#179 “血染めの女王“メアリー1世の栄光と凋落。そして、バトンは渡された。

【今回の内容】
メアリーとフェリペ2世の結婚/結婚契約と戦略/盛り上がるエリザベスへの期待/ワイアットの乱とエリザベスへの嫌疑/メアリーとカトリック/フェリペの努力/プロテスタントの弾圧とブラッディメアリー/メアリーの病死とエリザベスへの王位継承

樋口:はい、ええ、では今回はフェリペ2世とメアリーの結婚の話からお話を聞いていきたいと思います。お願いします。

深井:はい。

樋口:はい。

深井:即位して早々にメアリーが結婚して欲しいという声は上がってたんです。それは世継ぎを残して欲しいと思うわけだし、あとは夫に政治を補佐してもらったらいいんじゃないとみんな思ってる、女性だから、そこは。

楊:常識だよね、当時としては。

深井:当時の常識として。メアリー1世自身もエリザベス1世に王位を渡したくない、嫌いだから。

楊:プロテスタントだし。

深井:プロテスタントだし、感情的に嫌いだから。この人に王位を渡さないためにも世継ぎを残したいと思ってたわけです。なので結婚したい。当時神聖ローマ皇帝カール5世がメアリー1世のメンターみたいになってる。このカール5世に対して助言を仰ぐわけです。この助言を仰いでたらカール5世から返って来た答えというのは、そしたら俺の息子と結婚するってなる。

樋口:ほええ。

深井:俺の息子ってのがフェリペ2世ていうんですけど、カール5世からしても、カール5世てフランスのフランソワ1世と戦ってたという話を宗教改革の話でやってたと思う。フランスと戦ってる。劣勢だった。イギリスが縁性国となれば強かった。情勢としては。なので、カール5世としても願ったり叶ったりの話だったわけです。だから自分の息子を出して、この息子と結婚させようかなと思うわけです。フェリペはこの時26歳。メアリー1世は37歳。

樋口:11歳差かな。

深井:けっこう年の差婚ですよね。

樋口:はい。

深井:とはいえメアリー1世としてもイギリス国民がなんていうかなというのがあったんで、考えさせてもらうねという感じで回答する。不安が大きかった、年の差婚だし、そもそも外国人と結婚するってことに対しての拒否反応が、今までいろんな問題が発生してたから、それにも拒否反応があったし、メアリー1世の母親ってキャサリン・オブ・アラゴンでしょ。キャサリン・オブ・アラゴンてスペイン人なんだよね。

樋口:ふうん。

深井:このスペイン人の母を持って、かつフェリペ2世て、カール5世の息子ではあるけど、スペイン統治してる。ハプスブルク家が神聖ローマ帝国とスペインとに領土を持ってるのスペイン側を任せてるのがフェリペの方なんだけど。だからスペイン色濃いんだけど、このスペイン色濃いフェリペと結婚したらよりスペインとの関係がくっついちゃう。

樋口:まあね。

深井:けどイギリス人て今フランスに寄ってた。スペインが裏切ったみたいになって、嫌いになってたから。スペインのこと嫌いになってた、ヘンリー8世の晩年の外交の軋轢があったので。という経緯があったのでイギリス国民がなんていうかなというのもあったし、あとはね、婦人病を抱えてたらしくて、メアリー1世は。今まで多大なるストレスを受けていたので。

楊:軟禁されてたし。

深井:お母さんが離婚させられて、みたいな。庶子に自分が落ちてみたいな。若い頃のストレスで月経不順とかになったりとか、婦人病を抱えてたらしくて。高齢出産が初産になるんで、いろんな意味で怖かったんです、メアリー1世としても。怖かったんだけど肖像画を送られて来た、肖像画がまた。その肖像画のフェリペ2世がイケメンだった。イケメンだったしフェリペ2世てマジでいい男なんです。すごい心奪われたらしくて、それが後押しになったという書かれ方をしています。本当かどうかはわからない。本当にそんな単純な人だったのかどうかはわかりませんけど、そういうふうに書かれてた。

