#139 日本からヤバい奴がやってきた!― 天才・空海、唐で大出世!

【今回の内容】今回はそんな我が道を行く二人のスーパースターの生涯と、 彼らが身を焦がした仏教という西洋哲学に比肩する膨大な哲学思想について迫っていきたいと思います。 勉強して痛感したのは、結局僕らは何一つ仏教を理解してなかったこと・・・。 難解で刺激的な回となっております。ぜひご視聴ください。

樋口:はい、ええ、前回までは最澄の話をお聞きしたんですけども、またここで空海に戻って。

深井:人生が交差するね、2人の。空海は大日経と出会ってめちゃくちゃ唐で勉強したいって思ったとこまで言った。大日経を極めるために彼は唐に行きたい、けど彼はなんなら国に認められた僧侶ですらない、この時点で。だから行けるわけがない、基本的には。

樋口:普通に考えたら。そうですね。

深井:基本的にはね。だって、大学中退していきなり山篭もってるだけなんで。

樋口:そうですね。

深井:遣唐使もずっと久しく絶えてた、と言った、さっき最澄の話で。絶えてた。で、じゃあどうするかってなった時に、これ本当たまたまなんだけど。最澄が全く自分と別の動きをして最澄のためなのか何なのかわかんないけど遣唐使が再開される。この遣唐使が再開された時に自分も行きたいとなるわけです、空海。

樋口:そりゃ行きたい。

深井:これはおれも行きたいぞとなる。で、彼はそれをどういうふうにして行ったかというと、これも諸説あるんですけど。おじさんが阿刀大足といって、親王の、皇族ですよね、親王の家庭教師をしてたって話をしましたよね。どうやら彼のコネを使ったんじゃないかと言われてます。

樋口:なるほど。

深井:で、お金もいるんで、親に土下座してお金頼んだんじゃないかと言われてる。

樋口:へえ。

深井:この時点まで親目線で見ると、ああすげえ頭いい子が生まれたな。この子一族のためにエリートになってもらいたいって思って、地方大学から中央の大学の官僚エリートコースに入れたら、ある意味勝手にやめて、反対を押し切って、山にこもり始めて勝手に修行してて。したらある日いきなり来て、お金ください。

楊:唐に行きたいんです。

深井:唐に行きたいんです。留学したいんです。でも、お金あげたらしいですよ。

樋口:へえ、しかもどうやってや、いや、おじさんに相談して。

楊:本当に優秀だったかもしれんね、それ、でも、もしかして。

深井:空海がね。

楊:空海が。

樋口:なるほどね。

深井:ある程度の豪族ではあるんで、そこらへんのいろんなコネを使って滑り込ませてもらったみたいで。彼はそもそも僧侶ではないので、正式の。僧侶にしないといけない、まず。正式じゃない僧侶を送るわけにもいかないので。なのでぎりぎりというかいきなり僧侶にさせてもらってから行ってる。

樋口:すげええ

楊:あるいは、もしかして例えば彼が書いた論文だったりとかを事前に捲いてる可能性もある。これは説のひとつなんですけど。

深井:その説すごくあって。空海って相当先まで見越して、全部計算して作って、動いてる説がある。

樋口:へえ。

深井:これは手紙とか読んでるとわかるらしい。僕手紙まで全部逐一今回勉強してないんですけど。手紙とか読んでるとどうやらこの人がこういう風に周りが動く前の時点で全部計算して動いてるんじゃないかというような動きをしてる。

楊:後で出てくる中国で恵果っていうすげえお坊さん、師匠となるお坊さんと出会うんですけど。事前にそのお坊さんと何かしらの書面のやりとりがあったんじゃないかという説もある。

樋口:あらら。

楊:そこまで根回ししてるらしい。

樋口:あらま。

深井:すごい長い時間軸のスパンで戦略的に動いてる。ぽい。

樋口:狡猾さもあるんだ。

楊:戦略的ですよね。

樋口:すげえ。

深井:だから、普通だったら無理だと思うけど、こういう経緯で最澄みたいな天皇に認められてる人と同じ船団に入る。ただ山で修行してた人が。最澄も最初はただ山で修行してるだけなんだけど、権力者に認められました。で、自分もぎりぎり急に権力者に認められてそこに滑り込みました。一緒に唐に行きます。4隻で出航します。で最澄と違う船に乗ってて。最澄はなんとか着きました。だけど、けっこう空海の船は嵐にあって、わけわかんないところに着く。わけわかんないと言ったら申し訳ないけど、福州というところに着くらしい。この福州ってかなり南の方なんです。だから本来着く場所と全然違うところに着くわけです。辺境の地に着く。この辺境の地に着いたんで、そこの役人が誰だお前?となった。

