#141 最澄と空海の晩年 ― 天才が人生を捧げた仏教の正体

【今回の内容】今回はそんな我が道を行く二人のスーパースターの生涯と、 彼らが身を焦がした仏教という西洋哲学に比肩する膨大な哲学思想について迫っていきたいと思います。 勉強して痛感したのは、結局僕らは何一つ仏教を理解してなかったこと・・・。 難解で刺激的な回となっております。ぜひご視聴ください。

樋口:はい、ということで最澄と空海シリーズ今回がラストになるんですけど、その後どうなったのかですね。

深井:はい。ええと、最澄はその冬の時代を迎えながらじっと耐えてるわけなんですけど。その耐えてる最中は一つのことに向かってる最澄を評価してくれる人が出てくる。

樋口:そりゃそうだ。頑張ってるんですから。

深井:それが、藤原冬嗣って人と良峰安世という、これは桓武天皇の子供のなんだけど。その桓武天皇が、盛り立ててくれてた人、最澄、その人の子供とかが彼の冬の時代の彼でも評価をしてくれるようになってきて。また、彼の地位ってのがちょっとずつ朝廷の中で上がって行くわけです。嵯峨天皇は空海の方を盛り立ててるんだけど、最澄もこうやっていろんな人たちが盛り立てて行くっていう状況になる。ひとつ大きい課題があって、最澄の念願がひとつあるんです。最澄の念願としては、最澄は前、ほら、お坊さんを認定することができるようになりましたって話をしたじゃないですか。けれどももう1段階あって、僕ここ詳しく理解してないんで、お坊さんにインタビューした時に聞けばよかったなと思ったけど、勉強まだしてないけど、少なくとも2段階あることがわかっていて。最終的にこの段階ではお坊さんを出していいってなってるのに、いいよって言ったお坊さんが東大寺に行って、東大寺で最終的な授戒みたいなのを受けないといけない。

楊:戒律を授けるってのが最終認定試験。

深井:ライセンスみたいなものなんですかね。それがないと独立ができないみたいな感じなんです。その授戒を授けるために、この二人をお坊さんにしようと最澄が決めて、東大寺に送るんだけど、東大寺は都市仏教だから最澄のこと嫌いなんです。

樋口:まあね、そうね。

深井:対立してる。だからあげないんだよね。

樋口:はあ。

深井:そうすると結局出せない。お坊さんが。

楊:あげなかったりとか、もうお前お坊さんになりたかったら他の宗派に行けよみたいな、もしかしたらそういうプレッシャーも最澄のお弟子さんにあったかもしれないし。実際にお弟子さんが他の宗派に行ったりとか、ということもあったみたいです。

樋口:なるほど。

深井:それなので、そこを、大乗、本物の大乗仏教としての戒律を授けるってことができるっていう権利と、場所っていうのを比叡山に持つってのが彼の念願になるわけ。

樋口:そうかそうか。

楊:自前で持ちたい。

深井:それを達成することによって初めて天台宗っていうのは独立したひとつの権力として成り立つし、独立することによって彼の念願である衆生を救うってことに対してダイレクトに活動ができるようになる。それが今は阻害されている状態だって状態。それを彼としてはずっとその天皇に向けて、欲しいです、欲しいです、という話をするんだけど。やっぱり周りから止められてるんです。

樋口:なるほど。

深井:反対勢力がいるんで。そりゃそうだよね。だって、旧勢力からしたら最澄にそんな権利を与えてしまったら最澄はもっと強くなるわけで。対立勢力に権力を渡すみたいなことになっちゃう。

楊:そうだよね。既得権益を削るって形だからね、最澄がやろうとしてることは。

深井:だから嵯峨天皇も、嵯峨天皇の時代の話なんだけど。嵯峨天皇も非常に困るわけです。最澄も無下にしたくないし、桓武天皇からの最澄たちを大切にしようという流れがありますから。それも無下にできないけど、旧仏教勢力を完全に無視することもできないわけです。この2つの間で板挟みになってしまう。

