【今回の内容】 必殺・破門威嚇勅書!/ルター正式に破門/神よ私を救いたまえ、アーメン/拉致され匿われたルター、聖書翻訳開始/燃え上がり始める活動・焦るルター/農民困惑。ルターは誰の味方!?/意外と強い農民
樋口:はい、ええ、前回まではルターの登場からルターの思想についてお聞きしましたけども、その続きでございます。
深井: はい。この後いろんな影響が起こっていきます。まずは当時の教皇、レオ10世という人がいるんですけど、ルター頑なに今の主張をしてくるんです。ついに1520年95か条出してから三年後くらいですね、破門威嚇勅書というのを出す。
樋口:威嚇、怖わ。
楊:警告みたいな感じ。
樋口:怖い怖い、しかも破門て一番やばいやつですよね。
深井:やばい、キリスト教者じゃなくなったら全部崩壊するやつですね。で、ここで教皇が言ったのが野生のイノシシが実り豊かなぶどう園に入り込んだな、カトリック教会にわけわかんないのがきた。
楊:ルターをイノシシに例えたってこと。
深井:そうそう、ルターを例えた。
樋口:なるほど、カチコンできたなみたいなこと。
深井:カチコンできた。突っ込んできたぞなんだこれはと思った。それに対してルターてのは矢継ぎ早に多数の書物を出して行きます。3つ。宗教改革三大論文という。三つの論文を出す。この中で徹底的にカトリック教会を批判していくことになる。
楊:理論武装して攻めていく。
樋口:へえ
深井:教会的身分と世俗的身分の区別をちゃんとしてないとか、教会てのはそもそも教会というヒエラルキー構造なんていらない。みんなが神と一人ずつ繋がっているから全員ある意味司祭なんだと。これ万人祭司主義という。
楊:みんな聖書読めるようになったからね。
深井:この時点ではまだまだ全然読めてないけど、それを目指して神の前に立つ限り聖職者も一般の人も真の意味では全員教会身分に属しているだろう。世俗の教会身分というのがあって、そこでヒエラルキー作るのおかしいだろという話をしてる。宗教的に全員平等だってさっきヤンヤンが言ってたやつ。前回、ヤンヤンがいってた話をして。これもすごい困るんだよね。
樋口:困るね。
深井:カトリックからすると、
楊:そうだよね、
深井:全員平等じゃなくてヒエラルキー作ってるから教皇がいれて、官僚組織作って各地に派遣してるから成り立ってるのに、全員平等だよとかいわれて序列がなくなったら全く根底から崩壊するわけです。こればちばちで戦い始める。ばちばちで戦い始めて収拾が付かなくなります。1521年にさっきの威嚇書を出した次の年に正式にルターが破門されます。
樋口:うわ。やばいやばい。
深井:そう、ルターが破門されると今度は当時の神聖ローマ皇帝でカール5世て言う人がいるんですけど、このカール5世もカール5世からみた時にどういうふうに見えるかというと、まず自分の国内でカトリック教会に反抗してるやつが出たらちょっと勘弁してってなる。仲良くしてほしい、まず。変な反乱を起こさないでほしい、まず。で、理論武装してすごい理論で言ってるからきちんとした公式の場でちゃんと押さえ込まないと何が起こるかわからない。実際今までけっこう危ないことが起こった。この百年前にヤン・フスていう人がいて、その人がボヘミアという地域で、これも神聖ローマ帝国だったんだけど、けっこうな反乱をおこしちゃってる。
楊:そうそうそう。
深井:農民がそれに追随してね。
楊:最後に火炙りにされて。
深井:そうそう、最後火炙りにされる、ヤン・フスが。そういうことが今国内で起こったら困る、皇帝としては。
楊:けっこうデリケートな問題、むちゃくちゃデリケートな問題です。
深井:そう、だから、公式に片付けたい、ちゃんと。なんでヴォルムス帝国議会という議会を開いて。この議会を開くというのは神聖ローマ帝国のスタイルなんだけど、議会を開いてルターを審問するんです。呼びだして、弁明させるんです。おまえ弁明してみろと、そしたらルターが全く説を撤回しないわけ。ここら辺がすげえなと思う。本当、純粋に信じてるから。
楊:そうだよね。
深井:こういう挙動になるんだなと思ったんですけど。命より大切なんです、信仰の方が彼にしたら。
樋口:命がけだ。
