#176 「あなたのアヒルにキスしたい!」離婚王 ヘンリー8世のクズ過ぎる恋愛テクニック

【今回の内容】
侍女アン・ブーリンの栄達/ヘンリーの手紙/議会の力を借りて離婚を実現/アン・ブーリンとの結婚/エリザベス1世の誕生/アンの処刑/王位継承者がでないことのプレッシャー

樋口:はい、ええ、前回まではヘンリー7世から8世の話をお聞きしたんですけども、続きでございます。

深井:はい。前回いった通りヘンリー8世としては新しい妃を迎えて男の子を産まなければならないと強く感じていました。キャサリン・オブ・アラゴンとは離婚しようと思ってる。その時誰に新しい妃としてそういうふうに思ってた。まず。結婚せねばと思ってた時にキャサリン・オブ・アラゴンの侍女にアン・ブーリンという女性がいた。

楊:侍女ってのは女官ですよね。

深井:女官。そう。

楊:仕えてた。

深井:仕えてた女の人の中に。このアン・ブーリンを見初めてですね、再婚をしようとする。

樋口:はい。前回も言ったけど国のためにやるわけですね。

深井:まあ。半分半分。

楊:まあ。半分半分。

樋口:一緒の反応した。なるほど。

楊:男としてはね。

深井:愛人じゃだめだった理由は国のためです。

樋口:はいはいはい。

深井:はい。

楊:でもこの時は不倫の関係にすでに入ってる。

深井:すでに不倫関係。それをもってクズといってるわけじゃない、ちなみに。本当にびっくりするくらいクズなんで、この後。まずアン・ブーリンがエリザベスのお母さんです。

樋口:はい。

深井:このアン・ブーリンの生い立ちを軽く説明しようかなと思います。このアン・ブーリンなんですけども、お父さんが外交官でトマス・ブーリン卿という人です。ちょうどだからこれ宗教改革の起こる直前くらいなんですけど、1512年くらいの時なんですけど、当時ここらへん細かくいうと逆にわけわからなくなるからどんどん省いていこうかなと思う、神聖ローマ皇帝の長女でネーデルランド、今のオランダ総督にマルガレーテという女性がいた。この女性の宮殿、これマルガレーテの宮殿というのがあって、ここって当時ヨーロッパで最も文化水準が高いと言われてた、憧れの的みたいなところがあったんです。ここにアン・ブーリンは武者修行じゃない、侍女修行みたいな感じで行くことになる。お父さんのトマス・ブーリンがマルガレーテに対して11歳になったアン、アン・ブーリンを預かって欲しいと打診をするんです。なんでかというと、ヘンリー8世の妃であるキャサリン・オブ・アラゴンの侍女にしたいと思ってる。それはすごくいい栄達ですよね。

楊:そうだよね。

樋口:うんうん。

深井:外交官のトマス・ブーリンさんにしても。

楊:妃のすぐ近くでお世話ができる。

樋口:めっちゃいいですね。

深井:だから、娘をそこにやりたいなと思ってたわけです。キャサリン・オブ・アラゴンの侍女になるためにはかなりの教養を身につけなければなるまい。たまたまマルガレーテとトマス・ブーリンが面識があったらしい、たまたまトマス・ブーリンとマルガレーテは。打診したらアンがめちゃくちゃ賢い子供だったらしくて、マルガレーテとしても賢い侍女が欲しかったんで、いいよとなった。

樋口:いいですね。

深井:それで文化水準のむちゃくちゃ高いマルガレーテの宮殿に仕えることになるんです。そこでキャサリン・オブ・アラゴンの侍女として働くために修行をして、手紙でもそういうふうなことを期待されてるとわかってますよとお父さんに書いてたりする。まさかキャサリン・オブ・アラゴンを離婚させて自分が妻になるとはこのときは多分思ってなかった。

樋口:そうなるんです。

深井:そうなるんですね。

楊:自分がね。女の子がエリザベス1世になるとはね。

樋口:ええ。

深井:だからアン・ブーリンがエリザベス1世のお母さんです。

楊:お母さんです。

樋口:ほお。

深井:このアン・ブーリンの娘ですよ、エリザベス1世は。

樋口:そうかそうか。

深井:ちなみに映画にもなってます、ブーリン家の姉妹とか。このマルガレーテの宮殿の中で学校があるんです、しかも、宮殿の中に。そこで貴婦人を育てたりするとか、あとは将来の王様になる男の子も育ててたんですけど。フランス語とか、当時のフランス語ってヨーロッパの共通語的な感じで。

