#135 大乗仏教が神道国家・日本に上陸!その時歴史が動いた

【今回の内容】今回は我が道を行く二人のスーパースターの生涯と、 彼らが身を焦がした仏教という西洋哲学に比肩する膨大な哲学思想について迫っていきたいと思います。 勉強して痛感したのは、結局僕らは何一つ仏教を理解してなかったこと・・・。 難解で刺激的な回となっております。ぜひご視聴ください。

樋口:はい、ええ前回までは、ええと、なんの話でした?ちょっと。

深井:理解できないですからね。

樋口:まじで聞いていただきたい。僕はさっぱりわからなかったです。

楊:大丈夫です。説明してるぼくらもあんまわかんなかったです。

深井:あの、もう冒頭言いましたけど、僕たちもちゃんとは理解できてないんで、やっぱりちゃんと理解した人が喋んないとわかないんだろうし、ちゃんと理解した人が書いた本を読んでも意味がわからないんで。

樋口:はいはい。なるほど。

深井:むずいですよ。だから、むずいことが伝わればいいかなと思います。

楊:もう「無知の知」を発動しましょう。

深井:そうですね。便利なんで「無知の知」。

樋口:頭、法華経(ホッケッキョ〜)となってました。

楊:うまいこといいますね。

樋口:うまくない。前回で覚えとかないといけないことは結局どういうことだったんですかね。

深井:前回で覚えておいて欲しいのは、まず大乗仏教がどういう流れで出て来たかっていう。おさらいちょっとだけしようかね。ちょっとだけね。大乗仏教っていうのが環境が変わって、仏教がどんどんひろがっていって、環境が変わっていって仏教をみんなが修行できるわけじゃないねっていう状態になった。それまではみんな修行しないと悟れないといってたんだけど、必ずしもみんなが修行できるわけじゃない人がたくさん出て来た時にそれでも仏教の価値を伝えるとなったらみんな悟れるよ、ということになった方がいいよねという流れと、その裏にあるロジックはかなり複雑な話をしました。これは省きます。ていう大乗仏教の流れがありますという話と、その流れが出て来たことによって修行を必ずしもしなくても悟れるという話が出てくる。菩薩という概念も出て来た。だから修行はゆるくなっていくという流れがひとつできるわけです。これが日本の大乗仏教とか中国の大乗仏教につながっていくことになります。

樋口:はいはいはい。

深井:あとは唯識の思想から自分の認識だけでこの世界はできているから、その認識にアプローチさえすれば全てが完結するっていう考え方があって、その認識のアプローチの仕方を、その技術を極めたのが密教である。密教てのは何かといったら、末那識(まなしき)、阿頼耶識(あらやしき)を書き換えるための技術を持ったものだっていう考え方ですね。

楊:プログラムの書き換えとかもっと違う感じ。

深井:でも、そういうことです。ちなみにその話も後ででますけど、仏教儀式がむちゃくちゃコンピュータの理論で説明できることがわかってきたんで。

樋口:うおおお。

深井:それも後で説明します。

樋口:なるほどなるほど。

深井:コンピュータの理論というかコンピュータの挙動に近い。

樋口:考え方ですね。

深井:ていうところと、あと法華経というのがその後出て来て。法華経が平等、悟り方に対する平等とかに対して価値を置いている宗派である、ということ。

樋口:すべてを許容するみたいなこと。

深井:この3つかな。この3つさえ覚えといてくれたら、さっき話つらつら喋りましたけど、別に全然わかってなくても大丈夫です。

樋口:はあ、よかった。大丈夫仏教、オッケー。

楊:しょうもない。

樋口:よおし。さあさあさあ、ということで。

深井:でね、この後、今日は何喋るかといったら、じゃあこの大乗仏教が日本に伝わるわけです、ついに。日本にどう伝わっていって、どうなって、で、空海と最澄でどうなるかってところ。

樋口:あ、めっちゃ。空海と最澄出てきてないや。

深井:出てこないよ。今回空海と最澄でてくるの半分くらいいってから。

樋口:そうだ。テーマなのに。

楊:たぶん空海と最澄の話だけぽんと投げても全く理解できないと思う。

深井:すごさがわからない、彼らの。

樋口:ということですよね。

深井:そう。

樋口:はい。

深井:じゃあ、ちょっと、日本に伝来した仏教の話しますね。

樋口:はい。

深井:そんな仏教が、大乗仏教になって、そういうさっきみたいな法華経とかができてから日本に伝来してくる。それがだいたい6世紀の半ば。552年ごろと言われてる。それまでも仏教ってのがちょいちょい伝わってきたと言われてるんだけど、神道の国なんで、日本が。うまく浸透しなかったらしい。あと、蘇我氏と物部氏って聞いたことあります。

