口:そうね。

深井:はい、これあとでまたすごく詳しく喋りますけども、子供という概念は中世ヨーロッパの概念にはなかった。

樋口:え。

深井:子供なんて思ってないんです。

樋口:子供。え、どういうこと。

深井:年齢区分で人間を分ける意味がなかったので、彼らには。年齢区分で分けるということもしてなかった。

楊:だから子供だからといって彼らのレベルに合わせて物事を優しく教えるとかしなかったんです。

樋口:はあ。

深井:大人と同じ教育をしてたりした。

樋口:むずいな。

深井:死ぬほど感覚違うんで。

樋口:一回忘れないといけないですね。

深井:今回は感覚をいかに捨てされるかが一つの鍵になると思います。

樋口:今僕の頭の中にいる金八先生を。

深井:金八先生とか絶対にノイズになる。

樋口:一回、武田鉄矢さんに退いてもらって。オッケー、今どっか行きました。なるほどわかりましたわかりました。気をつけないとですね。

深井:今回教育の話をしていくにあたって、ポイントとしてはそもそも教育とは何かという話がまずあります。こういうポイントで喋っていくよという話をします。教育とは何かという話もありますし、あとは大切なポイントはその教育が行われるときにその教育のコストを誰が払ったかということですね。つまり教育コストはとても高い、とても大変な活動なんです。これは自分が生きていける上に余った余剰の力を使わないと教育ということはできないんです。これは仕事を想像してみたらみなさんわかりやすいですけど、大きい企業だったら新しく新入社員いれてその人たちを一年間ずっと育てるみたいなことしてるところも、1年間はほぼないかな、三ヶ月とか。

樋口:研修期間。

深井:研修期間があったりするじゃないですか。そういう期間を設けたりだとか、もっと言うと今の子供たちは公教育で、義務教育が9年間ありますよね。就学してから9年間なんで義務教育が終わるのが16歳くらいです。言ってみれば16歳まで生産活動しなくていいことになってるじゃないですか。これは相当やばいことなんです。会社で16年間入った後で何にもしなくていいから学ぶだけ学んでその後活躍してくださいなんてしない。けど、社会はそれをしてる、子供に対して。

楊:ちゃんとそのコストを背負ってるんです。

深井:そう。これが背負えるようになるまでと、それを背負うのが当たり前に思うようになるまでにめっちゃ時間がかかったんです。

樋口:会社から考えたらものすごい長期投資。

深井:そうなんです。超長期投資でしかも子供は別に働ける、農作業だって別に5歳でも6歳でもできる、やろうと思ったら。だからさせてたわけ。そこから今のような社会に、もちろん一部の社会ですよ、我々が所属しているような社会はそのような社会ですよね、公教育のある。そういう社会に移行するまでの変遷というものがあるんですね。

樋口:はあ。

深井:これがまた社会によって規定されるんです、それが。

樋口:社会によって規定。

深井:つまり僕たちはそのようなニーズを持ってるのでそういう社会にしてる。倫理観とかでやってるのももちろんあるんですけどそういう社会にしたいというニーズを僕たちが持ってるから子供に投資をしてる状態になってる。古代も実は意外とそいういうニーズがあったんで古代も実は学校があったりする。けど、中世そのニーズがないので学校がなかったりするという謎の直線状にずっと進化しているという考え方ではなくて、教育ってのが教育の在り方というのは社会の在り方の鏡として常に存在していて、社会の中でのニーズに合わせて教育の形がずっと変わってきてそれは進化という過程で単線状にこうやってレベルアップしてるという見方でもない。全てのパターンが別々に存在していて社会によってそのパターンが異なるだけだということなんですよね。