楊:そうですね。中国で昔の時代でアジアでいうと中国語みたいなもの。

深井:漢文書ける、みたいな感じ。

樋口:はいはいはい。

深井:空海も漢文勉強してたし、菅原道真も漢文勉強してた。あんな感じです。あとはダンスとか歌とか楽器の演奏とかもできないといけないし、雅な立ち振る舞いとか会話術、あと、狩猟もできないといけなかったらしい。

樋口:狩猟も。

深井:演技、お芝居もできないといけなかったらしい。

樋口:たいへん。

深井:めちゃくちゃいろんなことをずっと勉強するわけです、ここで。ちなみに学友がいて、この学友がカール王子っていう、これカール5世なんだよね。神聖ローマ皇帝カール5世、ルターとばちばちやっていろいろ苦労させられた人、この人。

楊:ここめちゃくちゃ上流階級だね。

深井:だからヨーロッパのトップ文化水準のところ。そこで勉強しました。しかしながら、このマルガレーテってのはスペインからネーデルランドっていうところに派遣されてる人なんですけど。スペインとの関係がこの後悪化する、イギリスと。これおさらいしますけど、もともと100年戦争とかしてフランスと仲悪かったイギリスは、二大巨頭のどっちかに擦り寄りたいと思ってスペインの方を選んでスペインと仲良くしてた。だからこのイギリス人がマルガレーテの元にいるって修行してるってのはそんなにおかしいことではなかった。

樋口:わかります。

深井:これがスペインと仲が悪くなっちゃったう、イギリスが。

樋口:あちゃちゃ。

深井:仲が悪くなったことによってマルガレーテの宮殿を出ないといけなくなっちゃうんです。そういう外交政策の転換があって、逆に今度フランスと接近し始めることになる。フランスと接近しはじめることにイングランドはなることによって今度はフランス王フランソワ1世のクロードっていう王妃がいるんですけど、この人の宮廷の方に移って行きます。

樋口:ふうん。

深井:ここでフランスの今度は作法も身につけるんです。フランスの作法ておしゃれなんです、当時のヨーロッパとしては。

楊:ファッションの中心地。

深井:ファッションリーダーとして、今でもそうだよね。パリって。

樋口:いけてる。

深井:ここでクロード王妃のところでそういうのを学んで身につけて行くわけです。そんな文化水準がちょう高い感じのアンが、1522年に帰国をして、それでついにキャサリン・オブ・アラゴンの侍女として出仕するようになる、仕えるようになる。アン・ブーリンですね、アン・ブーリンには一つ年上のメアリー・ブーリンというお姉さんがいる。このお姉さんはいち早くヘンリー8世の愛人だったんですけど。

樋口:ふうん。

深井:すぐにお払い箱になっちゃったらしい。

樋口:あら。

楊:なんだと。

樋口:急に大きい声出した。

楊:それは知らなかった。

深井:愛人になってたけどすぐにお払い箱になって、でもアンが帰国した時にはその愛人、お姉さんが愛人だったみたい、ヘンリー8世のね。お姉さんのメアリー・ブーリンがちなみに、メアリーもキャサリンもめっちゃたくさん出てくるから。混乱しないようにちゃんとフルネームで言います。メアリー・ブーリンが捨てられたの見てたから、アン・ブーリンは。自分は同じように捨てられるの嫌だなと思ってたらしい。それはそうだよね。

樋口:そりゃそうだ。

深井:それはそうだよね。メアリー・ブーリンの方がアン・ブーリンよりもだいぶ美人だったと言われてる。

樋口:ふうん。

深井:うん。けれども、クロード王妃の元で長年過ごしたりとかマルガレーテの元で長年過ごしたアン・ブーリンて、高貴な感じがする。

樋口:なるほど。

楊:オーラがね。

深井:オーラ。

樋口:すげえ、いい感じのオーラがぶいっとでている。

深井:バリバリで出てて。

樋口:ブリーンと出てる。

深井:ブーリンだから。

樋口:ブリーンて出てる。

楊:面白いこと言いますね。

深井:容姿にはいろんな欠点があったらしくて、かわいそうなくらいボロクソ書かれてる、手紙とかに。本当に外交官がアン・ブーリンを見た時の手紙とか容姿の手紙とかで、これ書いてあったから言いますね、背が高く、髪は黒く、面長の顔は黄疸を養ったことがあるかのように浅黒い。上唇の下から一本の歯が出っ張り左の小指の隣にはもう一本指が生えている。

