#158 仕事に励め!富を蓄えよ!神学者ジャン・カルヴァンが伝える神の教え

【今回の内容】カルヴァンの救済観/敬虔な生活とは?/天職とは今やっていることをちゃんとやること/ビジネスパーソンの地位向上/カルヴァンが資本主義を作った!?/カルヴァンの幼少時代/父の破門と思想の醸成/宗教思想をルールに落とし込む神権政治/カトリックに着地したフランス/なぜカルヴァンがジュネーブで支持されたか/次回、イエズス会!

樋口:はい、ということでございまして、今回はジャン・カルヴァンの話をお聞きしていきたいと思います。

深井:ジャン・カルヴァンさんがルターの言ってることとまたちょっと違う事言うんです。これがすごく重要なんで一番最初まずそこの話しからしますね。

楊:そうだね。

樋口:ほお。

深井:まず、救済が大切、救いが大切だって話してました。これがルターの段階では人間がどうこうしてなんとかなるというよりは、神が決めることだという話もしましたよね。これがなんていうか一言でいうとこれがブーストさせてる感じなんですけど。カルヴァンの救済感について先に少し紹介しときたいと思う。カルヴァンが言ったのはいいことをしたりとか功徳を積んだとしても地獄に落ちる可能性がある。救済てのは完全に神の予定として決まっていて、最初から決まってる。

樋口:ええ、なんか救いないな。

深井:ルターもう少し信仰を通して、影響できる感じなんだけど、カルヴァンに関してはもう完全に最初に決まってて、それは人間は影響を与えることができない。

楊:そう、世界は全て神によって配支されている。

樋口:うん。

深井:何を基準に選ばれるかはわからない。選ばれたものとなるていう確実な選ばれるというのは救済対象として、救われるものになる確実な方法てものはないし、自分が選ばれたものなのか呪われたもの、地獄に落ちることが決定してるものなのかは見分ける方法はないと言っているんです。これが彼が言ったことです。

樋口:これ、言われたら生きてる間なにすればいいかわかんなくない、生きる意味がない。

深井:わからないですよね。でもわからないというのが彼が言ってること。それくらい神様が絶対的だという感じです。いかに自分たちが何もできないものなのかみたいなのをすごい言い方難しい。本当語弊があるけどそういう感覚がありますよね。

樋口:へえ。

深井:神に対していかに自分たちがいかに矮小かというところがありますよね。もう一つ彼が言ったことがあります。選ばれたものとなる確実な方法はない。それを区別する方法もないんだけれども、選ばれるということは選ばれた人、選ばれるほどの人であれば多分その人は敬虔な生活を送ってるんだと思います。多分ね。敬虔な生活って、じゃあ何かという話なんです。敬虔な生活というのはカトリック教会においては修道会に所属して神を賛美するという、そういうのが敬虔な生活なんです。けど、カルヴァンはそれを否定するんです。それは怠惰だ。怠惰な生活以外のなにものでもないんだと。

楊:そうだよね。

深井:敬虔な生活ってのは神がこの世で定めた職業生活に励むことなんだという考えをするんです。

樋口:へえ。

楊:仕事、勤労です。

樋口:仕事なんですね。

楊:地獄いくか天国いくかあらかじめ決められてるという風にカルヴァンは強調してて。これ、一見するとすごく救いがないようにさっき樋口さんが言ってたけど、これはこれで結構ドライブというか信者たちのブーストになった。信者たちは普通だったら自分は救われてないと思わないじゃないですか。

樋口:なるほど。

楊:自分は絶対救われてるんだ。じゃあその救われてると言う一つの証として自分は勤労を仕事を一生懸命頑張る。これが今救われてる状態の一つの証明なんだと言う風に一生懸命仕事しだした。すごいざっくり言うと。