樋口:そりゃそうだ

深井:だれだお前?ってなった。この遣唐使の使節が乗ってますよね。空海は全然位が低いし、20年間留学しなさいと。相当学んでから帰ってこないとお前だめだよと言われてる人なんです。使節の人が必死に、いや、自分たちは日本の正式な使節であって、すごくちゃんと国家として認められてる人たちで、上陸させてくださいという。だけど、当時の中国人からするとね、海賊かどうかさえわからないくらいのよくわからない人が来て、中国語が下手なわけ、その使節が。中国語がうまいかどうかって中国人にとってとても大切なんです。やっぱり、要は。

楊:文明人かどうかだよね。

深井:今でいうと英語喋れないのと一緒。めちゃくちゃ下手くそな英語で、何か言ってきても。いや、英語しゃべれない時点でお前たいしたことないだろってなる。

樋口:そうですね。学低いみたいなイメージになる。

深井:それで、大使みたいな立場にある人が、中国語がそんな上手くないので、船から降ろされてずっと港の湿った砂上で生活させられてたらしい。

樋口:砂の上、かわいそう。

深井:ここで空海が出てくる。空海がわかった、と。俺に代わりに文書を書かせてくれと言う。そしたら空海が書いた文書がくっそ上手くて、あ、これはもう普通の人じゃないとわかるんです。

樋口:すごい。

深井:これは、普通の人間じゃない。これだけ勉強できてるということは、これは相当正式な日本の大使なんだということが証明できて、それで上陸を許されます。

楊:海賊じゃなくて。

深井:これもう、海賊とかには絶対書けない。それくらい空海は漢文がうまい。天才なんだよね、単純に。

樋口:それは使節団というか、国のものとして書いたんですか。空海が成り代わって。

深井:だから下手くそすぎたんで代わりに書いてあげた。

樋口:はあ。

深井:私が代わりに書きますってなって。

樋口:なるほど。

深井:それで書いた文書が古文漢文を超勉強しないと書けないような。引用とかがめっちゃ連打されてるんです。

樋口:なるほど。

深井:むかし、引用するってのが教養のひとつなんです当時の。その引用を連打されてて、これは超勉強してる人が書いてる。生半可なことではない。ということで、あ、わかりましたっていって。

樋口:能力でねじ伏せた。

深井:ねじ伏せる。

樋口:かっこいい。

深井:びっくりしたらしいです。この役人が。

樋口:へええ。

深井:これ、なかなか中国人でもこんな文章書けない。

樋口:めちゃくちゃかっこいいな。

深井:超すごい人来たみたいになって。で、やっと上陸を許され。そこから、わけわんないとこに着いてるんで、首都の長安まで行かないといけない。船が出発したのが5月で、長安に着いたの12月だって。

樋口:かわいそう、寒いし、ちょっと12月とか。

深井:大変だよね。この時代に、唐にいくって大変なんです。そこからサンスクリット語をわずか3ヶ月間でマスターするんです。

樋口:マスター。

深井:はい。それは密教を理解するためにサンスクリット語を3ヶ月で。密教の理解は玄奘の時も言ったけど、めっちゃむずい。前の回で言ったみたいな感じで。本当に難しいわけです。存在論とか空の思想とかの話をされてるレベルのやつを、サンスクリット語で。あれを3ヶ月でマスターするんです。

樋口:天才やろ。

深井:天才だよ、普通に天才。

樋口:天才やな。

深井:儒教、道教、キリスト教、ゾロアスター教、イスラム教、マニ教みたいなあらゆる宗教も全部勉強して。で、半年間準備する、ここで。だから、ここも玄奘に近い。玄奘も準備してた。

樋口:ですね。言語学んでました。

深井:でも、この人の場合は半年間だけ。この半年の間準備してる間にさっきヤンヤンが言った恵果っていう密教のトップのね、当時の皇帝のおつきの僧侶がいる。

楊:確か、三代の皇帝に渡って仕えたという。

深井:三代の皇帝に渡って仕えた。これ恵果だったか、恵果の師匠がそれなんだよね。

楊:そうか、不空か。

深井:が、三代の皇帝に仕えた、本当に東洋のトップ中のトップの僧侶なんです。そのトップ中のトップの僧侶にちょっとずつ噂を醸成したらしい、彼は。

樋口:醸成?