楊:僕が読んだ中でメアリー1世の家庭教師はもしかして影響があると思ってて。メアリー1世の家庭教師にファン・ルイス・ヴィーヴェスという人がいる。

深井:すごい名前だね。

楊:すごい名前ですよね。この人がキリスト教の界隈の中でも女性教育に対して発言力がある人だったみたいです。どういった教育を推し進めてたかというと、当時としては当たり前、夫に嫁いで夫の国の繁栄に尽くす良妻賢母であることを大事に女性は大事にしなさいとか。女性の一生てのは結婚によって、結婚が一番大事なこと。だから女性は結婚前、結婚した後、旦那が死んだ時の寡婦になった時にどう振る舞うべきなのかを説いてた人なんです。こういった人の教えをメアリー1世を教育を受けてきたので、結婚の中での、結婚をしない選択肢とか結婚を迷う選択肢はなかったんじゃないかなと思います。彼女としては女王としてにもなったしなんとかして自分は嫌だけど色々気がかりはあるけれどもやっぱりちゃんと結婚をして一緒に国を盛り立てて行くというのが彼女の基本的な価値観として根付いてたんじゃないかなと思ってます。

深井:フェリペ側からしてもイギリスの女王と結婚することによって、さっきも言いましたけどそこが接近するってのはめちゃくちゃ政治的に強いすごくメリットのあることだったんです。それが推し進められた。メアリー1世もまんざらではない、これいいかもしれないと思い始めたから。その話が進んでいくんだけれども。

樋口:イケメンだから。

深井:イケメンだから。いい男ですから。その中で結婚の契約の内容かなり抑えられてて。結婚契約ってのがあるんですよ。

楊:契約。国ごとの交渉ごとですからね。

深井:そうそう。その交渉の中で本来であればフェリペが夫になれば、下手すると同等の権利を持ってイングランド王みたいになっちゃう。けれどもこの契約の中ではフェリペにはイングランド王の称号は与えられるけれども実権はない。イギリスの法律、イギリス、イングランドです、法律や慣習を守って国務の補佐をしても国務に口を出すということはできない。そして、役職官職聖職禄の任命権も持たない。しかもイングランド、イギリスにおいてはメアリーの方がフェリペよりも上だと。

樋口:だいぶ不利ですね。

楊:だからフェリペにとってはあまり旨味がないんです。

樋口:全然ない。

深井:そうなんです。なんで、旨味がないので、えってなったんだけど、それでも結婚した方がいいってなったのがスペイン側、カール5世というよりは、神聖ローマ皇帝としての立場ではなくてフェリペ側からもそう思ったんです。それで結婚する運びになっていくわけです。

樋口:メリットは。王様であるってこと、イギリスの王様。

深井:イングランド王になれるってのがでかい。

樋口:称号が欲しかった。

深井:色々禁止されてるけど、一回王様になって、そしたら自分の子供がイングランド王になる可能性がとても高い。それが強い。ハプスブルク家としてはそうすると神聖ローマ帝国もハプスブルク家です、スペインもハプスブルク家です、そしてイングランドもハプスブルク家ですとなったら、バロア家と戦ってるわけだから。バロアを全部囲むことになる。それ、強いですよね。

楊:後はイングランドはフェリペ側にとったら弱いんです。なんとかできると思ってたと思う。全然抱えてる人口もGDPも富の量も全然違ってたんで。ここで契約でこういうごちゃごちゃ言ってるけども一回結婚して中に入ってしまえばどうにでもできると思ったかもしれない。

樋口:なるほど。

深井:そもそもスペイン自体もその方法で獲得してるから。

樋口:ああ。そうなんだ。

深井:スペインの王女と結婚してスペインを獲得して結果的にフェリペ2世はスペインを統治してるから。同じことをイングランドで起こせるよねと思ってるわけです。ていう戦略があった。一方でイギリスの国民てのはこれをどう受け取ったかというとめちゃくちゃ嫌だったんです。まずカトリックが復活する、完全に。フェリペってスペイン、スペインて最もカトリックの急先鋒みたいな国なんで。そこが復活するのやばいだろ。せっかくプロテスタント、イギリス国教会になって、ローマ教会の力を弱めることができたのに、またそれが復活するの、今までの生活がまたがらっと変わっちゃう。自分が持ってる収入のいくらかが奪われるかもしれない、もしくはなくなるかもしれない。という恐怖があるわけです。

