#129 オスマン帝国とキリスト教の板挟み!栄華を極めたビザンツ帝国の衰退

【今回の内容】今回はオスマン帝国の興りとムハンマド以降のイスラームの状況、そしてキリスト教世界に衝撃を与えた事件「コンスタンティノープル陥落」まで語り合いました。 600年にも及ぶ歴史はあまりに膨大。 今回だけで語り切れませんが、ぜひご視聴ください。

樋口:はい、ええ、前回まではメフメト2世についてお話をお聞きしましたけども、今回はビザンツ帝国について。

深井:はい、ビザンツ帝国なんですけど、前も言ったみたいにここは元々ローマ帝国なので、ローマ帝国のこととも言えるわけです。ローマ帝国が1回東西に分裂するんです、大きくなりすぎて。東西に分裂したあとに西のローマ帝国ていうのはかなり早い段階でなくなってしまいます。だから事実上ひとつしか、ローマ帝国は東ローマ帝国しかないという状態となりまして、ここがローマ帝国の後継国として繁栄していく、これがビザンツ帝国です。名前が2つあるんでわかりづらいんですけど、ローマ帝国と元々の、元祖ローマ帝国と分けるためにもビザンツ帝国という名前ができたみたいに思ってもらっていいかな。

樋口:なるほど。

深井:で、このビザンツ帝国なんだけど、土地柄、土地がどこにあるかっていうとバルカン半島とアナトリアを治めてるわけ。最大版図けっこう広いけどね、ここが中心地なんです。ここを治めてると、イスラームの勃興の歴史で喋ったけどイスラームくる、場所的に。実際がんがんきたんですよ。だからムハンマドが出てきて、そのあと200年間の統一王朝があって、そのあと分裂したけど色々攻めてくるみたいな時代がありました、みたいな話ししましたけど。その時にずっとピンチなんですよ、ビザンツ帝国って。イスラームの発生というかイスラームが出てきた時からずうっとピンチにピンチを重ね続けるというかわいそうな歴史。

樋口:ですね。ずうっと出てきてますもんね今まで。

深井:持ってます。

楊:基本、弱い。

樋口:弱いんですね。削られ続けてきて。

深井:なんで弱いんだろうな。まあいいや。ま、基本弱い。しかも、じゃあこの人たちがヨーロッパと仲がいいか、ビザンツ帝国もヨーロッパなんだけど。

楊:同じキリスト教ですからね。

深井:西欧、同じキリスト教の他のキリスト教国と仲がいいかっていったら実は悪い。

樋口:え、そうなんですか。

深井:そうなんです。

樋口:へえ。

深井:なんでかっていったら、カトリック教会と決裂してるんですよね、ビザンツ帝国が。正教って正しい教えると書いて正教ってのを信奉してるんです、ビザンツは

楊:ちょっと教義の解釈がちょっと違う。

樋口:なるほど。

深井:だからローマ教皇認めてないんですよ。

樋口:はあ、宗教なんだな。

深井:でもローマ教皇としては自分のこと認めてないやつを認めてないんですよ。

樋口:そりゃそうだ。

深井:だからお互い、で、西欧はね、カトリックを中心としたキリスト教で国家形成をローマが滅亡したあとは行っていくので。西欧のカトリック教会を中心として宗教世界とビザンツの正教を中心として世界で2分割されていく状況がおこってきます。

樋口:なるほど。ま、そうなりそうやな、それは。

深井:はい。

樋口:はい。

深井:で、なんなら、十字軍がイスラームを駆逐するという大義名分で攻めてきた時に、当然ビザンツ帝国らへんまでくる、最前線だから、イスラームとの戦いの。その時に第何回だったか忘れたけど、十字軍がなんとコンスタンティノープルを略奪したんだって。

樋口:え?

深井:同じキリスト教徒なのに。

楊:したね、したね。

樋口:へえ。

深井:元々十字軍てほぼ略奪目的なんですよ。途中から。で、コンスタンティノープルをめっちゃ略奪したらしくて、そしたらビザンツ帝国の人どう思ったかというと、もうイスラームよりカトリックの方が嫌いになったんだって。めちゃくちゃ嫌いになったんだって。だからすごく反目しあっていて、特にビザンツ帝国がカトリックの方を嫌いという悪感情、めちゃくちゃ悪感情を持ってる。

樋口:ほお。

深井:教会というかラテン人て彼ら呼んでるんだけど、ラテン人と呼ばれた当時の西欧の人たちを非常に忌み嫌っている状態というのがありまして。イスラームと戦わないといけないのに、なんと西欧と連携するのも難しいという状況に置かれてる。それは国民感情でそうなんです。