樋口:なるほど。

深井:この板挟みになってる状態なんだけれども、最澄はね、本当死ぬまでこれをずっと言い続けるんです。

樋口:へえ。

深井:で、言い続けて、死んじゃうんです。

樋口:あら。

深井:結局。

樋口:叶わず。

深井:叶わずに寿命がきちゃう。

樋口:あったあ。

深井:寿命がきてから1週間後に許可される。

樋口:ええ、もうちょっと頑張ればよかったのに。

深井:だから、これ死んだからもらったのか。本当にぎりぎり間に合わなかったのかわからない。

楊:もしかしたら話は調整は内部で進んでたかもしれないですね。

樋口:かあ、見たかったやろうな。

深井:本当に最後の最後で。でも結局彼はやり遂げたってことだと思う。最澄、こんな頑張ってるんだから、渡してもいいんじゃないかというふうに朝廷の中での世論が変わっていって。大乗戒って、一向大乗戒ていうんですけど。一向大乗戒壇というものの設立をしてもいいよって許可が、彼が亡くなって1週間後におりて、それによって比叡山延暦寺がある意味完成するというか。

樋口:なるほど。

深井:スタートするわけですね。それが今まで1200年間続いてる状態。

樋口:はあ。

深井:それがぼくたちがこの前見に行った比叡山なんです。

楊:こないだ改装中だったけどね。

深井:見た。改装中の一向大乗戒壇。

樋口:はいはい。見ました。

深井:あれが、これなんです。彼が人生をかけて、最後死ぬ間際までずっと願いに願っていて。それはなんでかというと、衆生救済のための手段としてそこまで持っていかないとだめなんだと思ってる。彼は権力をうまく利用してというと言い方はすごく狡猾に聞こえるけど、ピュアに彼は権力のサポートを受けながら衆生救済を純粋にやる仏教集団と仏教人材を作っていくっていうのをしたい。それにあたって、一向大乗戒壇という戒律を授けるところが、独立して持つということは必須なんだ。旧勢力から絶対に切り離さなければならない。彼らがやってることは本物の大乗仏教の戒律ではない。本物の大乗仏教をこの日本に根付かせないと衆生を救済できないというものすごくピュアな純粋な思いをもって、それに取り組み続けて、結局彼が生きてる間成し遂げれなかったけど、結果的に成し遂げていくってのが彼の人生ですね。

樋口:うわ、おめでとう。いや、本当おめでとうです、これ。はあ。

深井:成し遂げて、その後、彼の弟子はですね、円仁とか円珍とか出てくるんですけど。密教を学びに行く。

楊:中国に。

深井:最澄が密教が足りずに苦しんでた事知ってたし。国家仏教としてのニーズが密教にあるということもわかってたから。密教をもっかい学ばなければいけないということで、また唐に渡って、密教を学んで帰ってきて、真言宗と並ぶ日本密教の巨頭になっていくわけです。比叡山は。天台だけではなくて密教の部分も強化して今の時代に至るっていうね。

樋口:本当に密教がトレンドだったんですね。

楊:そうですね。

深井:だから、ミサイル防衛力を持ってるかどうか。最新ミサイル防衛のハードウェアだけど、今だったら。そういうものを提供できるかどうかという技術力なんです。その技術を持ってるかどうか、という話なんで。その技術を持ってないと独立性を保てない、時の権力者からのニーズに応えられないことによって。すごいよね。

楊:そうですよね。天台教義では前もちらっと話したけど。法華経というお経を1番根本の経典としてるんですけど。後になって密教の方にもどんどんいろんな経典を取り入れて。天台宗の中に吸収していったわけです。そこはひとつ最澄の興した天台宗のひとつの特徴かもしれない。