樋口:はいはい。

深井:蘇我、物部。

樋口:名前は。

深井:この物部さんが、物部氏が土着神道派といわれる神道を信奉している人達。

樋口:神様にね、神の道とかいて神道。

深井:ですね。神の道と書いて神道ですよね。これをしてる人達で、この人たちに対しての、権力者なんで、配慮があって仏教を大々的に持って来て伝えていくってことに対する配慮というか遠慮があったわけですけども。やっぱり仏教ていうのが当時の古代日本にとってどういう立ち位置だったかというと、先進文化なんだよね。

樋口:先進文化。

深井:先進文化であり先進的な学問でもあるわけ。冒頭でも言ったけど。これは医学とか工学とかそういうものを全て含めた一つの学問体系であって。

樋口:ここやな。

深井:僧侶というのはそういうものを習得した技術者っていうとちょっと語弊があるけど、そういう役割も兼ねてるわけです。

樋口:哲学者とか学者に近い。

深井:哲学者、学者であり、今でいうと工学と医学と宗教学とか、あと国家の運用の政治学とかを全て包括して修めた教授たちの位置。

樋口:なるほど。

深井:この人たちを呼んで来て、これをこの国にもたらした方がいいんじゃないかって考えてたのが蘇我氏。

樋口:はいはい。

深井:蘇我氏はすごい開明派と呼ばれる人たちでロジックとしては日本てのは文化後進国で、となりにむちゃくちゃ大国の中国、唐がある。この唐でそもそも仏教がめっちゃ流行ってる。唐で流行ってるのであればどう考えても日本にも持って来た方がいいだろうという考え方が蘇我氏。わかるよね、一定ロジックとして成り立ってるわけ。

樋口:そりゃそうだ。

深井:で、物部氏はいやそうじゃない、と。日本という国は神道で今まで成り立ってきるんで、ここにむやみに仏教とかをもたらしてしまうと混乱するんだってのが物部氏。

樋口:それもそう。

深井:この物部氏と蘇我氏の争いがまず起こるわけです。

樋口:ううん、言ってることどっちも正しそう。

楊:背景には政治闘争もあったんですよね。皇位継承権の政治闘争が前提としてあって、その一つの抗争の一つの具体的な現れとして仏教と神道の対立があった。

深井:当時朝鮮半島に百済という国がある、百に済むと書いて百済ですね。この百済っていう国からいろんな文化を取り入れてるわけです。百済を通して中国文化を日本は取り入れてるっていう状態で。ある日ね、ある日といってもおかしいけど。ある時百済が日本の欽明天皇に金剛金銅仏といって、すごく綺麗な仏像を贈ったらしい。これの背景にあるのは実は軍事的援助を要請してたらしくて。当時半島に、これもちょっと知らない人すごく衝撃だと思うけど、日本て朝鮮半島まで日本だったんですよ。

樋口:は?

楊:正確にいうと国境はないです、今みたいに。

樋口:国境ていう感覚がない。

楊:感覚がない。つながってる感じです。

深井:朝鮮半島まで日本ていうと語弊があるけど、朝鮮半島の一部のところまでは今のヤマト王権が勢力として持ってた。

樋口:海を挟んでるんですよね、もちろん。

深井:海を挟んでます、もちろん。

楊:そうですね。

深井:そこで軍事的には強い、けど文化的には後進国である日本が文化を享受している。その文化を渡す代わりに軍事的援助を求めているという朝鮮との関係性があるわけ。その中で金剛金銅仏という軍事的援助を求めたんじゃないかと言われてるんだけど、百済の方が。日本にまずそれを贈るわけです。するとすごく天皇が嬉しがる。

樋口:そりゃそうだ。

深井:やっぱりものすごく綺麗なものが。今でいうとシリコンバレーから最新のソフトウェアきたぞ。上陸したぞみたいな、すごい嬉しいみたいな。

樋口:うれしい。

深井:今でいうとあんまりそんな国の隔たりないからわかりにくいけど、感覚としてはそんな感じなわけです。すっごい喜んだんだけど、やっぱり物部氏が反対してるわけじゃないですか。蘇我氏は進めたい。それはいいきっかけになって、ついにそれが結構なバチバチな争いになっていくわけです。で、インターナショナル派である蘇我氏、蘇我稲目さんという人がいるんだけど、この人と。あとさっき言った物部尾輿という人がいて。この人たちで争いをして、した結果蘇我氏が勝つわけです。

