#188 「悪党だけが笑っている!」鎌倉幕府、政治的混乱により滅亡。

【今回の内容】
鎌倉幕府の新たな支配/権力と権威の分離を会社組織で例えると/家の独自機関で国を治める/揺らいでいく幕府の支配/元寇と天皇家の分裂/土地を奪う!悪党の登場/武士の始まりは不法占拠から?/鎌倉幕府末期の混乱/領地から出たくない武士のお悩み/室町幕府の誕生へ/本当に欲しかったのは安心?

樋口:はい、ええ、前回までは鎌倉幕府誕生のお話をお聞きしましたけども続きです、お願いします。

深井:はい、鎌倉幕府についてもう少し詳しくやって理解していけたらなと思っております。鎌倉幕府の誕生によって東日本も日本になったよという話しをしました。彼らは、これも繰り返しになりますけど、東国ですね、板東の在地領主です、土地を持っている人たちで実力者の人たちというのを家来にしていって組織していく。そして守護と地頭の任命権を将軍が持ってますのでその守護とか地頭に任命していく、特に地頭に任命していくわけなんだけれども、この地頭、守護に任命していく将軍の立場ってのは守護のリーダーでもあり、全守護のリーダーでもあり、全地頭のリーダーでもあり、全国の警察権と軍事権を統率する立場でもある、だけれども行政権は元々は持ってなかった、それをちょっとずつ取っていったけど全部は取ってないという状態です。この幕府の権力がどのようにあったかってのは実はそこそこ未だに諸説で分れてるんです。今まで説明したように別の国ぽく捉えてもいいよという考えかもあるし、東と西日本は別々の国レベルで別れてたんじゃないかという話もあれば、その相互に補完し合いながら一つの国家を作ってたんだよっていう話もあれば、それが一番有力な説なんですけど。そういうのがあったりします。幕府が税金あまり納めなくなった時に承久の乱が起こって朝廷が倒そうとしたけど朝廷が負けたよって話しました、前回。その朝廷が負けて以降に関してはさらに幕府の権威、権威と権力ってのはどんどん上がっていって西日本全体にまで及ぶようになっていくわけです。それまではどちらかというと本当に関東だけを治めているという状態だった、幕府が、朝廷を倒したことによって一旦、だけど天皇はもちろん倒してない、生きてます、そのままいる状態、倒したことによって西日本に御家人をエリアマネージャーかのように送り込んで行くことをしてるということを言いました。

樋口:言いました。

深井:これてってめっちゃいびつな状態なんです。

樋口:そう思う。 

深井:他の国でなかなか起こらないくらいいびつな状態でね、これね、例えてみるね、会社に。日本が本社の会社があります。アメリカ支社長がいます。アメリカ支社長の売り上げが前者の中で日本本社も入れた中で80%くらいはアメリカの人たちが売り上げを上げてますというくらいアメリカの人が強いです。日本で取締役会をやっててそこで色々決議してるけどみんなアメリカ支社長のいうことを聞かざるを得ません。なぜなら彼らが80%売り上げを支配してるんで、みたいな状態です。他にもアメリカ支社以外にも例えばヨーロッパ支社とか中国支社とかアフリカ支社とか南米支社とかもあるんだと。あるんだけれどもその他のエリアの支社長はみんなアメリカ支社長の下についてるような状態なんです。本社じゃなくて。

樋口:ほぼアメリカ。なるほどね。

深井:だから人事権も支社長を誰に任命するかとかも比較的アメリカ支社長の一存で決まっちゃう。みたいな。取締役会はあるんだけども影響度合いがめちゃくちゃ少ないみたいな。けれども本社の取締役をじゃあアメリカ支社長が首にしたりするかというとしない。本社の役員がなにしてるかというと社内表彰の時だけ出てきて社内表彰の賞状だけ渡します。そんな感じなんです。めちゃくちゃいびつな会社、それ。