樋口:へえ。全然わからないです。へえとか言いながら。

深井:具体例で紹介していきます。

樋口:なるほど。まあ概念はわかったですけどなんでそうなってるのか、じゃあどういうことなのかというのがわからないですね。

深井:ですね。今の時点では意味わからないってだけ思ってもらえれば。

樋口:興味は沸いてます、めちゃめちゃ。

深井:よかったです。じゃあ古代から始めます。まず学校ていうものがこれもね、非常に我々が学校って想像すると小学校中学校高校を想像しますけどちょっと違う。いわゆる座学を想像してください。座学を人間がいつ始めたかですね。これはメソポタミア文明、シュメールですね、の時に始まったようです。

樋口:めっちゃ古い。

深井:めっちゃ古いですね。紀元前4000年から3000年くらいの間。

樋口:ほお。はいはいはい。

深井:に、どうやら都市文明が開花しメソポタミアの南部のシュメール地方というところで文明が開花して、そこにいろんな民族が集まっていたりして共存してたそうです。共存しながら文明を築いていくということをしてた。次第に政府という組織が出てきます。このいろんな人たちを一つの統一手法で統治していこうと古代文明てみんなそう出ていく、古代四大文明みたいなのがある、中国とメソポタミアと、あと。

樋口:エジプト。

深井:エジプトとインド。

楊:統治ニーズ。

深井:そう、それが出てくるんだけど。統治ニーズが社会に出てきて、政府組織を作りましょうってなる。近代の教育ってのはここに思想がはいってまた思いっきり変わる。中世から近世にかけて教育思想に関する大転換がおこる、そこにくるまでは基本的には教育ってのは読み書きができる、そして計算ができるという人たちを養成しなければならないという社会のニーズによって学校が作られることになります。

樋口:わかります。

深井:これは非常に示唆が深いことで、教育の一番基を辿ると読み書き計算なんだということですね。このニーズが逆に言うと、このニーズがなければ学校はなかったしこのニーズがあれば学校があった。つまり座学があったということです。これはすごい発見なんですけど。

樋口:え。そうだろうなという感じなんですけど。

深井:でもこれをね、会社とかの教育で座学が必要な会社教育と座学が必要ではない会社教育とどのように分かれているかという話と照らし合わせてみんな考えてほしい。

樋口:どういうことだろう。

深井:会社でも研修をやったほうがいい教育と実践の中でOJTで学んだほうがいい教育ってのがありますよね。生活の中にも当然そういうのがあるけど学校というものは文字を書いたり読んだりする、そして算数をするということに関しては生活の中ではできないと思ったのでそれをしてないんです。

樋口:ほうほう、なるほど。

深井:これ、なんでかという疑問になったりしませんか。

樋口:なんで、確かに。

深井:親が教えればいい。

樋口:確かに、本当ですね。本当本当、なんでだ。親が教えられなかったんですか。

深井:まあ、親が教えられなかったんでしょうね。

樋口:ええと。

深井:ローマでは実は親が教えたりしてる。

樋口:時間がなかったのか、単純に親が知識がなかったのか。

深井:政府がそれを要求したってことが大事なんです。さっきも言ったけどコストを誰が払ってるか。コストを払ってる人にメリットがないと誰もコスト払わない。

楊:インセンティブだよね。

樋口:うん。

深井:政府は文字を書いたり読んだり計算してくれる役人が一気に必要になった、政府を作ったことによって。政府を作ったときに村とかいうレベルで目が届く範囲であれば文字もいらないし究極算数もそんなにいらない。けれどもこれが自分たちの目の届かない範囲を同時多発的に統治しようとするとどうしても文書のやりとりであるとか数字を足し算してそれぞれのところの数字を各地方の生産量みたいなの足し算して全体統計したりとか、そういう必要性がでてきます。

樋口:そういうことか。

楊:遠隔地を統治するために文書行政が必要になったってこと。

深井:そうんだんです。そういうのが必要になってきます。

樋口:そういうこと。だから家で普通に生活してたら文字なくても普通に生活できちゃう。

深井:文字なくても生活できちゃう。

樋口:なるほど、なるほど。そういうことか。

深井:けれどもポイントは政府が要請があったので政府がお金を出すようになったということがポイントなんです。

樋口:ニーズがそこにあったということですね。

深井:そうです。これが政府にニーズがなければ政府はお金を払わないので誰も教育しない。めっちゃ当たり前なんだけど中世ヨーロッパで学校がないのはこれが理由なんですね。

