#151 「ブルートゥス、お前もか。」栄華を極めた男の最期

【今回の内容】外国人登用、みんなのローマ!/外国人を市民に、市民を貴族に/現代でも有名なコローニア/共通規格の整備/調子にのるカエサル/システムに追いつかない人間/カエサル、自尊心暴走の巻/そして、暗殺/失敗から学ぶアウグストゥス/その後のローマ/暗殺者の気持ち/エンディング/キーワードは「外部リソース」/場所と官軍/合理的じゃないことは美しくない?/ドライ/ヤンヤン、破滅思想/歴史は諸行無常/起業家・深井の悟り/いち人間に社会をコントロールできる力はない/コテンラジオは揺り戻す(いつか)/コテンラジオからのお知らせ

樋口:はい、ええ、ついにポンペイウスを倒してローマに帰って来たカエサルですが、本日で最終回でございます。と。

深井: ええとね。ここから、一気に帝政ローマの設計というか、アーキテクチャーを作っていくことになる、彼が。独裁官をやったりとか、執政官コンスルと兼ねたりだとか。いろいろ細かくいうと複雑なんではしょりますけど、そういうのやりながら結局十年間独裁官やろうみたいな話にしたりする。最終的に終身独裁官になる。死ぬまであなたは独裁官ていうやつになる。で、元老院議員というのを九百人まで増加させる。定員ばんて増やして、政務官とかの数も倍増させて。新しい勢力をばんばんいれていくんです。

楊:属州とかから、今までローマじゃない、外国人を。

深井:そう、外国人を政府の中枢にばんばんいれていく。これによって、これが冒頭言った外部リソースを使うのが上手いといったあれなんですけど。結局ローマというのをいろんな人たちが運営するという状態にもっていって、ローマ人のローマから、みんなのローマみたいにしていくんです。

樋口:へえ。

深井:その結果ローマは長く続いた。これをしてなかったら帝政ローマ以降ローマがあんなに繁栄することはなかったと僕は思います。

楊:そうだよね。ローマ人というアイデンティティにすごく固執してしまったら多分帝国はでかくなり得なかった。

樋口:なるほどね。

楊:もちろんそれを属州から外国人としてローマにやってくるということは逆の立場で言えばローマがそれだけポテンシャルがあって見込みがあったってこと。それだけローマに勤めることが魅力であったし、ていうところが属州の外国人たちにとってもそれがあったと思います。

深井:あとは、平民を貴族にしたりとかして、内戦で政治家がめっちゃ死んだみたいなんです。それもあったみたいですね。新しい勢力をがんがんいれて、ガリアから、属州というかガリアから呼んで来たりして。このまえまで戦っていた人たちを。普通にローマ中枢に連れてくるみたいなことした。

楊:それも嫌われたんでしょうね。元々の元老院の保守派の人から。

深井:めちゃくちゃ嫌われたでしょうね。

樋口:外国人がいきなりドバッと入って来た。

深井:あとは属州にガリアに攻め入ったときに北イタリア側のまだローマ市民権を持ってない人たちがめちゃくちゃ助けてくれたんだって。この人たちに市民権を与えるというのもやったみたい。ガリアは貴族だけ呼んで一部の人入れたりしたけど、この北イタリアの人の属州の人たちはみんなに市民権を与えた。ガリアの遠征中は一番大変なのはご飯を食べること、ご飯を食べるところすごく支援してくれたねってことで。それに報いてあげるということ。あとコローニアといって植民地をたくさん作って。そもそもガリアでいろんなところに行った人たちがいる。その人たちがそのままそこで暮らしちゃうというのをやったりしました。

楊:ローマで貧しい人とかホームレスの人を植民地の方に移したりとかもやりました。

樋口:へえ。

深井:ちなみにその時のもともとコローニアだったていうのが、今の有名な都市とかでたくさんあります。ケルンとか、ケルンてコローニアと同じ意味なんです。

樋口:そうなんですか。

深井:はい。音が似てますね。

楊:そのコローニアも単にそこで。

深井:パリもそう。

楊:そうだよね。作らせるというのも生活の拠点を作らせるというのもあるけど、軍事拠点の機能もある。だからそこにローマから軍隊を駐在させて。政治の方は現地の有力者に任せて、ほぼ自治、自分たちでいろいろ徴税とか法律とかやっていいから軍隊だけ置かしてくれ。そこで締めてそれぞれのコローニアから道をローマまで全部ひっぱってきて、高速道路を作る。

深井:当時の高速道路的な街道整備とかもしましたし、基軸通貨ですよ。

樋口:通過もでかい。

深井:ユーロみたいな。

楊:ローマって早い段階から貨幣制度ができたんです。だから経済がブーストしやすい条件が整った。というのも、ヒスパニアを彼ら征服した。ヒスパニアって金とか銀が取れた、それで貨幣を作ることができた、流通させることができたと言われてます。