樋口:お、ということは、はいはい。

深井:それで仏教が日本に取り入れられていくわけ。さっきも言ったけど仏教ていうのはパッケージとして全部包含してるわけ。この中に入っているというとこれも語弊があるんだけど、律令制度という法律と一緒に。

樋口:あら。

深井:取り入れるわけです、日本は。

樋口:はあ、なんかちょっとイスラームの時に出て来た時の感覚にちょっと近いかもね。

深井:うん。

樋口:ただの考え方じゃなくてシステムってうのも入って。はいはい。

深井:で、法律と一緒に日本にくるんだけど、ここで仏教の伝来の仕方で特徴的なものは、これは国家が取り入れた制度として入って来てるわけです。だから民間に伝わった宗教みたいな感覚じゃないんです、全く。

樋口:そこや。

楊:仏教が日本にきたのは政治利用のためです、最初は。中国に伝来したのもそれなんですけどね。政治利用前提なんです。

樋口:なるほど。

深井:この律令制度っていう法律を優先させて今まで日本ていうのは氏族社会で貴族とかが幅を利かせてて、貴族たちの連合政権としてのヤマト王権がある。だから天皇が一強でもないわけです。ていう状態があったところに律令制度を導入してまず法律でちゃんと治めていこうね。これは秦の始皇帝の前段階で起こったやつとあんまり変わらないことですね。法律でちゃんと治めていく国家にしていって、国家らしくしていきましょうという話と、あとは仏教ていう先進的な学問を取り入れてもっと文化的にも先進国に近づけていきましょうという動きがここで起こっていくわけです。これは国家が入れてるので僧侶ってのは全員公務員なんだよね。

樋口:はあ、そうかそうか。

楊:許可制です。

樋口:そうかそうか。

深井:僧侶ってのは国立大学の教授みたいな話だってのは玄奘の時もしましたけど、日本においてもそうなわけです。

樋口:うん。そうか。

深井:そう。

樋口:国の事業の役員なんだ。なるほど。

深井:そう。これと仏陀がいったことの違いのでかさね。

樋口:全然違いますね。

深井:全然違うでしょ。

樋口:全然違う。

深井:これなんで違うかというのはさっき言った大乗仏教の流れね。これはだから修行があんまり関係なくなっていってみたいな流れからこういう状況になっていくわけです。もちろん修行してますけどね、僧侶は。

樋口:ほお。どっかでそのなんか律令制度ですか、それって最初は宗教だったわけじゃないですか、宗教というか哲学だったわけじゃないですか。でもそこに制度みたいなものが足されていったのは大乗仏教くらいの流れであった。

深井:大乗仏教というかおそらく。

楊:唐か。

深井:唐とか隋とかの時代に。

樋口:足されてった。

深井:中国が、前もモンゴルかなんかで言ったけど、隋と唐ってのは遊牧民の国。鮮卑族といって漢民族の国じゃないわけですよ。で、それまでの中国王朝てのは基本的に易姓革命ていって、天帝に……上帝とか天帝とかいうんだけど、それの神様に認められた人が、徳の高い神様に認められてこの人に中華運営を任せられるって人が皇帝になるんだっていうロジックだったわけです。だけど鮮卑族ってのはいわゆる異民族なんでそのロジックをそのまま使えないわけです。

樋口:関係ない。

深井:そうすると自分たちが王権を奪取したときにそのストーリーを説明してあげないといけない。なんで僕たちが今王権をもっていて、

楊:正統性だよね。

深井:その正統性とストーリーはなんなのかって話をしないといけない。そうすると新しい論理体系が必要になる。その論理体系をどこから輸入して使ったかっていったら仏教だったんです。

樋口:はあ、はは。

深井:ここで国家仏教として隋と唐でも仏教が活用されるわけです。その時代にでてきたのが玄奘だったでしょ。だから玄奘も国家公務員で脱走したでしょ。

樋口:いやあ、あった。

深井:でしょ。

楊:そうそうそう。

深井:そういう大きい流れがある中でそれが日本に伝わっていって。日本もその国家仏教としての仏教を輸入するわけなので、その制度として輸入してくる。

樋口:なるほどな。全然原始仏教の純粋なアレじゃなくなってる。

深井:じゃない。自我をあれして煩悩をどうとかと全く違う話が繰り広げられてるわけです。

楊:現実世界の運営にすごくやっぱり寄った形になってて。日本もさっき深井くんも言ったんだけども朝鮮半島でけっこうごたごたがあるんです。ちょいちょい戦争とかがおきたりして、けっこう朝鮮半島、中華大陸、日本列島の国際関係てそんなにすごい平和な関係じゃなかった、けっこう緊張関係があった。その中で日本としてはちゃんと中国とか朝鮮のような先進国と対等に立って外交関係を築かないといけないという政治的な課題があったんですよ。でも当時の日本てその時、中国とかに訪問した日本の使節の絵とか残ってるんですけど、裸足だったりとか、刺青を入れてたりとか、冠を被ってなかったりとか、帯もなかった。でもそれは中国とか朝鮮にはそれはおかしいですよ。蛮族。