樋口:はあ。すごい。

深井:政府は別に領民に文字を書いてもらったりとか算数をしてもらう必要がなかったので学校を作らない。

樋口:なるほど、はあそうか。だから。

深井:めっちゃ当たり前に話なですけど。

樋口:めっちゃ当たり前ですけど、今のおれの今日本のここが当たり前すぎてピンとこなかった、一瞬。なるほどそうか。困るのが政府なんです。

深井:困るのが政府だったんです。

楊:人材確保のためだった。

深井:そう。役人を養成、つまりエリート教育するために文字を書いたり読んだり計算してくれる人たちの数を増やそうとした。そういう書記の人たちを養成するための学校が作られて、ここに実は読み書き算数だけじゃなくていろんな科目が出てくるんです、シュメールの中で。すげえ昔の話ですよ、これ5000年とか6000年前の話。生徒が退屈しないように授業内容の工夫が行われたりとか。学園ものみたいな学校を舞台とした文学作品が書かれたりとか。

樋口:え。

深井:この時点でそれ言うという感じで。

楊:ラノベみたいな。

樋口:ラノベ。

深井:あったりするわけです。当然識字率がほぼ0の状態から識字率をあげて行かないと政府運用ができないので、識字率をあげていくためにそういう教育をするというのが一番最初にニーズとしてあって、それをやっていくんですね。これがまず政府のニーズとしてあります。もう一つ実はニーズがあって、交易のニーズてのがあるんです。

楊:ビジネスですね。

樋口:ビジネス。

深井:シュメールでいち早く学校という存在ができたのは、政府が必要だったからというのももちろんあるけど、もう一つシュメール文明が交易の拠点でもあり、交易にも算数と記録は必要だったってのもある。つまり主要産業でも必要だし、政府運用でも必要だからめっちゃ必要だったっていう状態が世界でいち早くたまたまここで生まれた。

樋口:なるほど。

深井:そうすると彼らはめちゃくちゃ必要なのでお金を払う人が出てきたわけです、教育に。何度も言いますが教育にお金を払うというのはかなり力のいることなんで。これができるというのは余程のニーズがないとやらないんです、人間は。

楊:あとよほどの金がないと。

深井:金がないと。彼らが豊かじゃないとできないし、そしてニーズがめちゃくちゃないとやらない。だって教育しても無駄だったらなんでおれらこんなことにこんなにお金を使ったんだっけってなる。

樋口:なりますね。

深井:そこにニーズがあるからできた。交易をする時は交易品をどれくらい仕入れてどれくらい出したってのは記録しないといけない。忘れちゃうから記憶だけだと、ていうのもあるし。当然算数ができないといけない。足し算引き算掛け算していかないといけない。

楊:語学も必要。

深井:そうだよね。他の言語も覚えないといけない、というのも起こります。

樋口:いやあ、納得です。

深井:はい。このように文字の読み書き算数ていうのが教えられていくんだけど、ここで一つ面白い現象が起こります。学校で教えられている文書の言語と実際に生活で使う言語が分かれて言ったりする。

樋口:へえ。

深井:この時はシュメール語で学校で教えてたんだけど、それが使用言語がどんどんアッカド語ってものに変化していったんです。けれども学校で教えてる言語はシュメール語のままだということが起こります。

樋口:はあ。

深井:これは中世ヨーロッパでもラテン語でずっと教えていて、でも使用言語は実はドイツ語だったりフランス語だったりイタリア語だったりするっていうことと同じような現象がここでも起こるんです。