樋口:うん。

深井:あとは、ユリウス暦の制定。

楊:これでかいね。

深井:ユリウス暦てすごく有名。いまの365日、4年に一度閏年のやつ。これができる前はちょっとずつずれてた。これをエジプトの天文学者とギリシャの数学者を招いて作って、これを基軸暦として、強制はしてないけど、みんなこれを基軸として使おうね。ようは属州までをローマとしてカウントした時に必要な制度をちゃんと整えた。これは始皇帝がやってることと近い。

楊:共通の規格を作った。

深井:そう、共通規格をどんどん作って、みんなが共通認識をとれるような状態にして、ローマの人間をコローニアとかいろんなところに置くし、向こうの人もこっちに来させるし、ローマの市民権をもう少し広範に渡して不平感がないようにするし、ということで新生ローマの制度上をここで整えて行ってる。これは今までの元老院派が絶対やらないやつ。既得権益がぶっ壊れていくから。

樋口:なるほど。

楊:イーユーだね。

樋口:EUみたいですね。はあ。

深井:はい。で、これをやりながらカエサルは調子に乗って行きます。

樋口:調子にのるんですか。調子にのっちゃだめって話をサポータ特典でやったばっかりですけど。

深井:人間ていうのは調子にのるんで、こんだけ、だってあの英雄ポンペイウスも倒して、もう、本当に並ぶもののいないローマの権力を手に入れ、かつ、ある意味彼からしたら自分以外この政策を理解してる人ほとんどいないわけです。

楊:わかるわかる。

深井:めっちゃ自分がダントツで頭いい。それで作ってて。やっぱりちょっと調子に乗って来ちゃう。

樋口:なるほど。

楊:たぶん過去の歴史とかを勉強していく中で、王様が権力者が調子にのらないためにするためには帝王学という学問がある、中国とかでも。でもそのピースはカエサルは欠けてた。

深井:この後、僕が面白いと思うのは、ローマというのは帝政に突入して、初期は躓くんです。本当ダメな皇帝が、アウグストゥスという初代皇帝はいいんだけど、その後カリグラ帝とかいろんなのが出て来ちゃう。その人たちですごい躓くんだけど、これはローマが共和制だったからだと思う。帝王学がなかったからだと思う。

樋口:なるほど。

楊:帝王学という知見がまだ形成する必要がなかった。

樋口:なるほど、共和制でずっときてたから。

深井:そうそう。

樋口:はあ。

深井:自分たちはずっと共和制できてて、王様をずっと忌み嫌ってたけど、東方、ペルシャ帝国とかにはある、そういう帝王学が。王様いるから、中国とかにもあるけど、なかった。ないからなった瞬間強大な権力を持て余して使えなかった。それでわけわかないことして、ネロとかカリグラとかいろんなダメな皇帝出て来て。それの揺り戻しでこんどは五賢帝が出てくる。五賢帝ていう五人の連続の賢い王様が来て、それでローマがパックスロマーナっていって、究極の栄華を極めるという状態に突入する。この流れも、今回この話しませんけど、面白い。

楊:システムに人間がまだ追いついてない。

樋口:なるほど。

深井:そうそう。うまく使えばいいけど、それを使える人間が出て来ない。評価制度導入したけどだれも評価者が評価できないみたいな。すごい優れた評価制度導入したのにだれもそれを運用できないみたいな、よくあるやつね。

樋口:ついていけない。

深井:そのスキルがない。それは余談ですけど。ちょっと調子に乗って来ます。どんな調子の乗り方するかというと、これも、本当どこまで本当かわからないけど、カエサルは王様だと呼ぶ人を逮捕した護民官を元老院から追放するとか、あと、いろんな称号とか名誉を全部受け取っちゃうとか。これ、面白い。

楊:とか、あと、凱旋式やってるときにポンペイウス派が負けた人たちの臣を絵で書いて飾るとか。彼らは別に蛮族じゃない、同じローマ人、でもそれを飾ってしまって反感をかう。わからない、実質はわからないけどそういう記述もある。

深井:クレメンティア持ってたけどね。ちょっとムカついたんだろうね、なんだかんだ。噴出してくる。クリアしちゃったから、喉元過ぎちゃって、そこで自尊心がでかくなっちゃっていく。もともと彼は自尊心がとても強いのに、自分より上の立場の人がいるときはバランス取れるけど、マジで自分がトップになった時に自尊心が強いやつがトップになると暴走する。だぶん暴走したんだと思う。