楊:カトリックからハブられてる。同じキリスト教でも実は仲良いわけではないという事実がわかっていただければと思います。

樋口:孤立してる感じになってますね。

深井:うん。

樋口:ほうほう。

深井:正教は別にビザンツだけじゃないんだけど。まあやっぱりそうですね。西欧から孤立している状態ですよね。で、なのでイスラーム勢力の伸張てのを全く抑えきれないんです、単独で戦わないと行けないから。で、ええと、全く抑えられない状況なんですけど、オスマンが特に出てきてから、なんなら家来になってるんです、オスマンの。だからコンスタンティノープルを滅ぼされる前に負けてるんです。

樋口:なるほど。

深井:負けてる状態。臣下になって他にもブルガリアとかセルビアとかも陥されたっていった、臣下になって組み込まれていった。キリスト教徒のまんまオスマンは吸収することができるって話ししましたよね。

樋口:はい多様性を認める。

深井:その状況で吸収されてる状況で自治は認められてるんだけども、例えばオスマンの皇帝がよっしゃこっち攻めるぞって言ったらビザンツ皇帝が出ていかないと行けない、兵士を率いて。そういうような状況になってる。それをまた西欧からみると、おまえキリスト教徒なのに何をイスラームの犬みたいなことしとんねん。

樋口:パシリみたいな。

深井:そう。余計なんか仲悪くなるみたいなね。

楊:あとね、ビザンツ帝国からスルタン、ビザンツ帝国からスルタンのお嫁さんを迎えたりとかしてるんです。だからオスマン帝国のスルタンの中に普通にビザンツ家の血が入ってる。それもカトリックから見たら、お前らキリスト教の純粋さを汚しやがってみたいな。

樋口:なるほど。

深井:そういう感じでいろんなことが起こってて。

樋口:うわあ。

深井:しかもビザンツ皇帝はしかたなくそうやって臣下になったりとか、外交のため仕方ななくそうやってるんだけど。弱いからね、自分たちが。他にやりようがない。実際オプションないと思う。これをまたビザンツ皇帝の臣下、ようは家来たちはどう思ってたかというと、やっぱり賛成する人もいるんだけどビザンツ皇帝がスルタンの臣下になってることを認めない人もいっぱいいるんですよ。

樋口:そりゃ国民感情そうなる。

深井:だから内部も分裂してるんです。

樋口:なるほど。

深井:このスルタンの宗主権を認めるってのは後々絶対に滅ぼされるよって言ってる、実際そうなりましたけど。こういう状況の中の国を最後の皇帝はコンスタンティヌス11世ていうんですけど。樋口さん、コンスタンティヌス11世だったらどうする?ってのをみんなに問いたい。

樋口:ちょっと、とりあえず。

深井:この状況スタートむずいぜ、まじで。

樋口:これはいやだ。

楊:仲間だと思ってるキリスト教の国たちからハブられ、で、オスマントルコというすげえジャイアンみたいなやつからプレッシャーをかけられ。自分の自社、自分の会社の中でも内紛が起きて、みたいな。

樋口:とりあえず、銀行に謝って。倒産して。

楊:リアル。

樋口:タイかベトナム行きます。

深井:まずベネチア人かな、銀行。

楊:ま、ベネチア人だね。彼らは戦争起きたら喜びます、商売ができるから。

樋口:それきついな。どうしようもないですもんね。

深井:これね、僕も思った。正直読みながらこの皇帝はどうしようもなかったな。どんだけ優秀でも不可能でもないと思いますけど。まず、軍隊が少ない、自分たちが持ってる。これをイスラームに勝つってのはなかなか難しい。

楊:物量がないもんね。

樋口:ほお。

深井:で、いざじゃあローマ教皇と、ようは教会合体できるかっていったら、まずそもそも国民感情が割れてるんで、今でも仲悪い国同士ある、いきなり仲良くなったりしない。

楊:感情的に無理。

深井:あれを、だってね、その、首相とか大統領だけがいきなり仲良くするぞっていったら、国民にむしろ降ろされる、そっちが。だから難しかったと思う。

楊:確かに。

深井:可哀想だなと思った。

樋口:それはそうだ。前回の終わりに言いましたけど、人間ですからね、ビザンツ帝国も。

深井:そうなんですね。しかもビザンツ皇帝がね、これ、コンスタンティヌスよりも何代か前なんだけど、最後の皇帝から何代か前の時に、やっぱり皇帝はしょうがないから従ってるんですよ、オスマンに。そうしたら息子が反発したりする。ありうる、これは。若いし、息子は。お父さん何してんねんみたいな感じで、不甲斐ないみたいな人に擁立されて、息子が反乱起こすんです。息子が反乱を起こした時に思いっきり制圧されるんですよ。