樋口:いびつですね。実質権力はほぼない。

深井:そう、そういういびつなことをやってます。

楊:本人たちはいびつだという感覚はあった。

深井:ない。

楊:初めてのシステムだから本人たちもそれでやって行くしかない。

深井:非連続型じゃなくて連続的にそうなってるから、徐々に。

樋口:そうですよね。

深井:ルーツがあるから彼らからするとそれが一番やり易くて自然な、そうなるよなみたいな感じでやってるわけ。という状態です。さっきの例えも乱暴なんで、歴史学レベルでみたらいろんな誤謬があると思いますけど。

樋口:イメージでね。

深井:イメージで言いました。ちなみに室町幕府もだいたい一緒です。江戸幕府は全く違います。江戸幕府から日本て死ぬほど変わるんですけど。

樋口:へえ。

楊:逆に言うと江戸幕府からちゃんとしたシステムが立ち上がった。

深井:だからね、そういう意味でいくと古代から中央権力化しようと思ってできなかったことがずっと出来ずに鎌倉時代と室町時代を経て戦国時代を経てやっと秀吉とか家康の時代で中央権力が進んで出来上がったってきたってのが日本史て感じ。

楊:ちゃんとサーバー入れ替えようぜ。

樋口:根本から変えようと。

深井:ちゃんとクラウド化するなら全設計考え直さないとそんな置き換えるだけじゃだめだよ。

楊:本当そんな感じ。

樋口:運用で頑張るのは無理。

深井:DXじゃないよ。ただのデジタル化だよみたいな話し。

楊:ちゃんと力をもってないと出来ない。

深井:設計から変えないとダメだよ。やったのは明治維新くらいでしょうかね。

楊:それの戦国時代は炎上案件みたいな。

樋口:炎上案件。

深井:システムのバグみたいなのがずっと出続けるみたいになってます。鎌倉幕府の体制ってのも前回も言いましたけど、元々は家の統治方法を、私的機関の統治方法を使って幕府の統治方法にしてる状態ですよね。これは侍所とか、政所とか出てくる。日本史学んでる人は聞いたことがあるのではと思う。政所ってのは政治の政に所です。所とかいて政所と読みます。これは元々は侍のものでさえでもなく貴族の家政機関、家の政治機関、家政機関といいますけど家政機関だった。これに習って頼朝も同じような機関を設置した、つまり侍所、政所とか、執権とかね。そいういうのを作って行くわけです。評定衆ってのは内閣みたいな感じなんですけど。

楊:取締役会みたいな。

深井:そうだね、合議体なんだけどね。こういうものがあったりだとか。あとは引付衆という裁判機関があったりだとか、御成敗式目っていう家のルールがあったりだとかします。ここらへんのやつってのは全部家のルールなんだってことです。家のルールを使って全国を治めているのが日本。

楊:今と個人じゃないですか。例えばいいかねパレット株式会社ブックはみんなそれぞれ個人で組織に参画してる。でも当時だったら例えば取締役会の取締役は全部樋口家とか。

樋口:一族でやってる。

楊:いいかねパレットのブランドを管理する係、それは青柳家が代々引き継ぐ。

樋口:単位が家とか一族なですね。

深井:そうですそうです。その機能は基本的に家が担ってる状態ですね。

楊:だから家は絶対存続させないといけない。じゃないと断絶すると組織の中でそれの機能を担う、職務を担う人がいなくなるから。

深井:そうそう。ちなみに一夫一妻制とかもそこから来てるから。女性の権力が落ちて行くのも家が引き継ぐというところから出て来ます。

樋口:面白い。

深井:古代は女性権力強かったりするのが下がって行くんです。長男に継がせていくという考え方になって行く。これはちょう余談ですけど。

楊:今深井くんが言ったようにそれまでは分割相続といってみんなに財産を配ったんですね。

深井:鎌倉時代とかまだ分割相続なんだけどね。

楊:ある時から配る土地が少なくなったりとか、あとは戦争がなくなって一時期平和になると財産を分配する機会がなくなる。土地も土地開拓、耕作できる土地の開拓も限界が来て、なので土地は面積はかわらない。でもどんどん相続していくと土地って細切れになる。細切れになっていくということは一つの家としての権力というか財産が減って行くということなんで、だったら最終的に長男、長男とは限らない、養子とかあるけどちゃんと家督を継ぐ跡取りを決めてその人だけに継がせて行く。