深井:すげえやつがいるぞという噂を恵果にちょっとずつ伝えたらしい。それができることがわかってる、本人が。

樋口:へえ。

深井:こわいよね。

樋口:天才やな。

深井:だって、中国だよ、外国だよ。

樋口:いきなり外国に行って。

深井:外国にいきなりいって。山に篭もってた、そこから天皇に自分が唐に行くことを認めさせて、実際に行ったあとに、そこのスーパートップ僧侶に自分の噂を流して。

楊:なるほど、ブランディングしていく。

深井:無名だよ、完全に。その状態からブランディングして、恵果にどうやらすごいやつが日本からきたらしい。この人は普通の人間ではないらしいということがわかるように、ちょっとずつ実績を残してそれを伝えられるやつが誰かということを全部計算して、その人に伝えさせてたらしいです。そうすると、恵果が気になる。あれ、って。どういう人がくるんだろうな、みたいな。そんな人がいるんだ、いつかくるかなと思う。その期待値がMAXになった時を見計らって彼は行くんです。

樋口:行くんだ。

深井:行った時になにが起こるかというと、これ残ってるんだけど、恵果が、空海がきた瞬間にあなたが来ることを私は知っていました。あなたが来たら、自分の全ての知ってること全部伝授するんで、それを覚えてくれみたいなこと言う。なんで言ったかというと、それ全部噂を醸成してたからじゃないか。という説が。

樋口:いやあ。

楊:そうだよね。恵果の立場からみても、恵果ってけっこうおじいちゃんです。死期を悟ってて。

深井:そうそう、死にかけだったんだよね。

楊:自分の教えを本当に授けられる弟子を探してたんですよね。彼の下にもたくさんの弟子がいるんですけど、まだ彼が納得できるような弟子は実はなくて。そこに満を持して空海が現れて。

深井:そしたら外国から、めちゃくちゃ天才が来た。超天才で自分が死ぬ直前だったんだけど、この天才だったら全部伝えられると確信した。恵果は。恵果阿闍梨というんだけど、この恵果はそれで3ヶ月間くらいで伝法灌頂(でんぽうかんじょう)っていって、普通じゃ3ヶ月じゃ絶対受けられないような。

楊:儀式。

深井:儀式を。ある一定の認定みたいなのしたりして。すごい短期間の間に恵果から空海に教えを渡していくわけです。この時に、この教えが空海が全部吸収するんです。それを周りの弟子たちが見てて超びっくりする。それを描写したのも残ってて。どういう風にいわれてたかというと、正確な表現は忘れたけど、水差しから水を違う水差しに移すかのように、全部きれいに全部行くんだ、と。全部空海が吸収してる、やばい。

樋口:ほぼ、漏らさずに。へえ。

深井:で、空海に全部、超短期間で伝えた、恵果が。実際。短期間で伝えた瞬間に恵果が急速に衰えていって死んじゃう。

樋口:全うした感がある。

深井:全うしたんです。空海を枕元によんで、あなたには全て伝えました。全部を君はわかってるから、すでに。一刻も早く祖国に戻って、この教えを広めてほしい。

樋口:卒業だ。

深井:卒業です。短期間に、全ての弟子を差し置いて。

樋口:卒業証書もらうんですね。へえ。

楊:そうそう。

深井:で、空海は、宝具とか、あとは経典をたくさん取り寄せて、なるべくたくさん持って帰ろうとして。たくさん取り寄せて、やっぱ密教の奥義は言葉だけでは伝わらないと彼は理解しているので、なるべくあらゆる密教を伝えるための装置をたくさん集めて持って帰ろうとする。

樋口:zipファイルですね。

楊:恵果も仏教の奥義って言葉だけでは伝えるのが難しいから、宮廷の画家さんに命じてあるものを描かせて空海にもたせた。それが曼荼羅なんです。

樋口:曼荼羅、ここで曼荼羅が出てくる。

楊:2種類の曼荼羅、胎蔵界曼荼羅と、金剛界曼荼羅という2種類の曼荼羅があって。それ、密教の世界観を表しているzipファイルなんですけど。それを空海に持たせて、それが日本に伝わってる。

深井:だから、いかに天才だったかというのは、直接会ってないからわかんないけど、とりあえず周りの人の挙動がおかしいですね。

樋口:そうですね。事実から読み解ける。

深井:20年間の留学をたった2年で切り上げて帰国するんです、彼は。

樋口:10倍だ。想像の10倍。10倍頭がいい。

深井:はい。

樋口:IQ1,000くらいあるってこと。

深井:でも、2年で切り上げるといっても、遣唐使の船が来ない限り彼は帰れないんです。

樋口:そうだ。

深井:帰れないんだけど、すごく運が良くて、彼が帰りたいと思った時に、たまたま中国の皇帝が新しく変わった。その新しい新皇帝の即位を祝うための使節団が日本から来てて。その人たちに乗せて帰ってもらうということができる。