樋口:どういうこと。

深井:指が6本ある人がいる、あれだったみたい。顎の下には大きいイボがあり醜いイボを隠すために首を覆うの高い襟の服を着ている。とかいって、そんなこと言わなくていいんじゃないか。

樋口:めっちゃディスられてる。

深井:ディスられてる、権勢を誇ってたからだろうね、一時期。そうやって何が言いたいかというと、彼女はそれを隠すためにいろんなファッションしてたんだって、首にリボン巻いたりとか、それが逆におしゃれみたいになってそれが流行るんです、イングランド宮廷の中で。フランス帰りのおしゃれな人がなんか見たことのないファッションしとるぞ、流行ったりして、そうやって注目の的なんです。この注目の的であるアンがちょうど19歳くらいになったときにヘンリー8世が35歳くらいの時に、だいぶヘンリー8世はアンに夢中だったみたいで、アンに手紙を書いてる。すげえ気持ち悪い手紙書いてる。これ、ぼく面白かった。これくらいの手紙別に書いていいと全然思うけど。

樋口:16歳下かな。

深井:16歳下のね、ヘンリー8世、これ王様なんですよ、王様がこれからもあなたのもっとも忠実な僕である私に心と体を捧げてくださるのであれば私もあなたに私の全てを捧げるだけではなく、あなた以外の女性に対する気持ちと愛情を捨ててあなただけに仕えます。

樋口:めっちゃ好き。

深井:日々、特に夜などあなたの腕に抱かれたらと願うあまり頭が痛みます。まもなくあなたのアヒルちゃんに接吻できることでしょうね。

樋口:どう、どう。

深井:だから隠語だよね。おっぱいのことらしい、アヒル。

樋口:なるほど。

深井:はい。あなたのものになったものの手で書かれた手紙です。王・ヘンリーより。という手紙を書くんです。

楊:僕がこの手紙書いたら、誰か振り向いてくれますかね。

樋口:いやいや。それは振り向くんじゃないんですか。それは振り向くんじゃないですか。

深井:なんか思った。全然いいけど、全然いいしこれくらい書くものじゃないですか。でも、500年後くらいにここでバラされるのまじかわいそう。

樋口:本当だ。本当だ。かわいそう。

深井:すげえなと思った。

楊:これがあってもデフォルトだったもんね。たぶん修辞法じゃないですけど、これくらいの言葉を込めて込めて誰かに気持ちを伝える。

深井:ヘンリー8世も教養がすごくある人で超勉強してた人なんで、こういうおしゃれな表現というか、こういう手紙を書いて振り向かせるみたいなのが好きだったんでしょうね。手紙とか書くんだけどアンは結婚してくれない限りはやらせてくれない。

樋口:そりゃそうだ。

深井:メアリー・ブーリンの、お姉さんのメアリー・ブーリンのあれも見てたから、それどんだけヘンリーに求められても結婚するまで絶対ダメってずっと言ってたみたい。

樋口:私のアヒルちゃんは渡さない。

深井:渡さない。だからこういう手紙が送られてる。それをするからなおさらヘンリーも夢中になる。簡単に手に入らないから。

楊:触らせるけどやらせないというね。

樋口:なるほど。

深井:というので、すっごい夢中にさせてたんです。一方で奥さんであるキャサリン・オブ・アラゴンてのは40歳を過ぎて死産と流産を繰り返してる状態。離婚しようとする、この状態で。離婚しようとする時に、教会に離婚させてください、と。なんで離婚するかってロジックを作らないといけないから。ロジックも作る。離婚のロジックなんですけど、旧約聖書のレヴィ記ってところにあなたの兄弟の妻を犯してはならない。それはあなたの兄弟を辱めることになるという言葉がある。これを論拠にもともとキャサリン・オブ・アラゴンてお兄さんの奥さんだったじゃないですか。なんで、お兄さんの奥さんと結婚するということを元々教皇に認めてもらって結婚してたんだけど、聖書によればこれはだめなんじゃい。

樋口:今更。

深井:だから結婚したことにならないよね、という話をするんです。時の教皇クレメンス7世というのがいる。このクレメンス7世にそれをいうんです。いけると思ってた。だけど、クレメンス7世てこの時神聖ローマ皇帝カール5世に監禁されてる。