樋口:うわ、すご、それ。

楊:原因と結果が逆転してる感じですね。

樋口:ですね、なんか。

深井:仕事ってのは神からのある意味命じられたものであって、あなたが今の仕事に就いてるというのは天職だ。

楊:天職。

深井:で、何やったらいいかわからないけど、やってること、今やってることをちゃんとやるってことが多分一番確からしい敬虔な生活だってのが彼の考え方なんです。

樋口:へえ、なるほど。

深井:それによる報酬、つまり労働とか仕事によって報酬を得ると言うことはとてもいいことですよね。だって神がそれを決めてその対価として返ってきてるからとてもいいことだという考え方になる。これが今までのキリスト教とけっこう違ってて。今までのキリスト教は世俗のものってのはレベルが低いことという話した。

樋口:なるほど。

深井:聖なるものが高潔なんだと。だけど世俗のことってレベルの低いことなんだという話をしてる。それがカルヴァンが言ってることはどういうことかというと、世俗のことも神が命じたことだから、これがまさに敬虔な生活なんだという話を彼はしてる。

樋口:なるほど、そう捉えたらいいか。

楊:だからカルヴァンて影響がすごくて、彼はビジネスパーソンの社会的地位をめちゃくちゃあげた、結果的に。

深井:それまでめちゃくちゃレベルの低いことをやってた人たち。

楊:そうなんです。ビジネスパーソンとか金融業者とか商工業者、とくにお金を扱う金融業者なんですけども、キリスト教では基本的にお金儲けをする人ってあんまりよく思われてなかった。なんなら卑しい人とか賎民とかそういう風に言うような聖職者もいたわけです。そういうお金を扱うような人たち、商工業者、金融業者もやっぱり社会的地位も宗教的な意味での社会的地位は低かったし、教会に気を遣いながら商売とかしなくちゃいけなかった。カルヴァンの思想は自分たちが今やっているお金儲けの仕事、ビジネスの仕事は宗教的に正しいことなんだと言ってくれたと彼らは解釈したんです。

深井:うん。

樋口:はあ。

楊:そしたら、経済的なエネルギーが一気に爆発したというのがざっくりとしたカルヴァンの世の中に与えた影響ですね。

樋口:おもろ。

深井:社会学の祖であるマックスヴェーバーという人はこのカルヴァンがいることによって資本主義が生まれたんだと言う話をしてる。今はもうほとんどの人に否定されてますけど、そんなことはないですっていって。まあ、それがどっちかってのは実は確かめようがない。

楊:そうだね。

深井:物理学じゃないから、社会学は。確かめることができないんだけど、そういう影響もあるということもできるような感じで職業観を変えたことは確かでしょうね、彼が。

樋口:面白いね。

楊:ちゃんと厳しい倫理観のもと儲けたお金ってのは尊いものなんだと。自分たちはこのキリスト教の世界の中でもちゃんと価値のあることをやってるんだということを商工業者と金融業者に与えたということはあるんでしょうね。もちろんカルヴァンは本人としては彼らをなんとか救おうという明確な意思があったかどうかはぼくもちょっと読みきれてないんですけども、少なくとも受け取り側はそういう受け取ったってのはそういう傾向がありますね。

樋口:自己肯定できますね、そんなこと言われたら。

深井:そうですよね、あとは繰り返しになるけど、信仰をもとにした社会から同じく信仰をもとにしてる社会ではあるんだけれども、ヒエラルキーが変わってるよね。商工業者の。それが社会に与えた影響がでかいんだと思うんです。すごく下の方のヒエラルキーだった人が同じ信仰を元にしてる社会なんだけどヒエラルキー構造が変わったことによって、彼らがその後に社会に与える影響度合いが変わっていくっていう状況がカルヴァンの思想をバックボーンにして起こっていく。

樋口:世俗での活動と信仰がリンクできた感じがある。

楊:そうですね、橋を架けたというふうに言われてます。

深井:このカルヴァンが影響を与えたのが主にスイスなんです。スイスとフランスに対してすごい、いろんなところに影響与えてるんだけど、主にそういうところに影響を与えていく。カルヴァンってフランス人なんだよね。けどスイスに影響をあたえる。意味わかんないと思うけど、そうなって。

