#150 渡れば反逆、止まれば破滅。カエサル軍、ルビコン川での決断。

【今回の内容】 カエレザル、カエサル/揺れるラビエヌス/ポンペイウスと元老院/元老院が守りたい、共和制という正義/帝政国の性質/ガリアで考えたネクストローマ/伝家の宝刀・元老院の最終勧告/コードガイウス・反逆のルビコン川/賽は投げられた/守ってくれ僕のディグニタス/焦る元老院と首都放棄/激突・カエサルとポンペイウス/元老院の開催/最強、ディクタトール兼コンスル/負けるカエサル、調子にのるポンペイウス/雌雄決す、パルサロスの戦い/ポンペイウスの最期/クレオパトラに骨抜き/許しのカエサル、プライドのブルートゥス

樋口:はい、ええ、ガリアでの戦争に大勝したカエサルですけども、ついに国に帰ってくるところですかね。

深井:ね。だいぶ端折ったのにだいぶ時間がかかった。だいぶ端折ったけど。

樋口:壮絶な戦争でしたけども。

深井:壮絶な戦争だったんです、細かく言ってないけど。帰ってくるよね、帰ってこようとするよね。

楊:帰れないんです。

深井:帰れねい。帰れないし、ウェルキンゲトリクスを倒した後も一回反乱起こしたガリアを平定するためにまた二年間くらい全部征服し直す。

樋口:まだ帰れないんだ。

深井:大変だよね。で、全部征服をしなおしていきますと。そんなころに元老院派は完全にポンペイウスと手を組んでしまって。ポンペイウスは完全に元老院派の方に取り込まれてる状態。この時に、おれここすごいロマンチックだなと思ってるけど。初めて出るからみんなからしたらロマンチックじゃないけど、ラビエヌスという人がいて。この人カエサルのガリア戦役の右腕なんです。このカエサルのガリア戦役の右腕が、この人ポンペイウスのクリエンテスなんです。ガリア戦役ではカエサルの右腕。だけど自分の出自はポンペイウスのクリエンテスというこの間でラビエヌスがめっちゃ揺れる。どっちにつくかめっちゃ悩む。

楊:公的な関係はカエサル、でも私的な関係はポンペイウス。

樋口:はいはいはい。

深井:まあ、ポンペイウスに行くんですけど。

樋口:ええ。

深井:おれ、ローマでドラマ作るならラビエヌス主人公にする。

楊:葛藤が相当ある

深井:すごい葛藤だったと思う。カエサルも多分ラビエヌスが去ったことに対して、めっちゃ万感の思いがあったと思う。それくらいラビエヌスってクラッススの息子が死んだ後もラビエヌスは右腕としてガリアの制圧、広いから、ガリア。カエサルってローマの政治もなんとかしないといけないから、なるべくローマに近い方によって、冬とかは。そこからローマの政治をなるべく操作するみたいなことしてた。そのあいだ、ラビエヌスがガリアのところに留まって、そこをなんとか治めてるってくらいめちゃくちゃ信頼してる人。本当に一心同体の右腕みたいな戦友みたいな人が最後決裂するとか、そういうドラマとかもある。こういうの全部言ってたらまじで終わらない。終わらないから端折るしかない。

楊:ここで別れたら今生の別れになる、敵同士になるから。

樋口:かなしい。

深井:このラビエヌスが去っちゃうんだけど、荷物も置いて。ラビエヌスも自分に仲間とか連れていかない。一人で出て行く。そこはたぶんラビエヌスなりのカエサルに対する

楊:仁義の切り方。

深井:仁義の切り方をやってて、このラビエヌスにカエサルは置いて言った荷物を送ってあげる。男同士の友情見たいな感じ。

樋口:たまらんね。

深井:そこらへんもあるみたい。

楊:好きだね。

樋口:すきだね。

深井:いい人だよね、カエサル。

樋口:そこだけ聞いてもやっぱいいね。

深井:そんな人です。だから人気。カエサルは。

楊:プライベートなパトローヌスとクリエンテスの関係を重視をするところはローマの一つの美徳でもあった。だから別にカエサルもそれで責めたりしないし、そういうことならいっておいでという気持ちだったんだと思います。 