樋口:どこから。

深井:もちろんオスマンから。反乱起こすってのはオスマンに親属している家来となってるビザンツ皇帝がいます。その息子がオスマンに反乱する。別の町で。コンスタンティノープルとはまた別の町でね。テッサロニキというとこで反乱を起こす。そしたら、これムラト1世の時だったんだけど、ムラト1世のときにテッサロニキ包囲して補給路をまた絶って、餓死寸前までもっていって5年間包囲した。5年間包囲の結果テッサロニキの市民が自分で門を開けちゃったんだって。

楊:城をね。

深井:城を。

樋口:屈服したってことですか。

深井:屈したってことです。ご飯が食べれないから。で、負けたんですよ。そうしたら皇帝である自分はその時の皇帝ヨハネス5世、別に覚えなくていいですけど、ヨハネス5世さんはね、この息子であるマヌエル2世ていう人がいて。マヌエル2世が息子が反乱して自分は恭順してるのに息子が反乱した。謝らなくてはいけない、オスマン皇帝に。で、謝った。実際謝った、ヨハネス5世。で、息子も謝らせないといけない。息子も下手したら殺されるから、2人とも。息子も謝らせた時にムラト1世は許してくれたんだって。

樋口:あらら。

深井:だけどその時にムラト1世が言った言葉が怖いんですよね。マヌエル2世という息子に対して、皇帝の息子よ。かつてあなた方のものであったけど、今は私たちのものである土地をあなたが取り返そうとする正当性は認めるよ、気持ちはわかる。だけど、2度と私の権威に対して同じことをするな。われわれが支配者であるということをファクトとして受け止めろと言われる。

樋口:なんも言えん。

深井:負けた後に。5年間包囲されて市民が軍門開けちゃって謝りに行った時にこれ言われるんですよ。もう、戦意喪失する。

樋口:怖い。

深井:で、その時ムラト1世はヨハネス5世、お父さんに対して息子を許してあげてねって言って終わる。

樋口:怖ええ。怖えええ。

深井:こんな感じ。

楊:すごいね、格が違うね。

深井:格が違う。

楊:すぐに処刑したらしたらで、それはそれで正しい選択ではあるけど敢えて生かすというね。

樋口:なるほどね。

深井:そう。で、ムラト1世の次が前に言った稲妻王バヤズィト1世ですけど。バヤズィト1世の時に反乱した息子が皇帝になってる世代。マヌエル2世が。そのバヤズィト1世の時にいろんなところに連れて行かされるわけ、戦争に家来として。その時にバヤズィトが夜飲み会に誘ってくるんだって。皇帝を、ビザンツ皇帝。その飲み会に行くのがめっちゃ嫌だったらしくて。

樋口:嫌だ。

深井:手紙で残ってる。

樋口:へえ。

深井:もうなんだったかな、もう、これらのことに耐えるのは容易ではない。

樋口:ちゃんと書いてますけど。くそだりいってこと。

深井:私をひどく憂鬱にさせたって書いてある。

樋口:まじくそだりいってことだよね。

深井:皇帝だから言葉が綺麗ですね。

楊:まさか、ここで読まれるとは思わなかったでしょうね。

深井:そうでしょうね。

樋口:Podcast で読まれるとは思ってない。

深井:数百年後の日本の Podcast で、自分の手紙が読まれてるとは思いもよらず。

樋口:はあ。

深井:スルタンは夕食の前に2〜3杯乾杯をして自分をモチベートしようと思ったんでしょう。だけどこういう宴会に私は呼ばれてすごく憂鬱だっていう手紙を書いているのをみて可哀想だなと思った。こんだけ武力差があったら個人の能力で決まんないところあるんですよね、やっぱり。

楊:そうね。

深井:圧倒的な天才。ティムールみたいなやつだったら勝てるかもしれないですよ。なかなかティムールみたいな人いないし、ティムールもモンゴル軍が強いから強いわけであって。