樋口:なるほど。

深井:空海はこのあと結構ぽんぽんぽんぽんとどんどん成功して行く感じ。

樋口:空海、気になる。

深井:なんですけど。彼も真言教団、密教のこと。密教の本格的な設立を目指して朝廷に請願書を出すわけです。これも認められるんです。認められて、本当に最澄が選んだ基準とあんまり遠くないと思うけど。修行にとって最適な山ということで高野山を選ぶ。

樋口:高野山か。

深井:都からだいぶ遠いけど。高野山を選んで。虫も変な害虫も少なくて、瞑想がしやすいであったりだとか、人里離れているであるとか。そういう、あとはもうひとつ選定の根拠としてあったのが、どうやら水銀が採れるってのがあったらしい。

楊:水銀の鉱脈の上に、鉱脈と高野山が重なってるんです。水銀てすごく仏教にとって重要な資材で。メッキ、金メッキ、に絶対必要なんです。

樋口:ああ、なるほど。

深井:そうですね。

楊:そういう目的も実は高野山を建てる場所の選定にあったのではないかといわれてます。

深井:そうですね。あとは単純に経済的に価値があります。水銀に利用価値があるわけなんで、この水銀鉱脈を持ってるということは資金が稼ぐことができる。

楊:確かにね。

深井:当然山を開拓するってのは人夫が必要なので、お金を集めないといけない。そのお金集めは彼は、空海もかなり苦労したらしい。そのお金を集めるってところに関しても彼は戦略的にやってる。玄奘と一緒ですよね。

楊:宗教、金ですよ。地獄の沙汰も金次第です。

樋口:地獄の沙汰も金次第。

深井:本当そう。お金がないと人が動かせない。リソースの集約をするためにお金が必要だったってことになります。

樋口:なんでもそう。

深井:はるか遠い、都からはるか遠いところに高野山がありながらも、都に東寺っていうところに出張所じゃないですけど、密教の拠点みたいなのを都に作らせてもらう。これもかなりすごいことで。いかに天皇に認められてたかってことなんですけど。その、南都の、奈良仏教の人たちってのは都にまだ寺をちゃんと作らせてもらってないわけ。その中で東寺っていう、東に寺って書いて、東寺を空海の管轄で良いよと言われた。ということは、空海が結局新しい時代に認められた僧侶であるってのは名実共にこれで証明されたことになる。もっというと密教も国家仏教として認められてる状態になるという状態です。ここも打ち出していくわけです。で、著作を書いて、即身成仏の話であるとか。あと、言語学の本みたいな感じで結構書いていってる。著作めちゃくちゃ書いたりとか。

楊:マルチだね。

深井:マルチだよ。完全に芸術もできるしみたいな人なんで。あとは宮中の省庁によばれてそこで文書指導したり。役人に対して。文書めちゃくちゃうまいんで。あの上陸する時の話。あの才能活かして文書指導させてもらったり。あと、仏教ってのは総合学問だって話を何度もしましたけど。彼は工学の知識とかも持ってるわけなんで、土木工事の監督として派遣されたりとかね。

樋口:そっちもできる。

深井:はい。アーチ型の。山開くってそういうこと。

楊:土木工事の技術が必要なんで。お寺を建てたりとか。

深井:工事監督とかも。故郷の香川に行って、池の修築の土木工事して、それがめちゃくちゃすごくて、みんなめちゃくちゃビビった。

楊:図面とか引いたのかな、空海が、伽藍の。

深井:どこまでやってるんだろうね。本当。すごい状態ですよね。

樋口:ただの天才ですね、本当に。

深井:彼も若いころにエリート官僚を養成するための大学というものに嫌気がさして中退というか、やめてるわけじゃないですか。なんで、教育というのはこうあるべきではないと思ってるわけです。彼は真言密教を極めることによって救われていくと思ってるわけなんで。真言密教を極めることができる学校を作る。そこで学ぶってのをやる。そうですね。それはそれでやって。で、そういうのも全部いろんな事やりながら、ついに空海にも死期が迫る。死を予感した空海は座禅を組んで水以外を全部絶って、そのまま衰弱して死んで行く。