樋口:なるほどね。

深井:政治闘争にもどりますけど。なんども言うけど、ウェルキンゲトリクスと戦ってるあいだはポンペイウスは元老院派と急接近して、一名のコンスルになってるんだけど、

樋口:ポンペイウスが

深井:ポンペイウスが。ポンペイウスは任期中にもう一人のコンスルを指名するんですね。この人がゴリゴリの元老院派なんです。これによってポンペイウスは完全に元老院派に移ったことがカエサルの人たちにもわかってしまう。それ以降のコンスルは元老院派は元老院派で固めようとする。実際にそうなっていく、ほぼほぼそうなって行く。ここで立場をもう一度整理する。元老院派と言うのは少数指導型のローマ共和制を維持したい人たち。この人たちはカエサルは現体制の秩序を壊そうとしてる人とみてるので、怖いです。この人たちが一番恐れているのはなにかということは、カエサルがガリアから帰ってきて、その絶大なる人気の中でコンスルになることです。

樋口:うんうん

深井:一回過去コンスルになってますよね、あれから10年くらい経ってる。もう一度コンスルになったらカエサルの人気と実績と彼のやりたいようにやられてしまうということで、なんとかそれを防ぎたい。

樋口:それはそう。

深井:これをなんとか防いで行こうと言うのが元老院派のこの時の心情ですね。

楊:元老院派も元老院派で彼らの正義があったわけです。

樋口:うん

深井:そう、秩序を乱すやつだった

楊:共和制というもう絶対に手放してはいけない彼らの理念、アイデンティティ。これをカエサルが乱す可能性がある。もちろんそこに彼らの既得権益もあったでしょう。というのが彼らの立場です。

深井:そう。カエサルがおそらく何を考えてあろうというのしか残ってないけど、ここで考えてたのは、寡頭共和制、少数のエリートによって運営されてるこの共和制ってのは、すでに属州統治、ヒスパニアとかガリアとかシリアとか、そこらへんをちょう広い範囲を治めるようになったしまったローマにはその制度は適さないと判断してる。

楊:システムがおいついてない。

深井:そう、そのシステムで統治することはできないと。

樋口:ほうほう。

深井:帝政でやるべきかと思ってたかどうかは別として、今の元老院にはそれは無理だと思ってるんです。

樋口:へえ。

深井:だから、自分がガリア戦役で獲得した名声をもって執政官になることによって、なるべく合法的に制度改革をしてローマってのを今に適した形に変えて行こうというのが、この時カエサルが考えていたであろうことです。

樋口:アップデートしたい。

深井:すごく真っ当だよね。お互い真っ当だと思うけど、

樋口:はいはいはい。

深井:はい。実際広範囲を治める国はみんな帝政なんだよね、歴史上。

楊:中央集権。

深井:オスマンもそうチンギスもそう、

楊:中国もそうだよね。

深井:中国もそう。

樋口:ちなみにその理由があるんですか、共和制が。

深井:理由ですね。いろいろあるんだけど、まず指示系統が一本しっかりとあることが大切なんです。帝国ってヒエラルキー構造の指示系統の方がうまく当時の場合は治められるというのがあるのと、あとは、軍隊を誰がもってるかがすごく大事だったと思う。だからこそ指示系統が一本しかないけど。軍隊を動員できる、絶対的権力をもった人間が自分の指示によって各部署を動かせるというふうにしないと、あまりにも各部署が力をもってしまうと、一つの国をしての体をなさない。全部独立しちゃって帝国にする必要がなくなる。

楊:帝国っていろんな文化とか民族という概念は当時なかったけど、いろんな文化とか部族を含んだ上での今の風の言葉でいうとグローバルなんです。グローバルを一つの国の形にしないといけないので、強力な一本の中央集権を立てないと国家としてばらばらになっちゃう。

樋口:なるほどね、

深井:すぐバラバラになっちゃうから、バラバラにならないためには一つの権力をぼんと立ってる状態を作って、その人がまずローマを仕切ってて。そのローマを仕切ってる人がさらにその属州を仕切ってるという状態を作らないと、いけなかった。

樋口:はい。

深井:その方向にちょっとずつ移行する、それの理想形をどう描いてたかはわからないけど、カエサルが。そこに移行しようとしてた形跡はある。

楊:あるとおもう。

深井:そのビジョンが見えるまえに死んじゃいますからね、彼。

楊:このビジョンを持てたのはたぶんガリア戦争戦ってからだと思う。

深井:かもしれんね。

楊:それまでローマの中で普通の政治家のようなキャリアを踏んでいっただけなんです。でもガリアにいっていろいろ戦争して行く中でローマの次のステップを彼なりに実際の現場の中で考えるようになった。