楊:僕が読んだのはここに至るまでのルターの挙動がけっこう面白くて。前の回で深井くんが手紙をだして、司教に手紙を出して、これを学術的に議論したいですって手紙出した。ルターは完全に学術的な議論をしたかっただけなんです。そんなに大きなことがしたかったわけじゃないんです。でもそれを受け取った司教側は過剰反応しちゃったんです。過剰反応してこれを学術的な議論の手紙じゃなくて、これはもう教会の贖宥状販売の体制に対して告発してる文書だと過剰反応してしまったんです。
樋口:はいはいはい。
深井:そうそうそう、そうなんです。
楊:過剰反応して、あ、これはちょっと早めに押さえ込まないとこの厄介な教授をなんとかおさめないといけないといって、この件をバチカン、ローマ教会の総本山に情報共有したんです。こういうことが起きてるんでまじちょっとなんとかしないとだめですみたいな。そこでルターを審問に呼び出して色々聞いてた。ルターとしては学問の議論がしたかっただけなんですよね。でもなぜか知らんけどローマ教会がマジでこっちをなんだろう異端審問にかけるくらいの勢いでがんがんきたんです。は、みたいな。全然こんなはずじゃないやというふうにルターが思ってたんだけれども、審議の場に引っ張りだされる、ルターが。でもこれと同時にルターの友達、ルターは自分の友達にも自分はこういうことを議論を司教にもちかけてるんだけれどもと友達にも実は教えたんです。そういう95か条の友達に配って。友達たちの挙動が面白くて。友達はルターを応援したくて、この95か条をばんばん印刷したんです。
樋口:へえ。
楊:印刷所に持ち込んで、ばんばんばらまいて大炎上した。
樋口:ええ。
深井:そうだよね。
楊:これも全くルターが、全くこれを想定外だった。
樋口:なるほど。
楊:だから友達たちがばら撒いて、これが大炎上して、ルターもルターでちょっとわけのわからんうちに審議の場に引っ張り出された。審議の場に引っ張り出されて教会にお前自分の間違って、自分の言ってること間違いって認めろよというふうにすげえ高圧的に言われて。ルターの立場からすると、これはもう自分の身を守らないとだめだなと思ったと思う。
樋口:なるほどね。
楊:思ったし、そこで認めたら自分の身が危ないし、そこで始めてかなり徹底的に理論武装して絶対に罪を認めてやらないぞというふうに立ち向かったというのもあるし、やっぱりもう一つは教会のロジックに対してすごくルターが反感を抱いてたのでムカついたんじゃないかと思う。だから審議の場とかでも最終的にルターはキレ気味にそんなふうに教会の皆さんは自分のいうことが正しいと思うんだったら聖書をベースにして議論しろよ、キレ気味に言ったんだなというふうに思います。
深井:よく言ってますね、ルターは。だから、そうなんですよね。最初からローマ教会に対抗、ローマ・カトリック教会に対抗しようとしてたんじゃなくて、議論をさせてもらえないというのがずっと続いて、そこに対しての不信感であるとかからローマ教会いいやってなっていくってのがたぶんルターの側の流れで。さっき言ったヴォルムス帝国議会に戻るとね、ヴォルムス帝国議会というのはローマ教皇じゃなくて神聖ローマ皇帝のカール5世が開催してるやつ。ここに呼ばれて、今度は神聖ローマ帝国ていう国側からみられることになるんです。もうすでにカトリックから破門されてて、どっちが先だったか忘れましたけど、ほぼ同時期に。ここでいろんなこといわれるけど、さっきヤンヤンがいったみたいに聖書をみるとカトリックがやってること間違ってるぽいから、ここで自分が言ってることが間違ってるということはできない。自分の良心、いい心に反して進むということはキリスト教の宗教者として安全でも正しいことでもない。だから自分の言ってることを撤回することはできない。で、もう神様助けてくれってはなしをする。
楊:腹を括ったんじゃないかね。
深井:神よ私を救いたまえ、アーメン。ていう、ここで。もう取り下げたくても取り下げられない、彼は。
楊:もうすでに学問上の議論のレベルじゃなくて、政治問題になってしまった、国の。
樋口:なるほど。
深井:かれは神学としての話をしたいんだけど、政治問題の問題をずっとされて政治的につっこまれるんだけど、でも神学的はそうだからという話をするしかなくて、それでそれをいうんです。で、さっきいったみたいに、もう印刷とかでばんばんばんばんいろんなところに渡っていってる。それだけローマ・カトリック教会て反感かってる。なんでかっていったら世俗権力を握ってるからです。