楊:教会に税を納めないといけないですからね。

深井:それに、そもそもスペインていうめちゃめちゃ大国と女王が結婚してこっち側が女だから吸収される。

楊:明らかに立場弱すぎ。

深井:イングランドなくなっちゃうんじゃない、という怖さがある。メアリー1世て最初人気があったけどこれで急落して行く。ざーて、ずどんって人気が落ちていって、いろんなところで反乱の兆しがあるわけです。4箇所くらいで蜂起の兆し、反乱の兆しがあったらしい。その反乱の兆しを一つ一つ潰していったんです。潰していったんですけど一つだけ起こっちゃった。

樋口:あちゃ。

深井:それがトマス・ワイアットという人に率いられた反乱軍がワイアットの乱という反乱を起こします。こういう状況の中でメアリー1世の人気がどんどんどんどんなくなっていく一方でエリザベスの方に期待が寄せられて行くわけです。

樋口:そうかそうか。

楊:勝手な期待を寄せられる。

樋口:勝手ですか。もうエリザベスしかいないわとなるんですね。

深井:これはプロテスタントのエリザベスを入れないとむしろスペインと結ぼうとしているメアリー1世相当やばいだろみたいになってて。これはエリザベスがよくないという感じで、エリザベスの方を盛り上げようとする勢力とかが出てくる。エリザベスからするとめちゃくちゃなストレスなんです、それが。まじで放っといて。エリザベスはこの時ストレス性の腎炎に罹ってる、悩まされて。頭と腕がひどい痛みで身動きが取れないくらいの不調なんです。

楊:盛り上がれば盛り上がるほど自分の身の危険が。

樋口:そうだね。

深井:そうそう。この反乱が起きるんだけれども、この反乱が起きた時にメアリー1世はエリザベス1世をロンドンに召喚しようとするんです。召喚しようとした時にエリザベスがストレス性の腎炎で動けないから、ちょっとマジで行けませんと言ったら、おまえ反乱軍と加担してるんじゃないのみたいな、疑いを今度かけられます。

樋口:きた。無理だ。どうやっても無理だ。うそ。

深井:はい。

樋口:はい。

深井:メアリー1世はロンドンで演説をしてこの反乱軍を鎮圧することができるんです。演説上手い、メアリー女王って。それで反乱を鎮圧させることもできて。そうするとエリザベスへの嫌疑だけが残る。おまえなんかしようとしとったろ、怪しいな。しかも噂も流れる。エリザベスとワイアットが接触したという。黒幕がエリザベスじゃないかということ。しかもメアリー1世の側近の人たちはエリザベス1世を処刑した方がいいよってみんなが言ってた。

楊:正しい判断ではあると思う。潜在的に自分の対抗勢力になるから早めに潰した方がいいというのはメアリー側の判断は正しいっちゃ正しい。

深井:どっちが先に殺されるかわからないという状態だから。自分が権力があるうちに相手を殺してしまおう。

楊:芽を摘んでしまおう。

樋口:ワイアットというのは誰でしたっけ。

深井:ワイアットというのは乱を起こした人。メアリーの、フェリペとの結婚に不満を持った人たちが蜂起をしようとしてほとんどが潰されたんだけど、ワイアットさんだけ残ってて。このワイアットの乱というのが起こったんだけどこれを鎮圧した。この鎮圧したときにエリザベス関係してないのに関係したんじゃね、ってメアリー1世が疑ってて。これによってエリザベスがまたかわいそうなことになっていくという話です。この噂で周りも処刑した方がいいんじゃないとか言っててですね。お前ロンドンに来いや、体調不良とか嘘だろ、つって。ロンドン来い。本当に体調不良だったんで10日間くらいかけて55キロくらいを移動してロンドンに行くんです。ロンドンにいなかった、その時は。ロンドンに着いたんだけど、メアリーに面会を求めた、エリザベス1世が。そしたら3週間くらい何も沙汰がない中で過ごさせられる。この時の不安は相当やばかったらしくて。これ絶対殺されるわ、みたいな感じだったみたいです。厳しい取り調べも受けて。けれどもなんの証拠も見つからなかったんです。

