#147 成功の秘訣は外部リソース活用にあり!富豪クラッススと将軍ポンペイウス

【今回の内容】ライバル!クラッススとポンペイウス/スパルタクスの乱/資産家クラッスス/活躍するポンペイウス/商売の天才×軍事の天才×謎の男カエサル/共和制がなぜ帝政に?/歴史は食い物がキーワード/元老院の決断/権力を手にしたポンペイウス/変えられるかどうかは外部リソースを活かせるかどうか/コテンは中国から輸入したソース/実態は手を下さずとも変わる/人は自分のみたい現実しか見ない

樋口:はい、ええ、出世を重ねるカエサルですけども、今回その続きでございます。

深井:ここで、カエサルのライバルになるクラッススとポンペイウスについて軽く、今回の回で紹介しときないなと思う。

楊:重要人物なんで。

樋口:前回出てきた。

深井:いろんな名前出てきてるから混乱しちゃうかもしれないけど。クラッススとポンペイウスというのはカエサルのライバルですね。この人たちはどういう人なのかは、まず、二人ともさっき言ったスパルタックスの乱、これは奴隷制のラティフンディアという農場経営みたいなところですごい過酷な扱いをされてた奴隷が。この人たちが故郷に帰りたいといって起こした反乱がこのスパルタックスの乱。このスパルタックスというのは剣闘士だったんだけども、どうせ死ぬし、剣闘士とか。これで反乱しちゃおうといったら最盛期には10万人以上にふくれあがるやばい反乱に発達していくわけです。

樋口:10万人、ほう。

深井:この反乱を鎮圧したのがさっきいったマルクス・リキニウス・クラッスス。とかなり若いんだけど、この時のポンペイウスは。グナエウス・ポンペイウス・マグヌスという名前なんです。クラッススから紹介しようか。クラッススというのは騎士階級ですね。だからビジネスパーソン。成功ビジネスパーソンの家の生まれで。20代のときにマリウスが、マリウスも人殺しまくったって話した。あれによってお兄さんとお父さんが亡くなってる。ヒスパニアという今のスペインの方、ポルトガルとか。あそこの方に逃げていったという過去がある人です。この人って金持ちなんです。ローマ一の金持ちなんです。

楊:ローマのほとんどの土地、不動産をこの人最終的に所有してた。

樋口:ええ、そういうことできる。ほとんど、へえ。

深井:マリウスによって追いやられたけど、このあとスッラに変わった。政権が。スッラのところで彼は頭角を現していきます。頭角の現し方が、基本的にローマだと軍功、戦争によって現すんですけど。クラッススは違って、金持ちであることによって。お金をめちゃくちゃ稼いだということですごく有名になっていく。けっこう汚いやり方をしてたみたい。

樋口:商売がうまかったんだ。

深井:火事がおこって住めなくなったところを一気に買い占めるとか。資産を活かして資産家としてできる形で、うまくリスクテークして、ペイさせて、リスクテークさせてペイさせてと繰り返して、めちゃくちゃ金持ちになっていく。

楊:銀行業もやってます。

樋口:ふうん。

深井:すごい商才をもってる人で。この人はビジネスパーソンの人たちを司る勢力として存在する。これがクラッスス。ビジネスパーソンの代表みたいな、そっちがクラッススです。これに対してポンペイウスですね。このポンペイウスというのはスパルタックスの乱にこの人も参加してた。スパルタックスを倒したのはクラッススだったんです。けど、最後の惨敗兵たち、敗残兵か、敗残兵を一掃するってのはポンペイウスがやった。そしたらポンペイウスが帰ってきたときにクラッススより前におれが倒したみたいなこと言っちゃって。本当はけっこうクラッススの方が反乱鎮圧には、

楊:貢献してた。

深井:貢献してたのに、せっかく軍功ないからがんばって軍功作ったのに、ちょっとかすめとられちゃったんです、ポンペイウスに。なんならポンペイウスはここで掠め取らなくてもいいくらい軍功たくさんもってる。

楊:この人軍事の天才なんです。

樋口:ふうん。

深井:だからクラッスス、ポンペイウスのことめっちゃ嫌いになって、これで。

樋口:まあね、横取りされたら嫌だな。

深井:ものすごい犬猿の仲みたいになっちゃう。ポンペイウスは軍功によって異例の出世をしていくんです。

楊:ローマって最初の回とかでも言ったけど、基本的に軍事力が一つ国のアイデンティティとしてある。だから軍で軍功たてて出世していくのが最大の名誉でありキャリアパスだとして一番ベストなんです。このポンペイウスが軍才を持ってたんで、ガンガン出世していって。カエサルなんて比べようがないくらい当時はがんがん有名になっていきます。

