【今回の内容】
源氏から足利氏へ、室町幕府/支配領域はコンパクト/大名(たいめい)の登場/中央化を進める足利義満/地方で力を蓄えていく守護代/ブレる足利将軍たち/部下に暗殺された6代将軍/ガバナンスの低下と応仁の乱/混乱する世の中で生じた下剋上/戦国時代の始まりへ/各地に現れる個性豊かな戦国大名たち
樋口:突然ですがお知らせです、一言コテンラジオの方から告知があります。お願いします。
深井:はい。突然なんですけれども、住友生命グループのメディケア生命さんとコテンで実はコラボをして、AIぴったり保険診断(歴史人物バージョン)というのをやります、キャンペーンをやります。AIぴったり保険診断てこれ自分の今の考え方とか価値観にぴったりな保険を提案してくれる新しい試みなんです。自分のタイプごとにぴったりの保険を提案してくれるんですけど、住友生命の方でめちゃくちゃコテンのことを応援してくれるリスナーさんがいらっしゃって、だいぶ前から応援してくれてて仲良くさせてもらってて、仲良くさせてもらう延長線上でぜひコラボしましょうよという話になって告知させてもらってるしキャンペーンやってるって感じなんですけど。そのタイプ診断をした時にこのタイプの歴史上の人物はこういう人がいて、そしてあなたはそのタイプでこの保険がいいですということをお勧めする。例えばこの診断だとあなたは織田信長タイプですね。織田信長タイプのあなたにはこのお勧めの保険がありますよ。織田信長タイプというのはこういうタイプですよってのはもちろん書いてある。
樋口:わからないですけど、めっちゃリスクとりにいく方。
深井:例えばそう言うこと。
楊:ちょっとした性格診断。
深井:けっこうなパターンがあって、期間がこれを放送して、これを聞いている6月16日、この告知は最後のエピソードにも入れようと思ってる。6月16日から8月15日までの間。二ヶ月間くらい。みなさんぜひコテンの応援だと思って、あと保険に興味があってまだ入ってないけどやって見たいなと言う方もぜひやって見られたらいいと思う。このポッドキャストの概要欄、もしくはコテンラジオのオフィシャルサイトのキャンペーンページ作ってますのでそこからアクセスすることができます。もう一つこれ面白いのが、僕noteをやっててそこでイラスト描いてくれてる、すごく面白いイラスト描いてくれてるいずいずさん。
樋口:はい。いいです。僕も好きです。
深井:言葉で表現するのめっちゃ難しいんですけど、すごく面白いイラスト描いてくれてて。今回この歴史人物、あなたこのタイプですってイラストが出るんですけど、このイラスト全部描いてくれた、いずいずさんが。自分たちでいうのもなんですけどめっちゃ面白いです。見て欲しい、それ。しかもこれをステッカーにして抽選でこのキャンペーンに参加してくれた方にプレゼントします。
樋口:あら。
深井:なんで、本当にぜひ応募して見て欲しいなと思います。100名まで抽選でプレゼントしたいなと思ってます。ぜひよろしくお願いします。
楊:お願いします。
樋口:僕もやって見ます。
深井:是非是非。
樋口:どうにかして信長だそう、頑張ります。
深井:そういう使い方じゃない。正直にいって、意味ないから。
樋口:わかりました。みなさんお願いします。以上お知らせでした。それでは本編に戻ります、どうぞ。はい、ええ、前回までは鎌倉幕府の内実と滅亡というところの話しをお聞きしました。続きです。
深井:はい、今日は室町幕府だよね。
樋口:はい。
深井:室町幕府は鎌倉幕府とかなり似てる。
樋口:ちょっと待ってくださいね。信長は。
深井:まだまだ、全然まだ。
樋口:え。これ信長のシリーズですよ。
楊:いつものことじゃないですか。
深井:まだまだ。次回信長。この回の次信長。
