#136 言語センス抜群!真言宗の祖・空海の神童時代

【今回の内容】今回はそんな我が道を行く二人のスーパースターの生涯と、 彼らが身を焦がした仏教という西洋哲学に比肩する膨大な哲学思想について迫っていきたいと思います。 勉強して痛感したのは、結局僕らは何一つ仏教を理解してなかったこと・・・。 難解で刺激的な回となっております。ぜひご視聴ください。

樋口:はい、ええ、前回までは日本に仏教がどのように入ってきてどのように発達したかってところまでをお聞きしたんですけども、ついに今回から空海誕生と言うことで。

深井:そうですね、やっと空海の話に入ります。

樋口:きましたよ。

深井:空海ってね、今の香川県の讃岐の国で生まれますね、774年に生まれて、本名が佐伯真魚さん。

樋口:真魚。

深井:真魚ちゃん。

樋口:かっこいいいな。

楊:佐伯くんなんです。

樋口:別に、なんでくん付けで、いちいち言った。

楊:すごい失礼なこと言ってしまった。

樋口:いや、失礼でもないけど、なんで言った。

深井:当時って呪術の時代なんで名前真魚ってのは真、真に魚って書いて真魚。

樋口:かっこいい。

深井:この動物の名前を付けるってのが一定の意味があったみたい。動物の霊力にあやかるというか、生命力にあやかるという意味があったみたいで。それにしてもなぜ魚にってのは思いますけど。その讃岐で生まれました。出てきました。佐伯氏ってのが実は元々アイヌ系なんじゃないかといわれている。

樋口:ふうん。

深井:この、びっくりした。え?みたいな。アイヌ系で、これ一説なんですけど、佐伯という苗字自体が実は言葉が通じないって意味じゃないかと言われている。

樋口:へえ、アイヌ語かなんかですか。

深井:遮ると同じような語源で、言葉が止まる、つまり自分が喋っても相手には伝わらないとか、相手が喋ってもこちらに伝わらない、要は言葉が通じないっていう異民族であるという意味なんではないかっていう説がある。これは正しいかどうかは絶妙な線だと思うけど。

樋口:まあま、一説としてね。

深井:一説として。

樋口:はいはいはい。

深井:母方、これ父方が佐伯氏ですね。母方が阿刀(あと)氏。阿吽の呼吸の阿に刀で阿刀。この家系です。これ、どういう家なのかよくわかってないですけどね、このルーツは。いずれにせよ空海は元々の祖先としては外来の一族であるだろうと言われている。空海って晩年とかにかけてめちゃくちゃ言語学的な書物をたくさん書く。言葉にめちゃくちゃ集中する。それ元々仏教が言葉に集中してるのもあるんだけど。言語学としても発達したんで。仏教が存在論とかやってるときに。そのときに言語もむちゃくちゃ追求してたんで、その流れもあるんだろうけど。佐伯氏自体が古代言語の呪力に関係する一族なんではないかというのも、一部の本に書いてあった。だから彼が言葉に対しての集中力が強いんじゃないか。

楊:確かに、中国語の習得時間もずいぶん短くて独学なんですよ。あとで。

深井:超得意なんです。

楊:唐に行くんですけど、唐に行く前にすでに中国の言葉を習得してた。

樋口:ほえええ。

深井:それに唐に行ったあとにサンスクリット語を3ヶ月で習得する、完全に、

樋口:は?

深井:玄奘と近い、ここらへん。

樋口:天才?