楊:人間の面白いね。

樋口:面白いな。

深井:その自尊心が彼をここまで突き上げていったけど、トップになったらその自尊心を止めるものが何もなくなっていって、暴走する。で、彼は終身独裁官になる、自分で。あのスッラですら終身独裁官になって、それを返上した。彼は全く返上する様子を見せなかった。

楊:なんかね、今後私に話をかける時は今まで以上に慎重にかけろよ。私の言葉は法律だとかね。

深井:そういうことを言い出しちゃう。

樋口:むっちゃ調子に乗ってる。ほ。へええ。

深井:もともと自尊心強いからね。彼はまだいろんな課題を抱えてる。これから元老院を900人まで、600から900まで増やした。これをどういうふうにしていくかまだ定まってないし。今後統治体制も少し制度作ったけど属州統治の制度とかも新しく作ってはみたんだけど、それをもっとブラッシュアップしていかないといけないという、最初の案を作ってる段階。

楊:調子にはのってたけど仕事はちゃんと真面目にやってる、ストイックにめちゃくちゃ忙しい。

深井:でも、その仕事に着手し始めたくらいの時に、暗殺されるんです。

樋口:かあ。ついに。

深井:うん。

樋口:有名なあれですね。

深井:終身独裁官になった翌年に。

楊:即暗殺されます。

樋口:はええ。

深井:そう。元老院への向かう途中にカエサルに嘆願すると装った人が暗殺者がやってきて、その人たちの手によって23箇所も滅多刺しにされる。

楊:何十人。

樋口:うわあ。

深井:十何人くらいに滅多刺しにされる。

樋口:残酷な殺され方。

深井:そう、ちょう残酷な殺され方、カエサルてのはクレメンティア、寛容、慈悲というのをすごくやってて、ブランディングも成功してて、すごくうまく行ってた。寛容主義で。すごくうまくいってた、そのうまくいってたんだけども、やっぱりこのラインを超えれなかった。

楊:最後の最後で暗殺者たちの心の内を読みきれなかった。

深井:読みきれなかった。暗殺されるとまでは思わなかった。でも僕はこのあと、この後継者であるアウグストゥスという人がでてくる。このアウグストゥスを指名していた、後継者として。オクタウィアヌスいう人なんだけどね。もともとの名前が。アウグストゥスというのは称号だから。この人が初代皇帝になっていったときに、カエサルの失敗をさらに踏まえて、調子に乗りすぎないということを彼はやる。だからカエサルも僕は過渡期だと思ってて、結局みんな立派だから、前の人の失敗を踏襲して踏襲して踏襲してやったんだという話だと思う。

楊:それを踏襲できるオクタウィアヌスを若い時に無名の時に指名したカエサルはすごい。

深井:すごいよね、人を見る目がある。

楊:事業承継の天才だったと思う。人類史の中で一番成功した事業承継の一つだと思います。

深井:確かに。自分もすごいのに自分よりすごいやつだす。オクタウィアヌス、アウグストゥスって立派な人なんです。

樋口:オクタウィアヌスがアウグストゥス。

深井:そう、同じ人間なんです。同じ人のこと。称号がアウグストゥス、名前がオクタウィアヌスです。称号もう一つあって、プリンケプスとかもあるから、本当に出しすぎると混乱するんであれですけど。まあね、この後はさらっと流しますね。この後カエサルの後ってのは、アウグストゥスが初代皇帝になって、内戦とかもう一回あったけど、実は。アントニウスという人と戦って、アウグストゥスが勝って皇帝になって、本当に皇帝になって元老院とその関係性を規定して、その後ローマ帝政に突入して、初期のローマ帝政は混乱とかもありつつ五賢帝の時代に入って行って、そこでトライアヌス帝とかね、マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝とかね、ちょう有名な、すごい立派な人たちが出て来て、その人たちが本当にローマをちょう強くしていって。ヨーロッパの礎をそこで築いて行って、それが広がりすぎて東西に分裂して。こっからどっか他のところで喋りましたけど、西ローマ帝国はかなり早い段階で彼らが蛮族と呼んでた人たちに滅ぼされてしまって。それが今度はフランスとかドイツとかイタリアとかになっていきます。東ローマ帝国ってのはコンスタンティノープルを首都としたビザンツ帝国になっていって。これがオスマン帝国に滅ぼされる。このような流れでいきます。

樋口:歴史やね。なるほど。

深井:カエサルが独裁権握った期間はすごい少ない。

楊:意外と、5年くらい。

深井:ローマに戻ってからだともっと少ない。2年くらいなんで。すごく何回も執政官とか終身独裁官とか独裁官とか、いろいろなってるから。あれなんだけど、すごい短いですよ。