樋口:そうか。そういや、信長のこと忘れてました。
深井:日本史の話しだと思ってたでしょう。
樋口:そうそう。いやいや。
深井:これ信長なんです、今回のシリーズ。
樋口:忘れてました。
深井:今までの情報全部信長の時に役立つから。室町幕府は鎌倉幕府にそっくりな組織。要は源氏が足利家に代わったみたいな感じです。源家が足利家に代わった。最高職が当然将軍なんだけど、その次が執権だった、鎌倉幕府の時は。その名前が変わったみたいな感じで管領という人がいます。あとは政所とか引付方とか問注所とか元々の家の機関がまた同じように拡大されて使われているという状態なわけです。この執権に当たる管領ていうナンバー2の立場の役職ってのは3つの家でルーティーンで回されたりする。斯波家、細川家、畠山家っていう三つの家から出たりします。覚えなくていい。
楊:でもこの斯波家の下に織田家がついてる、たしか。
深井:そうだね。鎌倉幕府との違いがあるのは一つは幕府の直接統治範囲がめっちゃ狭いんです、室町幕府って。実は関東とか九州とか東北ってのは室町幕府て直接統治しなくなった。人に渡しちゃってる。
樋口:へえ。
深井:今で言う関西地方とかとあとは中国地方と四国、あそこらへんだけなんです、室町幕府。
樋口:狭い。
深井:めっちゃ狭い。ちょうコンパクトな政府なんです。小さい政府って感じ。九州とかは九州探題てのをを置いたり、奥州とかは奥州探題とかいうのを置いて。探題ってのは探すに題目の題て書いて。
楊:鎌倉にも置いてあるよね。
深井:鎌倉には鎌倉府、鎌倉公方と言う人いて、鎌倉府のトップなんです。
楊:関東あたりを統治する人。
深井:関東管領とか置いて。彼らが関東を治めてたり九州を治めてたり東北を治めたりするっていう状態でね。幕府は直接は統治はしてないというすごくコンパクトな。
楊:基本的に鎌倉幕府よりも力が弱いっていっていいのかな。
深井:さらにちょっと弱いかもしれない。税金の徴収とかはパワーアップしてる。商業的なところからも税金をとるということが起こってたりする。初代の足利尊氏さんと二代が足利義昭さんて、全然覚えなくていいけど、時代はですね、言って見れば有力な守護家、有力な守護、守護地頭の守護の連合政権的な政府なんです。だから足利家が超偉いという感じではない。一応盟主なんだけど守護が集まってね、警察権と軍事動員権を持ってるやつらが集まっていろんなことを決めてる状態なわけです。
楊:鎌倉幕府がやってた守護の制度。制度を生かしながらベースにしながら守護と一緒にお互い補完しあいながらやってたというイメージ。
深井:足利義満の時代。足利義満は教科書に太字で出てくる。これは第三代将軍足利義満の時代に南北朝時代、室町幕府と被ってるけど、三代義満まで南北朝で分かれて戦ってた。その討伐のために義満の方から派遣されていた人たちってのがけりがついていったので終息したんで京都に集められる。この京都に集められた人たち、有力な守護の人たちなんですけど、京都に残って幕政に参画する。幕政というのは幕府の政治のことです。
楊:中央政治。
深井:中央政治に参加するようになります。このような守護の人たちのことを大名と書いて大名と呼び始めます。
樋口:お、大名。
深井:これが大名のルーツですね。
樋口:出た。
深井:大名と呼ぶことになります。中央政治に参加している有力な守護のことを大名と呼ぶようになっていきます。元々守護ってのは世襲制ではないんです。世襲制ではなくて任命権を持ってるから、幕府が、誰に任命したっていいわけです。
樋口:そうか。
深井:いいんだけれども、次第に固定化されて世襲化されていく。
楊:権力がそこで固まっていく。
深井:固まっていく。
楊:それぞれの家に。