樋口:ええと、なんでだろう。

深井:これも非常にだいぶ勉強しないと意味がわからないやつなんですけど、ちょっと初回から難しくて恐縮ですが、なぜこういうことが起こるか言いますね。一言でいうとテキストがその言語のまんまだからです。わかりますかね。

樋口:教育者がアップデートするのがむずかったってことですね。教育の方法を。

深井:むずいというかアップデートするためには普段使用してる言語がその水準まで洗練されてくれないといけないんです。例えばですけど、女子高生が新しい言語を作って彼らにしか通じない言語を喋ってますよね。あの言語で法律の言葉を全部書きなさいと言われても難しいじゃないですか。文法もよくわからないし語彙も決まってない。じゃああれで記述したら曖昧になるとか記述できてたことが記述できなくなるということが発生します。

樋口:そういうことか。

深井:なので簡単には適応できないんです。

樋口:そうかそうか。

楊:文法体型が普段使ってるものそんなに整ってない場合も多い。

深井:もちろん置き換えるコストもすごくて、いままでこの言語ずっと連綿と続いてテキストが溜まってるそのテキストを全部違う言語に置き換えるとなると、それを全部翻訳しないといけないし、一つの概念を相対しながら確定しないといけないのでものすごく大変だというのもあります。あとは言語ていうのがただのツールではなくて神聖性を帯びた宗教的なものであるってのもあって、そういう高尚な学問のような高尚なものを司るものは神聖な言語でやるものだという概念があったりします。

楊:漢字とかなみたいな。

深井:ラテン語とかはまさにそれ、神聖だね。神の聖書とか研究するなら神聖な言葉でやらないとねというのもあります。

樋口:確かにそれはわかりますね。

深井:そういうのもある。同じく、これ今シュメールの話だったんですけど、同じくエジプト文明てのもある。これナイル川のところに大きく作られた農業国なんですけど土地がめちゃくちゃよかったんですね、肥沃な土地だったわけです。肥沃な土地だったのでそこに大規模な文明が出てきます。しかも洪水が起こることによって土地が肥沃になるというところだったのでうまく治水を行わないといけないというニーズがあって。治水ニーズが出てくると基本的に国家形成されるので。みんなでなんかやらないといけないめっちゃ力がかかることが必要だと政府がでかくなるんです。

樋口:確かに、そうかそうか。力を合わせないとできないことがいっぱい出てくる。

楊:まさにインフラ事業でめちゃくちゃコストがかかる。

深井:インフラ事業が必要なところに古代文明が出てきたりするんですけど。エジプト文明はその典型だったわけです。このエジプト文明も文字を持ってます。表意文字も表音文字もどっちも持ってるんですけど。表意文字ってのはその文字自体が意味を持ってるやつ、漢字とかがそう。表音文字というのはアルファベットみたいに音を司ってる。漢字とひらがなの違いですね、みたいな感じで、そういうものを持っていて。結局その政府運営しようとすると全くさっきと一緒なんですけど。同じく読み書きを教えるというニーズが必要になってきた。なので書記は、書くに記すと書いて書記ですね。ものすごく地位の高い人なですけど、当時。この書記育成のための教育機関てのがエジプト文明でも出来上がってきます。

樋口:全然別のところでパンと生まれたということですね。

深井:そうです。結局これは相互連関どれくらいしてるか全然わからないですけど、政府が行政ニーズを持ち始めると書記が必要になるので、そこに教育コストを払い始めるという挙動が古代国家でおこり、それが一番最初の教育であったってことです。

楊:しかも読み書き計算というスキルというのは限定された人しか持ち得なかった。独占されてたんです。それをまた現代との違いですよね。

深井:まあそうですね。全員が勉強できるわけじゃなくて、そこまで余裕もないんで、国家も。全員に勉強させるわけじゃなくてその中でもエリートの人たちとか。

楊:貴族の人たちとか。

深井:貴族の人たちとか。そういう人たちが勉強してさらにエリートになっていくというためのものですね。ちなみにエジプトの時点で白板にパレットにインクにペンのセットを持って学校に通ってたらしいです。