樋口:でもいわゆる王様というか帝王にはなってない。

楊:建前上はなってない。

深井:建前上はただの独裁官です。

樋口:ですよね。なんかそこもなんか、ね。どういう気持ちだったのかってのがある。

楊:ぼくはただブルータスの暗殺した人たちの気持ちちょっとわかる。

樋口:ほう。

楊:怖いんです。今の日本にめちゃくちゃ権力を持ってる、例えばヒトラーみたいな超権力者が出てきたら怖くないですか。今の普通に民主主義とかやってるのに、いくらシステムとか時代の流れとはいえ、独裁権になってしまうかもしれない。僕は中国で生まれ育ったから中国のある種貴族政治に対してなじみがあるから多少想像はできるけど。普通の日本人が日本でちょう独裁政権が成立する直前の状況をみたら絶対怖いと思う。

樋口:僕ら知らないからピンと来てないだけで。

深井:日本はまとめられないでしょうね、一人の人が。

樋口:なるほど。

楊:天皇かな。

深井:天皇以外でまとまらないと思います。多分。

樋口:いやあ、ちょっとじゃあ一旦この辺でカエサル本編はという感じですかね。じゃあちょっとエンディング行きましょうか。

深井:はい。

楊:はい。

樋口:いやあ、お疲れ様でした。

深井:お疲れ様です。

樋口:すごかったな、今回も。めっちゃ長いな。

楊:何話分。過去最長。

樋口:過去最長。分数でいくと過去最長かもしれない。

深井:だいぶ削ったよ。

樋口:これでも相当削ってますから。

深井:そうとう削ったよ。

樋口:全部どっかでとって出したいくらいなんですけども。いやあ、どうでした。

深井:なんかね、学ぶことが多い。多すぎて一つに絞れなかった、ぼく今回。めちゃくちゃたくさんあった、ローマの成り立ちとか、共和制に移行する時とか共和制から帝政に移行するときの流れとか人間関係とかからも今の会社でやってることとかとの共通点みたいなの僕はいっぱい見出すことができたし。カエサルのクレメンティアの寛容性とか慈悲とか、そういう話とかって今と変わらないです。でも一番面白いなと思ったのは、それこそ室越と話した、番外編に出てた、サポータ特典にはもっといっぱい出てるから一部のリスナーにはすごい有名になってきましたけど、彼は。室越と話してて面白かったのが、やっぱり外部リソースを使うことがうまい人が、なんやかんや権力を握っていったりとか主流になっていくよねという話をしてて。確かにその説明でポンペイウスになぜカエサルがなぜ勝ったのかとかですね。なぜ元老院はカエサルに負けてしまったのかとか、なぜ王政は共和制に負けてしまったのかとかですね、そういうことが結構全部説明できると思った。

樋口:おれも外部リソースという言葉は全編通して一番印象に残った言葉ですね。

深井:それは僕がベンチャーとかスタートアップしてて全く同じだと思った。自分たちがどういうリソースを持ってるかというのと別として外部のリソースをどんだけ利用できるかというメンタリティと状況を保ってるかということはすごく大事で。世の中のことは実はリソースをどれだけ集中できたかで決まってると室越と僕でしてたんです。

樋口:わかるね。

深井:何が正しいのかとか何がよかったのかというよりも、そこにそれだけのリソースを集中できた人たちが正になっていくんだと。という話をしてたんだけど、本当にそうかもと思った。カエサルはそれがうまかった人なんだね。ブランディングによっていろんなリソースを集中することができた人なんだなと解釈しました。非常にそこも面白かったです。

樋口:いや、だからカリスマとか弁が立つとかそういうものによって人の気持ちとか心を動かしたというのが自分で軍事をやるより強かったってことかもしれない。

深井:そうですね。自分で軍事やるより強かったし、やっぱりそのなんていうかな、周りの属州の使い方がうまかったし、それを活かすって概念があったからこそ帝政ローマが強くなった。

楊:民族という概念がまだなかった。

深井:なかったし、そこの自我の持ち方というか、そこが絶妙ですよね。

樋口:絶妙ですね。

深井:たぶんローマ元老院の、共和制期のローマ元老院の帝政以降のローマなんてローマじゃないんですよ、もう。自分たちの知ってるローマはなくなっちゃってるから滅びてる、一回、彼らからしたらローマは。でも歴史上僕たちが振り返るときにはローマってのはあんだけデカくて、史上最高の栄華を極めた帝国中の帝国だっていう覚え方をしてる。でも共和制ローマ期に生きてた元老院の議員からするとたぶんカエサル以降のローマなんてローマじゃないんです。