楊:関わってないからね。

深井:それにね、フェリペが、この頃、フェリペとメアリーがいい感じになってる。仲睦まじい感じになってる。フェリペもエリザベス1世殺すほどしなくていいんじゃないっていう助言をしたりして。メアリー1世もフェリペの言葉すごくよく聞く人だったので。

楊:良妻賢母であることが美徳である教育を受けてきたので。

深井:それに好きだし。フェリペ2世のことが、単純に。聞いて、そうしようかなという感じで。この時にエリザベスはメアリー1世に手紙を書いてます。へんな疑いが出たら直接私と話しておくれ。という話を前してた。

樋口:してましたね。

深井:あの時も言ったけど、本当それしてください。絶対に自分は反乱なんて起こそうとしてないです。誓ってそうです。という話をするんですけど、メアリーは決めつけてる。絶対関与してると決めつけてるから、こいつ嘘ばかり言いやがって。ということでまたメアリー1世もキレてるわけです。これ、ジェーン・グレイっていた、メアリー1世の前に9日間だけ女王になってた人。処刑から5週間しか経ってないし。エリザベス1世がロンドン塔に収監されてるときのはなし。

楊:粛清みたいな感じ。

深井:もう本当にこれ死ぬわってことで周りの、エリザベス1世の従者の人たち、召使の人たちが先に泣き出したりしてたんだって。エリザベス1世は弱音吐くなみたいな感じで。一回ここで覚悟決まってたみたい。

楊:死ぬ覚悟だね。

深井:このワイアットが反乱起こして、それ捕まえてた。このワイアットを拷問した、メアリー1世たちが。拷問したらエリザベスが陰謀に加わったって証言しちゃう。

樋口:ええ。

楊:たぶん、させたんだと思う。拷問で。

深井:拷問だから。関わっただろうとかいって拷問して。そうですみたいになっちゃう。

樋口:うわあ、最悪だ。

楊:だから強制自白。

深井:自白させられたから、いよいよエリザベスの立場が悪くなるんだけど。いざワイアットが処刑されるってなったときに、処刑台の上で、いや、やっぱりあれ嘘でした。拷問させられたから言ったんですという話をして。そうするとエリザベスを収監しつづける法的理由がなくなってしまって、2ヶ月後にロンドン塔から解放されるんです。ただ、その後廃屋同然の邸宅に移送されたりして。とにかく立場がない状態になる、エリザベスは。

楊:もっとも死に近づいた瞬間かもしれないですね。

樋口:ひい、怖い。

楊:首の皮一枚繋がったね。

樋口:怖い。

楊:ワイアットそれ言ったんだね。すげえな。

深井:10ヶ月後、この事件の10ヶ月後くらいにメアリーが妊娠してて、これ、妊娠してると思ってたら嘘だった、してなかった、本当は。妊娠してると思ってて気分がいい時にやっとメアリーと会うことができて。そこでエリザベスがいやあれは本当に濡れ衣だと。本当にそういうことはやってないという話をしたんだけど、そこでもやっぱりメアリーは未だにお前は嘘つくのか、という話をする。その後も監視され続けるわけです、エリザベスは。

樋口:怖い。

楊:メアリーがこれだけ粛清みたいなことをやろうとしたのは、一つはもちろんカトリックを定着させるためってのはあるんですけど。カトリックをイングランドに復活させることは彼女自身の政治生命にとってものすごく大事なんです。なんでかというと、彼女の母親ってのは一度婚姻を無効にされてる。なのでそれは彼女の生まれの正当性に対して傷があるんです。それをプロテスタントを押さえつけてカトリックの立場を復活させることによって自分の立場を正当性に対する疑問を払拭しようとする。

深井:結婚を無効にしたことが無効になるからね。カトリックを復活させることによってキャサリン・オブ・アラゴンとヘンリー8世の結婚は正当だったという話ができるので。ということは自分は王位継承権を間違いなく持ってるという話が間違いなくできるわけです。

