#142 ユリウス・カエサル ― 帝政ローマ、レガシーからの脱却!

【今回の内容】今回のテーマは 「ユリウス・カエサル」です。 深井はウザい彼女/特典に関する注意喚起/ローマは世界史中の世界史/ダントツに完璧な偉人/カエサルはジェフ・ベゾス/松陰が西洋で偉人になれないワケ/ローマがライジングした秘密/ヤンキーたちの集まり/ローマ人の驚くべき問題解決法/アメリカ+オスマン帝国=ローマ?/王様、キライ!/共和政からなぜ帝政へ?/しばらくカエサルは出てきません/

樋口:世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオ。世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオパーソナリティの株式会社BOOK代表樋口聖典です

深井:株式会社COTEN代表の深井龍之介です

楊:同じくCOTENの楊睿之です

樋口:このラジオは歴史を愛し歴史の面白さを知りすぎてしまった深井さんを代表とする株式会社コテンのお二人と一緒に学校の授業ではなかなか学べない国内外の歴史の面白さを学んじゃおうという番組です。宜しくお願いします。

深井:ありがとうございます。

樋口:さあさあさ、始まりましたけど、ちょっと今日調子よさそうじゃないですか、深井先生

深井:本当はすごく悪かったんですけど、持ち直しました

樋口:なんで持ち直したんですか、睡眠

深井:睡眠ちゃんと、昨日の夜寝れなくて、今日の開始時間を遅らせてもらった

楊:夜中4時くらいにメールがきたからね

深井:寝れないみたいなメールを、すごいうざい彼女みたいな。

樋口:寝れないんだけど、みたいな。でも今日は睡眠ばっちりでいきたいと思う。まず業務連絡を初めに。

深井:そうですね。月額のサポートプラン、今多くの方に入っていただいて本当ありがたい限りなんですけど。一部の方がメールアドレスを登録する時に間違ってらっしゃって、僕たちがメールを送っても届かない事がある。その時僕たちどうしようもない、連絡のしようがない。

樋口:そうですね、メアドしか接点がない。

深井:そうなんです。なんで、サポートプラン入ったのにメールが届いてないよという方は連絡をして欲しいなと思ってまして。メールアドレスに問い合わせを送っていただければ、もしくはサイトから、コテンラジオのサイトありますので、そこから問い合わせから送ってもらえると個別に対応させていただきますので。迷惑メールに入ってる人もいっぱいいるらしい。

