【今回の内容】
樋口、歴史弱者卒業なるか!?
中国メディアと書籍出版
600年の空前の大帝国
知るべき「エルトゥールル号事件」
ハーレムへの誤解
みんな大好き!遊牧民のDNA
皇帝の母は奴隷出身
いまのトルコ≠オスマン帝国
名君のバーゲンセール
ムハンマド以降、イスラームはどうなったか?
樋口:世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオ。世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオパーソナリティ株式会社BOOK代表樋口聖典です。
深井:株式会社COTEN代表の深井龍之介です。
樋口:はい、そしてーー
楊:同じくCOTENの楊睿之です。
樋口:はい。ええこのラジオは歴史を愛し歴史の面白さを知りすぎてしまった深井さんを代表とする株式会社COTENのお二人と一緒に学校の授業ではなかなか学べない国内外の歴史の面白さを学んじゃおうという番組です。宜しくお願いします。
深井:はい、よろしくお願いします。
楊:よろしくお願いします
樋口:さあさあさあ、だいたいこれ一ヶ月ぶりくらいなんですけども、あの、深井さん体調がいい時ないすね。
深井:ないです。今日もね、安定して体調わるいです。
楊:車の中で死んでたもんね。
樋口:そうそうそう。
深井:喋るのもだるい。
樋口:今から喋るだけの時間になります。
深井:そうですね。
樋口:逆にそれ以外できない時間になりますよ。
深井:元気になってみたいな、一回。
樋口:いやでもなんか今収録してるの7月後半じゃないですか。たぶんまだ梅雨があけてない。
深井:気候とかもあるでしょうね。
樋口:気圧がそうとうあるんじゃないかと思う。
深井:あるかもしれないですね、確かに。
樋口:だって深井さん体調わるくて、ヤンヤンさんさっき歩いて薬買いに行ってました。
楊:そうそう。
樋口:おれびっくりした。
深井:車酔いで。
楊:車酔いで頭痛がして。
深井:ボロボロスタートです、今日は。
樋口:ボロボロスタート。最近世界中からけっこう聞かれてるなというのがあって。
深井:ポッドキャストの性質上そうなのかも知らないですけど、やっぱりそのね、その、オフ会みたいなのをズームオフ会しててもいろんな国から参加していただいてますし。
楊:こないだ中国のメディアからも取材されてました。
深井:あったね、あれどうなったんだろうね。
楊:もうちゃんと記事出てる、中国語で。
樋口:本当ですか?
深井:中国のメディアからもたしかに取材あったし、なんか本当いろんなところから声かけていただいたりだとか。あとは本がでるんですよ、僕の。
樋口:そうなんですよ。
深井:そうそうそう。しかもね、一冊じゃないんですよ。一気に4社くらいから話いただいて。
楊:すげえな。
深井:うん。すげえなと思ったおれも。一冊目がめっちゃ売れなかったらどうするんだろうと思って。
樋口:完全にもうでも人として売れてますよね。
楊:すでに。
深井:まだですね。こんど番外編で僕が調子にのらないための番外編というのをちゃんと作りたいです。人間が調子に乗ることについてという番外編をやりたい。
楊:そんなに乗ってないでしょ、別に。
樋口:乗ってないでしょ。
深井:あの、乗らないようにしてるけど、それ番外編で喋ろ。
樋口:それ聞きたい。番外編の次回予告みたいな。
深井:て、いうことですね。
樋口:そうそう。だからいろんなね。テーマが世界史っていうことなので。
深井:そうですね。外国の方にも聴いていただいてますし。
樋口:今、YouTubeとかでも字幕をつけてるじゃないですか。
深井:ちょっとずつ字幕をつけてます。
樋口:ですよね。
深井:だから字幕がつくってことは翻訳がしやすくなるってことですね。
楊:そうですね。いづれいろんな言葉でね出したいよね。
深井:そうそう、いろんな言葉で。ペルシャ語とかで作って欲しいよね。
樋口:本当の本当に。
楊:いいよね。
深井:まず英語ね。
樋口:ていうことで、まあまあどんどんどんどんグローバルに聴いていただいてる方が増えればいいなと思ってます。さあそんな感じで本編に入りましょうか。
深井:はい。
樋口:「進撃のオスマン帝国ー600年の栄枯盛衰」。はい、ええ、オスマン帝国ですよ。ちょっと言っていいですか。ぼくだいたいこれ直前にプリントアウトするじゃないですか。60ページあったんですけど。