樋口:へえ。

深井:天と地くらいの差の知名度とか、

楊:英雄と言われた。

深井:そうそう。ポンペイウスはすごい若いときに、10代くらいで初めて出陣して、そこでどんどん軍功たてて上り詰めて。スッラの元でのぼりつめていって、スッラの内乱、スッラがローマ人殺す時もポンペイウスがかなり活躍してる。そこでめちゃくちゃ活躍していって。そのあとよそから攻めてくる人がでてきたときもポンペイウスは活躍していったりとか。あと海賊の討伐、さっき海賊が跋扈してたという話してたけど、この海賊をめちゃくちゃ殺しまくった。何万人だったかな。やばいくらい倒してた海賊を。何十万人くらい海賊を捕らえて殺すみたいなことをして。海賊をいなくさせるみたいなことをしたりとか。あとは、東方遠征とかにいって、シリアとか、

楊:トルコのアナトリア半島とか。

深井:イスラエルの方とか。だから、このあとイエスキリストが出てきた時って、あの地方がローマ帝国の属州的なものになってるんですけど。それなんでかと言ったら、この人が、ポンペイウスがとったからです。

樋口:なるほど、相当すごい。

楊:相当すごいです。

深井:単純に軍事的天才がいる。

樋口:へえ。

楊:莫大な富をローマ帝国にもたらしてて。東方遠征によって攻め落とした都市の数が900。

樋口:900。

楊:それによって得た税収とか戦利品によってローマの収入が2倍に増えた。2倍に跳ね上がった。

深井:1.5倍くらいから2倍くらい。

楊:これは英雄視される。

深井:そうですよね。だって収入が増えるってことは豊かになるってことですから。

楊:民衆からもちょう人気、めっちゃ人気があります。

樋口:強いってかっこいいてことですよね。

深井:軍事的な軍功すごく、しかも喜ぶので、ローマ人が。軍事好きだから。

樋口:商売の天才と軍事の天才がいたんですね。

深井:そうなんです。この商売の天才と軍事の天才となんていうか謎のカエサルみたいな。なぜそこにカエサルがみたいな、この構図が最終的に、この三人がそれぞれの利害と思惑を持ってる。

樋口:あら、面白そう。

深井:それぞれの利害と思惑をもった人間たちが複雑に交差しながらある一点で急にこの三人ががつっと組んでしまったことによって元老院に対する対抗勢力としてがんとでてきた。これで元老院の力がががががっと弱まっていくというのが帝政移行のきっかけになるわけです。

楊:三人が同盟を結ぶんです。

樋口:あらら

楊:プライベートな同盟なんですけど。三人いろいろ、過去にはいろいろあったけど、三人で一回一緒にチームで頑張ろうぜ。

深井:へえ、悟空とピッコロとベジータ。

楊:確かに

樋口:最初はなんかね。

深井:ちょうどそんな感じ。ベジータがポンペイウスだと思う。

樋口:ああ、そうか

深井:知らないけど。

樋口:ピッコロが。

深井:今の例えに意味はない。

樋口:意味はない。ピッコロ、ほら地球で神と言われてるくらいだから商才ありますよ。だから、あれはクラッススですよ。

楊:おもしろい。

樋口:なるほど。

楊:今回のカエサルのシリーズで一つ大きなテーマとしてあったのは、共和制をすごく重視した人たちがどうして帝政にシフトしていったのかというのをひとつテーマをしてみなさんにおな話するってのがあった。いろんな理由があります。帝政に行くってことは権力がある特定の個人に集中していくっていう現象じゃないですか。これにはいろいろ理由があって研究もかなり今もすすんでるんですけど。一つ僕が納得できたのが、実は食料問題があった。