深井:玄奘もこんなところあったよね。

楊:そうですね。

樋口:天才ですね。

深井:天才ですよ、普通に天才です。

楊:今の世界にも超言語得意な人もいるよね。

深井:たまにね。

楊:たまに、本当に何か国語もできたり

深井:あれに近いのかしれないけど。小さい頃から神童と呼ばれてるくらいすごく才能のある人ですね。当時の日本ていうのがもう少し説明すると、ふわっとした話で本当のところわからないんですけど。何個か本読んで書いてあったのが、漢字ていうのを本格的に僕たちが輸入して、漢語で使って喋るようになる前の話ね。日本語の音ってのは元々漢字を当てる前には一つの文字でいろんな意味を意味するじゃないですか。例えば、これは古代には多分なかったと思うけど、はし、ってブリッジていう意味もあるし、チョップスティックみたいな意味がある。みたいなことがめちゃくちゃたくさんあるでしょ。

樋口:はい。

深井:実はもともとその音が同一なものってのは、明確に分けられてなかったんじゃないかって話があって。

樋口:面白い。

深井:言葉、音が共通するものってのは全て連鎖的にひとつのグループとして包含されてるんじゃないか、みたいな。

樋口:ふうん。

深井:そういう言語体系を持っている謎の民族、我々は。で、かつ、言葉ってものの力をすごく重視していたらしくて、言霊とも言われますけど。

樋口:言われるね。

深井:言葉を言うってこと自体に呪力がまず宿っている。例えば名乗るとか、名乗るだけで実は征服されたって意味だとか。名前を明かすということは相手に服属するという意味なんだ、とかね。

樋口:はあ。

深井:あとは、自分、王様の言葉を伝える、その王様の言葉自体がすごく言葉が大事だから、王様も大事だけど、言葉自体に力が宿っているので、その言葉を伝える使者の言葉もすごく大事とか。そういう謎の感覚を持っている。言葉をとても重視した民族なんですよね。

樋口:面白いな、それ。

深井:それが漢字が入ってきて、まずは漢字を当て字として使い始めて、ひらがなとかが出てきて、漢字ていうか音読み、訓読みになっていって。それでたぶん隠れていったんだけど。もともとそういう同じ音の、例えばウエイトの待つと、木の松ってのは本当にちゃんと関連していて未分化なんだていう考え方。神様を待って宿る木が松であって、神様を待つということが待つということであった。例えばそういう話。

樋口:はあ。

深井:で、門松ってのは神様を迎えるための松であって、とか。

樋口:面白い。

深井:そういう連鎖的な発想の仕方をするような民族だったらしいです。この時代はまだこういう民族の時代なんです。僕たちの祖先がね。

樋口:たまたまと思ってましたけどね、僕は。

深井:たまたまじゃないんじゃないかって書いてあって。面白いなと思った。

樋口:面白い。

楊:文字が出てくる前にそういう意思疎通は音でしかなかったので。音とか声だったので。それだからより重視されたんじゃないですかね。文字が出てきたことによっていろんな表現の仕方が出てきて、それがある種、音っていうことが重要度が相対化されたのかもしれないですね。

樋口:なるほど。

深井:そうですね。音はすごく重要でした。

樋口:はい。

深井:で、神童と言われてすごく頭が小さいころからよかった。15歳くらいの時、15歳までは地方の教育機関で学んでる。一応その時にも地方にも教育機関があったんで。地方の豪族の生まれですね、この人は。そこそこいいとろこの生まれ。だけどすごく地方で生まれてる状態ね。だけどすごく才能があったから一族のみんなは空海を中央に派遣して中央の官僚育成機関に入れれば彼はとても出世するのではないかと思った。

楊:希望を背負わされた。

深井:彼は官僚になるための学校に入るために15歳のときに讃岐を出て上京して、そこで学ぶことになるんです。

樋口:エリートコース。

深井:だけど15歳で実はその大学。大学っていうんですけど、そこ。今の大学の語源ですよね。その大学に入ることがめちゃくちゃ遅いんですよ、15歳て。

樋口:遅いんですね。

深井:めっちゃ遅いんです。遅いんだけれども彼はやっぱりすごく才能があって、おじさんがね、親王の家庭教師とかしてるような、阿刀大足さんていうおじさんが、母方のおじさんがいるんですけど。そのおじさんを頼って当時の長岡京に行ったりとか。