樋口:なるほどね。

深井:あとは、単純に元老院いらないと思ってると思う。元老院に主導権を渡さないというものの、代替案てそもそも帝政くらいしかない、だからそうなった。帝政がいいと言うよりは元老院に主導権を握らせない。そしたら誰が握るか、今のところ自分が一番いい。そういう思考回路かもしれない。

楊:ああ、あれだろうね。社内改革を自分が一つの社内にいて、どんどん役職を上がって社長になるのがかったるいと思った。それよりも例えば海外赴任してくっそ実績あげていきなり本社に社長として就任するのが早いんじゃないか。

深井:ガリアにいた動機とかそこらへんもあるかもしれない。

樋口:なるほど、面白い、はいはい。

深井:想像ですけどね。カエサルはこの時点で、いま立場の話してたけど。カエサルからみて明らかだったのは自分がこのまま帰ったら政治的に失脚させられるというのはわかりきってた。

樋口:なるほど。

深井:いろんな情報仕入れたりしても。どう考えたって彼らは自分を失脚させてくる。じゃあどうするかって話なんですよね。できればカエサルは元老院と元老院というかローマと武力衝突とかしたくなかった。合法的になんとかしたいと思ってたと思います。

樋口:そりゃそうだろうね。

深井:でも、元老院派の人はカエサルは独裁制を敷いて王になろうとしてるんじゃないかみたいなことをばんばんばんばん言って、カエサルが持ってる軍事力をなるべく手放せようとしてくる、あの手この手で。

楊:任期も切れそうだった。

深井:そう、任期も切れそうな時に、ガリア一旦平定しちゃった時とか、ウェルキンゲトリクス倒した後とかに、なるべく軍隊減らして、なるべく早くこうやって戻させる。ていうのをやろうとしてた。力を削ぐために。それで、戻してから失脚させるのが彼らの戦略だったんです。それが見え見えだった。

楊:公職についてるときは基本的に訴えちゃだめなんです。だから公職を失った瞬間を狙ってカエサルを失脚をさせようと思ってた。

樋口:なるほど。

深井:カエサルもカエサルで、軍団減らされても勝手にまたガリアで新しい兵を募ったりして、自分のお金とかを使って、新しい兵を募って兵力増強とかしてる。だから絶妙な。

樋口:絶妙ですね。

深井:絶妙な戦いがここで繰り広げられてるけど。つに元老院が前回いいましたけど最終勧告をだす。セナートゥスコンスルトゥムウルティウム。

樋口:なんて、

深井:いえない。元老院最終勧告。

樋口:最終勧告きた、指名手配みたいな。

楊:伝家の宝刀ですね。

深井:これは国家の敵とみなされた、本当に緊急事態の時に裁判なしで死刑もしてもいいよ。グラックス兄弟の弟ガイウスにこれを出されてガイウスは自害に持って行かれたよ。

樋口:はい。

深井:これが、出るっていうのは、本当の緊急事態なんだけど、カエサルって別にローマに攻めてきてるわけでもないし、なんもしてない。

樋口:そうですよね。

深井:本当に、ガリアで成果あげて、たまにちょっとルール破って自分で兵集めたりしてるけど、なんもしてない。このなんもしてない状態でこの元老院最終勧告出されたんで、カエサルとしてもいや、おかしいだろうという話をする。

樋口:本当におかしいな。なんもしてないですからね、悪いこと、ローマに対して、

深井:でも元老院としてはこれで万が一、万が一カエサルが攻めてきても、俺たちにはあの軍事の天才ポンペイウスがいる。と思ってるわけ。実際軍事の天才だからね、めっちゃ強い。で、思ってるしカエサルの軍隊をどんどん減らしちゃってるから、あんまり自分で募集はしてたとはいえだいぶ減っちゃってる状態なんです。だから元老院もカエサルが軍隊を率いてローマに攻めてくるとは思ってなかった。そこまですると思ってなかったです。それをしてしまったらカエサルは本当に国家の敵になってポンペイウスにぶっつぶされてしまうから。

樋口:なるほど。

深井:そんなこと流石にしないだろうとタカをくくって、最終勧告で失脚させようとした。そのカエサルがルビコン川を渡るんです。ルビコン川を渡るということはどういうことかというと、属州総督はルビコン川を渡っちゃだめなわけ。 