樋口:え、そんな感じで死ぬんですか。

楊:そうです。

樋口:え、自分で、もう、じゃあ、おれ。

楊:死にますと。

深井:クリーンな状態で死にたい。

楊:で、成仏していく。

樋口:ええ。

深井:死期を悟ってるからですよ。死期を悟ってるからそういう。

楊:どうやって悟るんだろうな、死期って。病気になってるのかな。

深井:わかんないな。恵果も死期悟ってそうやってしてるから。

楊:夢に出てきたのかな。

樋口:そんな感じ。

深井:とにかく死期を悟ってから、これ自分死ぬなとなって。その死に方を自分で選んで死んでる状態。

樋口:水以外断つってことはかなり明確にここが死期だってわかった。

楊:樋口さんもまだそこまではできてない。

樋口:死期じゃないと思ってるんですが、そりゃそうだ、びっくりした。

深井:なんでそんなことをぶっこんだ。

樋口:すごい生きるつもりですよ、おれ。

楊:僕は断食のイメージが強いので。

深井:そうだよね。断食よくしてるもんね、樋口さんは。

楊:一応空海は生きてます。ということになってますよ。

深井:今も生きてることになってる。

楊:真言宗の中では今でも空海は生きてて、高野山の奥の院で毎朝、朝6時と10時半の2回食事を摂るんで。そこにちゃんと食事が運ばれて行くんです。

樋口:すごい、そうなんですね。

楊:それは前も話した、法華経、おそらく華厳経かもしれないけど考え方じゃないですか、

樋口:釈迦が死んでないっていう。

楊:ブッダになったら過去から未来までずっと永遠に生き続ける存在であるという。

樋口:はいはい、なるほど。

楊:もしかしたらその考え方に基づいているかもしれない。そこ詳しく調べられてないからわかんないですけど。

深井:という感じ。

樋口:そうか。お亡くなりになりましたか。

深井:本当はね、この晩年にあたっての彼らの活動ていうのはもっと詳しく言うこともできるんだけど、まあ、これくらいでいいかなと思って省いた。全部言ったらまた15話とかになる。どこ省くかといったらここかなと思って。ここは簡単にやってますね。

樋口:なるほど。いやあ、では、本編はこんな感じで。

深井:こんな感じでいきましょう。

樋口:いやあ、一旦ありがとうございました。

深井:ありがとうございます。

樋口:いやあ、ということで、最澄と空海のシリーズ、これにて終了なんでございますけど。

深井:どうでした。

樋口:おれはやっぱり、もちろん日本に与えた影響みたいなのを紐解くってのはもちろん面白かったんですけど、おれやっぱり最終的に心に残ってるのは最澄と空海のキャラというか立ち位置。なんか、空海がパーンと天才で自由にするするって自分の夢を叶えて行くけど、最澄ってどしっどっしって一歩一歩、しかもちゃんとみんなみんなみんなって大乗仏教的な発想で救うっていうところに。そして冬の時代をものともせずみたいな。

深井:辛そうでしたけどね。手紙は。

樋口:辛そう、でも、しっかり進むじゃないですか。ここの。それが同時代にいて、交わるところもあって、また絶交してみたいなところの、2人のドラマというか。

深井:ドラマティックですよね、結構。

樋口:人間ドラマですね。

深井:面白いよね。今回は僕も勉強していろんなこと感じましたね。

楊:どんな。

深井:例えば、だから、まず、冒頭も言ったけど、仏教を全く僕は理解できてなかったんだな。仏教って座学で勉強しきれないんだな、理解が難しいなというすごく感じましたし。それって、彼らがいるから僕の家は浄土真宗なわけです。結局は。