樋口:大変ですね。

深井:大変です。

樋口:そっからやらないといけない。

深井:フェリペ2世の話をしますね。フェリペ2世は肖像画がイケメンだったじゃないですか、本人もイケメンです。

樋口:よかった。加工してなかったんですね。

深井:しかも彼は王者の威厳と気品というものを持っていて、しかも優しい。そして愛想がいいんです。で、男らしいんです。

樋口:かっこいい。

深井:面白い。写真みてみて、写真というか絵が残ってるからみてみて。確かにいい感じです。清潔ですごくセンスのいい服を着てるんですって、面白い。だから単純にもてる人だったみたい。

楊:本場から来たような感じだもんね。

深井:そう。

楊:スペックの高い。

深井:ハプスブルク家といったらね。めちゃくちゃ名門ですから。一方でフェリペはやっぱすごい残念だったみたい。メアリーと結婚するのが。すごいメアリーが老けてたんだって。

楊:苦労されてるから。

深井:苦労もあるんでしょうね。これ、書いてあったからいうけど。そんな貶めなくてもいいと思うけど。年より老けて見えて若さが感じられない、とか、まったく魅力を覚えないと書いてあった。これも側近が書いててびっくりしたんだけど、フェリペ殿下は並大抵の人間にはできない努力ですが、この結婚の目的をよく理解しておられて、そのメアリー女王と夫婦になるってのは並大抵の人間にはできない努力だってこと言ってる。

樋口:かわいそう。

楊:失礼。

樋口:かわいそう。

楊:完全に。

深井:手紙が残ってるから。そういうふうに見られてた、当時。

樋口:はい。

楊:政治のために頑張っていただいてる。

深井:でもフェリペは本心を絶対にメアリーには悟られないように細心の注意を払ってめちゃくちゃ愛想よく彼女をすごく立ててやっていたので、すごくメアリーからは好かれてたと記録は残ってる。

樋口:いい男だったんですね。

深井:そういう言い方するとかわいそうだよね、メアリーが。

樋口:歴史上に刻まれてるのかわいそう。

楊:ビジュアルに対する記述って異常に細かく残ってない。

深井:この時代のイングランドとかヨーロッパ。

楊:びっくりした。

深井:おれも本当びっくりする。

楊:それだけ顔、ビジュアル大事。

樋口:ゴシップ的な感じで書いてるんじゃない。

楊:そうだね。ちょうど印刷術が広まった時期なんで。王室とはいえどもゴシップの餌食になったって時代ですね。

樋口:そうかそうか、それもあるのか。

深井:フェリペがまたすごいいい対応するから、メアリー1世もフェリペ王のことすごい好きになったみたい。どんどんどんどん好きになっていったみたい。そうこうするうちに妊娠の兆候が出て来ます。医者からみてもこれは妊娠間違いない、お腹も膨らんでるし、これ完全に妊娠です。という話になって。フェリペ2世のお父さんである神聖ローマ皇帝であるカール5世も祝福してくれるし。国民も喜んだ、女王が妊娠したってなったら人気凋落してましたけど、それでも喜んだんです。多分この時がメアリー1世が人生で一番幸せだった時だと。幼少期から苦労してストレス抱えて精神病みたいにもなったんだけど、婦人病も抱えてたんだけど、妊娠もできたし旦那さんは誰からみてもいい男だったらしくて。これも記録に残ってったんだけど、本当に幸せな女性と言われてた。この人と結婚できるなんて、感じだったんです。

樋口:かっけー。フェリペかっけー。

深井:けっこう立派な人、この人は。でも予定日になっても全然生まれない。おかしいな。おっぱいもでるんだけど、なんでだろうとなったんだけど。これ実際は妊娠してなかった。