樋口:ありましたね

楊:軍隊を率いたまま。

深井:そのルールを破る、イコール、国家反逆するってこと。つまりクーデターしたってこと。

樋口:したんだ。

深井:ここでカエサルはちょう迷ったらしい。悩んだけど、やっぱりここで自分が失脚して死んでしまうか。死んでしまったらローマは変わらない。ローマを変えるためには自分が反逆して政権取るしかないという判断をした。でも彼も幼い頃に武力衝突をみてる、マリウスとかスッラが殺しあって、軍隊を市内に入れて、阿鼻叫喚の地獄が繰り広げられてルわけです。そのあと権力闘争でろくなことになってないということも見てる。自分自身がそもそもその内戦の権力者のスッラによって追放されてる、追放というか駆逐されて外国に逃げてた。そういう過去もあって、本当になるべく内戦を起こしなくなかったらしいけど。元老院最終勧告とかされたからけっこうしょうがなくルビコン川を渡ったと言われてます。いろんな解釈があります、ここ。

樋口:話したい、タイムマシンで。どんな気持ち、今。って、

深井:この時に言ったと言われてる言葉が残ってます。まずルビコン川の前で立ち尽くして言った言葉があります。ここを越えれば人間世界の悲惨、超えなければ我が破滅と言ってます。つまり、人間世界の悲惨というのは内戦によって阿鼻叫喚の地獄がローマの中で起こっちゃうんだ。

樋口:そうだね。。

深井:でも超えなかったら自分が破滅するんだ。っていう。ことです。

樋口:なるほど。

楊:背水の陣という状況を自分で改めて噛み締めたと思いますよ。

深井:50歳ね、この時。

楊:初老だよね。

樋口:50か。

深井:自分の方が兵力も少ないし、ポンペイウスがもともと持ってる兵力とくらべたら全然少ないし、ちなみにこの時に言われたと言われてる一番有名な言葉が賽は投げられた。

樋口:これ、カエサルが言ったんですね。

深井:たぶん言ってないけど。

楊:言ってないのと。

深井:無言で渡ったらしい。ほぼ、

楊:ルビコン川ってそんなでかい川じゃなかったらしいよね、ちいさい、細い川だった

深井:本人が言ったといってない。他の人があとで言ったと言ってるから多分嘘。賽は投げられたというのは、すでにサイコロは投げられて目が出てる。だからもうすでに後戻りはできないんだといって、この川を渡ったその時の彼の決意というか迷って決断したんだということが、そこに象徴的に表されてる。

楊:もう一個言い方が違うけども、こういうセリフをいったという説がある、すごい面白かった。賽は投げられたじゃなくて、賽が投げられるに任せようと言ったという説もある。

樋口:ほう。

深井:なるほどね、ちょっとまた違う。

樋口:違う。

楊:決意じゃなくて、この先どうなるかわからないけど、神の手に任せようと。

深井:そっちかもね。

楊:いってみようやというのが面白くて。ちょっと言いました。

樋口:なるほどね、

深井:カエサルにとっても国家反逆罪なんだけど、兵士にとってもそうなんですよ。このカエサルにルビコン川を渡って一緒についていくということは、自分たちはローマの反逆者として、ローマの政府の反逆者としてカウントされてしまうってことを意味しますね。

樋口:そうだ。

楊:ついていく。

深井:ついていきます。

樋口:全員。

深井:それくらい、全員ついていく、ガリア戦役の中でカエサルって本当に信頼関係をちゃんと気づいてる。すごくいい上司だった、彼。めちゃくちゃ評判高くて。

樋口:かっけー。

深井:そこでローマにつくか、今のローマの元老院につくか、カエサルにつくか。っていう時に、兵士たちはカエサルについた。

樋口:カリスマがすごい。

深井:でもこれが、この決断はマリウスっていう、あの人が軍制改革して、兵士を私兵化するっていう流れを作ったって話した。あの流れがあるからこれが起こる。

樋口:そこにつながる

深井:彼がこの種を作ってる。あれがなければこんなこと絶対起こらない。

楊:兵士と個人的な信頼関係

深井:そう信頼関係で、クリエンテスになってるから。カエサルが兵士だったら舎弟みたいな感じでなんでなんでもしてあげてる。例えば結婚する時、お前よかったねといって、お祝い渡したりとか。親が死んだら葬式代だしてあげるとか。そういうことすごいやってあげてるから、もうカエサル将軍はもうおれ一生ついていきますみたいにみんななってて、一緒にずっと戦ってきてる。ウェルキンゲトリクスみたいなめちゃくちゃ強い敵出てきての一緒に倒してる。ここで死ぬんだったら一緒にカエサル将軍と死のうとなってる。