楊:人脈があったってこと。

深井:そう、人脈もあってね。そのあと、長岡京作ってる途中だったんで平城京で学んでるんですけど。

樋口:うん。

深井:その平城京てのは長岡京に移る直前の今から無くなりますくらいな都だよね。

樋口:うん。

深井:人口20万人くらいいたらしいけど。そこで3年間論語とか歴史とかを学ぶ。阿刀大足っていう自分のおじさんは論語をすごく重視していて、当時はまだ論語を学ぶことが官僚育成コースの基礎でもあった時代だったので、そこに最初はなんの疑問もなくむちゃくちゃ受験勉強するわけです。大学に入る前にちょっと行ってから勉強してるんです。受験勉強してるんです。そこで受験勉強してるんだけど、ちなみにこの大学受験めちゃくちゃ難しくて。その、教科書の文字を1,000字ごとに3文字隠して、それが何かあてなきゃいけないんだって。

樋口:むず!むず!

深井:つまり丸暗記してないと答えられない。そして不合格になると鞭で打たれるんだって。

樋口:ひっど!

楊:鞭でなんで打たれる、厳しい。

深井:わかんない。

樋口:悪いことしてない。

楊:不合格になると鞭で打たれる。

樋口:いいやん、別に。

深井:15歳で上京して18歳で大学にいくんです。で、明経科ってとこに入って。それが論語を勉強するところ。四書五経ですよね。四書五経を、論語というか四書五経を勉強するところです。儒教の。あと春秋左氏伝とかいって。

楊:歴史ね。

深井:歴史を勉強したりするわけです。で、ここで勉強をしていくんだけども、彼、すごく優秀だったんで大学の先生にもすごく期待をされて。特に漢語。中国語がとても得意だった。とても一族からも期待を背負い、本人もとても勉強ができ、頑張ってるんですけども、実はこのとき空海は一人悶々としている。

樋口:え。

深井:これは想像しかできないけども、いろんな本でいろいろ書かれてます。当時、基本的にこの学校ってエリートしかいないわけ、生まれのいい。この人たちは出世できるけど、自分て地方豪族だからそんなに出世できないことは明白なんです、ここでどんだけ頑張っても。

樋口:ほお、なるほど。

深井:もちろん今までは自分たちの一族にはいないくらいのレベルで出世はできるけど。じゃあめちゃくちゃ高い位に出世できるかというとできないって明白にわかってる。し、学問をやってると言うよりは官僚になるために勉強してるという受験勉強のための受験勉強してる状態。いまと一緒だよね。

樋口:なるほど。

深井:本当に頭がいい空海は、あれ、って思うわけ。

樋口:気づいちゃう。

楊:すごい。

深井:これは意味があるのか。

楊:自分の存在意義に対してアプローチしはじめたかもしれんね。

深井:そう、もう若い頃から、これ、意味あるのか。ってなった。意味あるのかと思ってるうちに仏教の山岳仏教の人たちが山に篭って修行してる人がちらほら出てる。当時はすでに国家仏教化した奈良の都での仏教ってのが主流なんだけど、その反動として原始仏教ぽく山に篭って修行してし始める人たちが出てきていて。おそらくその人たちと何らかの触れ合いがありながら、その人たちの存在が気になってる、彼が。

楊:そう、それまでの奈良の仏教って権力とすごい結びついたり。仏教ってどっちかっていうと学問仏教なんです。研究職の色合いがすごく強かった。実践をする仏教、修行をちゃんとする仏教ってやっとこの山岳仏教という形でちらほら出てきた。

樋口:なるほどね。

深井:その山岳仏教が交流し始めて、そう言う人たちの存在が気になりつつ、意味がないなと思いながら黙々と勉強してるわけです。この同時期にすでに最澄は比叡山に寺を建て始めてるんです。