樋口:失礼というか蛮族。

楊:これじゃいけんという危機感があってどんどん先進的な文物を輸入、聖徳太子とかがどんどんがんがん取り入れたという説もあります。

深井:そうだよね。国際関係として対等になれないからですね。

樋口:はあ。

深井:今僕たちの元首がスーツ着ていってるわけじゃないですか。あれと一緒ですよ。

樋口:なるほど。

楊:わかりやすい。

深井:和服でいかない。

樋口:本当や。

深井:それは国際関係においての彼らと対等の場に立つためにそういう風になってるわけです。

樋口:はあ。

楊:確かに面白い。日本の首相がTシャツ短パンで行ったらちょっと面白い。

樋口:シリコンバレーみたい。

深井:それは大丈夫そう、シリコンバレーだったら。

樋口:シリコンバレーだといい。国際社会じゃね。

深井:国際社会で舐められないため、彼らとなるべく対等な関係を築くために自分たちが何をすべきかをロジカルで考えるとやっぱりそういうふうに相手の文化をちゃんと理解した人たちで、あなたたちと話すことができる人達ですよということをわかりやすく示してあげないといけない。

楊:うちの服装ちゃんとしてますよ、律令ちゃんと導入してますよ、国家組織をちゃんと作ってますよみたいな。

深井:だから律令を導入するってのは自分たちの王権を高めるという意味もありますけど、やっぱり国際社会に躍り出るという意味もある。

楊:そうそう。

樋口:スタンダード自分たちわかってますみたいな感じで行く。

深井:そうです。

樋口:なるほどなるほど、はあはあはあ。

深井:ていうのがあって。蘇我氏と物部氏が争うわけです。争って蘇我氏が勝つ。蘇我氏が勝つっていう時くらいに聖徳太子がでてくる。この聖徳太子はめちゃくちゃ有名ですよね。この人皇太子ですから太子って言われてるわけですけど。推古天皇の時代に皇太子として摂政っていって、要はこの人が政治をしている。仏教思想に基づいた政治体制を確立しようとしているのはさっき言った話とまったく同じ意味です。

樋口:ですね。

深井:この彼がすごく重視したのは法華経の平等性なんです。法華経は非常に平等性を重視している。平等性を重視しているというロジックをね、この世界観を制度に生かそうと思った。

樋口:どういうことや。

深井:あの、要は、ええと、今まで貴族が平等ではなくその血筋によっていい位についていた。けれどももう少し実力社会にしたい。それっていわゆる平等だ。その法の元にみながある程度平等であるっていう概念を正統性を持たせるには超絶ロジックが必要。なぜそうなのかって話を彼らに説明できないといけない。そしたら仏教は全部それをスーパーロジックで説明してくる。

樋口:なるほど。

深井:どんだけ頭いいやつが読んでもさっきの僕らみたいに、めちゃくちゃすげえこと書いてあるけど意味わかんないから質問しまくるしかないという状態になるわけ。質問したら全部返ってくるからこれはそうなのかもしれないと思うわけです。そのロジックによって平等ていうことがいかに大切で、平等であることがこの世界をいかに説明しうるかっていう話をするわけ。

樋口:くおお、なるほど。

深井:この世界はもともと平等なんだって話をして、その思想において、じゃあ社会制度がどうあるべきかっていうとやっぱりこうあるべきだよねってところにつなげていく。それによってみんなを納得させるということを彼はしようとする。

楊:統治的ニーズだよね。

樋口:すげえな。

深井:そう。

樋口:だから聖徳太子が目指すべき世界があったんですね、平等。

深井:そういうことです。

樋口:で、だって、みんな偉い人言ってるもんていう感じで。後ろ盾をつけた。

深井:そうそう、このロジックに基づいて、ようは世界の説明がしてあるんだけど、仏教の中で。この世界の説明に基づくとどういうふうに国家運営をすべきかってのは、その視点からみるとこうだよねって話をしやすいわけです。

樋口:なるほど、後ろ盾になるんだ。

深井:はい。

楊:ちなみに法華経が平等の理念を含んでいるというのも、すごいロジックがあって。法華経以前てさっき言った菩薩という概念が出てきたじゃないですか。みんな救われるよって菩薩の概念が出てきた。でも救われない人がいる。それは菩薩になる修行してない人が救われないていう考え方だった。救われない人ってのはひとつは釈迦の教えに従ってる人。釈迦、別に菩薩という概念は提示してない。だから彼はそれの教えを受けた人は菩薩にはなれないんですよ。