楊:そうですね。

樋口:らしいですね。

楊:迷惑ホルダを必ずチェックいただければ。

樋口:こんだけいいことやってるのに迷惑と思われてる。

楊:本当それはグーグルから喧嘩売られてるということですね。

深井:せっかくの特典エピソード聞けますので、払っていただいてる方は。受け取ってない方は是非連絡してほしいなと思ってます。

樋口:ぼくらは怠けてるわけでもなく、本当に連絡手段がない。全くやりようがないから、皆さんの方から是非お願いしますという感じですかね。ということで長いので、

深井:長いよ。

樋口:前置きはこのくらいにしてさっそく本題に行きましょうか。ユリウス・カエサルー帝政ローマ、レガシーからの脱却。でございます。きましたよ。

深井:ついにきましたよ。ローマ帝国。

樋口:ローマ、おれはもう震えてます。

深井:世界史中の世界史ですからね。

樋口:いやあ、え、今日はどのくらい長くなるんですか、

深井:わかんない。

楊:一応今日一泊するつもり、明日も録る予定ではあります。

深井:普通にやったら20話になるから、その普通にするのやめようと思ってる。

樋口:なるほど。

楊:今回台本何ページある。

深井:台本はオスマンとかと同じくらい。

楊:70ページくらい。

深井:くらいだけど、一つ一つは濃いい。主人公級が多すぎる、ローマ帝国ってのは。全員説明したくなるけどそれを抑えるしかない。軽く流すしかない。

樋口:そうですよね。その中でカエサルですよね。

深井:カエサルダントツで主人公です、ローマの。

樋口:ぶっちゃけローマ帝国というのがいかにすごくて影響力があってでかくて歴史があるのは知ってるんですけど、正直本当に知らないんですよ。

深井:ディテールがね。

樋口:まったくわからないんで、ただびびってます。

深井:カエサルってどういう人だと思ってます。

樋口:独裁者というかスーパースター。スーパースターというかすごい人。

深井:何した人かって知ってます。

樋口:全然わからない。

深井:まず、何した人かわからない。カエサル、名前知らない人たぶんいないですけど。

楊:教科書で絶対でてくる。

深井:ジュリアス・シーザーとよばれたりとか、英語読みするとジュリアス・シーザーで、ガイウス・ユリウス・カエサルてのが彼のラテン語の名前なんですけど。このカエサルは一言でいうとローマ帝国ってのを作った人なんです。ローマってすごいカエサルの前からずっとある。何百年も続いてる。共和制ローマってやつ。共和制。

楊:政治の体制がいくつか。

深井:政治の体制が帝政って皇帝制じゃなかった。

樋口:なるほど。

深井:ここを皇帝制に転換させたのがカエサルで、実質上の初代皇帝みたいな感じ。初代皇帝はそのあとのアウグストゥスって言う人なんだけど、実質上はこの人が初代。

楊:生きてたらおそらく皇帝になってた。

深井:そうそう暗殺されちゃうから。

樋口:なるほど。

深井:ていう、そこの転換点が半端なくて、そのあと帝政ローマがさらにでかくなる。これで衰えてたらカエサルはこんなに有名じゃないと思う。帝政になってから皇帝制になった後のローマがさらにでかくなっていくという礎を築いたということでこのカエサルの名前がめちゃくちゃ残ってる。

楊:前、トルコじゃない、オスマン・トルコで話したように、ビザンツ帝国まで実質上そこまで続いてる、1000年以上。

深井:そこ続かせた人でもある。で、なんかめっちゃすごい人で。今までいろんなすごい人を紹介してきましたけど、たぶん一番すごい人です。

楊:完璧に近い人。

深井:完璧に近い。

楊:史実はわからないけど。

深井:僕たちは完璧な人だとは思ってないけど。本にはめっちゃ完璧に書いてある。まず政治がめちゃくちゃできる、政治力が強い、人徳もある、戦争も強い、そして文章が書ける、女にもてもて、女性にむちゃくちゃもてる。しかも人に優しい、寛容。完璧みたいな。

樋口:ずるいじゃないですか。

深井:アレクサンドロスとかは戦争が強い。でも政治はちょっと未熟なところもあったし、人徳もちょっと未熟なところがあった。だけどこの人は全部できる。政治もできる、人徳もある戦争もうまい、みたいな。

樋口:なのにあんまりテンションあがってないですね。

楊:いや、ただたんにぼくと深井くんの好みがね。

深井:好みがね。

楊:好みがどっちかというとちょっと狂ったひとが好き。

深井:そう。どっちかというと吉田松陰とか、ぶっ飛んだ人がすき。

楊:バグがすき、彼はバグじゃない。

深井:バグじゃない、ただひたすら優秀って感じ。ちょう優秀って感じ。ぼく全然詳しくないですけどジェフベゾスさんみたいな感じ。

樋口:ああ。なるほどなるほど。

深井:全然一冊も彼についての本読んだ事ないし。

樋口:イメージだけでいうと。

深井:完全にイメージだけで言ってる。

樋口:ひどい話。

深井:この例え全く意味ないんですけど。たぶんあんな感じですね。

樋口:なるほどね、はいはいはい。

深井:なんでもできそうな。尖ってる感じじゃないよね。

楊:時代の寵児な感じ。

深井:時代の寵児という感じですね。

樋口:独裁者みたいなイメージもちょっとあるんですけど。

深井:そうですね。

楊:ある。

深井:独裁者って英語でディクテイターっていうんですけど。ええと、そのディクテイターの語源となったディクタトールという役職があって、そのディクタトールって役職についたのがこのカエサル。

樋口:すごい。

深井:だからもう独裁者の語源になったところをやってる人なんで、その解釈間違ってない。

樋口:ものすごい影響ですね。

楊:皇帝の語源でもあるよね。

深井:皇帝の語源でもありますね。例えばドイツ語でカイザーとか、あとロシアでツアーリっていうんですけど、皇帝のこと、このツアーリとかカイザーはいわゆるシーザーのこと、つまりカエサルのことなんです。