樋口:はいはいはい。
深井:やっぱり権力者って反感かう、誰からか、必ず。その反感持ってる人たちがこの世俗権力の正当性を覆すようなことを言い始めるとおおといって飛びつくわけ。
楊:火をつけてしまったんだろうね。
樋口:それはそうなるか。
楊:面白かったのは、ルターはどっかの手紙かなんかの中で、こんなことになると思わんかったって書いてある。
樋口:いや、それはだって、そりゃそう。だってLINEをクスショされてツイートされてリツイートしまくられる。
楊:おれは学問、学者と議論したかっただけなのに、今公開したことすごい後悔してるみたいなこと言ってる。
深井:そうですよね。
樋口:そうなるはなあ。
深井:教会側もそんな頑なに反論してくるとか思ってないし。皇帝側も最後一応弁明の機会与えたのに最後の最後まで屈しないで。困るんです。このままいくと彼は殺されるはずなんです。殺されるはずなんだけどここからが今までの歴史と違ったところ。彼を死ぬ、誰に殺されてもおかしくない。実際に誰に殺されてもおかしくない、この状態で。けど彼を拉致した人がいる。ザクセン選帝侯のフリードリヒという人が彼を拉致して、自分の城であるヴァルトブルク城というところに匿うんです。
樋口:守るために拉致した。
深井:守るために拉致するんです。
樋口:お、面白いぞ、これは。
深井:この人は主権国家の人だよね。だからローマ皇帝とも対抗したいし、神聖ローマ皇帝にも対抗したい、カール5世。ローマ教皇であるレオ10世にも対抗したい人。この人がルターが殺されては困ると思った。自分のヴァルトブルク城というところに匿うんです。で、神聖ローマ帝国ってのは前も言ったみたいに皇帝の権力が弱いよね。匿われると実は手が出せないんです。匿われてる時にルターが何をしたかというと、聖書をドイツ語の訳に翻訳するんです。
樋口:うわああ。
深井:新約聖書を2ヶ月で全訳して。これを出版していくわけです、この人、この後。
樋口:おお、なんやったら大事な時間。
深井:みんな聖書読んでみろっつって。本当にカトリックがやってることここに書いてありますかということをやるために。彼は聖書をドイツ語に訳してみんなが読める状態を作るんです。
樋口:うわ、これ必要な時間だったんだ、この2ヶ月。
楊:そこに印刷技術という技術がなかったら広まってなかったんですよね。
樋口:ええ、面白い。
深井:この印刷技術のとこもう少し補足するとね。識字率がまだこの当時は5から10%なんです、ヨーロッパが。印刷術が広まってルターの宗教改革によって上がっていって、最終的に30から50%に上がるんだけど。この当時はまだ5から10パーとか。主なところだと3から4パーと言われてすごく低い状態なんですよね。
樋口:はいはい。
深井:なんで、その、もちろん聖書を訳すんだけど、じゃあどういうふうにそれをみんなが享受してるかというと、文字を読める少数の人が音読するんです。それをみんなが耳で聞くというやり方をします。あとは、ビラ。絵を描いてあるビラを配ります。だから8割くらい絵、あとはちょっとだけ文字書いてて、その文字ちょっと書いてあるやつは文字を読める人が解説してくれる。あとは絵で内容が理解できるというビラ。一枚のビラというものをたくさんたくさん刷って、それでどんどんどんどん広めていくというやり方をとるんです、彼が。ルター派閥の人たち、彼を応援する人たちも。それによって何が起こるかというと、実はこれもルターが予想だにしないくらいボルテージが上がっていく。そんなことせんでとルターが思うくらいのことをみんながし始める。
楊:そうそうそう。
樋口:はあ。共鳴するんですね。
深井:共鳴して過激すぎるくらいの改革活動をし始める人たちが出てくる。
楊:そう。ちょっと過激攘夷志士みたいな、そういうけっこうぶっとんだ人たちが出てくるんです。
樋口:なるほど。
深井:例えばアンドレアス・カールシュタットっていう人がいて、この人は衣服を簡素なものに変えていきます。それまではカトリックってのはけっこう荘厳な衣服とかを着て権威を示すということをやってたけどそれをやらない。あとは儀式の時に今までラテン語を使ってて儀式で何言ってるのかって民衆わかんなかったんだけど、全部ドイツ語を使う。みんながわかるような言葉を使うとかいうことをし始めて、改革とかをどんどんどんどんしていく。ルターの考えに基づいたやつ。それはルターからすると一気にそんなことしないでと思うんです。