樋口:ローマ潰れたって認識。

深井:ローマなんて死んでしまったと思ってるというか、思えなかったけど、彼らはいなくなってるから。そう思うと思う。これって、今でもそうだなと思う。何で残るかなんて、なんていうかわかんないし、僕たちが何によって自分たちを規定してるかとか、何によって組織なり個人を規定してるかってそれぞれ違う。どれで残るかというのも別々だし、後世の人がそれでどれで残ったことによって自分たちを何で規定するかも別だし。面白いなと思った。

樋口:それでいうとポンペイタス、

楊:ポンペイウス。

樋口:全然覚えてない。

深井:ポンさんで覚えてほしい。

樋口:ちょっと待って、ポンペイウスが逃げたじゃないですか、ローマから。その時点でローマじゃなくなったって話がめちゃくちゃ僕は面白いなと思って。だって実際にやってた人間てやっぱポンペイウスたちじゃないですか。でもローマって場所からいなくなっただけでローマじゃなくなるっていうのが。やっぱ場所っていうどこで開かれてるということが人間にとって相当意味を持ってた。

深井:彼らはそういう法律で運用してたから。そういう決まりに基づくと官軍こっちになっちゃうぞという話、そこは。

樋口:そこは面白かった。

楊:確かに、元老院が開けたところが、そこがローマっていう定義なんです。

樋口:だって、全員で移動して違うところにいって、ここがローマ、新、新しいローマって開いてよかったのに。

楊:それはたぶん彼らは遊牧民じゃないんで、その概念は発想はなかった。

深井:過去彼らは一回ローマを捨てようとしてやめて成功した経験がある、歴史上で。ローマ捨てるみたいになったことがあって、いや捨てないってなった。で、そのあと繁栄したんで、ローマ捨てるってのは、するつもりポンペイウスもなかったと思う。捨てたつもりはなかったと思う。彼らはあくまで軍隊がいるところに移動した。結果的に捨てたことになった。

樋口:そういう感じか。

楊:その建前をカエサルが自分の方に引き寄せて、自分の建前として。

深井:カエサルは今回あんまり言わなかったけど。法律をめちゃくちゃ使ってるから、政治闘争で。この法律に基づいてこうなるからこういうふうにこうというそういう思考方法なんです。ちょう弁護士なんです、彼。弁護士と同じ思考方法で法律に基づいた合法的な攻撃をしてくる、政敵にたいして。だからめっちゃ強い。そこもちょう強いんですよ。

樋口:ロジックが強い。

深井:弁論の天才だから。まじロジックできてなかったらそもそもできない。しかも彼は留学してるからね。その分野で。その世界一と言われた先生の下に、途中でやめましたけど。学ぶべきことが多すぎて一つに絞れない感覚今回強くて。

樋口:なるほど。

深井:ほかにもいっぱいありましたけど。

樋口:あえて、おれの感想いいですか。むっちゃバカなこといっていいですか。なんでこんな頑張るんや、という。これはアレクサンドロスの時も思ったし、カエサルにも思った。始皇帝も思ったかな。ガンディーとか玄奘はわかるんです。今なにか、ガンディーだったらインドが困ってる人が多いとか、玄奘とかは本当に知りたいというのがわかるけど。アレクサンドロスとかカエサルはなんなんですかね。

楊:めっちゃ想像なんですけど、彼は合理的じゃないものにあまり美しさを感じなかったんじゃないかと思います。

深井:ほお。

樋口:おお。

楊:元老院にしてもこのシステム合理的じゃないよね。というふうに多分思ってただろうし、合理的じゃない効率的じゃないってことは彼にとって悪なんです。悪とは言いすぎ。完全に想像ですよ。それをあったらもうじゃあおれが自分の知力を使ってなんとかしたいというのがもしかして欲の一つとしてあった。

樋口:あら、ピンとくる、それは。

楊:そうなんですか。

樋口:なるほどと思いました。俺の話してもあれですけど、おれが今頑張ってるのもそれですね。

楊:課題解決中なんです。課題があったら解決したい。

樋口:おれはよくいってるけど、今田川でこうやってやってるのはもつれた糸見えてるのにほどきたい。見えてるのにというか、見えてるから。まじそれ。

深井:それに近いかもしれない。

楊:だからカエサルとシンパシー感じた。

樋口:気持ちいい。

深井:あとは単純に父祖の威風をすごく大切にするというのがすでに全ローマ人が一つのベクトルに向かってる状態です。僕がよくいう現代人にそれがなくなったから現代人は大変だよって話の逆。父祖の威風に従って父祖の威風が増えるベクトルで生きてればよかった、彼らは。そこになんの迷いもない。そこに迷うのはおれらだけ。