樋口:なるほどなるほど。

深井:それが、ドイツ語読みになったりロシア語読みになったりしてる。この人の名前が皇帝という意味で使われてるってこと。

樋口:すごい影響。

深井:それくらいざ、皇帝。ざ、帝国作った人、みたいな感じ。

楊:政治家中の政治家。

深井:政治もうまい。

樋口:軍事もうまい。

深井:なんでもできるし、その帝政ローマっていう帝国になった時のローマのグランドプランを作ったと言われてるけど、本当かよと思ってます。そうでもないかなと思ってますけど。そういう話を今回は。あのね、評価高すぎだよね。結論からいうとそんなに評価する、と思ってる

樋口:そうなんですか。

深井:以上に評価高い。だって塩野七生さんの本とかやばかった。めちゃ笑ったけど。

楊:通信簿。

深井:通信簿、あのね、塩野七生さんが古代ギリシャと古代ローマの偉人を通信簿っていって、能力別に点数つけてる本があって。

樋口:面白そう。

深井:そこでアレクサンドロスが90点、80点、90点、90点。カエサル100点100点100点100点で満点なんです。

樋口:ええ、そんなことある。

楊:塩野七生さんという西洋史の研究家、文筆家っていいのか、研究者。

深井:文筆家の方、研究者というよりは。

楊:有名な方がいる。

深井:すごく有名な方なんですけど、その方がめちゃくちゃカエサルが好きで。その方のカエサルのやつちょっと読んじゃったんです。読まないようにしてたけどちょっと読んだけど、すげえカエサル褒めてある。

楊:この詳しいこういうどうして、僕らはこのカエサルを心の底からちょっと親しみをもてないかという分析を。

樋口:はっきり言いましたね、いま。

楊:特典のあれで配信します。サポータ特典で。それ、打ち合わせの風景を録画してて、それをちょっと詳しく僕らの中で分析してますんで、それを、

樋口:そうか

楊:それをみていただければすごい。

深井:こんなに褒められてなかったらこんな気持ちになってない。異常に褒められてるから、いや、そんなに。ってなってるていうのはありますよね。

楊:西洋の価値観の中でこういう人が偉人なんだろうね。狂った人は西洋の中では偉人にはならないだろうね。

深井:そうかもしれない。

樋口:なるほどね、それはちょっと。

楊:吉田松陰は西洋では偉人にはならない

深井:ただのバカになっちゃうかも、言い方あれだけど。

樋口:怒られますよ、今の。親しみを込めてね。

深井:親しみを込めてます。この時代って、すっごい有名な人たちが一気に出てきてる。知ってる人は知ってる、ポンペイウス、ポンペイウスていうのはカエサルのライバルですね。あとクラッスス。

樋口:クラッスス。

深井:あと、キケロとか、あとブルートゥス、

樋口:はい。

深井:ブルートゥスお前もか。

樋口:はいはい、言葉知ってる。

深井:あと、スパルタックス、スパルタックスって、ほら。NetflixとかHuluで放映、スパルタカスでドラマ出てる。あと、ベルキンゲトリクスとかね、

楊:名前がかっこいい。

深井:おれベルキンゲトリクスの方が好きだもんだって。

樋口:かっこいい名前。

深井:カエサルより。こんだけ、みんな主人公級。今言った人たちみんな主人公級。あと、ちょっと前の時代だけど、ハンニバルとかスキピオとか、とにかくローマって本当すごいテーマの宝庫。その中でもカエサルってのは、この人たちをさらに群を抜いて、ざ、ローマの偉人みたいな扱いを受けている。正直たぶん世界史上で一番、アレクサンドロスに並ぶ英雄の一人って感じ。