樋口:へえ。また、家になるんですね、この辺が。
深井:中央に今守護が集まっているという話ししたんですけど、逆に言うと義満が権力を持ってるからそういうことができるということです。元々守護ってのは地方にそれぞれの国を持ってる人たち。その人たちが将軍のお膝元に集まってくる、権力を持ってそういうことをすることによって守護が本国、自分の本領ですよね、元々の自分の土地の経営ってのをできなくなっていく。そのかわりに守護代という人に委任するようになる。
楊:代理みたいな。
樋口:代理人。
深井:代理人の代と書いて守護代と呼ぶ。その人に経営を委任するようになっていきます。これは元々なんで義満はそうやって守護を真ん中に集めようと思ったかというと、権力を削ぐためなんです。
樋口:はあ、そうなんですね。
深井:守護のちょう軍閥化、地方で守護が自分で権勢を誇るということを抑えるために、そして幕府で中央政治に参加させていくことによってある意味そのトップが自分なわけだから、自分の近くに置くことによって求心力を高めていくということをしてたわけです。
楊:パワーバランスの調整をしないといけない。
深井:そうそうそう。
樋口:はいはいはい。
深井:これがちなみに戦国時代を作ることに直結していくんです。
樋口:ええ。
深井:中央に守護が集まったことによって守護代が力を持ち始める。
樋口:逆に。ちょっと待って、それをしないために守護を集めたんですよね。
深井:そうなんですよね。
樋口:あれあれ、なんで。
深井:なんでそうなるかというとね、元々経営をしていた守護という人たちを中央に集めて幕政に参加させてその幕政の中で権勢を誇るということは確かに起こります。一方で地方では実際に経営をしている守護代に当然人徳も集まれば権力も集まる。実際にやってる人がその人だから。
楊:その土地の領民、民達を実務レベルで治めないといけない。もちろんその中には治めるのが下手な人もいるんですけども成功した人もたくさんいる。そこで領民から支持されたりとかありがとうございますインフラ例えば治水工事をして英雄として崇められたりとかもあるし、あとは統治のノウハウが溜まっていく。守護代の方に。そう言った状況が起きていく。
深井:また家臣団も、家臣団が一番重要、家臣の人たちである武士の人たちも守護代のいうことを聞いてる状態になる。
樋口:現場監督。
深井:実質誰の言うことを聞いてるかというと守護代の言うことを聞いてる状態なんで、究極だから守護と守護代が戦った時に誰に付いていくかというと守護代に付いていくことになっちゃう。
楊:実質的な地方の領主になる。
深井:そうそう、これが後々の下克上につながっていく。
樋口:なるほど。
深井:この後守護が実は将軍の権力が弱まると守護が地方に帰っちゃう。帰った時に実力を蓄えた守護代と帰ってきた守護が戦って負ける。これで戦国時代に突入する。
樋口:ちょっと待って。だから守護を呼んでなかったらそんなこと起きなかった。
深井:守護呼んでなくても起こってます。
樋口:守護を呼んでなかったら守護代じゃなくて守護がたぶん権力を蓄えてた可能性がある。
深井:そうそうそう。
樋口:なるほど。
深井:そう。これ三代義満の時の話。専制的にやってた、そうして権力を握るに至った。実際に自分の直接管轄地域の守護の力を弱めることが実際にできた。だけど第四代義持さん、足利義持さんという人が出てくる。この人は専制的政治をしないんです。どうやら義満のことが嫌いだったらしいんで、それで専制政治やめたって言われてる。在京守護、京都にいる守護との合議制で政務を決定するという昔のスタイルに戻すことになります。それをすることによって守護の人たちと仲良くなって、九州に遠征したかった、彼は。九州に遠征したかったけど、みんなで九州に行こうぜっていったけどみんないかなかった。