樋口:そうかそうか。

深井:そう。その生き方ってどうなんだろうって思う人いないんです、古代。

樋口:そうか、それでよかったんですね。

深井:それでいいんです。昔からそう育てられてるし、全員そういってるし、全員そういうふうに生きてるから、そこに疑問を挟む余地なんぞないわけです。

楊:向上心のないやつはバカなんです。

深井:出世なんてするのが当たり前。

樋口:なるほど、はあ。

深井:特にローマ人はね、ギリシャ人と違って。

樋口:あと、思ったのがお家とかメンツとかいわゆる武士道とかあと極道、

楊:樋口さん好きそう。

樋口:だから、カエサルって全然イメージなかった。そもそもカエサルもローマも知らないから、その感覚があるって知らなくて、聴いてたらめっちゃ武士道極道が。

深井:これは、かれらが軍国主義だからだと思います。日本もそうですけど、日本の政権をとってたのは武士だった。彼らがもともと軍人であるとうことがすごくプライドを大切にするルーツだと思う。

楊:みんな軍人なんです。軍人じゃない時には農業したり政治したりする。いざ戦争が起きた時みんな軍人なんです。

深井:他の国もそうだけど、ローマ人はそれの傾向が強い、軍に対する好きと言ったらあれだけど戦うの好きなんです。武闘派なんです。

樋口:武闘派だし、死ぬとはなんかというのを考えてる感じがして。

深井:考えてると思う。

樋口:死と隣り合わせにいる。

深井:個人が弱から、彼らは、自分が死ぬということはそんな一大事ではない。家にとってどう、とか、ローマにとってどう、ということがすごく大きいものだと思います。

楊:なんならカエサルって来世を否定してるような言葉も残ってるらしい。

樋口:へえ。

深井:逆に来世の概念があるんだ、ローマの宗教。

楊:神を信じてる、思想によって。

深井:輪廻転成あるんだ、この時期のローマ。多神教なんですけど、ローマ。

樋口:そこも面白い。

楊:エピクロス派というローマ、じゃないギリシャの哲学の流派があって、カエサルはもしかしてそれだったかと言われてる。それどういう哲学かというと、世の中のもの事って全て原子でできている、物質。全て物質。

樋口:ちょっと待って、最澄、空海編、これ。

楊:あまり深入りはしないけど、神様も実際物質でできてるし、けっこうドライな世界認識の仕方をする流派なんです。死とかに対してもいろいろ死後の世界とか考えるけど、死後の世界ってないよね、なんでかというと人間が死んだ瞬間感覚がすべて無くなるから死の恐怖とか死後の世界って感知できない。冷めた。

深井:現実的な。

楊:ドライな哲学をもしかしたらカエサルは持ってた。

樋口:なるほど。ドライだなというとこもある、全体を通して。

深井:ドライなのはローマ人全体の特徴だと思う。

楊:みんなそうだよね。

樋口:ドライというか合理的とか論理的というのが。そっちの方がイメージが強い。

深井:ギリシャ人の方が論理的ではあるけど、ローマ人はそれが個の単位じゃなくて公、公の単位でできてるという感じなんで、けっこう強い。

楊:目に見えるアウトプットをすごく重視する。そんなにギリシャとかアテネ、ギリシャの中のアテネとかと違って哲学的なことをそこまで重視はしてたけど、留学とか。

深井:実利的だよね、ギリシャ人よりも。ローマで出てくる哲学者の内容とかもギリシャ哲学よりも実利的な感覚がありますけどね。

樋口:なるほどね。

深井:人によって違うのかもしれないけど。

楊:孫子とか韓非子よりかもしれない。

深井:中国の哲学者も実利的ですよね、すごい。戦争とは何かという話はすごく仏教哲学と比べたら実利的。そういうのはすごく感じますね。ローマにも。だからどっちも強い、ローマも中国も。

樋口:ヤンヤンさんはどういう印象なんですか、カエサル。

楊:そうですね。国って滅ぶとき滅ぶんだな。地味な感想で申し訳ないですけど。よく組織とか国が滅ぼさないためにどうすればいいかってのは議論とかあると思う。歴史を勉強してこれを現在の課題解決に生かそうと。それは全然ありだと思う一方、ぼく個人は破滅思想を抱いてるので、滅ぶ時みんななくなっちゃったらいいよ、みたいな。ていうのをまさしく今回勉強してそれをまた、あらためて味わったってことですね。

深井:途中で言いましたけど、変えられない、属州統治に突入したことによって、現在の共和制と現在の元老院はこのままでよくなくなってしまうということは、変えられないわけ。こういうことが組織でも当然起こる。このままいれないことってたぶんたくさん出てくる。でも、本当ちょっと違うのかもしれないけど、ぼくもすごいローマを勉強して思ったのは、人間てでもそれがいやだなと思った。