深井:そうですね。
樋口:台本ね。60ページ。
深井:全部は喋んない。これね、ただの授業になる。ただの世界史の授業になる、これ全部喋ったら。キュレーションじゃない。
楊:でも自分らと全然違う世界をコンテンツになるので、それだけ分量がかかるよね、勉強の分量、ボリュームというか。
深井:かかるよね。言いたいことはたくさんあったから、この中で適宜選びます。喋りながら。
樋口:いや、すごいな。だってアメリカの時がたぶん40何ページだった。それの二分の三、1.5倍くらいか。
深井:特にオスマンはみんな知らないから。前提条件をどこまでちゃんと伝えようかなということでページ数どんどん増えていきましたよね。
樋口:ぼく恥ずかしながら高校で世界史を受けてないんで、全くわかんないです。
深井:聞いたことあるでしょ。
樋口:聞いたことだけ。
深井:でしょ。
樋口:しかない。
深井:たぶんね、みんなそうなんです。
樋口:へえ。
深井:オスマン帝国って。
樋口:でも世界史で習うんですよね、一応。
深井:習いますよ。世界史に出てきます。オスマン帝国太字で。
樋口:ですよね。でも習わないんですか、内容というか。
深井:習いますよ。メフメト2世もスレイマン1世もたぶん太字で出てきてるんだけど、いまいちよくわかってないと思う、みんな。世界史勉強しててもこれ何ってずっとなったまま終わってると思いますよ。
樋口:なるほど。ちなみにそんなオスマン帝国を選んだ理由とかってなんですか。
深井:まあね、これも毎回言ってるけど、どこでもこれ言ってるけど、オスマン帝国もすごく世界史に影響与えてるんですよ。チンギス・カーンにはるくらいの。
楊:そうそうそう。
深井:で、タイトル入ってるけど600年続いてるんですよ。
楊:漢帝国より長いし。
深井:長い長い。漢帝国は400年くらいだから。600年て日本で言ったら鎌倉時代から大正までだから。
樋口:ああ。
楊:同じ王朝が続いてるんですよ。
深井:そんなこと言ったら日本はずっと一緒だけどね。
樋口:まあまあ。
深井:2000年とかだけど、そうなんですよ。オスマンも長いんですよ。
樋口:そう言われてみればそうか。
深井:だから、で、知らないじゃないですか、みんなオスマンについて。なんならチンギス・カンより知らないわけ。
樋口:はい、そうですね。ぼくもそうです。
深井:日本人て教育の性質上なのかどうかわからないですけど、中国とヨーロッパ以外知らないんです。
楊:東洋史と西洋史で日本の教育って明治時代の後に、それでカテゴリーで分けられたんですよ。基本的にこの二つを中心にして勉強してるので、中東とかイスラムの歴史はほとんど真面目にやらないよね
深井:やらない。でもめちゃくちゃ大事なパートですし。オスマンてイスラーム系の国家なんですけどね。国家の中でもそんなにイスラーム色強くないんだけど。とはいえやっぱりすごくメインなんですよ、イスラーム国家群の中で。ここがわかるとけっこう世界史の理解の仕方とかがさらにね結構詳しい人といっちゃっていいくらいになっちゃうよ
樋口:そんなに。
深井:そろそろ。樋口さんもそろそろ歴史弱者じゃなくなるよ。オスマンやったら。
樋口:まじすか。
深井:これであとローマ帝国やったらもう歴史弱者じゃないですよ。
樋口:え、じゃあおれも喋る側にまわろうかな。
深井:お願いします。
楊:この番組で是非。樋口が歴史を語るっていう。
深井:くらいの。
樋口:へええ。ちなみに、まずあれがわかってない。地図上でどこなのかがまずわかってない。
深井:ですよね。今のトルコ。
樋口:はいはいはい。
深井:があるところが、イスタンブールってあるじゃないですか。あそこがオスマン帝国の首都だったところ。イスタンブールね。コンスタンティノープルとも昔呼ばれてたんですけど同じ都市ですね。イスタンブールが首都で、今ギリシャがあるとこらへん。
楊:バルカン半島。
深井:そう、バルカン半島ていうところもオスマンの領域でした。
樋口:けっこう広いな。
深井:けっこうでかいです。
樋口:けっこうでかいですね。
深井:最大版図でいったらかなりでかいです。最大版図でまた調べてください。ググって欲しい。オスマン帝国最大版図。なかなかね、広いし当時そこらへんて結構世界の中心だから。本当ヨーロッパってあんまり世界の中心じゃないんですよ、ずっと近代まで
楊:そうだよね。