楊:成功者だよね。

深井:うん、アレクサンドロスの方が英雄ぽいのはカエサルがアレクサンドロスのこと好きだったから、くらい。

樋口:へえ。

深井:うん、彼の方が前の時代だから。

樋口:すごいな。

深井:そういう人なんですよ。で、この人が生まれたローマの話からしないと、毎回そうですけど、特に今回はカエサルの周り、を取り巻く環境と状況がどういう状況で彼の時代になるまでにどういう系譜があったのか。ていう話をしないと、彼が何をして何がすげえのかもわからないし、何が逆にすごくないのかもよくわからない。けっこうね、結論から、エピソード紹介する前に言ってもわからないかもしれない、伝わらないかもしれないけど、けっこうほとんどの本でカエサル個人がめっちゃすごくて、この人が時代変えたみたいな書き方されてるんだけど、

楊:本当そう。

深井:全然そんなふうに思ってないです。ここはヤンヤンと一致してたんだけど。彼はそういう時代のすさましい変遷の中に生まれた一つの器みたいな。社会の要望の器となって、要望が噴出するアウトプットの最後のところにある、みたいな。伝わりますかね。

樋口:だから、みんながそれを求めてきたところに実態となって現れたみたいな。

深井:そう、彼が強い意志をもって彼が変えていったってのももちろんあるんだけど、というよりも、やっぱり時代の大きい流れの中に彼という人材ががちゃんとハマったっていう感覚の方が。強い。

楊:わかるわかる、ちゃんとキャッチできた、その時代を。それでも彼は普通に優秀。ちょう優秀。普通の人間、凡人だとそれはキャッチできない。

深井: 非の打ち所がほぼない。感じの優秀さですね。なので、今回もローマっていうところ。ローマって単純にカエサルの話しなくても普通にローマ単体で面白いんで。まずちょっとローマの話をして、で、カエサルの話に行くって感じで、前半ずっとローマの話です。カエサルになる前までの話をずっとしていきたいな。と思います。今回、ボリューム半端ないんで、初回からいきなりもう始めます。

樋口:はい。なるほど、いやあ、でもぼくローマも全然知らないんで、めっちゃ楽しみ。

深井:これ勉強になる。ローマ絶対知ってた方がいいですね。

楊:西洋史の理解のベースになるから。

深井:本当に、ヨーロッパの起源なんで。いわずもがな、場所は今のイタリア。の首都ローマ。ここに所謂紀元前800年くらい前、753年。

楊:一応伝説上。

深井:2800年くらい前ですね。ここに、都市国家ローマってのが生まれる。ギリシャの時とかにやった、スパルタとかアテネみたいな感じと一緒です。ただの都市国家として生まれて行く。この時代の地中海沿岸てのはギリシャにしろローマ周辺にしろ基本的にそういう都市国家なんだけど、この中で帝国作ったのって、ローマだけなんだよね。

樋口:へえ。帝国の逆は。

深井:逆とかはない。帝国ってのはいろんな地域を服属させて、統治してる状態の国のこと。すっごい簡単にいうとそういう国のこと。他のアテネにしろスパルタにしろ、他のところ服属させて傘下に入れて内封するみたいなことはしなかった。内包するってことしなかった。でもローマはどんどんどんどん取り込んで吸収するって性質を持ってた。だから唯一この大量にポリスがある中でこのローマって都市国家のみがこうやってでかくなっていくていうところがある。それがなんでそういうことがおこるかってのもそうですよね。

楊:最大版図はアレクサンドロス大王の帝国くらいに広くて。

深井:場所がちょっとずれてるけど、同じくらい広いですね。

楊:ちょうど面白いことにアジア大陸で漢帝国ていうまた同じようなアジアの帝国がほぼ同時、出現した現象は面白い。

樋口:漢と同じくらい。

深井:そうそうそうそう。漢もやりましたよね、僕たちは、後漢王朝の所をね。

楊:二つの国とも農耕民族の帝国。

樋口:すごい。

深井:今のヨーロッパと大きい違いはキリスト教以前の世界ですよね。カエサルが生きてる時代の話。カエサルの50年後くらいに、ちなみにイエスキリストが生まれる。そこもちなみに被ってるからすごい時代だよね。