樋口:そうかそうか。

楊:もうひとつは自分一人だけで悟った人。その菩薩とかの修行にならずに一人だけで悟った人。この二種類の修行をした人はそれまでは救えなかったんです。でも法華経ではこの人たちも救うということだった。

樋口:間口を広げたんですね。

楊:そうなんです。そうなんです。で、どういうふうにロジックとして広げたかっていうと、釈迦は別に菩薩がどうこうってのは言ってない。でも法華経の中では実は釈迦は自分が説法した時って本当のことは言ってないんですよと言った。さっき、深井くんが、前の回で深井くんが言ったように、実は釈迦はその時は本当のことは言ってない。あくまでちょっと弟子たちにわかりやすく、わかりやすく触りの部分、要は方便ていうんですけど、方便をちらっとまぶしただけ、本当は釈迦は本当に釈迦が言いたかったことは実はこの法華経の中に書いてあるんだっていうふうに法華経が主張してるんです。

樋口:釈迦が言ったことにしていいシステム。

楊:そうそうそう、まさにそうなんです。その中で何を言ったかというと、釈迦は実は死んでない。

樋口:ちょっと待て。また急にぶちこんできたな。

楊:釈迦はみんなが仏陀になるために修行するじゃないですか。釈迦を供養したりとかするんですけど、釈迦ってもし死んだことになれば今生きてる人は釈迦に対して供養したりできない。それだと悟りのスピードというか悟りとの距離が遠い。でも釈迦は実は死んでなくて、過去から未来までずっと生きてるんだよと、というふうに理論というロジックを作ることによって何ができるようになったかというと、今も実は釈迦は生きてるってことになるじゃないですか。だから今の現在の世界において供養とかお経を唱えたりすれば、全然これは釈迦と直接つながったということになる。

深井:全然意味わからないでしょ。

樋口:ちょっと。

深井:なんで生きてるんだろう。仏陀じゃなくて釈迦が生きてる。

楊:釈迦が生きてる。

深井:へえ。

楊:釈迦が実は亡くなってなくて時空を超えた永遠の存在になってる。

深井:神格化しちゃってる、もう。だからね。

樋口:ほお。神格化したってこと。

楊:今良い行いとか修行とかすれば釈迦とダイレクトにつながるから悟りのスピードアップになるよ。と。

深井:ふうん

楊:ていうのを法華経の中では、こういうことも言ってる。

樋口:こういうことにしたんですね。

深井:悟りのスピード大事だからね。

樋口:そういうこと。

楊:でないと輪廻の中で何年も何年も輪廻の中で回されて悟って行かないといけないから。

深井:何十億年も輪廻しないといけないから。

樋口:ああ、ああ。

楊:どんどん悟りのスピードを速くする。やりやすくするロジックのアップデートが今後ずっとなされていくってのが仏教。

深井:ニーズに合わせてでしょうね、ある程度。

樋口:おれからしたら無理やり作ってきたなって。

深井:ロジックとしては通ってたりするから怖い。

樋口:そうですよね

楊:でも後の回でもう一個華厳経ていうさらにやばいお経がでてくるんですけど、それはまじでやばいです。

深井:説明しきらんよ、おれ、華厳経。世界はネットワークでとか言われて。

楊:あとで出てくると思いますけど。

深井:謎ですよ。

樋口:なるほど。

深井:で、話戻すと、その聖徳太子が出てきて国家仏教として導入します、と。で、古代の日本が仏教に期待した機能てのは大きく2つあって、ひとつが人心教化っていって、教育、平等思想であったらその思想持って欲しいとか。あと学問だって話したから学問的な側面とかで人心に、人心てのは人の心。みんなにたいしてちゃんと理解して欲しいてい話しと、もう一つが呪術的機能なんです。

樋口:呪術。

深井:この呪術。

楊:呪いの術ですね。

深井:これがいかに古代日本において、呪術が大事だったかって話はちょっとおいおいしていきますけど、この二つを重視しながら僧侶を国家公務員として宗教的に訓練していくわけ。訓練し彼らにツールも渡し、寺も、ハードウェアとしての寺も渡し、衣服も用意してみたいな感じで、そういうスペシャリストとして育てていくみたいな体制を整えていく。整えていくんですけど、さっきの呪術の話に戻ると、病気とかを癒す呪力、もしくはその怨霊とかを跳ね返す呪力、みないなものに対する投資なんだよね。