樋口:そうですよね。危ないのに。
深井:偶像撤去とかしちゃう、カールシュタットが。偶像崇拝しちゃだめだって確かに聖書に書いてある。偶像撤去とかし始めるとルターがいやちょっとそんなことしたらだめだろうって今度はルターが抑える側に回る。
楊:そうそう。ルターは過激派じゃないんですよ。
深井:過激じゃない。彼はただ単純に議論がしたかっただけ。
楊:とても真面目な、真面目に。
深井:周りの人が燃えていく、どんどんどんどん燃えていくんです。そのカールシュタットっていう人が出てきたりとか、あとはミュンツァーという人が出てきたりとかもするし。
楊:ああ、ね。
深井:もっというと、騎士階級の人とかもばんばんばんばん盛り上がっていったりだとか。あと一番やばいと思ったのが、ルターが、農民ね。
楊:そうだね。
深井:農民が聖書に基づいた社会正義を考え始めるんです。
樋口:はいはい。
深井:農民はそれまでずっとローマ教会のみならず、領主、領主に搾取されてるなと思ってる、ずっと。で、領主に搾取されてるから領主が持っている権力の源って聖書のどこに書いてあるんですかという話をし始めちゃう、農民が。
樋口:気づいちゃった。
深井:これを信仰を元にして全部序列作られてたのに、その序列を覆す概念をルターがぼんと出したら、それによってなんか虐げられてた人たちが確かにそうじゃんと思って。じゃあなんでおれこの序列に従わないといけないんだってなって。今度はローマ教会だけじゃなくて領主に対してもこれっておかしくないですか、おかしくないですか。おかしくないですか。という話をし始める。例えばですけど、教会に対してもいう、例えばこの税金おかしいんじゃないかとか、司祭をローマ教会が決めるのはおかしい、カトリック教会が。ていうのおかしいんじゃないかという話もする。例えば領主によって制限された権利は、例えば狩猟。狩りをする権利とかなかった。自由に狩りとかしてはダメだった。あとは漁業も自由にしてはダメだった。これもおかしくない、みたいな。あとは死亡税という税金をかけられてて。
楊:そう。死んだら税金かけられるという。
樋口:へえ。
深井:何それみたいな。そんな感じでめちゃくちゃ搾取されてたのが、その、どういう論理によってそういうこと君たちはしてるのかということを、聖書に基づいて説明してくれという話を農民がし始めるわけです。これでびっくりするんです、ルターが。ちょっと待て、と。私は確かにローマ教会がおかしいみたいな話はしたけど、その世俗の権力については一切話してないぞ。自分が言ってるのは常に信仰の問題の話しかしてないわけであって。農民が反乱していいなんてこと一言も言ってない。なんでそんな反乱しちゃったの、みたいな。
楊:ルターの中で戦争のような暴力行為ってのは国家だけがしていい行為なんです。国家だけがしていい行為だし、彼のルターの批判もあくまでローマ教会に向けたもので世俗の王様に向けたものじゃない。だから農民たちの反乱とか暴動はルターの中で宗教的にアウトなんです。
樋口:はいはいはい。
深井:そうなんです。だから元々信仰を元にしたヒエラルキー構造がある中で、そのヒエラルキーの下の人が上の人に文句が言える思想的バックボーンをルターが渡してしまった結果、複層階層で領主の人たちとか王様の人たちはローマ教皇に文句をいう、そして王様たちに農民たちが文句言うという複層的に上の人たちにお前の権限の根拠はなんなんだと文句を言い始める時代というのに突入して、めちゃくちゃてんやわんやになるんです。
楊:大変なことになるよね、これ。
深井:大変なことになって、反乱した農民に対してルターが言ってることがめちゃくちゃ僕面白かったんですけど。狂犬って言ってるんです。なんか、聖書を元にして言ってるようなていで言ってるけど、あななたち農民が言ってること全部世俗権力とか世俗権利の話であって信仰に関係ない。信仰に関係ない話なんか僕するつもりないし、信仰に関係ない話は世俗の問題だから世俗の人たちで解決すべきであって、聖書を絡めるべきじゃないよ。ってことをルターは言います。