楊:確かに。

樋口:スーパースターいっぱい産んでるんですね。

深井:すごい時代ですよね。

楊:それ以前と以後では全然フォーマットが違う。多神教と一神教、それで分かれ目ができます。

樋口:はいはい。

深井:アレクサンドロス大王の時にやりましたけど。かれがギリシャを束ねていって、でっかい帝国をがつんと一回作った。マケドニアという王国が大きくなった状態ですよね。それが彼の死とともに一瞬にして分裂する。そのちょうど分裂したころに、西のさらに西の方に、これアレクサンドロス大王のエピソードの最後のエピソードで僕が言ってると思う。ちょうどその頃西にローマっていう全然まだ有名じゃないやばい奴が胎動を始めるみたいな状態だったって話をした。まさにアレクサンドロスがばっとまとめてぼーんと分裂した頃に西にあるローマが動きを始めるわけです。

樋口:そこがプロローグだったんですね。

深井:そうなんです。

樋口:なんかぞくっとした。

楊:壮大だな。

樋口:壮大。

深井:でも世界史って全部こういう繋がり方するからね。

樋口:伏線はってたんだ。

深井:そこで、その時まだすごく小さかったローマがイタリア半島を統一して、さらに今のフランスとか、スペインとか、ギリシャとかをさらに傘下に置いていってでかくなっていくっていう。

樋口:なるほど。

深井:アレクサンドロスはだいたい紀元前200年くらいでしたよね。ローマがでかくなるのもそのあと紀元前100年くらいからかな。そこらへんの時代に一気にばんてでかくなる。もともとでかくなる前のローマの話をすると、ローマって王国だった。一番最初は。

楊:そうそう。

深井:この建国神話のところはヤンヤンから。

楊:おれ、ちょっと話そうか。一応ローマも前話したモンゴル帝国と同じように伝説みたいなのが、ある、建国の伝説、建国の神話。二人の男がでてくる。ロムルスとレムス。という二人の男がローマの建国に関わったと伝説に残ってて。二人とも実はギリシャ神話にでてくる英雄と女王の末裔。ここからして伝説ぽいんですけど。二人の父親も神様なんです。

樋口:へえ。

楊:軍神マルス。戦いの神さま。

樋口:神様。

楊:そうそう神様の子供。ざっくり端折っていうと、その二人の母親がおじさんの王位継承の紛争に巻き込まれて、母親に後継者を産ませないようにするために母親が巫女にさせられた。巫女、巫女って結婚して子供をつくれないので、巫女にさせられたんですけど。その母親がけっこう美人だったらしくて、軍神マルスにすごい惚れられてあんたのことめっちゃすいとおよみたいな。

深井:博多弁。

樋口:博多弁。

楊:たぶん博多弁じゃないですかね。

深井:軍神マルスって博多弁。

樋口:急に博多弁。

楊:軍神マルスにあんたのことすいとおよっていって、で、その母親も、うん神様だったらいいよみたいな。というようにいって、いろいろあって子供ができた。

樋口:神様と巫女の子供が。

楊:ロムルスとレムス。

深井:はい。

楊:生まれてきちゃいけないこと。

樋口:そうか。

楊:だって、それをおじさんが知って二人の子供を殺そうとする。それで、二人の子供が母親から引き離されて川に流される。流されてたところ精霊がこれを助けて狼に預けます。メスの狼に預けて、そのメスの狼がこの双子を乳で育てて、そのあと羊飼いの人に拾われて育てられる。ていう。

深井:有名な像がある。狼の乳吸ってる双子の有名な。

楊:教科書とかに載ってると思います。

深井:ロムルスとレムスで調べたら出てくる。

樋口:へえ、

楊:絶対でてくる。この二人も大人になってから自分たちの出生の秘密に気づいて、おじさんに復讐しておじさんを殺します。

樋口:うわうわ。

楊:おじさんを殺すんだけれども、そのあと兄弟どうしでも喧嘩して、兄のロムルスが弟を殺します。この兄がローマ建国の父になる。だからローマって名前が兄のロムルスからきてる。始まりが血なまぐさい。

樋口:へえ、すげえ。

深井:血なまぐさいし、そのあともずっと血なまぐさい。作って初代王様になったロムルスがいるんだけど、集まった人たちが犯罪者とかが多かった、最初。

楊:アメリカみたいな感じ。

深井:追放された人とか。男が多い、だから。女の人がいないんで、彼らがやったのが拉致をする。サビニ人て人から女性を拉致してくる。で、本当は拉致する前に色々言ってたらしい。他の国に手紙とか出して、女性を分けてくださいって言い方すごいひどいけど。