樋口:言うこと聞かなかった。
深井:なんかね、みんな保守的になってて、守護の人たちが。遠国に遠征するってのはすごく消極的になってたみたい、この時代。行かなかった。
楊:遠い国にね。
樋口:うん。
深井:だけど次の次の代が足利義教さんていうんですけど、この義教さんという人はまた専制化に振れる。だから専制と合議制がいったりきたりということです。合議制、専制、合議制、専制、ってなったってことです。
楊:この揺れ動き、統一しない感じもすごく評判が悪かったんです。
樋口:はあ、はっきりしてよ。
楊:どっちなんだ。これも室町幕府のガバナンスの低下につながった原因でもあります。
深井:この義教さんは、第6代足利義教さんは全国支配をもっと進めていこうとした。逆にいうと全国支配してないということ。
樋口:そうね。
深井:全国支配を進めようとしていったんだけど、ずっと大名の反対にあってた。大名、有力守護の反対にあって頓挫してました。その人が死んだ、一番反対していた有力な畠山さんと言う人がいる、その人が反対してた人が亡くなっちゃう。そしたらその反動なんでしょうね、足利義教さんがめちゃくちゃ過激化して、武力でいろんな寺社勢力を抑えにいったりとかするわけです。比叡山延暦寺との関係も悪化させたりして焼き討ちしたりする、比叡山延暦寺を。信長の前に実は焼き討ちとかしてる。
樋口:そうなんだ。
深井:小規模だけどね。
楊:信長の規模ほどではない。
樋口:ほお。
深井:信長もそんなに規模でかくないと最新研究では言われてるけどね。面倒臭いけど、そう言う形で攻めたりしていって、かつ専制化を進めるために今度は守護勢力ってのを削減していこうとする。義満の時と一緒。いろんな有名な守護の人たちを殺したりし始める。
楊:粛清を始める。
深井:義教さんが。そうすると守護の人たち怖くなる。
樋口:怖い。
深井:何、俺も殺されるんじゃね、みたいな感じになっていくわけです。これ、本当に皮肉なんだけど外敵がいる時、全国制覇してない時ってのは内乱てのが起こりにくかった。内乱が起こると将軍家内で御家人同士で内乱が起こったら誰かがまあまあまあ、敵がいるから僕たちって喧嘩してる場合じゃないって言ってたわけ。
楊:まとまる理由になる。
深井:なる。それが外敵を倒しちゃったからまとまる理由がなくなっちゃったんでガチの内乱、内乱というかやばいことになってくるんです。その中に赤松満祐さんという人がいまして、この御家人の中に。この人が義教、足利義教さん、将軍を暗殺します。
樋口:うええ。うわああ。
深井:この赤松さんの前に将軍が二人くらい殺してる、守護を。それをみて怖くなった、赤松さんが。おれも殺されるんじゃね、殺される前に殺したろって殺すんです、将軍を。
樋口:ほほほ。
深井:で、この将軍を殺しちゃったあと、殺すんだけど別に入れ替わったりしない。あくまでこいつやばいって殺すわけです。大名同士の結束がそれでなくなる。今まではそうやって赤松さんが殺そうとしたら他の大名が、まあ待て、そんな将軍殺すみたいなことやめよう、だって敵いるから。っていってた。それが抑えが効かなくなってエスカレートしちゃったってこと。
楊:大名同士も別にお互い助け合うこともしない。
樋口:かあ。
深井:そのあとは二代連続幼い将軍が擁立されちゃう、そのあと。
樋口:なんだかな。
深井:ここら辺から地方に対するガバナンスがきかなくなっていく。統制が効かなくなっていく。具体的に言うと軍事招集できなくなっていく。集まれっていっても集まらなくなった。
樋口:そりゃそうなる、それ考えたら。