楊:カエサルが一緒に行こうや。ていう。

深井:この時のカエサルが言った言葉残ってて。まず、敵のやり方を批判してます。やり方汚いよねって批判してて、元老院最終勧告てのは、国の真の危機で発せられるべきものなんだけど、なんで今自分たちは攻めようとしてないのに発せられたんだ。

楊:すげえ、マインドセットやね。

樋口:うんうん。

深井:おかしいだろという話をして。過去自分の指揮のもと、諸君ら、兵士のことね、国家に見事に貢献してガリアを一緒に獲得してきたよね。今まさに君たちのボスである僕、つまりカエサル、カエサルのディグニタスっていうけど、ディグニティて英語でいう威信とか威厳とかいう意味ですね。の語源です。このディグニタスが、君たちのボスのディグニタスが今傷つけられようとしてる。このディグニタスを守って欲しいとお願いした。

樋口:はい。

深井:これでみんなついてきた。

樋口:いく。それはいく。

楊:彼、ずっと筋通ってるよね。スッラに反逆した反抗した時も海賊に拉致られた時も自分のディグニタスというのを最終的に絶対守って、譲ってはいけない信念があった。武士道だね。

深井:武士道。だから兵士たちもああ、自分のボスであるこのカエサルのディグニタスが傷つけられたら自分たちの威信も傷つけられる。

樋口:そうですね。信じてきたものがね。ずっと。

深井:そこもヤクザぽい。ヤクザも親分の、

楊:顔に泥をぬってはいけない。

深井:そう、親分の顔に泥塗っちゃいけないし、親分が出世することが自分の出世じゃないですか。

樋口:そうですね。

深井:ぼく、最近日本統一っていう

楊:見てるよね。ヤクザドラマ。

深井:ヤクザものをみてすげえ面白かった。すごい面白いドラマだったんですけど、ローマのその部分に似てるなと思いながら見てました。

樋口:なるほど、いいですね、面白い。

深井:これで、ルビコン川を渡って、内戦に突入するんですよ。けど、元老院派はびっくりする。え、カエサル攻めてくるのみたいな。

樋口:普通に考えたらこんもん。

楊:そう。自分たち伝家の宝刀抜いたんです。普通だったら諦めて、諦めるよねと思ってたところまじで攻めてきた。

深井:このあとなにが起こるかというと、それぞれの街ってのは別にカエサルのこと嫌いじゃないわけ。

樋口:なるほど。

深井:だからみんなカエサルに恭順していく。だからどんどんカエサルがローマに、上から、北からきてるから、ガリアからきてるんで、どんどんローマの方にこうやってすごい勢いで迫ってくる。迫ってくる。でもローマって実は軍隊がいない。属州から軍隊連れてきちゃいけないということはローマには実はポンペイウスの軍隊さえいないんです。だから、ローマの政治中枢で元老院最終勧告出した人たちはポンペイウスがいるから安心と思ってたけど、そもそもそこに軍隊いないから、そんなスピードで来られたら、やばいわけです。で、なにが起こったかといったらみんな首都を放棄して逃げる。やばい殺されるとなって、みんな怖くなって逃げる、ローマから、これがまた駄作なんだよね、ローマにいるからローマの命令でありローマの判断だったわけ。ローマから逃げちゃったらこれがローマの判断じゃなくなるから。いわゆるどっちが官軍かってのが変わっちゃう。これで。

樋口:確かに。

深井:日本でいうところの誰が天皇の軍かってのがこれでポンとかわっちゃった。あほしちゃった。みんなカエサルが怖かった。

楊:気持ちもわからなくはないけど。武力だ、武力に優るものはない。

深井:やっぱカエサル怖かった、強い。ポンペイウスも自分のクリエンテスがどこにいるかといったらイベリア半島のヒスパニアとか、北アフリカとか、あとはギリシャの方、その向こうの小アジア。周りはポンペイウスのクリエンテスがいっぱいいるけど、今いない、ここに。

楊:招集しないといけない

深井:そうそう、招集しないといないのに間に合わない。いきなりルビコン川を越えてきちゃったから、カエサルが。くると思ってなかった人が。うわやばいとなって、みんなで逃げて、ここから四年間の内戦に突入する。