樋口:どういうことですか。

深井:このままでいたいわけ。です。基本的に。

樋口:そういうことね。

深井:でも、状況というのは容赦なくこのままではいれないことを要求してくる。ここにどういうリアクションするかって現代てぼくすごく大切だなと思ってて。アメリカの今の状況とかみててもすごい思う。メイクアメリカグレイトアゲインみたいな話をしてる。ああいうのも、なんていうか、ね、あれじゃん。もとに戻ろうとしてるけど、たぶん無理なんだよね。悪あがきだと思います。新しい形に変えて変わっていかないといけないし。歴史みてたらそれで抗えた人なんて一人もいなくて。貴族だった人が貴族じゃなくなるのはしょうがない。はっきり言って。次どうするか本人たちが考えるしかない。今までの既得権益とか守れないから。守りきるなんて自分の意思ではできないから。世界は変わるから。その諸行無常感ちょう感じる。

樋口:諸行無常ですよね。しかも現代はそれがより速いスピードで。

深井:速いよ。だから、もう今栄華を極めてる人がどうなるかもわからないし、それが何巡もするかもしれいなですし。固執しないことだろうなと思いました。昔の自分たちの権勢を誇った時代。

樋口:対応力がめちゃくちゃ重要になる。歳をとればとるほど対応力が下がってくるから、やっぱり若い人間の方がだいぶ価値が出しやすい時代になってきてる。

深井:けどね、歳は関係ない。本来は。傾向としてはあると思うけど。たぶん単純に同じことを繰り返してしまったが故にそれが固定化されてるだけで、歳取っても変革しまくってる人って普通にいるから。変革好きなひと歳とってもできちゃう。だからそこすごい僕大事だなと、今回のこの帝政に移行するローマをみてすごく感じた。共和制のままいけたらよかったと思います、僕も。帝政よりもはっきりいって共和制の方が現代ぽいし、正直。だから帝政てよくできたシステムだし、帝政じゃなくて共和制。すごくよくできたシステムだしそれが維持できたらよかったと思う。よかったと思うけど、それは都市国家型だった。

楊:ローマは自分が成長してしまったから。

深井:自分が成長してしまったことによってそれが維持できなかった。

樋口:大きくなりすぎて。

深井:その維持できないことを看破できた人間がほとんどいなかった当時。スッラでさえ。スッラてすごい頭いい立派な人なんだけど。スッラも共和制が機能しなかったからそうなったと思ってたっていった。だけど共和制はそのシステムを根本からかなり変えなければだめだったってのがその答えだった。そのあと帝政がうまくいったからこそ。

樋口:はいはいはい。

深井:逆にね。そこから学べることでかいな。という感覚。じゃあどうしようかなという感じですけど。

樋口:一個人ですると常に変わる覚悟をもつとか、そういう話になるかもしれない。

深井:世の中変わるから固執しないということ。

楊:なんかね、なんつうのかな、いろんな種類の覚悟をもっていくのはいいのかな。変わる覚悟もあれば、変わることに失敗して滅ぶ時は誰に対しても恨み言言わずに自分で滅んでいく、そういうスタンスも持って起きたいですね。

深井:ウェルキンゲトリクスだよね。ウェルキンゲトリクスの覚悟だよね。ああ、負けた、もう死ぬしかない。

樋口:ある意味諦めとも言える。

深井:本当ちょっと最近歴史勉強しすぎてそういうふうになっちゃったね。起業家ぽくなくなった、もとから起業家ぽくないけど。社会を変えようとか思ってないし、なんていうか、こういう風に社会が変わったらみんな幸せだとか全然思わない。わからない。わからないし、例えばだけどいろんな社会問題がある、この社会問題によって今までできてたことができなくなって、今まで享受できたこともできなくなって、今までよかったことが悪いことに変わっていくことが、あたかも悪いことのように語られます。どんな問題でさえそう。なんでもいい。本当に。

樋口:例えば言葉が変わっていくとか簡単な例。

深井:なんでもそうだけど。果たしてそれが本当に悪いことかは歴史見てたら難しいというかね、確かに僕たちが悪いと感じるのはとても自然なことで、歴史上の人間もそう感じてる。

楊:共和制の人たちもそうだし。

深井:そうそう。だけど、長いスパンで見た時にそれがどうかってのはわからないし、そういう過渡期にある人間が本当に不幸だったのかというのはね。不幸なのかもしれないけど、一つの人生だなと思っちゃう。過渡期で最後は失意のうちに死んだという人生。それはそれで一つの完成した人生。それをむりやりあげる必要があったのかなと思わない。勉強しすぎて、やばい。