樋口:面白い、これは。

楊:というシステムに相続の転換がある。財産がもらえない人は寺に行ったりとか朝廷に入ったりとか。

深井:そういうのを吸収する組織としても勢力としての寺社家ってのもある。

楊:だから寺社家とかも武士とか貴族の次男三男坊とか入ってそこで政治力をつけて行くという流れもある。

樋口:面白い。だから相続するものが土地だったら細切れになるってのは面白い。確かにそうだ。

深井:そうなんです。

楊:長男というか跡取りだから相続できるということにずっとなっていくことによって、その家庭の中でも権力と権威の分散が起きるんです。お父さんじゃないですか、家族の一家の大黒柱、お父さんだから偉い。お父さんが有能だろうが無能だろうがちゃんと土地を親から相続してるからそれだけで偉いんです。

樋口:そうですよね。

深井:というシステムにした。それがその時代には合致してたということですね。

楊:それが今も日本の文化としてまだ残ってる。

深井:もう変わるところですね、完全にこれから変わっちゃうところだと思う。そういうルーツだよってことです。

樋口:面白い。

深井:この幕府が国家権力みたいなものをどんどん段階的に取って行くんですけどいろんなことが起こって今度はダメになっていきます。一つは元寇がきますね。

樋口:外敵なんだ。

深井:外的要因でモンゴル軍が攻めて来た時に頑張って追い返すわけです。あれで九州に来ました。九州というのは西日本ですから非御家人が多いんです。その非御家人とか頑張って戦った。頑張って戦ったんだけども幕府ってのは私的なところから出て来た武家の頭領で、武家の頭領が保証してあげたりなんかいいことしてあげる対象って御家人だけなんで。自分の家来にだけはいいことしてあげるけど非御家人は無視される。それですごいあれなんでおれたちこんなに頑張ったのにだめだったんだみたいな感じで不満が募っていったりとかしたり。そういうのもありますし、もう一つが鎌倉時代末期に天皇家が二つに分れちゃう。この天皇家が二つに分れた仲裁を鎌倉幕府が頼まれる。この二つに分れた仲裁からこの戦いに巻き込まれていくわけです。そうするとその時の現天皇である後醍醐天皇という方がいるんですけど、この人に敵認定されちゃうんです、鎌倉幕府が。

樋口:かわいそう。

深井:鎌倉幕府はその対立している天皇家二つの家があったけど、どっちとも交互に天皇になればいいんじゃないかみたいな話しをしたら、なわけないだろって後醍醐天皇が言ってそれで喧嘩になるわけです。戦乱の世がまた到来してしまいます。

樋口:ありゃりゃ。

深井:この戦乱の世が到来するとどういうことが起こるかというと武士ってのは在地領主ですからある土地を管理管轄してる。その土地から離れて戦争にいかないといけない。その土地から離れて戦争に行くってかなりリスキー。

楊:守れないからね。

樋口:盗られる。

深井:盗られるんです。盗っちゃうやつ出てくる。中央権力がしっかりしてないので日本が。そういうことする人が出て来ちゃうわけです。だから御家人がこの戦乱の中で所領を離れるということが起こっていった時に離れた所を占領しようとしてくる違う武士のやつらが出てくる。この人たちを悪党と呼びます。