樋口:想像妊娠だったってこと。

深井:想像妊娠というかホルモン、どうやら彼女はこの時点で子宮癌だったんじゃないかと言われてる。

樋口:そういう感じ。

深井:この後亡くなるんですけど。

樋口:なるほど。

深井:それのホルモン異常じゃないかという説もある。子宮癌がそういうホルモン異常になるのかどうか僕も全然医学の知識ないんでわからないんですけど。

楊:医学に詳しいリスナーの人がいたら、お腹ふくらんだって記録はある。

深井:お腹も膨らんで月経も止まって乳も出るという状態だったから妊娠は間違いないといわれたんだけど。これなんかのホルモンとかそういうものの乱れでそうなってたというふうに言われていて。それが病気が関係してるかもねといういわれ方をしてる。一方で、それは妊娠の話なんですけど、一方でカトリック。カトリックを勃興させようとしてるわけです。一回国王至上令といってヘンリー8世の時代にイギリス国教会を作って国王至上令というのは宗教のトップは僕だよと言ってる。国王がトップなんだよという話をしていた。これをカトリックに戻すというのをやるんですけど。一番の争点はもともと修道院とか教会が持っていた土地がすでにジェントリーと呼ばれる実力者たちに移っている。

樋口:でしたね。

深井:この移った土地をまたカトリック教会に戻すかどうか。これは戻しません。これはさすがにやると本当に反乱がやばいので戻しません。一方で異端取り締り法というのを制定させて異端者を火あぶりにします。三百人くらいはこれで殺されてるみたいです。

樋口:異端てどうやって認定されるんですかね。

深井:これはね、疑いをかけて、おかしいなってなった人に教皇が教会の長と認めるか、もしくは英語の聖書を読んでいないか。読んでたらだめなんです。

楊:ラテン語じゃないと。

深井:ラテン語じゃないとダメなんです。

樋口:へえ。

深井:当時は。これは宗教改革の時にやったと思いますけど、訳すなんてもってのほかなんです。それをやったのはルターがドイツ語に訳した。あとはミサでの作法がカトリックの作法かどうか。ていうことを問われて、それが違う場合は処刑されていく。

樋口:へえ。

深井:ふうに必ずしも処刑ではないんですけど弾圧される。だからプロテスタントはここで弾圧をされます。

樋口:恐ろしい。

深井:三百人も殺したんでブラッディーメアリーと呼ばれるんです。

楊:血のメアリー。

深井:これカクテルの名前になってる。バーに行けばブラッディメアリー飲めます。

樋口:ありますね。

楊:トマト味だったっけ。

樋口:トマトの。

深井:赤いからでしょうね。敬虔なカトリック信者ですからね、メアリー1世が。父親の宗教改革もムカついてたんじゃないかなと思う。離婚するための宗教改革だった。

樋口:そうでしたね。

深井:それを無しにしたかったのはあったんだと思う、心情的にも。これはただの想像です。結構有名な人も処刑とかする。これで決定的に嫌われます。いまでも人気ないですからね、メアリー1世、イングランドというイギリスで。

楊:当時はプロテスタントがイングランドでメインだったんですけど、ただカトリックは残ってた。一部では有力な貴族はカトリックのままとして共存してた部分はあるので。ただ大多数はプロテスタントの方が勢力が強くなってきたのでその辺が弾圧によって跳ね返りが大きかったってのはあります。

樋口:うんうん。

深井:ですね。そのフェリペ2世と関係性はいいじゃないですか。フェリペ2世がフランスと対立してる。何度もいうけどスペインとフランスは対立してる。ハプスブルク家とバロア家。フェリペ2世はイングランドを味方に入れた一つのイギリスを味方に入れてる一つの政治的理由はバロア家であるフランスに対抗するため。だから一緒にフランス攻めようぜって話をする。

樋口:んと。

深井:イングランドにスペインが一緒にフランス攻めようねって話。

樋口:ですね。イングランドとスペインが。

深井:この攻めようぜって話をする一つ前の年にカール5世はスペイン王の地位をフェリペ2世に渡してる。これは宗教改革の時にやりましたけど、カール5世はいろいろ頑張ったんだけどどうにも国内がまとめられなくなってしまったので引退して神聖ローマ帝国は弟のフェルディナントに任せ、スペインは息子のフェリペ2世に任せるという分担させて任せて。どっちもハプスブルク家で自分の親戚です。弟か息子に任せて自分は引退するってことをやってるわけです、カール5世は。いよいよスペイン王になってる、この時点でフェリペ2世は。スペイン王になったフェリペ2世はスペインとイングランド、イギリスでフランスと戦おうぜ。