深井:これはやばいってなって、将軍がそんなことになってきたので京都にいた守護の人たちが帰っていくんです。帰ったら守護代が実務やって力蓄えててこいつと喧嘩になる。
樋口:さっきの話し。
深井:戦国時代になるんです、それで。
樋口:へえ。
楊:京都は京都で武士がいなくなったことによって空洞化しちゃう。
深井:そう。
楊:一気に、一気ではないけどかなり早いスピードで幕府の力が落ちていく。
深井:この帰ってきた守護を守護代が殺すというのの典型例が朝倉氏が斯波氏を殺しちゃう。
楊:朝倉も後々織田家とも因縁が深い。
深井:そうだね、織田に結局負けちゃう。
樋口:ぐちゃぐちゃになりましたね、なんか、日本が。
深井:やっぱりね、権力、統制する権力がないってのは不幸なことなんです。
樋口:そう見えますね。
楊:国土的に日本も統治しにくい感じがする。平野がいろんなところにばらけてる。前深井くんが言ったけど、ドイツと似てる。
深井:そう、どいつも領邦国家なんだね。山がちの国なんで領邦国家っていって国が細かく分かれる。日本もそう統一政権が作りつらいとうのは確かにあります。
楊:地理的な要因は一つあるかもしれない。
樋口:なるほど。
深井:こんなぐだぐだな時に決定打として応仁の乱と呼ばれるやつが起こります。この応仁の乱てのも戦国時代の始まりだと言われてる有名な乱なんだけどめちゃくちゃ複雑と言われてるやつです。
樋口:はい。
深井:はい。複雑なのでこれを逐次話しても面白くもなければ何かがわかるわけでもないのでめっちゃエッセンスだけ抜き取って喋ります。これも通説と新しい説みたいなのがある。たぶん普通の人からしたらどっちでもいいくらいな違いしかない。一応喋りましょうか。通説は一言でいうと応仁の乱が何か、将軍の後継争いが発展していって、全国が二つに分れて戦っていったと言われてる。足利将軍家の8代足利義政、これの後継者として弟の足利義視という人と息子の足利義尚と言う人が対立した。これに管領家、ってナンバー2の座をルーティーンで回してる有名な有力守護である畠山と斯波、という家の人たちが家督争いに参入していったと言われてる。ざっくりというとこういうこと。将軍の後継争いが発展したということです。もう一つ新しい説で言われてて、最近注目されたのが、将軍の部下の部下ナンバー1とナンバー2が喧嘩したんじゃないか。
樋口:全然違う。
深井:全然違うけど、普通の人からしたら別にどっちでもいいし。
楊:喧嘩したわけでしょ。
樋口:簡単。
深井:ようは、そうです、御家人同士で喧嘩したり将軍同士で喧嘩した、将軍の後継同士で喧嘩して日本を二分するくらいで戦乱が拡大していったよということです。この応仁の乱によってただでさえ中央集権というか中央政権のガバナンスが効かなくなっていってたのがより弱くなっていくわけです。これによって足軽とか野伏せりとか呼ばれる人が台頭してくるわけです。
楊:足軽ってよく聞きます。あれはもともと説にもいろいろ説はありますけど、もともとチンピラ、ヤクザです。
深井:略奪する人です。
楊:略奪する人です。京都で。
深井:その人たちは借金とかもあるけど武力で踏み倒したりとか。
楊:元犯罪者とかで、傭兵みたいなものかな。
深井:そう言う人たちが傭兵として雇われて足軽になったんだということを言われていたりだとか。あと野伏せりというのももともと百姓とか地侍だった人たちが傭兵として雇われた人なんだ。こういう人たちが雇われて戦争をするんです、応仁の乱というのは。
楊:10年だったよね、10年間。
深井:すごい長い間ぐだぐだの戦争をしていくわけです。
楊:京都がそれで荒れ果てる。
深井:京都がそれで荒れ果てていきます。
樋口:ありゃりゃ。