樋口:え、おうおう。

深井:監禁されてて支配下にあるみたいな状態になってるんです。この支配下にある状態なんですけど、このカール5世、支配下に置いてる教皇。カール5世とキャサリン・オブ・アラゴンて同じハプスブルク家の親戚なんです。

楊:カール5世にとってキャサリンは最愛の叔母なんです。

樋口:なるほど、そういう関係なんですね。

楊:叔母は結婚を望んでないこともカール5世は知ってる。

深井:離婚ね。

楊:あ、離婚。

深井:だから、叔母を離婚させたくないから、クレメンス7世に対して離婚を認めるなという圧力をカール5世がかけてる。これで離婚ができなくなっちゃう。ここでヘンリー8世は窮するんです。とはいえ、男の子を正式な王位継承権のある男の子を産めないとなってしまったら非常に困る。

樋口:困りますよ。

深井:ということで、一方で、当時ルターがぶいぶい言わせ始めてる時なんです。であれば自分たちもここでローマ教皇の支配から脱してしまって、自らの教会を作って支配構造を変えてしまおうということを議会の力を借りることで達成しようとする。

樋口:へえ。

深井:この議会の力をなぜ借りれるかというと、この議会の下院の庶民院の中にジェントリーと呼ばれるローマ教皇の支配から逃れたい人たちがいる。この人たち自分たちは実力を持ってるけど既存の支配構造をぶっ壊したいと思ってる。貴族は賛成しなかったらしい、貴族院の人たちは。このジェントリーの人たちを味方につけてヘンリー8世は議会を通じてこれを国の意見だということでローマ教皇にぶつけて、イギリス国教会を作ることに成功するんです。

樋口:成功するんだ。はあ、時代が後押しするんですね。

深井:そうです。そうです。

楊:ちなみにこういうカトリック教会からの独立、やったのはイングランドだけじゃなくて北欧の教会とかも同じような動きをしてる国もあったんで、時代がそういう流れに来てる。

樋口:改革の時代だったんですね。

深井:そうそう。思い切って聖職者会議っていう聖職者が立法権を持ってる状態もあったんですけど、立法、法律を聖職者が決めるということをできなくしてしまって、教皇にたいして、ローマ教会に対して上納金みたいなのをずっと収め続けてる。それも廃止するんです、禁止するんです。渡しちゃだめだよっていって。思いっきり対立し始めるんです、ここで。

樋口:おお、いいね。

深井:国王至上権てのを作って、自分が教会のトップであるという法律を通す。こういう形で宗教改革が進んで行く。

楊:面白いよね。だってルターの時、大陸、ルターが活動してたのは大陸、ヨーロッパ大陸だったじゃないですか。完全にキリスト教の中の教義の対立から宗教改革は始まったのに対して、イングランドでは国王の離婚問題、お家騒動で宗教改革の糸口が掴んで。

深井:基本的に国家の論理でやってるよね。だからイングランドだけではなくて、他の国も国家の論理で動きながら宗教改革の時に再三言ってましたけど、ルターは純粋に宗教のテーマで喋ってるという状態がまさにこういう状態だったわけです。

樋口:それに乗っていろんなところが、都合がいいからというのもあって改革を進めて行くってことですね。

楊:あとはヘンリー8世、当時のイングランドの王室はお金が少なかった、お金が欲しかった。当時の一番の大地主ってのは教会とか修道院なんです。土地は持ってたし財産も金銀とか持ってたんで、これをすることによって彼らを支配下に置いて叩き潰して財産をひっぺ剥がすことができるようになるんです。

深井:そうそう。それもあるね。

楊:ある。あと、修道院て当時は支配力が強かったので彼らラテン語もできるし社会の中での立場も一番上なので自分たちを主要な官職につけて教会側の人間を宮廷に送り込んで支配権を汚すことが結構あったんです。それは王室にとっては好ましくない。なんならローマ教皇庁のために諜報活動をしてた、スパイ活動とかもしてたんで、それはこの機会を借りて叩き潰してしまおうというのがヘンリー8世の目的にはあったみたい。