楊:出兵の協力をしてくれ。

深井:出兵しようぜ。

楊:軍事協力してくれ。

深井:だからすごい反対があったんだけど、メアリー1世もフェリペ2世に強く説得されてやることにするんです。これで大惨敗するんです。唯一最後残っていた大陸に一つだけ領土が残ってた、イングランドってのが。カレー。

楊:カレー。

深井:そう、カレーていう場所が残ってたんだけど、これを失っちゃうんです。だから大陸進出が一切できなくなる、これで。ということで、それも合わせて人気がない。そんなこんなでまたもう一回くらい妊娠したと思ったらしてないという悲しいことをした後に。女王になって5年目、メアリー1世が。急に重体に陥ります。

樋口:あら、病気。

深井:これが卵巣癌だと言われている。しかも同時に骨髄炎を併発してまじで相当大変な状態になる。

楊:このストレスの環境下で病気になるよ。

深井:なるよね。さすがに、これ死ぬかもしれないと本人が思った。思った時にエリザベスに王位継承者を次エリザベス1世が王様になることをメアリー1世は死にそうなときに承認することになります

樋口:最後許すんですね。

深井:はい。

樋口:へえ。

楊:許すというか仕方なくという感じかもしれない。

深井:仕方ない。エリザベス以外の人たちがもっとやばいから。

樋口:なるほど。

深井:まだ、エリザベスの方がまし。本人は頑張って後継を残そうとして妊娠したかもって何回も思ったけどしてなかった。まだ、そんな年じゃないのに急に死ぬ病にかかってしまった。その時にまだやっぱりテューダー朝の血を継いでいるであろうエリザベス。彼女からみると、彼女はエリザベスは継いでないといってたけど。血も実はヘンリー8世の子供ではない。アン・ブーリンが愛人と作った子供だみたいなこと言ってたけど、おそらくテューダーの血をついでいるからまだ彼女に継承した方がましだという判断をここでするわけです。ただ、カトリックの信仰を守りなさい。あとはこの時にイングランドが借金だらけだったんですけど。

楊:出兵して。ただでさえそんなにお金持ってない国なんで。しかも大陸を超えて兵力を送るわけですから膨大な借金があって。

深井:ローマ教会が、ローマ教会の土地を接収してそれを全部売り払ってもお金が足りないくらいお金がなかった。

樋口:貧乏。

深井:すごい貧乏だったんだけれどもその借金も払いなさいということをエリザベスに約束をさせて亡くなります。享年42歳。エリザベスはこの時を待ちわびていた。大人しくしながらメアリーが死ぬ時をずっと待ってた。

楊:彼女のことだからメアリーがこういう結末になることはもしかしたら予見してたくらいかもしれない。絶対この人は失脚するだろうな。

深井:まあ、病死だけど、失脚せずに。なので、病死してそしてついにエリザベスがこの後女王になるわけです。

樋口:きたよ、25か。

楊:ただ、エリザベスが受け取ったイングランドってぼろぼろの状況。

深井:それも次の回で喋る。王位を受け継いだ時のイングランドの状況がどれだけやばいかって。

樋口:借金はさっき話ましたけど。

深井:てのを次回やりたいと思います。

樋口:なるほど。いやあついにこれでエリザベス女王が誕生てことか。いやあ、結構波乱万丈というかいろいろあったな。

楊:でもこういういろんな人の失敗だったり失政だったりをエリザベスが見てきてる上で政治をやってるので。彼女の政治の経過とかみてるとメアリーとかがやった失敗を回避してるんです。そのへんの過去の他の人たちの失敗から学ぶっての彼女できた。

深井:ばんばん周りの人が死んでいって。弟も亡くなって、お姉さんも亡くなって、そしてお姉さんとは仲違いして、責められ。自分はストレス性の腎炎とか胃炎とかにかかって死にそうになりみたいな。そういう状況ですね。

樋口:なるほど。そんな学んだエリザベスがどのような人生送るのか楽しみですね。ありがとうございました。

深井:はい。

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