樋口:なるほど。

深井:ね、こういう悲哀を持ってるわけですよ。

樋口:たまんないな。

深井:このマヌエル2世さんは若い頃に反乱起こしてぶっ潰されたこの人が、西欧諸国に助けを求めていくわけ。

楊:そうそう。

深井:で、フランス王とかがその当時有力者だった、シャルル6世とかいる、そういう人たちに交渉したりだとか。あとベネチアとかハンガリーとか、そういうところにコンスタンティノープル助けた方がいいよねって話しする。これも悲哀に満ちてるんだけどお金がないんですよ、コンスタンティノープル。なんでかっていったらお金が儲かるはずのところかなりオスマンに取られてる。

樋口:はいはい。

深井:だからオスマンは金持ってる。だけどコンスタンティノープルというかビザンツ帝国はお金持ってない。お金持ってないから賄賂が渡せない、あんまり。何を渡したかというとキリスト教のすごく神聖な物品。聖遺物とかを渡すわけ。それ宗教的な権威は持ってるんですよ、まだキリスト教の。ローマ教皇と二代巨頭だった。そういう聖遺物を比較的敬虔なキリスト教徒の王様のところにいって、ほらおれらこういうの持ってるけど滅ぼされたらこれもなくなるし、とりあえずこれあげます。

楊:もう家の銀行残高がゼロでお金ないんで家の棚もってきますみたいな。テレビもってってください、みたいな。

樋口:親の形見の着物を売りに行くみたいな。

深井:そうそうそう。だけどこれで呼んだ援軍はバヤズィト1世に速攻でぶっつぶされて、前いったよね。この後ティムールがくる。

樋口:ちょっと、むちゃくちゃむちゃくちゃ。

深井:そう。

樋口:悲哀っすね、悲哀。

深井:悲しいでしょ。

樋口:悲しい、まじで。

深井:そうなんですよ。で、本当は貿易で儲かるはずなんですけど、コンスタンティノープルって交易の拠点なんで。

楊:そうだよね。

深井:これも実はベネチアとかジェノバとかね、そういう貿易大国がいるわけですよ。海上貿易大国が。当時ちなみにベネチアは共和国として独立してますし、ジェノバも共和国として独立してる状態ね。

樋口:はい。

深井:このジェノバ共和国、ベネチア共和国とかは、ビザンツ帝国が力を失ってるんで幅をきかせてるんです。貿易特権を獲得して関税0円とかにしてる。これ関税を課すことができてたらベネチアがコンスタンティノープルで貿易してるだけでばんばん金が入ってくるわけ。

樋口:そうですね。

深井:不労所得が。これもないんですよ、ビザンツ帝国。

樋口:なるほど。

深井:なんかね。めっちゃむずいゲームだよね、これ。

樋口:だって金もないし、土地も無くなってるし。

深井:そう。

樋口:めっちゃ怖いヤンキーの先輩おるし。自分ぱしられて、飲み会呼ばれるし、最悪。

深井:海軍強いからね、ベネチアとかも。当時最強レベルの海軍だった。

楊:そう、ビジネスをするために絶対軍事力が絶対必要だったんです。それはなんでかっていうと海賊が普通にいた。

樋口:なんかの時に出てきた。お金の歴史かなんか。

楊:モンゴルの時にも出てきたと思う。ビジネスをするために海賊だったりとか盗賊だったりとか、たくさんいたのが当たり前の時代だったんで、それをいかに安全な取引ができる環境を整備するかってのに軍事力が絶対必要だった。だからベネチアは商業大国としてポジションをとってたんですけど同時に海軍大国なんですよ。海軍まじ強いです。

樋口:そこ一致してるんですね。

深井:そういう状態で。バヤズィト、でもバヤズィト1世が包囲したけど死んだ、ティムールによって。この後じゃあビザンツどう考えたかといったら、次攻められたら死ぬわ、と思ってるわけですよ、みんなそういう感覚がちょっとずつあるわけ。だからまず外交戦略で仲間を集めようとする。いろんなところに行ってる。バルセロナ、ローマ、フランス、スペイン、ハンガリー、ポーランド、リトアニアみたいなところに使者を送ってさっき言った聖遺物を贈るみたいなことをして。みんなにとっても大事なコンスタンティノープルみたいな。

樋口:はい。

深井:そんな話しをしてるわけです。あとは要塞を補修して拡充していく。攻めてくるルートの途中に要塞を作って、もし攻めてきたらそれを防ぐみたいなこともしますし。あとはこれでムラト2世をキレさせちゃったんだけど、偽の皇帝を擁立して向こう混乱させようとしたんだけど失敗してむしろめちゃくちゃキレられて攻められるみたいなね。