樋口:なるほど。

深井:ヘンリー8世はこのローマ教会からの独立を急がないといけない理由もあったんです。アン・ブーリンがもう妊娠してたんです。

樋口:ああ、なるほど。

深井:アン・ブーリンが子供を産む前に正式な結婚をしないと、その子供が正式な王位継承権を得られない。なんで、妊娠させちゃってるから急いで離婚して急いで結婚しないともし男の子が生まれたら。男の子が生まれると勝手に確信してる、ヘンリー8世が。エリザベスが生まれるんですけどね。

樋口:そこ面白い。

深井:そこで彼はすごい強硬策に出るんです。強行して国教会を作って。そうすると当然教皇がガチギレしてヘンリー8世を破門にして。

楊:破門はおおごとですから。

深井:破門はおおごとだけど彼らの権力が下がってるから、おおごとにならなくなっちゃってる時代ってことになります。

樋口:そういうことか。

深井:ヘンリー8世もローマにいる大使を元に戻して外交関係を完全に遮断しちゃってね。カンタベリーにいる大司教のトマス・クランマーという人がいるんですけど、その人に再度キャサリン・オブ・アラゴンとの結婚は無効だというのを宣言させて、あれは無効だったからじゃあ結婚するかってアン・ブーリンと正式に結婚をします。

樋口:おお、通してしまったんですね、ここで。

深井:そうなんです。この結婚をキャサリン・オブ・アラゴンとの結婚を無効にしたことによって、ものすごくかわいそうな人がいますね。まずキャサリン・オブ・アラゴン。

樋口:一番かわいそうですね。

深井:離婚もしたくないし、死産と流産を繰り返してるのに離婚させられてしまう。もう一人めっちゃかわいそうな人がその娘であるメアリー1世。メアリー1世は正式な子供から正式ではない子供になります、これで。

樋口:本当だ。

深井:だから王女様から王女様じゃなくなっちゃう。で、冷遇されるようになります。

楊:そうですそうです。

樋口:うわあ、かわいそう。

楊:キャサリンは軟禁状態に置かれるんです。離婚から三年後に亡くなります。

樋口:ええ。

楊:で、しかもその間愛娘のメアリーとは会えてないんです。もちろんメアリーも自分のお母さんに会えない状態が続きます。

樋口:うわ。かわいそうだな。

深井:こういう経験からメアリー1世てのは精神病になっていくんです。ちなみに後でまた出て来ます。じゃあいよいよ妊娠してるアン・ブーリンから待望の男児が生まれると思って非常にわくわくして待ってるんですけど、いざ生まれたのは女の子のエリザベス1世だった。

樋口:ありゃあ、どうするんだ。

深井:しかも激怒したらしい、これに対して。ヘンリー8世。

樋口:怒ってもしょうがない。

楊:勝手に期待しただけ。

深井:ほんとうそうだよね。しかもこのヘンリー8世はアン・ブーリンが子供を産んでるころにはアン・ブーリンに対する興味がなくなっちゃって、次の女性に移ってて、それはアンの侍女であるとジェーン・シーモアいう女性に今度は興味が移ってる。

樋口:アンも侍女でしたよね。

深井:アンも元々侍女だったけど、アンが王妃になって。王妃の侍女、新しいアンの侍女であるこんどはジェーン・シーモアに興味が移って。

樋口:ロケット鉛筆だ。

深井:ロケット鉛筆、今でもあるのかな、ロケット鉛筆。このジェーン・シーモアに移った。アンはアン・ブーリンはすごい性格が強く強情ですごい嫉妬深かったらしくて、ヘンリー8世が愛人作ってるのをばちばちでせめてたんだって。したらヘンリー8世が嫌になってきて、それで愛が冷めたみたいなこと記述がありましたね。

楊:一方ではアン・ブーリンもこの後2回ほど流産してる。

樋口:めっちゃ流産する。

楊:当時はね。

深井:この時代は、むずかしい。子供産むって命がけ、この時代。今でもそうですけど本当に死亡率高い。それでですね、ヘンリー8世が心変わりする。心変わりするとアン・ブーリンの一家、一族ってのはめちゃくちゃヘンリー8世から好かれてたからすっごい羽振りが良かったりとか調子に乗ってたりして、ですよ。それの反動がくる。彼らに対して。今まで調子に乗りやがってみたいな感じで一気に形勢が逆転していって、結構いろんな人たちから嫌われて行くみたいなのがあって。この時にヘンリー8世もアンが邪魔になって来た。