樋口:悪党。

深井:語源なんです、今の悪党ってのはこの人たち、この時の悪党から。

楊:意味は違うみたい。

深井:よくないことをしてる人って意味では当時の人たちからみたら同じなんだけど。この悪党がたくさん出てくることになるわけです。政治的混乱が天皇家が二つに分かれて起こってるのとプラスこの時に起こったのは悪党という人たちが出現したことによって領地を奪ったり奪われたりするってことが起こって行く。これによって戦乱の世に突入していく。政治的混乱だけだったら政治的解決ができる。ここのポイントというのはそこに巻き込まれたのが在地領主だったから在地領主が所領を離れたことによって政治的な解決方法だけで解決ができないというやばい状態に陥ってた。これを幕府が捌くことができなくて、うまく裁くことができなくて鎌倉幕府は滅亡に向かうというのが流れなんです。

樋口:かあ。

楊:一番基盤のところのセキュリティが穴がボコボコできてそこから一気に崩れていった。

深井:将軍の最たる役目はなにかというと、所領安堵なんです。この所領安堵のできない将軍なんていらないんです。それで足利尊氏が出てくる。もう少し詳しくこの話しする。悪党というのは元々領主に年貢を納めない、そして実力占拠してくる武士とか没落した武士とかですね。

楊:さっき言った相続できなかった次男三男もその中にいます。そのまま相続できなかったのに自分ちの土地にずっと居座るみたいな。おれはどかないぞ、おれは俺の土地にするから。

樋口:なるほど。

深井:中央権力が弱いからそういうのになるって話もした、今まで。中央権力が弱いのにそうなるのはもちろんそうなんだけど、もう一つ理由があるなと思ってるのが元々武士というもの自体が人の土地盗りがちなんです。盗る傾向がある。人の土地を盗る傾向がある。あと思い出して欲しい、この人たちの誕生のルーツが墾田永年私財の法で自分たちでこうやってやったりとか軍事権ももってて攻めていったりして、そこの在地領主と結びついて実力でのし上がって来た人たち。だから人の土地盗りがちなんだよね。

樋口:血気盛んなんだな。

深井:血気盛んなんです。

楊:すごい、これ聞くと怒る人いるかもしれないけど武士の始まりは不法占拠からです。

深井:そうね。本当そう。

樋口:おもろ。

深井:こうやって人の土地を盗りがちな人たちだったところに統制が聞かない中央権力とか幕府とかの発言権が弱くなることによってこれがまた活発化、抑えれてたのが抑えられなくなって活発化するという構図なんです。活発化して悪党が出現していろんな土地を盗ってくるとなったときに何が起こったかというのが、まず御家人、将軍の家来である御家人は将軍の命令によって、将軍が内乱に巻き込まれたから将軍のために命かけないといけないから将軍が集まれっていったら集まらないといけないわけ。集まって自分の土地を離れて戦争に行く。戦争に行ったら当然だけど当主が死ぬ可能性がある。当主が死ぬと一家離散になる。

樋口:さっきの後継が。

深井:例えば父と子が死んだらそうすればいいかといったら正当な後継がいなくなってしまうので一回それで全部全員破滅したりする、その土地。

樋口:その家がなくなる。

楊:お家がなくなるし、そもそも土地を守る物理的な武力がそこでないから。

深井:そうそうそう。

樋口:やばい。

深井:武力全員連れてってるから他の武士に横取りされやすくなる、それで。しかもこの時の内乱の時ってお互いの武士同士が自分の家来に対して何を説明してたかというと、ここの土地まだお前の土地じゃないけど、もし奪ったらそれお前の土地にしていいよみたいなことを言うんです。これを切り取り次第という。とんでもない話、これ。人の土地を奪ったらお前の土地にしていいよって勝手に言うんです。

樋口:そうか。

深井:なんで、実力行使で取りに行こうとするやつがこれでさらに増えて行くわけですよね。したら戦争行きたくないのに行かないといけないし、行ったら自分死ぬかも知れない。自分が死んだら、自分が死ぬだけならいいけど自分だけじゃなくて一家全員離散して自分の家臣とか家族全員だめになって人に奪われてひどいことされる。本当にひどい目にあう、人身売買とかされるし、みたいなことが起こる。なんなら実際たくさん死んでて、戦争に動員された人3分の1くらい死んでるらしい。やっぱそういうことが頻発してくる。こういう動乱の中でさらに土地の権利文書って一応あるけど、それが燃えたりする。燃やされたりする。燃やされたりすると裁判しても結局誰の土地だっけってわからなくなったりしてそれで結局土地失っちゃうみたいなことになったりとかね。