樋口:最澄は。

深井:最澄はちょっと空海よりも年上。

樋口:先輩なんですね。

深井:先輩。7歳年上。最澄さんもう二十歳くらいのときに比叡山に入り始める。すごく早い段階で。そこで、彼のこと知ってたかどうかわかんない。多分知ってるんだけど、そういう山に寺開いたみたいな新しい動きがあるぞってのはわかっててすごい気になっている。このときにどっちが先かわからない。彼が山に篭る決意をする前か後かわからないけど、虚空蔵求聞持法ていうお経というか修行方法があって。これは100万回マントラ唱えましょう。みたいな。そうすると全部悟れます、唱えるだけで。

樋口:大変だ。

深井:期限も決まってるから、ほぼ寝ずに唱え続けないと達成できないくらいのやつなんです。

樋口:うわあ、大変や、それは。

深井:それ、100万回唱えましょう、みたいな。で、彼、これに出会うんです。その百万回唱えたみたいなんです、ちゃんと。

樋口:やったんですね。

深井:どうやらこれがきっかけになって大学の退学を決意してエリートコースから外れるんです。自らの意思で。これは家族からはすごく反対されたし、

樋口:そりゃそうだ。

深井:みんなの期待を完全に裏切ることになるわけです。

樋口:そりゃそうだ。

深井:なぜ、エリートコースにいるのに山にこもって100万回唱えてるんだ。なんの意味があるんだって話になるんで。そっちのコースに彼は外れてしまう。

樋口:あちゃちゃ。

深井:しかも四国に帰ってそれをやり始める。だから、彼の中で具体的な道筋が見えない状態なんだけど、直感に頼って、自分は本当はこっちがいいんじゃないかって思ったことを、とりあえずいきなり全部捨ててやってみるってことを、ものすごい若い段階で彼はやってしまう。

楊:たしかに。

樋口:天才の発想だ。

楊:あれじゃないですか。普通に銀行とかでサラリーマンやりながら急にサラリーマンをやめて樋口さんの元で修行したいです。

樋口:うちの弟子じゃない。

楊:それと一緒の発想じゃないですか。

樋口:9月から入ったうちの弟子じゃないですか。

深井:似てるね。

楊:親から止められますね。

深井:今日、行きの車の中でまさ、樋口さんの弟子のまさが言ってたのが、親は悲しんでます、って言ってた。一緒ですよ。空海と一緒ですね。

樋口:いやあ、なるほど。

楊:世間からそんなに認められてないけど実は最先端のことをやってるいいかねパレットの樋口さんの元に修行にくるっていう。

深井:そうそうそう。

樋口:あいつ、空海か。よし。

深井:後で伝えてあげてください。

樋口:付き合い方変えます。

深井:はい。で、彼はさっきも動機についてはそいうふうに山に走った動機については喋ったんだけど。当時奈良仏教ってのが腐敗してるんですね。権力と密接と関わって、国家に保護されながら、ある程度の興盛を極めてその中で財源とかも確保してもらうことで組織化されてしまい。6つの宗派があったんですけど、南都六宗というんだけど、六宗とか六宗て言われる宗派があるんですけどね。これ一応言っとくと、三論宗とか成実宗とか法相宗。この法相宗はちなみに玄奘さんが開いたやつだよね。

楊:そうそうそう。

樋口:唯識。

楊:玄奘さんの教えを道昭というお坊さんが持って帰ったやつですね。

深井:あと、倶舎宗、華厳宗、律宗ていう6つの宗派があるんだけど。空海からするととても時代を担える仏教ではないように見えて。

樋口:えええ。

深井:しまったんじゃないかというふうな解説書によく書いてある、そういうことが。本当はわかんない。でもおそらくそうでしょう。たしかに彼のその後の著作を見たりすると、そうなんだろうと僕も思いますけど。そういうふうに感じてしまって。それ以上ここで勉強していても本当に埒があかず、なんの変化も起きない。そしてなんの意味もない。全てを捨てて山にこもってそこで真理を追求してみよう。っていうスイッチが入ってしまう。まさに神童ですよね。