楊:アンは離婚したくないんです。はっきりと言ってる。

深井:したくないよね、王妃の立場の方がもちろんいいし、いろいろ大変じゃないですか。

楊:離婚したら離婚したらで自分の今の立場がなくなるんで、身の安全、当時宮廷内でも権力争いとか時々暗殺とかあったりとか普通にしてた。そういう意味でも自分の身の安全を守るためにも離婚てのはいい選択ではない。

樋口:それはそうだ。

深井:ヘンリー8世はアンを殺すことにするんです。

樋口:え。殺すまでいく。

深井:ここら辺が、僕はさっき言ったクズ、ここだと思うんだけど。こんなことするって思うけど、邪魔になったんで暗殺を企ててアンが5人くらいの男性と不貞行為を働いたんだということを無理やり冤罪、冤罪じゃないかといわれてるけど、しかも弟とも不貞行為を働いた、アンが。アンの弟ですよ。

楊:わかんない。

樋口:ほお。

深井:流石に弟とはないと思うけど。その5人の男性も当然処刑するし、アンも処刑します。

樋口:うわああ、むちゃくちゃや。

深井:で、アンを処刑したあとすぐにジェーン・シーモアというアンの侍女と結婚する。アンが処刑された時ってエリザベス1世はまだ2歳だったんです。アンが犯罪者となって処刑されたことによってそれまでエリザベスってのは王女さまと呼ばれていたわけなんですけれども、彼女も王女さまと呼ばれなくなってしまった。メアリー、お姉さんのメアリー1世と同じ状態ですよね。

樋口:物心つく前に。2歳か。

深井:なんかね、記録で残ってたけど、なんで昨日まで王女様と呼ばれてたのに急にみんな呼ばなくなったの、みたいなこと、この2歳の子が言ってる。

樋口:ええ。

深井:そういういきなりハードモードスタートですよね、エリザベス1世。

樋口:2歳、わかるか。

深井:ということで、この後似たような感じで何人も妻殺したり追放したりみたいな感じのことをするんです。

楊:さらっと言ってるけど。

樋口:クズだ。

深井:だから言ったじゃないですか。その話もまた後で出て来ますけど。この後の回は、エリザベスが2歳の時点でいきなりハードモードからスタートすることになる後の幼少期の時代とヘンリー8世のその後の話をしたいと思います。

樋口:いや、これは大変だ。お母さんが処刑されてお父さんはクズ。

深井:王様だから、でも殺さなくていいだろうとは思うけど、離婚できないからってのはある。正式な子供にカウントできない。側室っていうあれがない。制度がないから。

楊:ヘンリー8世のために弁護じゃないですけど、一本いうと国王にとっても自分の継承者が出てこないことはものすごくプレッシャーなんです。他のところがもし自分のライバルである親戚のところから王位継承ができたら自分の政治生命とか政治的な立場とかも崩れてしまう、脅かされてしまうという危険性もあったので、当時の王族貴族たちにとってはこの結婚できるかできないか、あとは男ができるかできないかみたいなそういうのって本当にそういうプレッシャーだったんです。

樋口:プレッシャーあるかな。

深井:そういう心境の中で彼はこういう選択をしたっていったってことはそうなんだなと思います。

樋口:でも冤罪で処刑するのはな。と思いますけど。

深井:処刑までしなくて離婚してどっか蟄居じゃないですけど、離婚してどっかに住んでもらうとかね、やればいいのにと思いますけど。

楊:もしかして。

深井:イライラしてたのかも。怖かったのかもしれない。反撃が。

楊:だってアン・ブーリンて頭めちゃくちゃよかった。それでもし離婚したとして、なんか変に反乱起こしたりとか。

深井:それはそうなんだ。この後、ちゃんと後で説明しますけど、何番目かの妻は教養はそんなに無い奥さんが出てくる。その時には殺さなかった。それは本当にそうかも。だからアンが頭良かったから怖かったのかもしれない。

楊:味方をどっかに自分の反対派をつけてしまう可能性があったかもしれない。その予防策として殺してしまう。

樋口:いろいろあるんだな。大変ですね。王様。

楊:大変ですね。

深井:絶対なりたくないもん。この時代の王様。

樋口:それはちょっとどうしようかな。なるのやめとこうかな。

楊:この時代生まれたら居酒屋やって一生終わり。

深井:居酒屋か。居酒屋いいね。

樋口:いやあ、まあまあまあ、そんな感じですかね。ありがとうございました。

深井:はい。

関連エピソード