深井:基本的にはあそこらへんが世界の中心なんで。あと中国とかね。そこらへんを抑えてる重要な国家の一つなんですけど。けっこう日本とも繋がりがあって。
樋口:あるんですね。
深井:エルトゥールル号事件てのがね。
楊:前ちらっとどっかで話したよね。
深井:話したかな。明治時代にね、オスマン帝国の親善大使の船が日本にくるんだけど、帰る時だったかな、帰り際に沈没しちゃって、遭難して。それで沈没したのを日本人がすごい頑張って助けて、それオスマンがすごく感謝してくれてて。トルコの方。トルコの方って親日だって言われてる。ぼく行ったことないけど、たしかにトルコに行った人に聞くとめっちゃ親切だったみたいな。
樋口:聞いたことある。
深井:すごい親日感情もってくれてて、こういうところからきてるらしい。
楊:今の和歌山県の串本町っていうところで遭難したんですよ。
深井:遭難して、めちゃめちゃ貧乏な村だったらしい、そこが。
楊:そうそう。
深井:だけど、すごい献身的に助けてあげて、食料とかも渡してあげて、みたいな
楊:最後は明治天皇が2隻の軍艦を派遣してトルコまで送り返した。
樋口:へええ。
深井:映画になってますから。
樋口:そうなんですね。
楊:何年か前。
深井:観たよ、おれ、これ。
樋口:おれも観た。
楊:『海難1890』。
深井:うん、観た。
楊:いい映画です。
樋口:いい映画でしたね。
深井:みんな観てください。
樋口:100年以上経ったいまでそれが続いてる。
深井:これね、後日談があって。日本人が助けたでしょ。その後に湾岸戦争の時にトルコ人が日本人をめっちゃ助けてくれたんですよ。
楊:イラン・イラク戦争のとき。
樋口:うん。
深井:その時にエルトゥールル号の時に助けてくれたからっていって。
楊:恩返し。
深井:そう、恩返しでっていって、飛行機だして。空爆宣言みたいなのが。
楊:サダムフセインが出して。
樋口:はいはいはい。
深井:出して、日本人がその空爆地帯から動けなくなって。
楊:現地駐在員とかね。
深井:命が保証できないっていう状態の時に、唯一トルコがトルコ人よりも優先して日本人を飛行機に乗せてあげた。
樋口:ええ!
深井:その時になんでそこまで親切なんですかみたいなこと聞いたら、このエルトゥールル号の時も助けてくれたでしょみたいな感じ。すごくいい関係ですよ。
楊:これは本当に知らない方は是非勉強していただきたい美談。
深井:美談だよね。いい話。ていうのがあったりとかもあるし。
樋口:まじ、助けててよかったですね。
深井:そうですよね。善意の連鎖ですよね。
楊:さらに後日談を加えると、この時にトルコと日本てまだ国交がなかったんですよ。その後に国交を結ぼうという交渉に入るんですけど、日本側の明治政府の人は実はトルコの国としてちょっと見下しているところがあって。こいつらとは不平等条約を結ばせようというふうに交渉して、実はそれが国交がなかなか結べなかったってのがある。
深井:それは美談じゃないね。
樋口:美談じゃない。
楊:ただね、現場でいろいろお互い助け合ったその心意気とか、交流とか、それはこういった政治の世界のごたごたによって全然価値尊さを損なうものじゃないな、というふうに思いますけどね。
樋口:なるほどなるほど。
深井:あと、ハーレムってよく聞くでしょ。
樋口:うん。
深井:あれも別にオスマンだけじゃないんだけど、本当は。ハーレムってのは大奥みたいな感じなんですけど。大奥とも厳密には違うんだけど、どの家にもハーレムあった、大きい家だったら。そういう女性が男性とその、別々に住むみたいな空間が、私的空間みたいなのがあるらしくて、そこで女性たちが子供を育てたりだとか、旦那さんとしか会わない。みたいな世界
樋口:ハーレムってそういう意味だったんですね。
深井:そうです。別に女に囲まれてるって意味じゃなくて。
樋口:週刊誌の裏の金風呂にはいってる、あのイメージ。
深井:あれもだからすごく西洋史観だよね。西洋がすごく偏見的な見方でイスラム国家たちをみてて、その退廃的な象徴としてそういう呼び方をしてるっていうところがルーツにあって、ハーレムの。かわいそうっちゃかわいそうだよね。そんなことないんですよ。
樋口:へえ
深井:プライベートで親密な時間を過ごすその信頼関係がある人だけの空間を作ってて、それをハーレム。ま、ハレムって呼ぶみたいなんですけどね。
樋口:違うんですね
深井:あと、今Netflixでやってるよ、オスマン帝国。
樋口:あ、そうなんですね、へええ。