楊:亡命者だよね。

深井:そう。スイスって宗教改革が先に進みがちで、そもそもが。カルヴァンが出てくる前の話なんですけど、ツイングリーという人が出てきてて、この人がルターとかと影響しあって、チューリッヒという都市国家で改革を進めていくんです。例えば聖書に書いてないような規則を守らないとか、カトリック権力に対して対抗し始めるというのがあって。だけどこの人が比較的早い段階で指導者であるツイングリーというのが戦争で戦死しちゃうんです。そのツイングリーという人が亡くなったあとのスイスってのは改革する人のリーダー的存在が存在しない状態になってたんです。ここばちんてはまったのがカルヴァンです。

楊:そうだね。

樋口:へえ。

深井:どういう経緯かってので、カルヴァンの幼少時代からざっくり話すね。

樋口:ええ、ええ。

深井:1509年生まれです、この人。

楊:フランスで。

深井:8年くらい前、95か条の。8歳の時にそれが起こったってことになります、ルターの。

樋口:うんうん。

深井:フランスのノワイヨンというところで生まれて、カルヴァンのお父さんは教会関係の立場のある仕事をしてた。

楊:そうだよね。

樋口:はいはい。

深井:オルレアンというところに行って、フランスの。法学、法律を学び始めます。オルレアンの法学部ってのは当時一番有名なものの、法学部の一つでした。ここでめちゃくちゃ頑張って勉強してギリシャ語とかも数ヶ月で修得したりとかした。

樋口:頭いい。

深井:あとは当時人文主義というのがあって、古典をちゃんと読んでいこうぜみたいな潮流があった。これはアメリカ新大陸とか発見されて、今までのカトリックの説明に疑問を抱いた人たちが古典をあさってみると全然違うことが書いてあるから、世界の説明の仕方が違うから、昔の、古代人がどう言う風に考えたかというのを再度アラビア方面から入れ始めた、イスラム国家から逆輸入したんだって話をどっかで、どっかで僕してると思う。

楊:古代ギリシャの文献とかね、

深井:そう、古代ギリシャの時の哲学。

楊:その時はイスラム世界に保管されてた。

深井:カトリック教会になってから西ヨーロッパでは消えてたけど、イスラムで保存されてたやつを逆輸入して見はじめてた時期だった。ちょうど。彼も人文主義の勉強するんです。有名な法学者のもとであったりとか人文主義の勉強に打ち込んで行きます。ルターのことはどうやら尊敬してたらしいですね。

楊:ときの人だからね。

深井:20代前半のときに突然今のカトリックが言ってることは違うんじゃないかということを思い始める、彼が。なんで思いはじめたかは不明なんです。人文主義の勉強してるとかはめちゃくちゃ関係してると思います。

楊:そうだよね。

深井:人文学をずっと勉強してた人だったんだけども、このあと伝道者にいきなり切り替わる。これがなぜかというのはよくわかってない、ちなみに。

樋口:へえ、なるほど。

楊:でも一個彼にまつわるエピソードがあって、

樋口:雷。そういう感じ。

深井:彼は雷じゃない。

楊:雷ではないですね。彼はもっとリアリティのある、ちょう失礼、ルターに。まあまあ、ちょっとリアルでちょっと事件があって。その彼のお父さんて教会の中でもけっこう立場のある職業についてた。えらい、名士だったかもしれないんですけど、すごく立場のある人で、カルヴァン自身も若い時から将来的に聖職者になって給料もらえるようそういうルートもすでに整えてくれたんですって、お父さんが。ただそのお父さんがどうやら街の教会の人と悶着を起こして破門された。

樋口:破門てまたやばいやつ。

楊:破門です。けっこうレベルのやばいやつ。そのあと亡くなったんです。破門されたので天国に行けないわけです。教会で普通は教会に埋葬してくれるんですけど、埋葬のところでもすごい冷遇されるという経験を目の当たりにして、そこでもしかしてカトリックが反発を覚えたきっかけの一つになったという言われもあります。

深井:確かに。

楊:お父さんがカトリックから破門されて冷遇されたってのがリアルな経験としてあったみたいですね。

樋口:あってもおかしくないですね、それは、なるほど。

深井:いづれにでよ彼はけっこう自分が違う考えをもってるということを言い始めるんだよね。当然だけどそういうこと言ってるとやばいやつだと見なされるわけじゃないですか。