楊:あんまり政治が下手だよね。

深井:外交が持ってるカードが弱い。

楊:ないね、確かに。

深井:もはやコンスタンティノープルに何が残っているかっていったら、栄華を極めた時代に作った最強の防御力だけなんです。この最強の防御力だけのコンスタンティノープル対若い野心家メフメト2世の戦いがコンスタンティノープルの戦いなんです。

樋口:はあ。

深井:この壁が意外と強いんです。

楊:家のセキュリティだけ。

深井:でもセキュリティが世界最高なんです。

楊:家財道具なにもない。

樋口:何もない。

深井:めっちゃセキュリティ強い。これちょっとどんなセキュリティだったかっていう話しを少ししてみましょうか。まずね、コンスタンティノープルって町はイスタンブールだよね、今の。三角形、二等辺三角形の頂角を右に倒したような感じ。イメージできるかな。右に尖ってる。右というか東に尖ってる。というような三角形の形をしてると底辺である左端、西側ね。右に倒してるから底辺が西側にあるっていう意味。そこの全長がだいたい6.5kmくらいあるんです。

樋口:うん6.5km。

深井:この6.5Kmが全部石壁で囲まれてるんです。

樋口:へえ。ながっ。

深井:はい。で、他のところ、北側とか南側とか東側は全部海なんです。だからまずほぼ海で唯一の陸路は壁なんです、全部。だから防御力がすごく強いんですけど、海の部分にはあんまり攻めてこれないから、海からは。壁がひとつしかない、それでも壁がある。海の側にも城壁がある。陸側のところにはなんと三重の防護壁になってる。これがすごくて、まず、内側に12m、5階建級の壁。

樋口:高さ。

深井:高さ12m。幅は5m。それが6.5kmがあって続いてる。で、内側の壁と真ん中の壁の間に高さ20mの塔が55m間隔でぐあって100個くらい設置されてる。

樋口:なんの塔ですか、これは。

深井:この塔は上から登って来るやつを殺すためです。

樋口:なるほどなるほど。

深井:登って来る敵兵を塔の上から射殺すための塔ですよね。真ん中の壁の高さが8.5mなんです。幅は2m。一番外側の壁は高さ2mしかないですけど、この2mの壁の、一番外側の2mの壁のすぐ外に堀があるんです。これは水を張ることができる堀なんですけど、深さ10m、幅20mの堀がある。

樋口:20m、けっこうあるな。

深井:めちゃくちゃあります。2mしかないんだけど。想像してみて欲しいんだけど、幅20m、深さ10mのプールに自分がいるとして、そこから2mの壁を登るってむずい。鎧着ながら。

樋口:無理、無理ですね。

深井:もちろん手をかけるところなんて作ってくれてない。

樋口:ええ、そりゃそうだ。

深井:だから、しかもその、攻める側から見てみましょうか。攻める側から見ると、まずいきなり深さ10mの幅20mの水が貼ってある。これを鎧を着てそこに入って泳いでいくと20m先に2mの壁があるわけ。その2mの壁を越えようとしてる時に当然塔からずっと弓、槍。

樋口:弓だ。

深井:塔からずっと弓とか熱湯とか石とかを落とされるんです。それをやっと登ったらその次に8.5mの壁があるわけ。その8.5mの壁ってめちゃくちゃ高い。

樋口:高いですね。

深井:3階とか4階建てくらいの持つ場所のない壁ですよね。そこを越えようとしてるときも当然ずっと矢とかで射られてます。それを超えたら次は12mの壁があるんです。その12mの壁を越えてる時も当然ずっと矢とか熱湯とか石とか落とされてる。

樋口:後ろからか、しかもそこは。

深井:うん。

樋口:なるほど。

深井:どんだけむずいか。近代兵器じゃないですから。

楊:難度高いな。ゲーム的にいうと。

樋口:難しいな。

深井:これはね、23回くらい包囲されてるけど、ビザンツ帝国って。基本的に全部防いでる。

樋口:かああ、確かに、これはむずいですね。ぶっ壊さないと。

深井:で、これをどうするかってことでメフメト2世が考えたのが、ウルバンの巨砲。

樋口:ほうほう。

深井:ていう巨砲。

楊:大砲だよね。

深井:大きい大砲です。その話次にします。

樋口:なるほど。かあ、これはちょっと歩兵で攻めるのは無理ですね。

深井:のみでだとね、難しいように見えますよね。

樋口:なるほど、これをどうやって陥落させるのか。

深井:そうですね。いろんなドラマがあります、また陥落までに。

樋口:続きは次回ですね。

深井:はい。

樋口:ありがとうございます。

深井:はい。

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