樋口:男しかいないから。

深井:その時の言い方だとそう。女性をいただけないでしょうか。みたいな話をたぶんしてて。当然嫌ですと言われて。

樋口:そりゃそうだ。

深井:で、奪ったらしい。

楊:実際どうだっかっていうと、当時のローマって沼地なんです。沼地で誰もこないようなすごい寂れた土地だった。そこにロムルスとレムスがみたいな、王様っていっても後々彼らは歴史上王様になってるけど。実際の考古学では王様というよりはどっちかというと部族。

深井:あれといっしょ、オスマン帝国。

樋口:それ思った。

楊:戦士たち。

深井:ガーズィーとか。

楊:ガーズィーと一緒で自分と自分の周りの取り巻きたちが、そこのローマのところに流れ着いて、あまりにも人間が少ないからとりあえず誰でもいいからみんな集まってって集まってきたのが浮浪者とか犯罪人とか、借金を抱えた人とか。そういった人たちの荒くれ者が集まって始まったのがローマ。が実際。

深井:女性拉致して、結婚無理やりして、子供を無理やり作って。

樋口:ちょっと待って、始まりえぐい。

深井:えぐいです。今の概念でいったらね。昔は多分よくあったんだと思う。

樋口:そうかそうか。

楊:さっき深井くんが言った、ローマって外から色々物をとりこんで大きくなったって言った。この神話からもこの傾向が見られる。だからみんな集まって、じゃあ国を作ろうぜ。外部からリソースを調達して組織を作るというアイデンティティが彼らにあるので。これが後々ローマがでかくなる一つのエンジンになったんじゃないかと思います。

樋口:本当だ。

深井:あとで言おうと思ったけど、今一瞬出たからいうけど。ローマの特徴ってのは外部リソースを使うのが非常にうまい。これはたぶん今の企業でも言えることで。自分たちのリソースじゃなくて人のリソースをうまく使える人めっちゃ伸びる。ローマの強さの秘密の一つ。あとでもっと詳しくいいますね。

樋口:なるほど、ちょっと面白そう。

楊:いろんな民族の人が最初から入ってきてるので。

樋口:なるほど。

深井:実際王様の決め方が選挙。

楊:そうだよね

深井:で、いろんなサビニ人とかローマ人とかエトルリア人とかいろんな人が王様になるわけ。人種が違うというか。出自が違う人たちが王様。初代がロムルスでしょ。2代目がヌマポンピリウス、サビニ人。次がトゥッルス・ホスティリウスとかいって、全然覚えなくていい。アンクス・マルキウス、サビニ人とかって。こうやって他の国の人たちっていうか、出自が違う人たちが王様になるみたいなのを7代続ける。で、この特に後半の方、5代目以降ってエトルリア人になっていく。このエトルリアってのはローマの近くにあった、ローマよりも進んだ国だった。ローマっていうのは、初期のローマってのはこのエトルリアからいろんな先進文化を吸収して、自分たちの方が大きくなっちゃう。そういうことする。

楊:日本列島と中華大陸みたいな関係。

樋口:都会からいろいろ吸収して。

深井:そうそう。二次世界大戦で一旦日本が上がっちゃう、中国より。そんな感じ、ローマも。エトルリアが先進文化持ってて。例えば下水道設備の技術を持ってたりしたらしい。

樋口:インフラか。

深井:そしたらローマ人はその技術持ってなかったからめっちゃ汚かった。でもう困ってたからエトルリア人の人を王様にしてその技術も分けてもらってそれでやるってのをやる。

楊:マラリアとか流行ってたから。

深井:自分たちじゃない人たちを呼んできてその人たちを奉戴して王様としていろいろ分けてもらうということをやってたんだけど。7代目。王政の最後はタルクィニウスという王様が出てくるんです。