樋口:はいはい。

深井:やばいやつだと見なされたので、彼はパリにいた、当時は。スイスのバーゼルというところに避難するんです。バーゼルというところで偽名で生活してる。その偽名で生活してる時にキリスト教綱要という有名な書物がある、彼が書いた。そういう書物とかを書いて自分の考えというのを確立していくわけです。

楊:そうだよね。彼がいたフランスではもともとプロテスタントに対してはそんなに迫害とかはなかったんですけども、フランスの中では改革派のキリスト教徒が活発になってきて。たとばカトリックがやってるミサ、ミサってのは迷信というビラがめちゃくちゃばら撒かれたりとか、国王の寝室の扉にまで貼られたりとか。そういう改革派の人たちが活動し出してフランス国王が切れる。そこで一気にフランスの中でも宗教改革者に対する迫害が始まって、それでバーゼルに避難したというのがカルヴァンがバーゼルに避難したという流れが、背景があるみたいです。

樋口:はあ、それでスイスに行くのか。なるほど。

深井:それでスイスに行くんです。スイスに行って偽名で生活していたところ、いろんな用事でたまたま立ち寄ったところにジュネーヴてところがあって、ジュネーヴで聖書の講師のみたいな感じの人としてスカウトされるんです。スイスってのはさっきいったツイングリーという人がある意味火種を作ってて、宗教改革の先進国みたいになってた。けど指導者がいない状態でくすぶってた。そこにかなりいい感じの人がきたぞということで彼はスカウトされて、最初は気が乗らなかかったらしいけど、これでジュネーヴの宗教改革に着手する方向に転換していくんです。カルヴァンてすごい厳しい考えもってて。

楊:そうなんですよね。

深井:規律を重んじるし、教会が市民の生活を監視するみたいな概念がある。なんで、そういう厳しい方向のカルヴァン派閥の教会を作って行くという方向性がここで定まっていく。

楊:そう。厳しく規範を持って清く正しく生きるというのが彼の根底に一つとしてあった。もう一つこれは彼は意識的にやったのかどうか、たぶん意識的にやった部分はあると思うけど。ルターはけっこうビジョナリー、理想主義者、カルヴァンは現実主義者でちゃんと現場に入って組織とか制度を作り込んだというイメージがあるんです。というのも彼はカトリックと今後戦っていくためには単に理想論を発信するだけじゃ足りないと認識されたと言われてて、なぜカトリック教会はこんなに強いかというと教会という組織と制度があるからなんです。この組織と制度を改革者側もちゃんと作っていかないと存続できないという認識があったんだと言われてます。

樋口:なるほど。

楊:ようするに目に見えるパワー、目に見える力ってのはちゃんと改革者側も持つ必要があるという風に彼は言っていろんなすごい具体的なルールを定めて行く。だから彼が定めたルールとか規範とかも一つは宗教的な正しさを実現するためってのもあるんですけど、組織と制度をしっかりと基盤をつくるため、それをもってカトリックに対抗するためという目的もあった。

樋口:ルターとそこが全然違う印象ですね。

楊:そうですね。けっこう彼は発想としてはすごく現場、実務家的なところはありますよね。だから彼はジュネーヴというところで彼は改革とかに携わっていくんですけど、例えば行政計画とかも彼は案を出したりします。行政計画とか例えば組合とか市場をどうやってどういう規則でやっていくかとか、あといろんな価格とか利子とかの決め方に関してもそういった提案とかもしてる痕跡もあったと言われてますね。