深井:治安が悪いということが言いたい。この応仁の乱が起こったことによって何が起こるかというと先ほどの守護、在京守護である京都にいた守護の人たちってのがみんな国に帰っていたよって話しをした。いよいよマジで帰っていって、結果的に細川という家しか残らなかった。この細川さんていうのはちなみに僕が生まれたころかちょっとあとくらいに総理大臣になった細川さんの先祖です。
樋口:へえ。
深井:若い人全然知らないと思います。生まれた頃というか僕が10歳頃かな、覚えてない。楊:まだ続いてる。
深井:まだ続いてる。
樋口:ふうん。
深井:この細川家しか京都に残らないということが起こったわけです。この細川氏自体も力を失ってしまう。これによって力の均衡バランスが崩れちゃう、有力大名同士のですね。守護が京都から帰っちゃったことによって将軍というのは全国に対しての影響力を失う、先ず。もともとはそれぞれの土地から来た守護に対してその場で権勢を振るうというのができなくなっちゃう。しかもナンバー2で権勢を振るってた細川氏も力を失って均衡バランスが崩れてしまう。これによって何が起こるかというといわゆる誰も幕府のリーダーシップを取れなくなってしまう。
樋口:そういうことですよね。
深井:いよいよ混乱状態に陥るわけです。
楊:無政府状態。
樋口:きたああ。
深井:この混乱状態に陥った時に守護代とか在地領主で力を持ってた人たちが台頭してくる、これが戦国時代です。
樋口:なるほど。
深井:よく下剋上という。下のものが上のものをおらって殺してるっていうイメージですね。あれも実はよくよく調べるとイメージが違う。
樋口:へえ、そうなんですか。
深井:これはね有力大名の部下ですよね、に、将軍が直接命令するようになってしまった。つまり将軍は部下の部下に直接命令をするようになった。自分の部下を飛び越して部下の部下に直接命令を下すようになった。なんでかというと自分の部下がいうことを聞かなくなったからです。だけど将軍の権威はまだあるんで部下の部下とかだとちょっとびびって聞いてくれる。なので直接部下の部下に命令を下すようになった。そうすると部下の部下としては自分が直接将軍から命令されてるわけなのでそれが守護代ってこと、あれおれは守護代だけど実質守護なんじゃないとなってくるし、そもそも守護を任命する権力を持ってるのは誰か、これは将軍が持ってるわけです。だから将軍が認めてくれたら守護になれるわけ。だから下剋上が起こる。
楊:将軍が自分から守護の制度を骨抜きにしたんです。
深井:だから将軍は自ら身分秩序を破壊して戦国時代を招いてしまう。
樋口:おもろ。
深井:これ会社でよくあるよね。
樋口:なるほど、ある。
深井:骨抜きにしちゃだめなんだなとちょっと思ったね。今と簡単にアナロジーぎにしちゃだめなんだろうけど。
樋口:なるほどね。
楊:社長が部長の部下に直接命令するみたいな感じ。
樋口:システム自体が。
深井:だから自分でシステムを壊してるってこと。確かにそう。
樋口:そうか。上の人間の意思でやっちゃったんですね、それを。
深井:それを上の人間の意思でやるから下のものとしてはただ実力があるから殺そうと思ったんじゃなくて、上の上に認められてるから自分が上に行こうと思った。
楊:だから一応大義名分みたいなものがあるんです。
樋口:はあ。
深井:そういうことです。
楊:状況的な条件がそろってる。
樋口:はあ。
深井:リスクない、だって将軍から認めてもらってて自分が倒したら守護になれるんだったら。
樋口:ですね、はあ面白い。イメージが全然違った。
深井:はい。
樋口:はい。
深井:このようにしてこういう下剋上というものも起こってですね、いよいよ戦国時代に突入していきます。これが信長の時代です。やっと信長の時代で800年まえからずっと説明したけどやっと今信長の時代まで来たよ。