樋口:投資。

深井:国家からすると社会福祉でもあり防衛費でもある。意味わかるかな、これ。

樋口:ほう、ちょっと待って。

深井:僕たちの今の世界って、例えば核爆弾が落ちてきたらやばいよね。核爆弾を落とすためにじゃあミサイルを配備しましょう。そのミサイルは機能するかどうかわからないけど、こういうロジックで機能するはずだから置いときましょう。これと同じことが行われてるわけです。わかりますか。

樋口:なるほどなるほどなるほど。

深井:こういうロジックで病気とあれに対して怨霊に対して機能するはずだ。それは唯識のところでいいましたよね。だから他に方策がない、そもそも、この時代に。その時代に最上のロジックと最上の方策で防衛費に投資しないと不安なわけです。

楊:確かにね。

深井:だから投資してることでちょっと安心する。僕たちもミサイル配備されるミサイル防衛費で配備されることで少し安心するわけじゃないですか。でも実際のところそれが撃ち落とせるかどうかわかんない。

樋口:はい。

楊:なるほどね。福祉でもあり防衛費でもあるというところ。

深井:福祉だって僕たち全員に行き届くかどうかわからない。だけどめちゃくちゃ金払ってる。それと似たようなことがここで起こるわけです。

楊:確かに。今の福祉とかだったら社会的サービスとか医療とかですけど。昔はそれに相当するものが呪術。

深井:ないない。

楊:呪術だったって。

樋口:呪術。そうか防衛装置。

深井:そこにはちゃんと実はロジックがある。呪力がなんでどう動作するのかっていうロジックはさっき言った哲学から元々はきていて。民衆は当然そこまでは理解しないんだけど、最先端でばりばりやってるお坊さんたちはちゃんとそこを勉強して理解していてやってるみたいな。

樋口:はいはいはい。

深井:状態で、それを国家が導入して、国家の聖徳太子とかも仏教勉強してますから。どういう挙動でそれができるのかってのを理解していて、そこに対して本気で投資している状態。

樋口:なるほどね。

深井:東大寺の大仏みたいな、ああいうでっかい大仏をものすごいお金かけて作ってるわけです。

樋口:ええ、ええ。

深井:なんであんなことをするのかっていうことの、彼らの気持ちってのは僕たちが自衛隊とかミサイル防衛費とかに当てるような投資にかなり近いんじゃないかなと思います。

樋口:あんな、でかいすごそうなのがあるから大丈夫そうだと思った。

深井:そういうことそういうこと。あんだけ投資したんだから、これに対して。そりゃ機能するでしょうていう感覚なんです。

樋口:そうかそうか。

深井:俺らも一緒。あんだけ準備してこんだけやったんだから、なんとかなるでしょう。今のコロナに対しても、コロナが実際どういう挙動でどういうふうに人間に作用するか全貌としては明らかになってないでしょ。

樋口:はい

深井:けど、僕たちは機能するかどうかわからないワクチンに対してめちゃくちゃ投資を全世界的にやって、なんとかしようとしていて、いづれそれが対疾患になんとかなるかもしれないというロジックを持ってるわけじゃないですか。

樋口:まったく一緒だな。

深井:でも結論としてはわからないわけ。

樋口:全く一緒だね。

深井:ね。ひょっとしたらワクチン作っても変異してダメになるかもしれないし、みたいな。だけど、頑張る、対策を頑張ることによって安心する、なんにもしないことよりも。

楊:面白い。

深井:そういう人間心理が僕は働いてると思います。それでその時々、時代時代によって投資対象がかわってるだけ、そのロジックも変わってるだけで、実はロジックも投資対象も存在する。