樋口:へええ。

深井:これは玄奘に似てるよね。

楊:玄奘もそう。

深井:全て捨てていっちゃった。

楊:釈迦もそうだもんね。釈迦も恵まれた環境の中で真理を、真理追求型にスイッチした。

深井:頭よすぎると現世でもてはやされることに何らの価値も感じずに。彼は小さいころからもてはやされてるからどうでもいい。そこに関しての承認欲求なんてもはや無いわけです。最初から欲求満たされてるというか、生じる前からずっと言われてるから。

樋口:はいはいはい。

楊:なるほどね。

深井:彼は自分自身を納得させる必要があって、そこで自分の頭で考えたら、もう目の前にあるみんなが勉強してることは糞みたいにみえてしまう。そうすると、その次を求めるために何をするかと言うと、糞ではない人たち。自分たちが見て糞だな、糞とか言ったら申し訳ないけど、彼が思ったであろうことね。そこで感じれなかった、ちょっと怪しいことしてる山岳仏教の人たち、ここに突っ込んでみようということで、虚空蔵求聞持法、これを100万辺唱えてみる。唱えた結果、多分なにか悟ることがあったんだと思う。

樋口:はあ、なるほど。

深井:それは別に虚空蔵求聞持法ではなくてもよかったと思うんだけど。山にこもったことによって彼の中になんらかの感覚的糸口があったんでしょうね。そこにのめり込むわけです。

楊:奇しくもあれも釈迦のような感じだよね。己自身に向き合うというか。

深井:そうだよね、確かに。満たされてるスタートから始まって。彼の場合、いいところの生まれだし。一人黙々と、一人で黙々と修行してる、空海が。彼はすごく勉強できる、文章書けるし、ハイパー上手いわけです。ハイパー上手いんで文章書き始めたりする。24歳のときに。24歳までずっと山で一人でずっと修行してるんですけど。

樋口:思春期なんなんだ。

深井:『三教指帰』っていうね、書物を書くわけです。これ今でも読めますけど。この『三教指帰』という書物を書いた。この中にどういうことが書いてあるかというと、儒教と道教、老子の、と、仏教、この3つの中で仏教が一番優れているということが端的にいうと書いてある。

楊:しかも小説風も交えながら。

深井:そうそうそう。登場人物が、架空の登場人物が来て、出て来て。その人たちが会話の中でそういうことが繰り広げられていく。そういうことが書いてある。彼は全部学んでるんです。道教というのは山で修行するっていう仙人的な感覚とかってのは道教の影響を多分に受けてますんで。その道教のことも彼は習得した上でそれを語ってるし。その仏教が優れているという説明をする。それは一定、おれも理解できる。なんでかといったら、儒教ってのは世界の説明をしてない。社会のシステムの話を基本的にしてる、あれは。道教てのは世界の説明してるんですよ、けど、老子がかなりふわっとしたことを言ってる。仏教ってこの人の時点で、空海が出て来る時点でさっき言った鉄壁のロジックを持ってるわけです。

樋口:なるほど。

深井:世界の説明について。存在論、実存するしないみたいな話をしてる。それをめちゃくちゃ頭いい人が読んだら、どれが一番すげえと思うかといったら確かに仏教だろうなと思う。