楊:結局最終的に土地を支配できるのは武力の強いやつということになる。

樋口:そうなるな。

楊:武力が既存の法律をこの時点超えちゃう。

深井:あとはね、さっき言ったみたいに父と子とかが出陣したりする。そしたらそれを代わりにその父と子の役割をする人とかも出て来たりするわけです、家に残ってる人、戦争に行った人でも逆のパターンもありえるから。どっちのパターンでも代わりの人が実力でけっこういい成果とか残しちゃうと動乱期だから、あれ、リーダーこっちの方がいいんじゃねってなったりする。それでリーダー入れ替わることも起こってくる。

樋口:むちゃくちゃだ。

深井:むちゃくちゃです。こういうことが起こると何が起こるかと心理的には、武家の心理、御家人の心理としては戦争に行くメリットスーパーない、全部デメリットなんです。リスクしかない、自分の領土を失うリスクが半端ない。たくさんデメリットがあってリスクがあって、でも戦争に行った所でこの前のモンゴルの時もそんなにいいことなかったしなみたいな感じなんです。それでみんな動員しろと言われて駈けつけろと言われても駆け付けなくなる。

楊:まあそうだよね。

樋口:そりゃそうだ。

深井:デメリットの方が多くなって駆け付けなくなる。全員防護型、自分の領地を守ろうとなる、自衛しようとなっちゃうわけ。この自衛しようとなって戦争が終わるんです。どっちが勝つとかじゃない。全員戦争に行きたくなくなって終わるんです。

樋口:おもろ。

楊:おもろいね。なくなってよかったね、戦争。

樋口:おもろい。身動き取れなくなる。

深井:リスクしかない。自分にいいこと何もないし、別にどっちの天皇勝ってもいいわけ、武士としては。幕府でもどっちだっていい。だからどっちか交互になればと言ってるわけ。

樋口:なんだろう、天皇、その時代の。なんか、コントだな。

深井:そうなんです。これによってですね、鎌倉幕府というのが信頼を失っていくんです。

この信頼を失っていった結果朝廷も幕府と揉めてる状態だった、さっき。これで新しい武士、もっと違う実力を持った武士たちが新たに朝廷と契約を結び直すということが起こっちゃう。端的にいうとこれによって室町幕府が出来上がるわけです。

樋口:そうかそうか。

楊:平氏、源氏に変わる新しい一派だよね。

深井:そうそう。

樋口:なるほど。鎌倉幕府が室町幕府に塗り替えられたわけじゃなくて、なくなって違うのが出て来たってイメージなんですか。

深井:倒幕します。塗り替えるっちゃ塗り替えるです。当時鎌倉幕府てのはもはや源氏である源家ではなくて北条家っていう執権というナンバー2の人が実権を握ってた。これも日本てのは権力が全部権威と権力で分化していくので、将軍が権威的になってしまって、実際に権力を握ってるのは執権の北条家だった。思い出して欲しいけど、御恩と奉公の関係てのは基本的には家と家の関係。幕府というのはとても私的な組織の特性を持っているので武士たちも途中で気づく、あれ、よく考えたらなんでおれら北条家のためにこんな頑張ってるんだっけ。みたいな、がんばらなくてよくないってなって、それで倒す。超ざっくり言うとそう言うことです。そこで後醍醐天皇とか足利尊氏とか新田義貞という人たちが出て来て幕府を倒そうとする。幕府を倒そうとするんだけど、そこで足利尊氏が擁立した天皇と後醍醐天皇ってのがまた対立をして二つの天皇がいる状態になって、これを南北朝時代と呼ぶ。この状態のまま室町幕府が出来上がって、室町幕府の三代目の足利義満の時にこの天皇がまた一つに戻る。