楊:見えない不安とか見えないリスクに対する投資なんだね。

深井:そうそうそう。

樋口:だから、めっちゃ頑張ってることが大事なんですね。

深井:人間にとってね。人間にとっては実はそれがいちばんの癒しなんですよ。

樋口:お金かけてるとか、頑張ってるみたいなものが。それが目に見えるのがいい。

深井:それが実は民衆は理解してないんだけど、偉い人たちがめちゃくちゃ考えてくれてて、一緒じゃん。全く一緒でしょ。

樋口:全く一緒だ。

楊:それでまた中央集権が強化される。

深井:そうそうそう。それをやってくれてる国家ってのはとてもありがたい存在だ。福祉もやってくれるし、国家防衛もしてくれてるんだ。そういう考え方なんです。

樋口:面白い。

楊:確かに。

深井:どれだけ俺らが東大寺の大仏理解してないか。

樋口:そうですね。

深井:あれは盧遮那仏(るしゃなぶつ)ってね、華厳経。

楊:あとでまた華厳経の。

深井:宇宙のね、宇宙そのものなんです、あれは。

楊:宇宙の真理なんです。

深井:そう。

樋口:え。

楊:東大寺の大仏は。

深井:あれ、宇宙の真理のシンボルなんです。

楊:なんのこっちゃわかんないと思いますけど。

樋口:はい。

楊:うん。

深井:そうなんです。

樋口:へえ。

深井:このあとまた密教もう少し詳しく説明するときにもしかしたら出てくるかもしれない。出さないかもしれないですけど。そういう形で国家にめちゃくちゃ密接に関わりながら比較的社会と隔絶した状態で学術的に行われてるという状況が続くわけです。それが奈良仏教につながっていく。今のは飛鳥時代の話だったんだけど、そこから奈良仏教になって、奈良仏教で国家権力と密接と関わりながら仏教ていうのが発達していく。その国家に保護されてるから。発達して何が起こったかというと、ひとつ大事件が起こるんだけど。道鏡ていう坊さんが出てきて、そのお坊さんが天皇になりかけるわけ。

樋口:ほお。

楊:腐敗するんですよ。

深井:これはすさましいことで、天皇というのが神道の、

樋口:ですね

深井:神道のトップなんですよ。

樋口:はい、名残、名残というか、そっちの流れで。

深井:これが仏教から出てきた人が天皇になるってのは、仏教と神道がダブルになるか、置き換わるかって話になっちゃう。だからすごい大事件なんだけど、それくらい仏教の立ち位置ってのが上がっていったわけ。

樋口:ふうん。

深井:結果的にそのときに称徳天皇という人が女性天皇なんですけど、出てきて。この称徳天皇が一応史実上では道鏡っていうお坊さんにたぶらかされて。巨根だったっていわれてる、この人は。それでたぶらかされてこの人を天皇にしようとしたみたいなこと言われてます。それがどこまで史実だったかってのはかなり微妙なところだと思いますけど。単純に仏教の権力が上がってきて、仏教と神道とダブルでやっていこうみたいな話になったのかもしれないし。これは実際に僕がインタビューしにいった僧侶の方が自説としておっしゃってて、すごく僕は面白いなと思った。その当時実は日本ていうのは神道だけの国家ではなくて、神道と仏教のダブルにしようとしたんではないかと。

樋口:ふうん。

深井:もしここで道鏡ていうのがもし天皇になっていたら、おそらく日本ていうのはチベットみたいな感じのダライ・ラマみたいな人がトップの国になってたんじゃないかって話をされてて。

楊:完全な仏教国になったかもしれない。

深井:完全てか、どっちもダブルになるみたいな感じかな。ここでいうと同地位に当てるみたいな。彼らは天皇というのはもちろん天照大神の子孫なので、それを否定することは僕はしないと思う。けど仏教とダブルでしていくってのと、神道単独でやっていくってのはけっこう違うので。そういうことが起こったんじゃないかっていう説もあるし。単純に巨根にたぶらかされたんじゃないかっていう説もあるわけですよ。

楊:セフレだったってことですかね。

深井:そういうことですね。そうそうそう。それくらい仏教の立ち位置が上がっちゃったんだよね。その後の時代の上がった後の時代の天皇が何を感じたかというと、ちょっとこれは仏教の権力があがりすぎたよね、抑えないといけないねとなる。特に仏教ってお金をだいぶ使うようになった。それこそ東大寺の大仏のさっき言った話です。

楊:確かに。

深井:めちゃくちゃ金使ったんですよ。

楊:インフラ投資ガンガンしてる。

深井:金を使いすぎた結果財政も緊迫してくるし、権力そんな脅かしてくるようなことになったんで、光仁天皇という人くらいの時代からこれ抑え込んでいかないといけないねという流れになるわけです。で、この後に桓武天皇てすごい有名な天皇が出てきて、この人が奈良から都を平安京に移すんです。平城京から平安京に移すんですけど。これなんで平城京から平安京に移したかっていうと、ようはそういう仏教権力からの離脱を目指してるんです。

樋口:なるほど。

深井:たくさんお寺があって、平城京には。そこには権力を持ってる人たちがたくさんいて、その人たちがめちゃくちゃ政治介入してくる。遷都することによってその政治介入から逃れようという動きが一つ平安京遷都の理由なわけです。この時代に生まれたのが最澄と空海なんです。

樋口:はあ、やっと出てきた。

深井:つまり仏教が国家仏教として入ってきて、それが権力を握っていく。その権力を握っていった仏教が押さえつけられる。この押さえつけたいという権力者が新しい仏教のスタイルを探す。その新しい仏教が誰だったか、これが最澄と空海。