樋口:へえ。なんかいい風景だな。

深井:今とあまり変わらない。

樋口:変わらないですね。

深井:なんていうか、手紙の架空の状況を設定した手紙を書く練習をするとか、そういうことをしてる。結局手紙を書いて欲しいということになる。手紙が書ける人間じゃないと困るので手紙を書く練習。こういう時はどういうように手紙を書くんだよということをパピルスに書いてね。

楊:確かに。日本にもあった。木簡とかに漢字をひたすら繰り返し練習してたものが出土してる。

深井:そういうコミュニケーションのニーズとか記録のニーズとか、そういうものを社会として補うための国家教育というものが行われてた。国家という概念じゃないですけど、当時。そういう教育が行われていた。そして、行政文書の文字というものと話言葉ってのはこの時点で分化してる。これすごく面白いことです。実際に今もそうだよね。同じ日本語使ってても行政文書の書き方は特殊な、我々の話し言葉とは違うじゃないですか。

楊:六法全書の文書とかも特徴的。

深井:ああいうことがどうしても起こるんです。六法全書の方を全部話言葉で書き換えましょうってならない。

樋口:むずいですよね。乙がめっちゃ悲しかった時はやめた方がいいとか。そういう感じになりますよね。

深井:そうね。

樋口:乙が。

深井:そこは変わってない、乙は。めっちゃ面白い、親近感がある。

樋口:親近感。

楊:乙はまたね、普通の言葉の中では違う意味です。

樋口:お疲れみたいな。

深井:そうね。

樋口:まあまあまあ。今でもそうです。教科書ともまた違いますし。

深井:このようにして教育というものが初めて生まれてくることになります。この後はダイジェストでざっくりどんな話するかだけ言っとくと。

楊:章立てをね。

深井:古代ギリシャの教育とかローマの教育の話をこの後して、ギリシャででっかい転換点がある。どいういう転換点かは第2回目で話します。基本的には西洋の話で、今回あるんです。もちろん中国と日本とイスラムの話もするんですけど。本当はインドの話もしたかったんですけどインドは文献が残ってなくてよくわからない。どうやら高等教育をずっとしてたみたい。口述教育を。キリスト教がローマが滅びてキリスト教が広まってくると今までの統一国家ていう大きい国が治めますという状態ではなくなる。前もどっかで色々何回か言ったと思いますけど。そうすると結局社会が変わったから教育の形がビビるくらい変わってくるわけです。常にこの順番なんです。社会が変わってそれに合わせて教育が変わる。当たり前なんですけど、当たり前なんですけどそうなんです、ていうのがあって。それで全く新しいギルドの中での教育が中世で行われて。さっき言ったみたいにその時ってのは子供っていう概念がなかったりする。

樋口:衝撃だな、子供がないってのが。

楊:子供の扱い方も全然今と違う。

深井:その後大学がなぜ出てきたのか。でっかい転換点として子供を大切にし始めるんです、人類は。大切にし始めてからめっちゃ子供の教育について考える奴が出てくる。奴とか言ったらだめなんですけど考える立派な人たちが出てくる、偉人が出てくるんです。本当に子供をどうしたら彼らが人間としていい人生が送れるかみたいなことを超考える人が出てきて。

楊:吉田松陰級の偉人が西洋に出てくる。

樋口:へえ。

深井:その人たちが出てきて、その人たちが考えたことを次実践する人たちが出てきて。その実践する人たちが僕たちの今の教育の直接の祖先です。そんな感じなんです。それをちょっと詳しく喋っていく。あとは中国とか日本とかも全く違う感じなんで、それと。どう違うのかとかも含めて。