樋口:うわあ、長い。

楊:カエサルvsポンペイウスです。

深井:軍事の天才ポンペイウス対万能カエサル。みたいな感じ。

樋口:その時ポンペイウスはどこにいるんですか

深井:ポンペイウスは逃げて、いろんなところ行くんだけど、基本的に東の方に逃げます。かれは東でめちゃくちゃいろんなところ征服して彼の基盤があるんです。そこにたくさんクリエンテス作ってる。だから東に逃げて行く。で、一方でポンペイウスの副官とか右腕とかをヒスパニアのイベリア半島の西の方に配置しておく。だからガリアイタリア、北ヨーロッパとイタリアはカエサルの勢力、ガリアはカエサルのクリエンテスがたくさんいるから。で、スペイン、ポルトガルとか北アフリカとかエジプトとか、ギリシャとかパレスチナとか、今のトルコらへんとかは全部ポンペイウス。この戦い。

樋口:ふうん。

深井:ポンペイウスの方が強い。

樋口:規模がでかい。

深井:すごい世界大戦と同じくらいの規模で戦ってます。

楊:ローマの関ヶ原ですね。

樋口:そんな感じ。

深井:関ヶ原の規模とレベル違うけどね。めちゃくちゃこっちの方がでかい、レベルが。

楊:広いし、範囲が。

樋口:はいはいはい

深井:逃げたんでローマをまず抑えた。カエサルが。カエサルがローマに入って、

楊:元老院を開催する。

深井:元老院を開催して、自分を独裁官にするんです。

楊:まだ残ってる。

深井:人はいた。残ってる人はいた。その残ってる人たちだけで元老院を開催する。基本的にローマじゃないと元老院開催できないんで、コンスルとか全員逃げちゃってるからカエサルが開催できちゃう、元老院で。これで、しかも軍隊もってるから元老院の人たち従うしかない。これで危機管理対策としてのディクタトールに就任して独裁官に就任する。この時点で正規軍になっちゃう、ディクタトールだから。コンスルにはまだなれない。でもコンスルの選挙できないというか、コンスルの選挙の時期じゃなかったけど、ディクタトールになったら全権限もってるからコンスル選挙できる、その権限で。

樋口:なるほど。

深井:それで、自ら立候補してコンスルになる。

樋口:好き放題。ここまできたら。

楊:ディクタトールになればあとは民衆の民会という立法権のある集団とかある。あそこもディクタトールになれば権力が一切キャンセルされる。だからなんでもできる

深井:なんでもできるね

樋口:なんでもできるね、もう。

深井:これでディクタトールでかつコンスルとかになっちゃってるんで。

樋口:なるほど

深井:この状態でコンスルになってから政府中枢を全部握り直して。政務官とかも全部自分派閥で固めた状態でポンペイウスたちを倒しにいきます。

樋口:おお、倒すんですね。

深井:規模がでかいよ。ローマ帝国だから規模がでかい。ここからまたヒスパニア方面に行く。ヒスパニアにはポンペイウスの部下たちが陣取ってますね。今はヒスパニアの西側、そしてさっきもいったギリシャ、小アジアの東側にそれぞれのポンペイウス勢力がいるんで挟み撃ちになる状態。この挟み撃ち状態を解消するために、まずはポンペイウスではないヒスパニアの方に攻めていきます。

樋口:西側になるのかな。

深井:はい。スペインの方にね。ローマからスペインの方に攻めていきます。で、ここもね、ここだけでまたシリーズつくれるくらいいろんなことが起こる。

楊:端折るしかない。

深井:端折るしかない。デュッラキウムの攻防とかいって、いろんなこと、負けかけたりする。やっぱ強い、ポンペイウスの人たちって。ここで戦うんだけど、ポンペイウスもともとカエサルたちよりたぶん強いんだけど、長い間戦争してなかった。