樋口:へえ。単純に宗教の中だけじゃなくてそういう政治とか仕組みとか実務の方にもアクセスしようとしてたってこと。

楊:宗教思想をルールとか制度とか組織の中に落とし込んだ人ですね。ちゃんと。

樋口:そこが完全にルターと違う印象でした。ルターは勝手に巻き込まれていったというイメージ。

深井:ジュネーヴで30年間くらい政治権力的なものも握ってる感じですね。神権政治とよばれてる、これ。神の権力の政治といって神権政治を展開していったといわれてる。そこでジュネーヴ教会規則を作って、教会の規則ってのがあって、世俗権力をがっつり取りに行ってるというよりはちゃんと教会規則を作ることによって生活の隅々までに概念を行き渡らせるようにしたという感じの方が強い。そうすると当然ですけど自治をしてるジュネーヴというところが自治国家なんで都市の権力、都市当局とカルヴァンがぶつかるわけです。当たり前ですよね、ジュネーヴの中で教会の立ち位置がめちゃくちゃ強くなっていって、日常生活まで干渉しまくってくる、その教会規則によって。それって普段その都市を治めてる人からすると困るんです。そこまで干渉されると困る。これでぶつかっていくということは起こるんです。

樋口:え。え。え。

深井:けど、カルヴァンはそこをうまく乗り越えて神権政治という教会主体の、教会規則主体の政治ってのを展開していくんです。

樋口:ふうん。

深井:それがすごい新しいっちゃ新しいよね。教会規則もすごい内容で、彼の独創なのかその前からあったのか僕もわからないけど、市民の日常生活の中に厳しい規律を求めていってて、いろんな役職定義とかもしてるんです。教会の中に四つの職種があります。牧師、教師、長老と執事みたいな。それぞれの役職が連携しあいながらそれぞれの役割分担をして教会訓練とかいって市民の生活を管理するみたいなことをしてるんです。

樋口:なるほど。

深井:僕たちの社会から一番想像から遠いんじゃないかなと思います。

樋口:むずいですよね。

深井:はい。やっぱり反対者に対して厳しい措置をとったりしてる、カルヴァンてのは。燃やしたりとか。

楊:火あぶりしてる。

深井:火あぶりにしたりしてる。

樋口:火あぶり。

深井:火あぶりにしたりしてます。

樋口:へえ。

深井:でもいろんな批判者の人たちを押さえ込んでかなり基盤をカルヴァンは築いていくんですね。やっぱりその当時フランスも宗教改革の機運ってのがあったんだけどカトリックがすごく強かったですね、フランスって。で、カトリックが強かったせいで結局フランスからいっぱい亡命者がきてたみたい、ジュネーヴに。

楊:ああ、そうだよね。

樋口:なるほど、カルヴァンが最初に亡命したからその道筋を作ったって意味合いもあった。

深井:だからプロテスタント派の人たちからするとカルヴァンがジュネーヴでそういう思想をもとに作っている国家があるというふうに見えるわけじゃないですか。自分が自分の国で迫害されてたりすると、めちゃくちゃ理想郷にみえるよね。

楊:そうだよね。

樋口:行きたくなる、それは。

深井:厳しかったとしても、そこに行きたくなるわけじゃないですか。そうやって人とかがけっこう集まってきてその勢力が無視できない勢力になってたから都市当局もカルヴァンに完全に抑え込むみたいなことできなかったんじゃないかなと思います。

樋口:なるほどね、はあはあ。

深井:カルヴァンてもともとフランス人。フランスに対しての影響力もすごく強くて、フランスにめちゃくちゃ影響を与えるんだよね。結果的になにが起こるかというとカルヴァンが亡くなったあとにフランスで宗教戦争が起こるんです。カルヴァン派の、これユグノー戦争と呼ばれるんです。この宗教戦争が起こって、このユグノー戦争で虐殺、サン・バルテルミの虐殺といわれて、プロテスタント側がめちゃくちゃ殺られたり。本当はカルヴァン派とかプロテスタント派とか本当は厳密に分けないといけないんだけど、今はもう便宜上似たようなものとして扱うね。けっこうちゃんと区分しないと当事者からは多分怒られます。けど、あれしますね。敢えて混同してしゃべりますけど、そういう虐殺が起こったりとかいろいろして、最終的には王様がプロテスタントからカトリックに改宗して終わる。フランスが。