楊:最澄ね。

深井:ある意味、そうじゃないですか。だって親鸞が生まれたのは最澄が比叡山を開いてるからなわけで、そういうのが繋がってる、自分に。繋がってるっていうのがあるんだけど、仏教てものをただの葬式仏教だと思ってたから、おれは。

樋口:そうですね。

深井:葬式と法事の時だけにまじでわけわからないお経が書いてあって。そのお経読んでも大したこと書いてないなと正直思ってた。

樋口:儀式的なね。

深井:なんだこれ、そんなことあるわけないと思ってみてた。地獄とか極楽浄土がどうとか。だけど、こんだけの凄まじい哲学体系が元々あって、それを本気で追求した人たちがちゃんと作ったんだなという結構感動がありました。

樋口:なるほど。

深井:なめててすいませんでしたって感じで。

樋口:そうですね、確かに。

深井:舐めてるつもりなかった。でも、なめててすいませんでしたと思いましたし。今回もラジオで話すに当たっても理解したつもりになって喋れないレベルだなとすごく強く感じましたね。学問として、仏教が。ていうのをすごく感じたのがひとつです。

樋口:今までで一番深井さんが事前準備辛そうだなと思った。

深井:めちゃくちゃ大変だった。

楊:また、アメリカ編とか経済編とかとちょっと違う感じのつらさだよね。

深井:違う。あれはね、面白さを見出すのがすごく難しかったというか。情報としては理解できるけど、アメリカの成り立ちもそうだし、お金の歴史もそうですけど。これの何が面白いのかっていうのは、抽出するのにすごく実は時間がかかった。今回は最初から面白いけど説明がむずい。めちゃくちゃ難しい。そこはとても、まずは理解ができない。

樋口:そうですね。説明するためにまずは理解。

深井:未だに僕は空の思想を理解できてないと思いますし。華厳経も法華経も理解してないし、般若経も理解できてない。大乗仏教も結局理解できてないし。

楊:そうだね。理解じゃなくて体感するレベルじゃないとだめかもわかんないし。

深井:それって、人生捧げるってことになる。出家しろって話。さすがに出家しない、僕は。今のところしないつもり満々なんですよ。だから、やっぱ理解できないことあるんだなという謙虚さをあらためてすごく感じましたし。あと、彼らの人生がドラマチックで面白いなと思いましたし。彼らの本気度合いが僕の人生に繋がってるってのが面白かったですね。

樋口:なるほど。

深井:彼らが本気じゃなかったら僕の人生につながってないわけだから。

楊:確かに。その繋がりは確かにあるよね。

深井:結果繋がってる。

樋口:繋がってますよね。

楊:歴史との繋がりを感じるっていいね。

深井:1200年くらい前の人たちだけど。あと、ちょっといっぱい言ってあれだけど、古代日本が今と全然違う言霊をすごく大切にしてたりだとか。呪力による国家防衛というのを本気で投資したりするという感覚。この感覚も最初はやっぱり昔は特に中学生、高校生の時はバカにしてた。バッカじゃないのって思ってた。

楊:迷信とか怨霊とか、なにいってるんだ。

深井:怨霊とか恐れて、馬鹿かと。あとは怨霊のために陰陽師使ったりとか仏教の祈祷とかして意味あるわけないと思ってた。僕、比較的科学の子だったんで。

樋口:それはそう、しょうがない。

深井:バカかと思ってたけど、ここの彼らがある当時ある情報と、彼らが持ってるロジックっていうのを考えたら、全然僕より頭がいい人が本気で考えてこの帰結なんだなっていうのがすごく面白かったんです。

樋口:そうですよね。古い時代じゃないですか、言っても1000年以上前。今からすると古い感覚ってあると思う。思いがちなんですけど。古さと関係なく単純に頭のレベルが高い人たちがその時代に一生懸命作ったっていうところで、なんか新しいものがもちろん正しいとは限らない。