樋口:きたー。

深井:これが最澄と空海。

樋口:きた。

深井:そこにがっちがちでハマっていくんです、彼らが。そして新しい日本の仏教を作っていく。

楊:最澄、空海の仏教の前の仏教と彼らの後の仏教で、形が違うんです。

樋口:へえ。

深井:実際最澄は古い旧権力の仏教とバリバリで戦うんです。

樋口:おほほほほ。

深井:ちょう論争を繰り広げていく。

樋口:社会のニーズとかぽんとハマったんですね。

楊:社会のニーズと天皇とか藤原氏とか。朝廷内の政治闘争ともリンクしてるんです。仏教政策は。

深井:奈良時代から平安時代、まあいい時間ですけど、ちょっと最後に奈良時代から平安時代に移る時のもう少し詳しく喋ろうかなと思う。さっき言ったように桓武天皇ていうすごく有名なみんなも聞いたことあるんじゃないかと思う。この桓武天皇の時代に一つ遷都を決意したという話をした。実は平安京の一つ前にもう一つ都があるんです

樋口:え、知らん。

深井:長岡京という都がある。

楊:あったね。

深井:この長岡京っていうところにまず移るんです、実は。

樋口:へえ。

深井:で、この長岡京に移ることで今までの天皇の勢力をあげたくて旧勢力から切り離したいってのもあったし、さっきの仏教勢力から切り離したいって二つあったんですけど。それで長岡京に遷都します。長岡京に遷都したときにね、色々権力闘争がありまして、暗殺事件が起こるんです。桓武天皇の温故の臣が暗殺されるということが起きる。

樋口:あらら。

深井:それに桓武天皇はぶちぎれして。

樋口:そりゃそうだ。

深井:犯人探しをする。

樋口:はい。

深井:したら、実行犯がね、なんと早良親王っていってめちゃくちゃ自分に近い人が実行犯、実行犯というか黒幕だった。

樋口:最悪だ。

深井:実行犯を捕えて聞いて言ったらその人が黒幕だった。だからこの人を捕えて幽閉するんだけど、この人がハンガーストライキする。

樋口:ガンディー。

深井:そう、ハンガーストライキしてそのまま死んじゃうんです。

樋口:あらら。

深井:で、しかも許されずに遺体を淡路島に流刑したりして、ばりばりキレてるんですけど。この実の弟なんですよ。これは桓武天皇の。

樋口:実の弟。

深井:そう。

樋口:あらら。

深井:こういうことが起こったときに、長岡京でいろんな事件が起こる。次々と周りの桓武天皇の周りの女性が亡くなっていったりだとか、長岡京で洪水が起こったりする。占った結果、なんでこんなことが起こるのか占った結果、この早良親王の呪いである。と。

樋口:おおお。

深井:この怨霊をどうするか。

樋口:わお。

深井:これで出てきたのが最澄と空海です。

樋口:はあ。そこに呪術みたいな感覚が入ってくるんだ。

楊:ニーズがある。

深井:はい。

樋口:はあ。

楊:当時の病気とか災害だったりとか、あと暗殺とかもなんだろう、まあ、に怨霊が原因になってる。そういった事件、事故と怨霊、目に見えない鬼神とか、因果関係でごく当たり前のように結ばれてた時代なんですね。そういうふうにつながってた時代だったんで。やっぱりこういうことを鎮めるためには実際になんとかツールが必要だよね。そのために仏教が受け入れられる土壌というか社会的なニーズがあったわけなんですよ。あと、ちなみに疫病が流行るとか、ちょいちょい昔の話に出てくるんですけど、実際に平安時代てあんまり綺麗じゃないです。死体とかもそこらへんに捨てられてたと言われていて。やっぱ死体って穢れなんです。触らないです。とりあえず都の隣の川とか、そこらへんに捨ててたんで、けっこう衛生状態もよくなかったって言われてます。

樋口:なるほどなるほど

深井:そうですね。その平安京に遷都して長岡京が祟られたんで、それでたった10年くらいだったかな、10年くらいで長岡京捨てるんです、1回作ったのに。作ったのを捨てて平安京に遷都する。その平安京が江戸時代滅亡までは日本の首都であり続ける。ていう、それは日本史の話なんだけど、そういうニーズがあったことを伝えたかった。そういうニーズがあって彼らが出てくるんですけど、やっと次回は空海の話をします。

樋口:次回か。聴きたかった、今回。まあでも満を辞して空海。

深井:40分くらい喋っちゃったから。

樋口:ですね。いやあ、ついにスターが降臨するってことで、次回を楽しみにしてます。ありがとうございました。

深井:はい

楊:はい

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