楊:サマリーのところだけをね。

深井:結論からいうと僕は今回の教育の勉強をして教育というものを考えるためにはそもそも人間とは何かを考えないと考えれないんだということがわかりました。

樋口:ええ、そういう話になっていくんだ。

深井:そういう話でした。

楊:めっちゃ勉強難しかった。思想の話だよね、結局勉強したのは。

深井:つまり社会が変わった時に新しく教育考え直す人たちってそもそも人間とは何で彼ら、わたしらですけど、どういう社会を作ったりどういう人生を歩んだら良くて、そのために教育がどうあるべきかというこれくらい0ベースに戻らないと教育の在り方って考えれない。

樋口:それはそうだ。

深井:それ以外の教育ってのは全部生活教育なんです。つまり、ここがでっかい違いなんです。人類はずっと生活教育ばっかりしてる。つまり生きていくためにこれが必要だからそれやるよねってことをしてるんだけど、技術的な話、技能として家事ができるとか、そういうこと。

樋口:生きるために必要なこと。

深井:狩ができる。

樋口:ライスワークだ。

深井:ていうのをやってきたんだけど、途中途中で中世ヨーロッパのそれこそルソーとかまた出てくる、今回。ルソーとかがそもそも人間てこうだよねみたいな話をするんです。もしくは社会って今まで王様が治めてたけどそれっておかしくて、本来社会ってこうだよねみたいな話をするんです。それに伴って社会が変わっていくんです。社会が変わっていくのに伴って教育が変わっていくんです。

樋口:そうか。

深井:だから教育を変えた一番のドライブポイント、キーポイントは人間とは何かという問いだったんです。

樋口:壮大だな、これは。

深井:そこまで考えないと教育が考えれないのは、たしかにそうだなと思う。

楊:このシリーズやっぱ今でこそやれるシリーズだよね。

深井:今までのやつ聞かないとちょっとむずすぎてわからないから。もしこれ一番最初に聞いてる人は他のシリーズ聞いた方がいいです。宗教改革も聞いた方がいいし、アメリカ開拓史を聞いた方がいいし、前提知識がないと社会を理解しないと教育がなぜこうあるかがわからない。

樋口:なるほど。かあ、これはいい教育になってますよ、すでに。

楊:うまいこといいますね。うまいこと言おうとした。

樋口:言おうとして薄かった。

深井:どうなんですかね。みんなのためになるのかどうか僕は心配ですけどね。わからないままフィニッシュすることがあり得るくらいの壮大なテーマでしたね。

樋口:それはそれでね、一個わからないということがわかるだけでもいいかもしれないですね。

深井:ということで先が気になる方は是非アーリーアクセス。

樋口:出た。

深井:サポーターに概要欄からサポーターリンクに飛んでもらうか、コテンラジオってグーグルで調べてもらったらコテンラジオのオフィシャルサイトがあるので、そこからサポータになるってのをクリックして進んでもらえると月1000円から、2000円でも3000円でもお気持ち分の載せてもらうのは僕たちはすごくありがたい。実際そういう方々いらっしゃってすごいありがたいですけども。

樋口:ありがとうございます。

深井:アーリーアクセスがおまけについてきますのでサポータになっていただけると。別にもやもやさせたくて一話をこうしてるわけじゃないですけども、結果たぶん早く、もやもやすると思います。

樋口:聞きたくなってます、俺も今。

楊:180ページ分の台本の内容を聞くことができます。

樋口:今日もそんな感じなんですか。180ページ。

深井:まあ調べちゃったよね。興味があって。だってわかんなかったもん、調べてて意味わかんなくて。調べちゃったんだけど180ページ分はだいぶ削ります。詳しすぎてしんどいと思う、聞いてる方も本当に辛いと思う、もはやここまでくると。

楊:樋口さんが白髪になる。

樋口:白髪になる。金髪から、金から白になる。

深井:ということで次回、ギリシャとローマの教育について。

樋口:ということで一気に聞きたい方は是非アーリーアクセスでということで。ありがとうございました。

楊:ありがとうございます。

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