樋口:ええ、どういうこと。食いもん。

楊:食いもんなんです。けっこうこれはみなさんも歴史を勉強する上ですごく重要な視点なので、オススメしたいんですけど。ある一つの国家なり組織なりが維持して行くためにはいろんな理由があるんですけど。一番大事な理由がご飯なんです、食い物なんです。だから食い物をどうやって確保することかが歴史を考えるうえで一つ大きな切り口になるのかと思ってて。ローマって実はいま話してる時代のときに食糧危機がけっこう起きてた。なんでかっていうと、戦争によって領土というか支配領域がどんどん増えていった。で、属州から大量の小麦とかの穀物が入ってきた、ローマに。一方でイタリア半島ではそれまでに穀物中心で作ってたんだけどもオリーブとかの果樹とかに切り替えていった。もっと付加価値の高いものに。とうことはどういう現象かというと穀物って炭水化物の元、主食なんです。主食の自給率が一気に下がる。逆に輸入にたよることになる。主食が。これって今も日本でも食料自給率とかいろいろ言われてますけど、やっぱり主食が輸入に頼るってことはリスクが起きるんです。自分の国でコントロールできないから。それによって例えば当時のローマの人口も増えてたので、人口が増えてるし、海外での穀物の産地では不作が起きてたし、海賊による輸入路の邪魔をして略奪とかもあったし。あと、前の回でも言ってたローマ国内でも農地が荒廃していって、みんな戦争にでかけて農地が荒廃していったりとか。海外商人、海外の商人から穀物を輸入するわけなんですけど、価格操作されるんです。ちょっと、このとき高くローマに対して売ってやろうとか。価格のコントロールができなくなって。ローマで食料危機が起きて、その次になにが起きたかというと、もう、暴動がおきるんです。民衆が元老院の前にいってふざけるなよ、けっこう激しい暴動とか起きて。

樋口:フランス革命みたい。

楊:まさにそれです。元老院の人を民衆が追いかけ回したり。なんとかしろよ、飯ないぞって。で、国家的な危機なんです。これに対して元老院はこれをまじなんとかしないと国まじで食料で穀物がなくなって滅ぶぞというふうに思って特定の個人にそれまでの共和制の枠組みの中では考えられないくらいの絶大な権力を与えたんです。どういう権力かというと、それまでに属州のトップって総督なんですけど。総督一人の総督は一つの属州にしか命令したりとか政治介入できなかったんですけど。ある一人の個人に対してローマがそれまでの支配領域の全域に対して政治介入ができるような権力をもたせた。それによって一気にローマに対して穀物の安定供給ルートを作ってくれと、いうことでこういうふうに食料供給を確保するためにどんどん権力を個人に渡していった。それで一番代表的な人物、渡された代表的な人物がポンペイウスなんです。

樋口:へえ。

楊:ここで大事なのが、属州の政治に対して介入できるじゃなくて、さっき海賊の話も出てきた。海賊けっこう大事な問題で、穀物を輸入している船がどんどん海賊に略奪されたりとか、港とかも海賊に襲われたり焼かれたりしてるわけなんです。海賊を退治するためには軍事力を使う。海賊を退治するためにまず軍事力を好きなだけ使っていい。軍事力も握る、全属州の権力も握る。実質的に皇帝ですよ。

樋口:そうですね。

楊:だから先例がある。権力が特定の個人に集中していくっていう先例がここのときにどんどんどんどんできていって、最終的にカエサルまできて、アウグストゥスまできた。の元が実は食料、食い物なんです。

樋口:面白い。トラブルがあったからそういう権力集中せざるをえなくなった。

楊:そうなんですよ。だから当時元老院としても権力を個人に与えることは共和制の主義に反するし、自分たちで権力を握っておきたいから絶対やりたくなかったけど、それでもポンペイウスに権力を与えなくちゃいけないほどやばかったんです。飯で、ご飯で。

樋口:これ、面白いのはポンペイウスが優秀じゃなかったら、もしかしたら適任がいないとかになってたかもしれない。

楊:そうですね。軍事もうまかったし、民衆に人気だったので抑えが効いた。ポンペイウスがなったことで民衆がわあポンペイウスがなんとかしてくれるというふうにちょっと。

樋口:あの番長だったら間違いない。うちの中学守ってくれる。みたいな。

楊:で、ポンペイウスが軍隊ひきつれて海賊をぼこぼこにして、属州の穀物生産地にいって商人と軍事力を背景に、お前ちゃんとした値段で穀物流せよ、みたいな。脅しにいったりとか。

深井:ポンペイウス平民出身だからね。

樋口:いいね。

深井:先祖が平民の人たちとの階級闘争のなかで平民をコンスルにしてもいいってとこまで持っていったって話をしましたよね。一人は平民出身で一人は貴族出身でいいというふうな法律ができた。それによって平民に対して門戸がひらかれた、政務官の。そういうことがあったからローマ市民の中のリソースを全部使えるようになった、ローマって国は。そのリソース全部の中にたまたまポンペイウスがいた。だから、これすごく大事だと思っていて。これがもし貴族しかやってなかったらこれはできてない。

樋口:拾えてないポンペイウスの才能を。

深井:ポンペイウスの才能を取り逃す可能性がある。

楊:滅んでたかもしれない、飯、ご飯で。

深井:それで滅んでたかも。実際そう、拡大したあとステージが変わるから。統治形態であるとか、いままでの運用スタイルを変えないといけない。その変えるというのが一番難しいんで。変革期って変えるってことに対してできる人とできない人で命運が分かれる。変えれるかどうかって基本的に外部リソースを活かせてるかどうかが影響する。