樋口:カトリックに改宗するんですね。

深井:カトリックに改宗します。

樋口:ええ。

深井:プロテスタント側がいろいろやろうとしてた人がカトリク側に改宗することによってフランス王権が盤石になるねということで、そっちにいくんですね。だからフランスってカトリック寄りでフィニッシュするんです。もちろんプロテスタントもいるんですよ、フランスの中にも。けどカトリック国家フィニッシュする、こっちは。

樋口:へえ。

楊:着地。

深井:そういう着地をする。だからカルヴァン国家みたいにならなかったんだけど、ユグノー戦争ていう戦争を起こすほどの影響はすごく与えていて。ジュネーヴはいわずもがな彼のお膝元で。彼が唱えた二重予定説と言われてる、さっき言った救いようがないように聞こえるやつ。全員最初から決まってます、じゃあどうすればいいの、って思想的に影響を与えている。ルター派とかもさっきの神聖ローマ帝国の戦争で負けたりしてた。負けたりしてる中でカルヴァンみたいな人が国家ちゃんと作ってますみたいになると、やっぱり影響力でかい。

楊:そうだね、ケーススタディをちゃんと作ったって感じ。

深井:作ったんだとなる、彼からしても。すげえな。しかも教会規則で治めてるんだ、ということでカルヴァンも有名。後世に与えた影響が多方面、思想面でもあれだし資本主義に対してのそれもでかいし、フランスで起こしたユグノー戦争みたいなのもすごい影響でかいしみたいな。

楊:ジュネーヴもたぶんジュネーヴという都市自体のタイプっていうのも影響してるような気がして、ジュネーヴって当時あれですよ、ヨーロッパの金融の中心地なんです。

樋口:金融、へえ。

楊:そう、金融の。ビジネスですごく強い都市なんですよね。商品取引とか金融の取引とか手形の売買とかもそこでめっちゃやってるし、物資、ヨーロッパからのいろんなところから集まってそこでまた捌けたりとか。そういったところ、商業ですごく繁栄している都市なんです。だからそういったところでベースがあってその上にカルヴァンの思想が乗っかっていって、相乗効果がでたんじゃないか。相乗効果というか支持者を獲得していったってのもあるかもしれない。

樋口:なるほど。けっこう最初の方にいったあれですね。ビジネスパーソンへの許しをリンクができた。

楊:すごく金と商品の流通量がめちゃくちゃあるところなので、それを支える金融技術というのも需要がすごく大きかった。それを扱う人もそういった人がもしかしてカルヴァンの思想を自分たちの信仰につなげたってのはあるかもしれないです。

深井:はい、という感じでカルヴァンという人もいたよということでちゃんと知っておいて欲しいなということで出しましたけども。

樋口:はい。

深井:次回がラストですね。

樋口:ついに。早いね、今回。

深井:意外と早くない。別に。

樋口:結構一本一本長い。

深井:8話9話ありますよ、普通に。

楊:10話くらいある。

樋口:ローマが長すぎて、カエサルが長すぎて。

深井:次回は宗教改革の影響で今度カトリック側からもすでに言及しましたけど、イエズス会とかが出てきて。イエズス会が面白いんで、その紹介とかもしつつエンディングしようかなと思ってます。

樋口:なるほど。いやあ、わかりました。カルヴァンもカルヴァンで相当面白かったですね。

深井:そうですか。

樋口:また、あと、思想は思想で独立してもちろんあるんですけど、それに利益があるっていうか、それに乗っかることで得する人が後押しするという、この構図も僕は面白かった。

深井:現代と一緒だよね、それって現代も一緒。

樋口:現代と一緒ですね。はい。うまく使ってとかカルヴァンさんが言ってたからこうだって言ってたんだろうな。

楊:あれですよね。言語化に似てますよね。自分がなんとなくこういう風に思ってるけれども宗教、例えばカルヴァンみたいな人があんたたちがこういうこういうこういうロジックですごく正しいことなんだよっていうふうにばしっと言語化してくれる、そういう言葉に出会うとよっしゃってなりそうです。

樋口:使えるってなる。と思いました。という感じで、今回もすごくいろいろ面白い回でした。

深井:はい。

樋口:以上ですかね。

深井:はい。

樋口:ありがとうございます。

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