楊:ちょっと事件が起きる。

樋口:はあ事件。

深井:事件が起きるんです。この王様の息子のセクストゥス、覚えなくてもいい。が、ローマ人の貴族みたいな人の妻ルクレーティアという人をレイプする。そのルクレーティアは貞淑で有名な人だった。それに邪悪なセクストゥスという人が。

樋口:なんかセクストゥスというのが。

楊:何を連想した。

樋口:そりゃそう、みんな連想してます。語源かもしれない。

深井:あの、それで、その、本当に結構なんかね、陰惨な感じで近寄って、もし自分のこと拒んだら不貞を働いたといって、奴隷を殺して、お前も殺して、二人並べて不貞を働いた現場を見つけたから殺したみたいにして、夫に嘘いうぞみたいな感じで脅して、それでレイプするんです。そしたら、ルクレーティアは当然めちゃくちゃ打ちひしがれて傷つく。夫に打ち明ける。そうすると夫すごくいい人で、当たり前なんだけど慰めてくれるんですね。けどルクレーティアは自殺しちゃうんです。そしたら夫がブチギレしちゃうんですけど。もっとキレたのが夫の友人にブルートゥスという人がいて。カエサルを殺すブルートゥスとは当然だけど時代が違うんで別な人です。

樋口:違うんか。はい。

深井:このブルートゥス、たぶん先祖かな、おそらく。このブルートゥスという人がこれ以上この王様の暴虐無人なものを許して置けない。ということで王様追放しようと。そもそも自分たちで他の人の王様連れてきてたんだけど嫌いだった。

樋口:なるほど。

深井:人の、他の民族の王様だから。民族ってあれだね。

楊:そういう概念は微妙だったかもしれない。

深井:だけど。他の王様だからすごく忠誠心が低かった。いろんなところで不満が溜まってた。それが一気にこの事件で爆発して殺すんだよね。殺すというか追放する。

楊:民衆もその下水道の建築工事に駆り出されて不満も民衆とかにも溜まってた。それもまた拾い上げて、ちょっと王様倒そうぜって。

深井:そう、王様倒そうぜって倒したあとがすごい。ここが僕、ローマの圧倒的な優秀さ。なぜ彼らが唯一ポリスの中ででかくなったっかってのの一つと思う。

樋口:へえ、なんだろう。

深井:この王様を追放したにも関わらず、システムを変えるんです、彼らは。つまり王政をやめる。あのね、これすごいことだと思う、僕は。普通、すげえくそみたいな人が出てきたら、全て属人的な理由に帰結させてこいつがだめなんだと。

樋口:確かに。

深井:こいつがだめだから、こいつを追放して新しく優秀な人を連れてこようというのが、これが基本的な人間の思考方法なんです。

樋口:普通、そう考えますね。

深井:ローマ人はここで何を考えたかというとですね。王政がだめなんだと。王政ていうのを作るからこういう増長する人間が出てくる。だから王政というこのシステムを変えたがいい。しかもこのシステムはこういう風に変えた方がいいという代替案をちょう具体的に作ってくるんです。それがまず、一人の人間に権力は集中するということをやめたい。それをシステム上で防ぐために権力者を一年ごとに変えていこう。なんで、一年交代だと、まず、権力者は。しかもその権力者は同等の権力を持ったものを2名用意する。これは王様じゃなくて、執政官、コンスルって呼ぶ、これ、コンサルタントの語源ですね。

樋口:ほうほう。

深井:コンスルっていう。これこの後も何回もコンスル出てくるのでこれ覚えてください。今の実質上のローマのトップの役職。これを2名用意する。お互いに拒否権を持たせて、お互いが言ったことが嫌だったら拒否することができるという牽制状態を作る。このシステムをいきなり作ってくるんです。

樋口:へえ。

深井:いきなりめっちゃ機能するんです、これが。これはすさましい思考法だと思います。みんなに聞きたいけど、会社でこの思考方法できてる人。いますかって感じ。

樋口:なるほどね。

深井:マネージャーがだめ、社長がだめ。その時にシステムをこういう風に変えることによって、これが二度と起こらないようにしようって具体的に提案できる人なんて何人いるんだろうと思うし。