楊:そこに幸せがあるとすれば、深井くんの言葉でいうとエネルギーを出し尽くした人。

深井:確かに。僕もそう思う。やりきってるかどうかだと思ってて。結果ってコントロールできないから。前も言った気がするけど、とにかく歴史勉強してて思うのが結果はいかにコントロールできないかってこと。起業家とかは社会を変えるとかいうけど、変えれないから。無理。人間に社会を変える力はありません。自分が望んだことに望んだ影響を与える力はすごくあります。影響はちょう与えれます。けど、好きなようにコントロールするなんてことは絶対にできない。だから社会を変えるみたいな概念で接してるとたぶん苦しみがでかいと思う。

樋口:そうね。

楊:ましては何百年後その行為がどう評価されるか全然わからないから。

樋口:KGIを成果に設定してはだめだってこと。

深井:すごく今の資本主義的な考えとか起業家のデフォルトの考えから逆行してしまって、僕がどう感じてるかというと、そのギャップが個人的に面白い。

樋口:いいですね。

深井:ギャップあるわって面白い。

樋口:最終的にオモシロければなんでもいい。

楊:最終的に僕らの気持ちとしては吉田松陰みたいに突っ込んだらいいですよ。

深井:全然おれ、吉田松陰みたいになりたいと思ってない。

楊:気持ち的にね。

深井:思ってない。面白いなとは思ってるけど、尊敬度合いでいったら同じくらい。カエサルもすごいなと思いますし吉田松陰もすごいなと思います。

樋口:なるほどね。そんな感じでぼくらからしたら相当長丁場な収録でしたけど。

深井:今回1話が長くなると思ってた。最近ちょっと度がすぎてる。

楊:真面目すぎた。

樋口:真面目すぎ。

深井:自分で思うけど度がすぎてる。詰め込みすぎて歴史が過剰な歴史のカジュアルさがなくなってきてるので。揺り戻しをね。

樋口:揺り戻し、全て揺り戻しがありますから。

楊:初回の吉田松陰の手紙の、あののりをちょっと思い出しながら。

深井:ライトにしてみたいなと思ってるんですけど。次のテーマもライトではない。

樋口:僕はなんでも来いで楽しみにしてますよ。僕は結果を決めれないんで。そんな感じですかね。

深井:はい

樋口:じゃあ最後に改めてお知らせを。

深井:はい。月額のサポートプランですね。本当にみなさんありがとうございます。すごく多くの方に入っていただいていて、非常に好評なんです。特典を配信してるんですけど。これほんとう繰り返しますけど、あくまで対価というよりお礼の気持ちとして渡す、贈り物として。なですけど非常に好評をいただいて、歴史の話もしてますし、番外編の延長線上みたいなものも出してますし。僕たちの事前の打ち合わせの

楊:動画おね。

深井:こういうプロットがどうやってつくられてるか、みたいなことも話したりしてるんですね。非常に好評いただいていて、すごい面白いよと言ってもらってて、僕もすごい嬉しんですけど。まだまだ募集をしてます。目標は千人以上に持っていきたい。まだ千人には達してない。なので、この千人以上まず目指してまだまだ募集してますので、千円から。今ちなみに金額自分で選べるようになってます。選んで高くしても何も変わらない、貰えるものは。お気持ちということで払える方はその金額を払って欲しいと思ってる。是非ともよろしくお願いします。で、冒頭でも言いましたけども、せっかくサポーターになってくださった方、メールアドレスの入力をミスったりだとかすると、サポーター特典届かないので。届いてない方はラジオアットコテンドットシーオートッドジェイピーのメールアドレスに届いてませんてのをメールアドレス記載してもらって、登録した時の。教えていただければ個別に対応させていただきますので。

樋口:明らかに何かしらの不具合なので。僕らのミスかシステムの不具合なので。決して無視してるわけではないということですからね。

深井:そうです。

樋口:怒らないで。

深井:今、自動でメールいけるようになってるんで、サポーター特典に申し込んだ瞬間にメールがくるはずなんです。それがきてなかったらそれが不具合が起こってます。

樋口:そうですね。

深井:メールをミスってるから迷惑フォルダに入ってるか。のどっちかなんで。連絡を頂いたら個別に対応させていただきますので、是非、そういう方は連絡を。いらっしゃる、実際。いらっしゃって僕たち連絡とれない。メールアドレス間違ってるから。なので、渡したくて。まずその方に届いてほしい。

樋口:悪いなと思わずに逆に連絡して頂いた方が嬉しいので。

深井:お願いします。

樋口:お願いします。という感じで本日もありがとうございました。世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオは毎週月曜日と木曜日にお送りしております。以上コテンラジオでした。ありがとうございました。

楊:ありがとうございました。

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