楊:そうそう。結局認識なんですよ。僕らいま科学が1番正しいと思ってる。科学も結局認識でしかないから。

深井:300年後くらいの人からしたら、僕たちのコロナ対策とか本当バッカじゃないのと思われるようなこと多分してるかもしれないし。三密とか意味ないよとか思われてるかもしれないし。逆になんで早く三密しないんだよって思ってるかもしれないし。

楊:そうそう。

深井:そういうことなんだなと思う。その当時わからないことがあって、それを頑張ってロジカルでみんなで考えていって、解明していって、その瞬間瞬間を本気で生きた人たちがやってることなんだなってことをすごく改めて、今までも歴史で感じてたけど、今回改めて感じた。すごく謙虚になれた。

楊:それを考えると、まじ唯識論て未来永劫に渡ってめっちゃ効くよね。

深井:すごいよ、だって、完全に認知心理学だし、あれ。だって、認知脳科学でもあると思う。認知プロセスを全部プロセス分解して、そのプロセスにおいて何をどう認知してるか。

楊:頭おかしいよ。

深井:自我とそうでないものをどう認識するかってのを突き詰めて考えているっていう。

樋口:だから、僕も元々そうでしたし、多分皆さん、多分日本に住んでる方そうだと思うけど。多分宗教っていうのはある意味スピリチュアルというイメージがめちゃくちゃ強いと思う。地獄とか天国とか、来世とかってもちろん目に見えないものだし、あるかどうかわからないし。トンデモ科学というか、なんていうか、触れないじゃないですか。そこをもっと突き詰めていくと実はただのスピリチュアルで終わらせてはいけない部分があるっというのが。改めて思った。薄々そう思っていたけど改めて思ったですね。

楊:僕もその、すごくそれと関連して今回勉強して感じることがあって。この大乗仏教に向かうエネルギーっていかに悟りを早くするかっていうところがひとつあると思う。最初それ勉強したときに、だんだんだんだんと仏教って劣化してるんじゃないかと思った。

深井:おれも思った、最初は。

楊:なんだこれは。どんどんインスタントみたいな感じになってると思った。でも当時の社会状況に合わせて考えれば、もう、救う、もう本当にだってね、戦乱とか病気だったりとか、争いだったりとか。

深井:そうね。子供が生まれてもすぐ死んじゃうとか。戦争があってご飯も食べれない。で、自分が当然貴族になるわけがない。

楊:もう、救いへの悲痛さ。

深井:そうね。

楊:ものすごく強かったんじゃないかな。

深井:そうだね。

楊:それのところに大乗仏教が出てきたことによって。

深井:おれもすごく感じたな。

楊:本当にたくさんの人が救われたんだなと。

樋口:なるほど。

深井:すごく感じた。僕も全く同じこと感じて。大乗仏教が出てきて、特に鎌倉仏教以降ってのは念仏唱えてればいいよ、みたいな。なわけないじゃんと思うわけです。

楊:そうそう。勉強しろよって思ってしまう。

深井:どんだけ簡略化して、どんだけ怠惰なんだと思っちゃう、それだけを。

樋口:聞くと。

深井:原始仏教の視点からすると退化してると僕も思ってたんだけど。大乗仏教の瞬間瞬間の人たちの判断を見て行くと、本当に衆生を救いたい。彼らはいかにして目の前にいる人たちが悟りを開ける状態のところまで持っていけるか。そのためにどういうステップを踏むべきかということを本気で考えてる。

楊:苦しみを本気で向き合って、掬い上げてる。というふうなものがあるよね。

深井:で、教育もない。なんなら文字も読めないし、生きる、日々生きるのに本当に精一杯な人たち。この人たちがどうやったら救われるかということを考えた時に出てきたのが、今の鎌倉仏教以降だから。すっごいバカにしちゃだめだなとほんと思った。

楊:明日死ぬかもしれないという人にとっては南無阿弥陀仏を唱えたらそれで心がいくらか救われたりとか。私がたとえ死んでも浄土に行けるんだというのがあるとすればそれは希望なんだよね。