樋口:やっと800年経った。
深井:はい。
樋口:はいはい。
深井:こうやってプレイヤーが揃っていく。じゃあプレイヤーを紹介するね。
樋口:やっと。
深井:どんな人たちが出て来たか。まず、守護が戦国大名になるケース。これは基本的には上洛しなかった、ようは京都に行かなかった人たち、何回も言った。この人たち、例外もいるんだけど多くはそうです。どういう大名がいたか知らない人もいっぱいいると思うけど、一応読み上げますね。大友宗麟、大分の人、武田信玄、これを知らない人はいないでしょうね、今川義元、これは信長にぶっ殺される人。
楊:桶狭間で。
深井:はい。大内義興、はい。この人は在京してたらしい。あとは島津なんでこれは薩摩島津です。
楊:有名です。
深井:この人たちは守護だった。もともと守護だったけどそのまま戦国大名になった人。今度は守護代ですね。自分の上司を飛び越えて大名になっちゃった人たち、下剋上した人たちです。朝倉孝景、越後長尾氏、これは上杉謙信の家です。あの長尾さんていう本当は、上杉さん。織田信長。
樋口:きた、よ。
深井:やっときた。
樋口:うん。
楊:しかも織田信長って守護代の部下。織田家が。
深井:織田家は織田家自体は守護代だったりするけど、信長の織田家はさらにその守護代の部下。
楊:そうそうそう。
樋口:身分はそんな。
深井:分家、分家。
楊:分家。
樋口:はあ。
楊:だからそんなに織田家の中での棟梁の織田家じゃない、織田信長の出身の家は。
深井:尼子経久、あとは三好と呼ばれる人、三好氏、あとはそのさらの下の地頭、この当時は国人、国の人と書いて国人が戦国大名になったケース、毛利元就、真田昌幸、幸村さん家ですね、長宗我部、これ四国の人ですね、あとは龍造寺家、知らない人は飛ばしましょう、そのどれでもないやばいやつ、斎藤道三、北条早雲、もうなんかわからんけど、なぜか大名になっちゃった人たち。これ、誰、みたいな。
樋口:そんなの出てくるんだ。
深井:だれこれみたいな人がいる。これが斎藤道三と北条早雲です。
樋口:へえ。
楊:道三の娘と結婚したのが織田信長。
深井:そうそうそう。
樋口:ふうん。
深井:濃姫とね。あとこれと別の勢力として寺社勢力がいます。
樋口:来た。
深井:比叡山延暦寺、石山本願寺、これ浄土真宗、一向宗とも呼ばれます。高野山金剛峯寺、真言宗、空海。
樋口:空海ですね。
深井:興福寺、法相宗。法相宗、これは覚えてなかろうけど玄奘です。
樋口:おお、玄奘。びっくりした。
深井:全部繋がってる。
樋口:意外なところから出て来た玄奘。
深井:この人たちが本当はもっとたくさんいるけど、プレイヤーとしてこういう人たちが揃ってくる。この応仁の乱までの一連の流れの話しした、鎌倉幕府はぶっ飛んでって、室町幕府ができたけど義満が専制化してまた合議制になって専制化して京都に集めてそしたら守護代が権力を握ってみたいな流れを説明しましたけど、この流れによって今のプレイヤーが揃っちゃう。この人たちが実力で戦っていくという世界に突入して戦国時代になっていくわけです。
樋口:うわあ、すごい。かっこいいですね。
深井:はい。この状態であの信長の野望とかプレイしたら楽しいと思う。
樋口:これ守護大名系のやつじゃない、みたいな。
楊:そういう話もできたら楽しい。
深井:そうそうそう。
樋口:もともとこいつ守護代じゃない、みたいな。
深井:そうなんですよ。
樋口:へえ、面白い。
深井:とうことでやっと信長の時代に追いつきましたので、次回から信長の話。
樋口:次回からかい。いやあ、でもついに信長登場ですね。
深井:はい。
樋口:いやあ、楽しみですよ。ありがとうございました。
楊:ありがとうございます。
樋口:はい。