樋口:体の作りと一緒。細胞をちゃんと新陳代謝できるかどうか。

深井:そりゃそうだよね。変えるときは外部リソースが主導的になるというのはそりゃそうだんだよね。内部の人たちが自分たちをぶっ壊すということはしない。自分たちの既得権益を崩しながら全体を再起させるということはなかなかできないわけだから。基本的に外部の人間が別のロジックで頑張るしかないわけです。そのロジックを用意できてる組織かどうかがすごく大事で。この人たちが頑張れるロジックがあるかていうの。

樋口:だから、バグが起きることを許容できる状態になってるかどうかみたいなところもある。

深井:ローマはその力が強い。だからポンペイウスが出てこれる。これがギリシャだったらこれをテミストクレスとかの後にそういう人が出てこないのでダメになりましたって話だった。

楊:拾えないからね。いても拾えない。

深井:拾えないから。ギリシャ人の数万人の中からしか出せないから。ていうところの強さの違いみたいなのはめっちゃあると思います。だから今の日本の国とかアメリカの国とかの単位で見たときに、アメリカの強さって外部リソース使ってるところ。インド人の優秀な人をアメリカ人にして経営させてるわけだから。そういうのをどういうふうにするのかみたいなのは、多分今後僕たちも同じような課題にぶつかるんじゃないかなと。

樋口:なるほど。だからいいかねパレットでコテンラジオやってるのもコテンという外部リソースを。

深井:本当にそうですよね。

樋口:ありがとうございます、外部リソース。

楊:僕らはソース。

深井:ただのソースなんで。

樋口:リソースね。中国から輸入したソースみたいになってる。

楊:辛そう。

樋口:そうかもね。

深井:一側面だけどね。それだけじゃない。

楊:複合的。

深井:複合的な要因なんだけど、食料の問題もあったし、外的が攻めてくるとかいう要因もあったし。いづれにせよ、現体制を維持することができない種々多様な要因があって、それによって実は実態は変わっていたということなんです。

楊:建前はそうでも。

深井:そういうことなんです。ここが世界史の面白いところなんです。これを理解しないと世界史が理解できないんだけど。基本的にこの流れ、全部。実態って周りの変化によって変わっちゃう。僕たちが変わって欲しいか欲しくないかなんて全く関係なく勝手に変わる。これをどうみるかがすごい大事なんです。例えば日本の移民問題とかもそうだと思う。僕たちが移民を入れたいかどうか。関係なく変わるから。

樋口:実態がね。

深井:そう実態が。その時にじゃあどうするか。関係なく変わる前提でみないと、たぶんね、滅ぼされた元老院みたいになっちゃうわけ。なんで、滅ぼされてないんだけど、ただ中身が入れ替わっちゃってる。カエサルが皇帝ぽくなって、アウグストゥスになる段階で元老院の中身ってほぼ入れ替えなんです。元老院ていう名前残ってるけど。なんで、そういうことが起こるよってことをすごく歴史から学びますよね。ぼくは移民問題についてどっちの定見も持ってないですけど。あったとしてもここで言わないですけど。すごく歴史学ぶ面白さの一つだなと思ってます。

樋口:なるほど、だから実態にシステムがついていくことができるかみたいなところも。

深井:実態を変えるとか無理だから、一個人が。どんだけ願っても絶対変わるから。それに対して、それをちゃんと見つめてシステムをどうしたらいいかとか。ていうふうに見ないと。経営も一緒。

樋口:一緒。

深井:実態を見れない経営者なんて絶対だめになる。意思も大事だけどね。

楊:見るのむずそう。

深井:むすいよ。

樋口:だって、見てるつもりになることはいくらでもできる。本当に見れてなくても。

楊:カエサル面白い言葉残してて。人は自分の見たい現実しか見ない。

樋口:わかってる。

深井:わかってる、わかってる。

樋口:二千年以上前に。ひゃあなるほどなるほど、いやあ。勉強になる。

楊:よかった。

深井:ローマって一番勉強になるって言われてる、世界史の中で。

樋口:へえ。学びが多いな。普通に使える学びが多そうな感じがある。

深井:政治的だからね、この人たちが。

楊:確かにね。本当だよね。

深井:今と、適応しやすい、今に。はいということでポンペイウスとクラッススの話と余談もしましたけども、次はついにカエサルもこのポンペイウス、クラッススに並ぶところまで、カエサルがどういう風にそこまでいくのかっていう。なんで並べるのか、この二人の強い人たちに。

樋口:いいですね、この三者三様どんな動きをしているかって感じですかね。とういことで続きは次回よろしくお願いします。

楊:はい。

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