楊:北朝に統一される。

樋口:ふうん。

深井:北朝と南朝という。だから南北朝時代。そういう流れなんです、日本史って。今は日本史の流れというよりは武士の変遷を喋ってる。幕府がなぜ滅びたかというところが特徴的だよねという話しをしてる。幕府は本領が安堵できなくなったら滅びるんだよということです。この人たちは自分の土地を経営してその収入で生きてる人たちなんで、その経営がもっとも大切なんです。その経営をさせてくれる人をボスに選びさせてくれない人を切り捨てるという行動原理が彼らにはあるということです。これが侍の時代には一気通貫してこの原理原則で動いてる。

楊:自分たちのための土地を認めてくれる人を自分たちで担いで、でもその人に奉公するメリットがなくなればもういいです、自分たちは自分たちの土地をとりあえず守ります。それが一番大事なんで。

樋口:なんか、今の現代日本と違う世界ですね。まじで。

深井:違います、違います。死ぬほど違います。

樋口:全然違う。そう考えたら最終的におれら警察呼んで裁判すればいいわみたいな感じになってるけど、その前提がなかったらこうなるんですね。

深井:そう。本当そう、警察もいないし裁判もしてくれないし、みたいになったときに自分で守らないといけないとなった時に頼り甲斐がある人を頼ってその人を頭領にするってのはかなり自然な流れ。セーフティネットなんだよ。セーフティネットないからセーフティネットをみんなで団結して作るために幕府を作ったんです、彼らは。それが武士による武士のための政権、鎌倉幕府だった。そのシステムを引き継いで頼りなくなってしまった源氏と源家と北条家に代わって足利家というのが出て来て、その人たちが室町幕府を開くわけです。その室町幕府が頼りなくなった時に出てくるのが信長なんです。

楊:と、いろんな戦国大名。

深井:と、戦国大名です。

樋口:なるほどね。

深井:という流れでございます。なので、次、室町幕府の話もさらっとします。

樋口:なんか、安心したいんですね、やっぱり。

深井:安心したいよね、それは。

樋口:安心したいですね。

深井:人間心理だよね。

樋口:はあ。

深井:安心ができるということは。

樋口:この辺の、僕中学校くらいまで歴史勉強して漫画とかで歴史勉強しましたけど、みんな権力が欲しいとか富が欲しいとか、そういう行動原理と思ってましたけど、安心したんだな。

深井:安心したい。

楊:やっぱり生きるためなんです。

深井:シンプルに安心してご飯食べたいんだと思います。

楊:それだけです。だから戦国時代ってすごくコンテンツ化されてますけど、その時代を生きる人の気持ちを真面目に想像したらたまらんと思う。僕はどっちかというとそっちの方に想像してしまう。

深井:デフォルトだからね、これが。他の世界知らないから。彼らから見たら僕たちめちゃくちゃ幸せな人たちに見えると思います。

楊:だっていいかねパレット、ガードマンいない。

樋口:本当そう。

深井:誰も殺しにこないんだ。

樋口:すごい。

深井:なんか、のぺとしても殺されないんだ、すげえ。そんな感じだと思う。

楊:入っていっても怖い人は刀持ってこないんだ。

深井:自分の土地って自分で守らなくても国が補償してくれてるんだ、そんなレベルです、この人たちは。やばいよね。

樋口:ごめん。なんか。さーせん。なんか。

深井:たのしいですね。

樋口:ありがとうございます。本当に。

楊:こんな時代に生まれてよかったですね。

樋口:国よありがとう。

深井:サバイバルだよね。

樋口:いや、おもしろかったです。こんな感じかね。

深井:はい。

樋口:こんな感じですかね。噛んでも安心。

楊:大丈夫。死にはしない。

樋口:噛んでも切られない。

深井:噛んでも殺されないからね。

樋口:ということで、こんな感じですかね。

深井:はい。

楊:ありがとうございます。

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