樋口:そんなラッキー。

深井:すごくラッキー。下手したら20〜30年帰れないということ本当にあり得るんです。だけど、普通にラッキーで普通に自分帰りたいと思ったときに、本当に来て。たまたま。で、その人たちに乗って帰る。で、乗って帰るんだけど、乗って帰ってはだめなんだよね。なんでかというとおまえは20年間学んで帰りなさいと言われてる。天皇から。

樋口:そうか、命令。

深井:おもいっきり命令違反した。

樋口:そりゃそうか。

楊:死罪ですからね、普通に。

深井:死罪です。

樋口:そのレベルか。

深井:で、なんか、あの、普通に帰って来て。普通に帰って来て。天皇に、桓武天皇がもう亡くなっちゃってるんですよ。平城天皇っていう新しい天皇に変わってる。平城天皇にレポートを提出するわけです。自分が2年で帰って来ちゃいました。2年で帰って来たのは死罪に値します、と自分で言う。けれども、自分は中国のトップの僧侶である恵果から密教の全てを受け継いで帰って来た。それが何かというのはここにリストアップしてある。これを見てくれ。私は罪があるけど、めちゃくちゃ価値がある。

楊:ストロングスタイルの交渉だよね。

深井:日本に圧倒的価値を自分はもたらすことができる。だからちょっと考えてくださいというレポートと手紙を出す。

樋口:自分で言ってるんですか、それ。

深井:そういうようなことを言う

樋口:すごすぎる。

深井:そう思ってる。恵果からも言われてるし。早く帰りなさいと。恵果から早く帰りなさいと言われたし。と言った。けれどもその時、平城天皇て本当いろんないざこざがあって、政治がぐっちゃぐちゃなんです。ぐっちゃぐちゃで正直そんなレポート読んでる場合じゃない。しかも最澄がいる。最澄、密教持って帰ったよ。じゃあ最澄の密教って何?ってなる。みんな、都の偉い人たちが。ええ、でも最澄の顔潰すわけにもいかんし、桓武天皇にすごい、ねぇ。

楊:気に入られてた

深井:気に入られてたあの最澄の顔潰すわけにもいかんし。どうするってなる。

楊:扱いに困る。空海の。

深井:で、判断保留にされる、空海。判断されない。ほっとかれる。3年間くらいほっとかれる。

樋口:長い。

深井:で、太宰府にずっと留め置かれる。足止めされるんです、太宰府で。だからすぐそこだよね。ここの。すぐそこに空海いた、3年間。

樋口:全然知らなかったです。

深井:すげえよね。

楊:そうそう。でも、博多に実は空海が日本に戻って来て最初に立てた東長寺っていうお寺がある。その近くに僕住んでます。

樋口:まじ。

深井:あれ、空海が作った。

楊:あれ空海、東長寺。

深井:そうなんだ。おれ行ったことあるけど。知らなかった。

樋口:まじですか。福岡、やば。

深井:その時に作ったやつなんだね。で、平城天皇たちは、判断保留にしてるんで、許可が下りない。空海もこれはまじで死罪になるかなと思いながら待ってる。もしかしてまじで死ぬんかなみたいな。

樋口:不安ですよね

深井:て思いながら過ごしてるけど、彼はすごく戦略的で、都からいろんな噂を聞く。どうやらやっぱり密教のニーズはちゃんとすごくあるんだと。どうやら最澄が自分に興味を持ってるという噂を聞く。

樋口:あらら。

深井:なんで最澄が興味を持つかというと、最澄は天台を勉強して一応最新の密教もちょっとだけ勉強して帰って来た。そしたらめちゃくちゃ密教のニーズが高かった。自分が思った以上に。あれ、もっと密教を勉強して帰んないといけなかったかなと思う、最澄は。

樋口:そりゃ思う。

深井:そしたら、空海がレポート出して来た。朝廷に。そのレポート読んで見たら、あ、やべと思う。最澄は。これ勉強しとかなきゃいけなかったやつめっちゃ書いてある。空海が全部勉強して帰ったんだ。じゃあ、このお経を借りて読まなきゃと思うわけです。そこを利用するといったらあれですけど、どっちかわからないですよ。空海がどこまで戦略的にやったかわかんないけど、けっこう戦略的にやったでしょうという説は濃厚。