楊:腕が鈍ってた。

深井:鈍ってた。カエサルってついさっきまでウェルキンゲトリクスとごりごり戦ってたんで、めっちゃ戦争になれてる。

楊:百戦錬磨の現場感覚ばりばり持ってる。

深井:これで互角以上に戦うことができて。カエサルも頭よくて戦略作れるから、これで結構おして行く。

樋口:おうおうおう。

深井:けど負けたりする。強いから、向こうも。で、一回負けてポンペイウスがめっちゃ調子にのる。

樋口:おうおうおう。

深井:もう勝ったわ、みたいに。もう勝ったわっていって、カエサル殺したあとお前なんになるみたいな話してる。カエサル殺したら、じゃあおれコンスル、みたいな。じゃあおまえ、アエディリスねみたいな話をしてて。カエサルは最高神祇官持ってた。カエサルの代わりにお前最高神祇官になればいいじゃんみたいな話をしてるくらい調子に乗ってた。

楊:チンギス・カンの時に似たような敵おらんかったっけ。

深井:おったね。

樋口:おったおった。

楊:なめぷしてた人。

深井:オスマンのときかな。

楊:オスマンか。

深井:オスマンの時におったね。この時に調子に乗りすぎたポンペイウスたちがパルサロスのファルサロスとかパルサロスとか言われるんだけど、海戦ていう海戦で負けちゃうんです。

樋口:あら。調子にのるから。

楊:海の上の戦い。

深井:カエサルの戦略勝ちだった、この時は。さらに、補給路、補給水、水の補給とかを断って完全に戦略でポンペイウス軍を降伏させる。

樋口:はあ。

深井:この時ブルートゥスとかがポンペイウス軍にいる。ちなみにこのブルートゥスはカエサルは許す。そして暗殺される。

樋口:おまえもか。ですよね。

深井:このパルサロスの戦いでほとんど雌雄が決する。ほとんどこれでカエサルが勝ったことになる。この後は残党処理みたいな感じ。ポンペイウスはエジプトに逃げます。対戦をしたんだけど、エジプトに、負けてエジプトに逃げて。このエジプトで、エジプトになんで逃げたかというと、昔、このエジプトの王位争いみたいなのがあった時にポンペイウスが支援してあげて、王様にしてあげた。その王様にしてあげた人の子供が今王様になってた。その恩があるから。恩を売ってるから助けてくれると思ってた。だけど、行ったら何が起こったかといったら、暗殺される。

樋口:ええ。

楊:船で岸に着いた瞬間殺されて首切られて、

深井:そう。

樋口:そんなすぐ。

深井:船に乗ってる時かなんかに殺された。船の上で。

楊:大きな船で、お前一人小舟に乗ってこいって言われて、小舟に乗って行ったら殺された。

樋口:なんで。

楊:だって、カエサルが怖かった。

深井:ポンペイウスに未来はないというのは、そのパルサロスの海戦とかのニュースを聞いて思って、この人匿うよりも殺してカエサルに突き出した方がいいよねと思ったんだと思う。

楊:三頭政治の二人とも、クラッススとポンペイウス、二人とも殺されて、首切られて。

深井:なんならカエサルも殺されるんで。全員殺されます。三頭政治の人。で、ポンペイウスは刺殺されてその後首を切られる。

楊:そうかそうか。そうだよね。

深井:で、このポンペイウスが殺された4日後にエジプトにカエサルが来て。ポンペイウスが殺されたことを知るんです。そのポンペイウスが殺された首を見たのかな。泣いたらしい。なんか。かわいそうで。

樋口:へえ。やっぱだから色々情があった。

深井:情があった。ルッカ会談以来会ってないからね。会えてはない。

楊:一回娘を通じて家族になってるから。

深井:だって、義理の息子だったからね。

楊:なんなら、カエサルが若い時に自分を引き上げてくれたのもポンペイウスに依るところもデカかった。恩義とかは感じてたと思いますよ。

深井:個人的な恨みとかで戦ってるわけじゃない。派閥の違いに巻き込まれていってるってのもすごくあるし、なんで、その、まあ恨みがないのが立派だと思いますけど。ポンペイウスは彼のために泣けるレベルの男だったって話ですよ。