深井:希望だし、嘘ではないと思う。墨子と一緒で。できてはないかもしれないけど、ベクトルは多分悟りベクトルだと思う。念仏を唱えるだけ。っていうのも。だから、それもやらないよりやった方がいいと思ってると思うし。実際それで悟れると思ってる。ちゃんと本気で。そこをだからすごいそういうのを感じましたしね。一方で仏教ってのは時代によって教義が変わっていってるものであるから。今ってめちゃくちゃ時代変わってる。だから教義も変わってもいいかもなと思います。

楊:それ、おれも思った。今後の仏教どうなっていくんだろう。素人ながらに想像してしまった。

樋口:なるほど。

深井:だって、今はみんな明日死ぬかもしれない生活を別に東アジアの人たちってほとんどの人はしてない。

樋口:してない。

深井:その中でもう少し哲学的な話ももしかしたら全然した方がみんな救われるかもしれないと僕は思います。だって、衝撃だったもん、本当に、原始仏教の考え方とか密教の考え方とかってのは、すごく僕にとって世界の捉え方としてすごい哲学だなと思ったから。そっちの話をちゃんと伝えるってのも仏教はリバイバルしてもいいんじゃないかなと思います。

樋口:はあ、それ、すでにおれ今回10回ですか9回ですか。録って、めちゃくちゃ興味わいてしまってるんです。

楊:あ、もう出家しちゃいますか。

樋口:ヤンヤンさん、お願いします。ヤンヤン教に入りますよ、おれは。

楊:僕の部屋狭いです。

深井:あ、出家したら部屋行かないといけない。

樋口:ヤンヤン教入りたいな。確かにアップデートといったらわかんないですけど。もっと深く知りたいと思ってしまっちゃってるんで。

深井:そうですね。まあ、コテンラジオではひとつの特定の宗教であるとか、ひとつの政治思想とかに当然こだわりたくなくて。いろんなものを紹介していって。それぞれのよさってのをこういう感じで出していけたら本当に面白いだろうなと思います。

樋口:なるほど。いやあ、ちょっとすごかったな、今回。途中全然わかんない回もありましたけど。

深井:50分くらいのよくわからない。

楊:2本に分ける。

深井:あれ、2つに分けるか。

楊:多分僕らも、ちょっと。

深井:2割くらいしかわかってない。僕たちも。

楊:何度も聞き直してもらえればと思います。

樋口:僕は多分聞くと思います。

深井:だから興味持ってもらえればいいのかもしれないですね。

樋口:そうすね。それが入り口になってもっともっと興味もってもらえればと思いますね。そんな感じですかね。

深井:はい。

樋口:ということでございまして、最澄、空海シリーズ、これにてということで。ええと、一応あらためて最後お知らせの方を。

深井:そうですね。毎回最後にはお伝えしたいと思ってる。月額の金銭的サポートをするという千円からコテンラジオをサポートすることができますので。今回の最澄と空海を聞いていいなと思ってくださった方で千円払える方。払えない方は別に払わなくて、僕、全然いいと思っていて。是非そういう方は周りに広めていって欲しいと思いますし。払える方は、払っていただきたいなと思ってます。そうすることによって僕らはこの活動をすごく続けやすくなるし。時間をここにみんな使いやすくなっていきますし。より良いものを世界に対して届けていけると思ってますので。是非そこはよろしくお願いいたします

楊:お願いいたします。

樋口:サポーターの方にはサポーター限定エピソードをお渡しする。

深井:そうですね。お礼の気持ちとしてのボーナスエピソードみたいな。一般公開してないやつも聞けますので是非お願いします。

楊:お願いします。

樋口:はい、以上世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオは毎週月曜日と木曜日にお送りしてます、ということで以上コテンラジオでした。ありがとうございました。

深井:ありがとうございます。

楊:ありがとうございました。

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