樋口:言ってることの範囲も広いし、それにロジカルが、ロジックがちゃんとあるという感じ。

楊:つまり体系化されてる。

深井:あと、言ってる人の数が多い。積み重ねが、アップデートの数が多い、仏教の方が。

樋口:はいはい。

深井:さっき言ったね、どっかの回でいった、ヤンヤンが言ってくれた、どれでも経典にしていいくらいな。ロジック通じたら、以降アップデートが連打されていく。

楊:いろんなフックができるようになる。

深井:どれかひとつにヒットするだけでいいわけです。

樋口:はいはい、なるほど。

深井:はい。で、こうやって修行していく中でひとつ究極的な出会いをします、彼が。それが大日経という経典との出会いです。これが密教の経典なんです。

樋口:きた。

深井:はい。で、これはいろんな仏教勉強したんだけど、彼の中で。究極的な仏教の中心はなんなのかっていうことを彼は多分疑問に思っていて。それに解答されているように感じたのが大日経。でもこの時点では、出会った時点では大日経になにが書いてあるか全然わかんない。なんか相当すげえことが書いてあるけど理解できない、全部は。この全部は理解できないていうのが、彼がこのあと実は唐に渡るんですけど、そこに対するエネルギーにつながっていくわけです。

樋口:うわあ、玄奘や。

楊:まさに。

樋口:本当にエネルギーの源が。

深井:そう。これはなんぞ、と。どうやら相当すげえことが書いてある。いろんな人に色々聞いても全く理解してる人がいない。これは中国に行くしか無い。玄奘ですよね。玄奘と全く同じ。

楊:なるほど、たしかにね。

深井:モチベーションです。ということで、大日経と出会って始めてここで密教と出会うわけですけど。次回は唐に渡るとかという話をする前に、密教ってなんなのか、という話をもう少しして。

樋口:聞きたい、それ。

深井:そこから唐に渡った話。そして最澄が出てくると言う話をします。

樋口:なるほどね。すげえ、ていうか空海すごい。

楊:真理追求型に名僧と言われてる人たち多い。多分。

樋口:追求してるんでしょうね。で、これ周りの人と話合わなかったろうな。ちょっと浮きこぼれてる感がある。

深井:と思うじゃん。この人のキャラは陽気で社交性があるんです。しかもあらゆる権力者と対立せずに付き合える、空海は。

樋口:すご。

楊:そこのバランス感覚、玄奘と似てるね。玄奘もやっぱりちゃんと。

深井:すごく似てる。

楊:真理追求型も内なる世界にすごい軸足を置きつつも現実の世界でもマネジメント力をクソ発揮してるじゃないですか。

深井:資金調達もうまかったしね。でも空海もすごく近くて。そういう側面もあるし、空海と玄奘が違うところは、空海は自分で理論をさらに打ち立てていってしまうんです。

樋口:おおお。

深井:密教理論というのを中国で学んで持って帰った後に、自分でいろんな本を新しく書いていって、それによって密教ていうのをいわゆる完成させた人だと言われている。その密教を完成させる。もはや自らの解釈でそれにアップデートを加えていって、完全にそれまでの密教世界というものを完璧に再現しようとする。

楊:そうですね。

深井:そこは玄奘が訳したというのとはレベルの違う話だと思う。

楊:中国でも空海は有名。中国でももちろん密教というのは存在していて、今もあるんですけども。密教の世界の中で8人のスーパースターがいる。8人の祖かな。その最後の一人が空海なんです。それ中国でもそういう風に認識されてます。

樋口:かっこいい。

深井:まあ、不世出の天才。レオナルド・ダ・ヴィンチレベルと言ってる人もいる。

樋口:スーパースターやん。はあ。

深井:まあね、実際芸術もできて、勉強もできて、資金調達とかもできて。なんで。

楊:コミ力高くて。

深井:コミ力高くて。本当にダ・ヴィンチぽいですね。

樋口:なるほど。

深井:はい。

樋口:いやあ、なんか。そんな空海が作った密教。

深井:作ったわけではない。完成させた。

樋口:完成させた。

深井:密教というのはいったいどう言うものなのか。ということをなるべくわかりやすく説明します。

樋口:わかりやすくお願いしますね。

深井:衝撃の連続だと思います。

樋口:うわあ、ちょっと次回がまた楽しみになってきました。ありがとうございました。

深井:よろしくお願いします

楊:ありがとうございます

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