樋口:なるほど。

深井:ちなみに、この時エジプトに来た時にいたのが、クレオパトラね。

樋口:あら。

深井:聞いたことあるよね。美人の。クレオパトラ。クレオパトラ、この後、クレオパトラに骨抜きにされたカエサルは9ヶ月ここに滞在します。

楊:休んでいいよ。

深井:超気持ちわかる。こんだけ戦って、こんだけ大変な思いして、したらめちゃくちゃ自分の好みの美人で、教養が高いクレオパトラがいて。

樋口:鼻が高いんでしょ。

深井:もうなんか癒されるわってなった。

楊:いいかねパレットに来たって感じ。

樋口:いやいや、どういうこと。

深井:クレオパトラはいいかねパレットみたいな、

樋口:クレオパトラがおればな、いいかねパレットに。ぼくエジプトでもいいけど。

深井:青柳さんクレオパトラ。

樋口:全然違う。全然違う。

深井:クレオパトラね。9ヶ月間くらい滞在しちゃう。そんなにいる必要ない上に内戦中なのに、めっちゃずっとエジプトにいるという事件が起きます。ここ人間ぽい。

楊:そうだよね。ここでも絶対君主としての生活を体験したんだと思います。なんでも奴隷とかがやってくれて、何もしなくてもいいし。

深井:そうだよね。いままでガリアとかいう町がそんなにない森とかで、めちゃくちゃまずい飯とかくってたのに。何年間もね。兵士と同じ飯食ってたらしいから、彼。で、それでもまだ内乱は続いてる。いっぱい戦いがある。これ一つ一ついってたら、またこれだけでシリーズできちゃうくらい、本当に彼はボリュームのある人生だけど。アフリカでも戦ったり、前出て来たカトーとか、あとラビエヌスってずっと右腕だった人。あの人がライバルとして敵として出てくる。

樋口:ポンペイウス側として。

楊:しびれるね。

深井:それと戦って勝たないといけないわけ。

樋口:それもあるんだ。

深井:実際彼らは死んじゃう。だけどもカエサルってすごい、前行った寛容性、クレメンティアをすごく重視してるから許すんです。ポンペイウス側について戦って来たやつを基本的には許す。許して、ブルートゥスも許してあげて。

楊:許しって、カエサルは本人がすごくいいことをやってると思ってたと思う。自分は相手を許すし、ローマ人としての徳目を実行したと言われてる。色々これも想像でしかない、ブルートゥスとかは逆にそれを許されたことによってすげえプライドが傷ついたという説もあって。もともとローマ人て自尊心が強いわけじゃないですか。この寛容という徳目はあくまで目下の者に対してとか、蛮族の敵に対して施すものであるべきなんです。でもブルートゥスとか他のローマ市民とか同じ政治家とかやってた人にとって。彼らにとってカエサルと上下関係がないんです。そこでカエサルは自分たちに寛容してくれたということは、お前何様のつもりっていう。

深井:そこすごい面白くて、そもそもブルートゥスのお母さんと不倫関係になってる、カエサル。だからカエサルからすると自分の不倫相手の息子にすごくいいことしてあげてる。愛してるから。そのセルウイリアのことを愛してるから、息子にも許してやるかって。

楊:お前も若いし。

深井:なんなら、もしかしたら俺の息子かもしれないしね。

楊:まじその節ある。

深井:否定されてる。16歳の時の子になるから違うでしょうと言われてる。セルウイリアの子供だから彼は特別よくしてあげてるわけ。ブルートゥス。

楊:自分のほぼ息子のように扱ってた。

深井:本当の息子のように扱ってた。でもそれはブルートゥスからすると、彼は自分のお父さんだと絶対思ってないし。そもそもお母さん寝とってるし。ムカついたんでしょうね。ふざけんなよと思ったんだろうね。

楊:なんでお前が上から目線でおれを目下の人として扱って許しを、寛容施して、なに自慢げになってるんだよ。と思ったかもしれない。プライドあるから。

樋口:なるほど。

深井:そうですね。

楊:むじい。

樋口:むじいむじい。

深井:ついにポンペイウスを下して、その残党も倒してローマに帰ってくる。じゃあローマに帰ってきた後にカエサルが何をしたかということをラストの最終話で話をしてエンディングに行きたいと思います。今回も長かったね。

楊:40分。

樋口:え40分経った。

楊:大長編だね。過去ない最長編。

深井:あんまり省くとむずい。これでも相当省いてるからね。

樋口:なるほどね。だって台本で読んでないとこ結構あるなと思いながら。

楊:そうですね。本当にサポーター特典入ってください。お願いします。

深井:サポータ特典で喋るかどうかわからない。

楊:そうね。

深井:喋るかもしれない。

楊:支持ください。

樋口:なるほど。

深井:ということですね。次、最後にしたいと思います。

樋口:ええ、カエサル編ですけど。次回がラストということで。楽しみに。

深井:ローマに戻ったあとですね。

樋口:ありがとうございました。

深井:はい

楊:ありがとうございます。

関連エピソード