楊:説得しても全然抑えられないから最終的にルターがブチ切れる。
深井:なんなら最後らへんはできることなら農民を撃ち殺して絞め殺して刺し殺さないといけないとか言ってる。
樋口:やばいやばい。
深井:それで、したら農民もびっくりする。え、みたいな。ルターが言ってること、ルターって僕たちを応援してくれる感じじゃない。
楊:味方じゃない。みたいな。
深井:味方じゃないんだ。みたいな感じでめっちゃびっくりするていう。
楊:農民たちも領主に対して声明書みたいなのを書く、自分たちはこう主張します。その声明書に勝手にルターの名前とかも入れちゃってるんです。そこでルターがあいつら農民たち殺せみたいな感じになってびっくりしたと思う。
樋口:なるほどね。
深井:味方じゃないのみたいな感じで。農民もすごい困る。ここで農民の権力は結局は上がらなかった、今回では。今回で農民の権力は宗教改革によって上がることはなかったけど、これはお金の歴史のところでやりましたけど。領主権が確立されて領主の人たちの権力が上がっていくと同時に農民は農民で実は権力が上がっていくんです。宗教改革ではなくてペストによって人がめちゃくちゃ少なくなる。
樋口:はいはいはい。あったね。
深井:ということによって、農民の権利も上がっていって。ここから資本主義に突入、蓄財、お金を集める、貯めるとかがあって。
樋口:面白い。
深井:いって、そこから資本主義に突入していくんだけど、なんで資本主義に突入できるかというとローマ教皇の影響力が弱まっている状態になれてるからというのはありますよね。
楊:確かに。
深井:王権強まってるから。というのと、この後話すカルバンとかの影響もあるんじゃないかと言うふうに。いろんな説がある、そこに関しては。
樋口:繋がるな。なるほど。
深井:ていうことですね。こういうことでルターは実は自分が思ってもない方向にばんばん進んでいく社会をみてびっくりしたという話です。でも思想的バックボーンを渡したのはまぎれもなくやっぱりルターなんですね。
樋口:むずかしい。
深井:そのルターに思想的バックボーンを与えているのが処刑されていったヤン・フスとかなんです。今回ヤン・フスの話あんまり詳しくしないですけど。ていう流れがあります。この後ついに戦争に突入します。
樋口:はあ。
深井:ついにそこまでいっちゃうんです。
樋口:いっちゃうんだ。
深井:はい。この戦争によって社会が一気に変わっていきますので。戦争がどういうふうに起こっていくのかという話を次はしていきたいと思います。
樋口:面白いですね。いやあ、だからよくこのラジオの中でいってる人間は活動によって社会にどういう成果を与えるかってのは想像できないみたいな話よくするじゃないですか。まじそれが起こってるなと思ってめちゃくちゃ面白い。そんなつもりじゃないのに、この活動って。
深井:そう、そうやって影響を与えてくんですね。
楊:全然そんなつもりじゃないですもんね。
樋口:全然そんなつもりじゃない。しかも農民からしても、え、という感じ。コントやな、まじで。
楊:しかも農民たちって結構強かったんです。
樋口:そうなんですね。
楊:結構強くて農民たちを鎮圧するために領主って傭兵を雇ったんです。傭兵、ランツクネヒトっていう結構ヨーロッパでも最強の傭兵みたいな部隊を雇ったんですけど、その傭兵の中に実は結構多く大半が農民出身だったんです。
樋口:強かったんだ。
楊:そう。農民出身の傭兵たちは自分たちが抑えようとしてる農民たちを殺すのが忍びなくて、農民たち側に寝返った傭兵たちもけっこういたんです。
樋口:へえ。
楊:傭兵ってすごく戦闘スキルとか持ってるから、農民たちに戦闘スキルを教えて、横の連携をとかとったりとかして、けっこう農民の反乱はうまく戦ったんです。
樋口:すげえな。
楊:という混乱状態もあって。でも最終的にめっちゃ死んだんだよね、農民が。死者10万人という説もあります。
深井:それくらい農民反乱が起こったってことです。
楊:そうそうそう。
樋口:なるほどね。いやあ、ちょっとたぶんね、ルター相当テンパってると思いますけど。そのルターという男によってまた時代がどう変わっていくかというところで。今日は一旦こんな感じですかね。
深井:はい。
樋口:はい、ありがとうございました。
深井:はい。
楊:ありがとうございます。