楊:ニーズとシーズが噛み合わさった。

樋口:はい。

深井:それで、最澄さんが空海にある意味弟子入りみたいな感じになる。

樋口:下につくんですね、空海が、そりゃそうだ。

楊:あのリストをみて、しかも恵果上人から直々に愛弟子として認められたわけですよね。そこで弟子入りするマインドっていうか、謙虚さはすごく。

深井:半端ない。

楊:最澄として。

樋口:7個下ですからね、歳。

楊:すごく尊敬すべきところですね。

深井:少し時系列が前後しますけど。平城天皇の時代なんでずっと無視されてたんです。だけど、これもすごく運が、空海にとって運がいいことに。平城天皇って3年で退位するんです。けっこう女性問題のいざこざとかいろんなものを抱えていて、3年で退位して上皇になって。代わりに嵯峨天皇って人になる。この嵯峨天皇っていうのが。

楊:ああ、そうか。

深井:めちゃくちゃ空海と趣味があう。例えば書道がすごく好きだったりとか、漢詩が好きだったりする。空海ってのは中国から書道とか漢詩とかも学んで帰ってきてるし、それでもかなり認められてる人なんです。弘法大師と言うくらいだから。弘法大師も筆の誤りと言われるくらい、彼は筆を誤らないということ。

樋口:弘法大師ってのは空海のこと。

深井:そうです。そうです。なんで。彼はそこをすごく評価されてる人だったんだけど。嵯峨天皇と趣味がすごく合致するということで、空海は嵯峨天皇の文化顧問みたいな感じで招聘されるようになるんです。それで入京許される。入京を許されるようなところで最澄が彼に弟子入りじゃないんだけど、お経を見せてくださいといって行く。でもその時の最澄って本当に天皇にも認められてたすごく新勢力としてすごくがんがんきてる人みたいな。ユニコーン企業みたいな、ユニコーン企業みたいなのが無名なベンチャーの、地方のベンチャーみたいな人のところにめちゃくちゃ低姿勢でいく。時価総額が10倍以上くらい違うみたいなところに。

楊:本当に持って来た密教が価値高かったんだろうね。

深井:10倍、100倍くらい違うみたいな。みんなびっくりする。なんであの最澄が空海に頭下げてお経借りてるの、みたいな。なって。それによって空海が注目されるようになる。

楊:たしかに、誰だこいつは。

樋口:すげえやつが認めたあいつ。

深井:あのすげえやつが認めたこいつもすげえのか、ってなる。それで空海の名前がどんどん上がっていくってことが起こる。

樋口:震えるな、なんか、へえ、なるほど。

深井:運がいいよね。

楊:確かに。

深井:戦略もできてるし、運もいい。そうこうするうちに嵯峨天皇の時代に薬子の変ていうクーデターに近いものが起こるのが失敗する。これ、平城上皇が絡んでるんんだけど。クーデターみたいなのが起こって。それで処刑するんだよね、首謀者たちを、クーデターの。

樋口:首謀者ね。

深井:処刑をすることによってまた怨霊が発生するわけです。

樋口:呪術的なものがいうところの。

深井:この怨霊が発生することによってまた密教ニーズが上がるじゃないですか。そしたら空海ってまず、嵯峨天皇とすでに仲が良くなっちゃってるんで、ここで、しかも空海密教極めてるよという話がでてきて、それで空海が一気にスーパーライジングする。

樋口:スーパーライジングきた。

深井:こういう経緯で空海はライジングします。

樋口:なんか、とんとんとーんていってますね。

深井:はい。一方最澄は、桓武天皇に引き立てられた後に、平城天皇とそのあとの嵯峨天皇にそんなに引き立てられず冬の時代を迎えるんです。

樋口:ええええ。なんかそこの対比というか、関係性面白いな。

深井:そうなんですよね。

楊:まあ、政治闘争はけっこう血生臭いところもあるから、敵勢力を呪ったり、逆に暗殺とか殺した相手の、さっきも深井くんが言ったように、霊をおさめたりするところで呪術的な必要性てのが出てくる。

樋口:それがいいところでたまたま出てくるというか、薬子の変でしたか。

楊:来世で救われるよりも目の前の問題がやっぱり大事なんですよ、普通に考えたら。

樋口:なるほどね、そこのなんか、面白いですね。

深井:ということで次のエピソードに行きましょうか。

樋口:はい、じゃあ一旦今日はここでですかね。

深井:はい。

樋口:ありがとうございました。

楊:ありがとうございます。

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