樋口:そうとう難しい。

深井:それについてローマ人全体でコンセンサスを得てるわけでしょ。合意形成してる。みんなでそうだねってなってる。めちゃくちゃすげえ。

樋口:確かにすごいな。

楊:理由は考えてみたんだけど。一つあって。当時古代ギリシャってあるんです。スパルタとかアテネとか。その古代ギリシャで民主制がブームだった。

深井:でもね、2年が早い、こっちの方が。

楊:そうなんだ。

樋口:そうか。

深井:1年か2年、ローマの民主制の方が早い。

樋口:気づいちゃった。

深井:共和制か。

楊:それなんだけども。最初に荒くれ者たちが集まったっていった。荒くれ者たちってお互い血とか繋がってないので、組織としてまとまっていくためには多分仕組み作りとか、ルール作りとか、あと合理性を。

深井:アメリカぽい。

楊:あと合理性でもって組織を作っていくしかなかったと思う。もしかして、そういう合理的思考、効率的な思考が彼らのベースにもしかしてあったかもしれない。

深井:そうかもね。確かに。アメリカぽい。

楊:たしかに。

深井:アメリカの最初の政府も権力を集中しないようにって大統領を作るまでは。結局大統領が軍事的理由で出てきたけど。一緒だ、ローマと。ローマ帝政と。

樋口:なるほどね。面白い。

深井:いま気づいた、今の話で。

楊:ましてやその周りがけっこう強い都市国家で囲まれてたから常に自分たちで自分たちをまもらなくてはいけないからそれは合理的な思考でしかのりきれない。生きるためには。

樋口:なるほど。

深井:面白い。

楊:面白い、本当にローマ面白い。

樋口:もう面白い。

深井:で、ローマってずっと帝政に移行するまでの特徴があって。とにかく独裁者が嫌いなんです。

楊:嫌悪してるよね。

深井:もう、絶対に一人に権力を集中させないという文化がある。彼らの中に。絶対嫌だはと。もうあのタルクィニウスみたいな王様を二度と出したくないというすごい強い決意を感じる。よっぽど屈辱だったんでしょうね、彼ら、ルクレーティアの件。

楊:確かにね。

深井:本当にすごいと思う。コンスル二人用意したの。具体的なシステムでそれを防ごうとして着眼点。もう、なんで、ここから先共和制ローマになるんですけど。王政ローマから共和制ローマになる。これが帝政ローマになる。これをなんで帝政ローマにできたかってのが、今回まさにそういう話。こんなに独裁が嫌いなローマ人たちが、なぜカエサルの代で帝政に移行していくのか。ここが、今回の大きい一つのテーマなんですけど。ローマ人めちゃくちゃ独裁嫌いなんです。いかに独裁権を持たせないかというのをちょうシステムで防ごうとするんです。

樋口:はいはいはい。

深井:これを次回どういう制度なのかって話をします。

樋口:なるほど、面白いのが歴史上一番帝政というか、カエサルって独裁者というかワントップみたいなイメージなんですけど、それがそんなところから出てきたってのが。

深井:絶対王権的なワントップな状態では決してないんだけれども。もっとも独裁から遠い国をいわゆるそういう帝政に持っていくところを担った人というところで彼は非常に面白い。

樋口:へえ、なるほどな。

深井:けど、僕は冒頭いいましたけど、それは彼一人の能力で決してないと。

楊:時代の要因とかもいろいろ。

深井:外的の要因とそれまでの、彼までのバトンタッチをした人間がいる、という感じで捉えてます。

楊:結構今回は民主主義とか独裁制とか。そういう政治的な話もできるかもしれない。ちょうど今アメリカの大統領戦もあってる。

深井:まだ結果出てませんけど。

樋口:収録中、今ね。どうなるのかって感じで。これ配信されてる時には結果出てると思う。

深井:流石に出てるでしょうね。

樋口:いやあ、なるほど。タイムリーな話題で楽しみです。今回もまだカエサル出てきてないですけど。

深井:まだ全然、5回目くらいです。たぶん。

樋口:まあまあまあ、最澄よりは早く出てきそう。前回最澄ずっと出てこなかったから。いやあ、まあでもいきなりワクワクさせてくれる第一回目でございました。ありがとうございました。

楊:ありがとうございます。

関連エピソード