深井:是非。ちょうど今回やるやつと思いっきりかぶってますんで。
樋口:はいはいはい。
深井:はい。是非みてほしい。
楊:人気らしいですよ。
深井:あれ人気。
樋口:へえ。契約しよう、Netflix。
深井:是非、映像でみれますんで。僕もみましたけどなかなか面白かったです。本当に。
楊:あれ、どろどろの愛憎劇になる雰囲気が出たけど。
深井:ああ、あれとまた違う。Netflixのオスマンは本当メフメト2世が主人公のやつ。
楊:ああ、そうなんだ。
深井:そう。コンスタンティノープル陥落の話です。今日、今日というか今回のシリーズでやっていきます。
樋口:楽しみ。
深井:あとはね。なんかね、オスマン帝国は今のトルコなんですけど。トルコ人の国って思われてるんですよ、オスマンも。そうじゃないんだよね。ここをね、うまくみなさんに伝えることができたらいいなというふうに思ってて。アジアとかアフリカとかヨーロッパ三大陸にまたがるすごく広い国を築いていて。もともとトルコってトルコ人てトルコ系の民族って遊牧民なんですよ
樋口:え、遊牧民なんですか
深井:チンギス・カンと一緒なんです。なんならモンゴル高原が発祥の地らしい
樋口:へえ
深井:あそこからずっと降ってきたりして、
樋口:はい
深井:で、今のアナトリア、小アジアとも呼ばれるいまのトルコがあるところですよね。あそこらへんにきて、そこでオスマン作っていく。オスマン以外にもたくさん作ってるんですけど。そのうちの一つがオスマンなんだけど。このアナトリアがさっき言ったみたいに世界の中心で。これね、アレクサンドロスの
楊:そう、けっこう由緒、由緒というか、いろんな物語のある半島、アナトリア半島なんですけどね。東西文化の十字路というふうに昔から言われてて。例えばアレクサンドロス、まえやったじゃないですか。イッソスの戦いとか覚えてますか。
樋口:あったあった。
楊:グラニコスの戦いとか。
樋口:はいはい、グラニコス。
楊:あれも全部この半島でやったんですよ。
樋口:うわあ、すごい。
楊:あとお金の歴史で、初めてコインが登場したリディア王国、74話くらいででてきたと思うんですけど、あれもここなんですよ。
樋口:へえ。
深井:そう、それくらい中心。話がいったりきたりするけど、中心地にトルコがきて、国を建てていっていくんだけど。やっぱり遊牧民だから民族っていうことに対してそんな強い意識がないんですよね。人種差別もないんですよ、やっぱり。
楊:まぜこぜの感じだよね。
深井:そう、オスマン帝国ってかならずしもトルコ人の国ではなくて、実は。
樋口:なるほど。
深井:今実はトルコ人はトルコ人の国だったって思ってるし、けっこうそういう風な理解されてるんだけど、実態は実はけっこう違ってて、かなりもう混ざってる。
楊:マーブル。
深井:マーブル。本当にね、いろんな人がいるんです。そもそもマジョリティがトルコ系じゃないんで、アルバニア人とかセルビア人とか。聞いたことないと思うけど、チェルケス人とか、ギリシャ人、アラブ人、クルド人、アルメニア人とかいろんな人たちがいて。公用語もなかった。
樋口:なかった。
楊:場所とかによって全然違う言葉使ってたんですよ。面白いのは例えばイスラムのモスクではアラビア語使ってたし、キリスト教のクリスチャンたちはアルメニア語とかギリシャ語とかアッシリア語とか使ってましたし。商業、ビジネスマンはギリシャ語とか宮廷の中ではオスマン語とか。
深井:すごいよね。どういう治め方でできたのかよくわからない、そこに関しては。
楊:だから、この多様性の保ったまんま600年続いたってすごくないですか。
樋口:すごいですね。
深井:すごい。すごい多様なところがあって。そういう治め方を実はできるんだってことだよね。その農耕民族からみたらそういうのって異質に見えるんだけど、別にそれがスタンダードな人たちからしたら、別にそれがスタンダード。チンギス・カンと一緒ですよね、そこはね。
樋口:たとえば裁判とかどうする。全然違う人たちが話てるわけですよね。とか法律決める国会とか。
楊:裁判とかもあるていど、例えばムスリム、ギリシャ系の人モスクの人イスラムの人でそれぞれ自分たちでやっていいよってしたりとか。
深井:これもオスマンだけの特徴じゃないんだけど。僕たちの感覚から遠いのはね、皇帝のお母さんだいたい奴隷なんだよね。
樋口:え、ちょっとまって。皇帝のお母さんが奴隷。
深井:奴隷出身なんです、奴隷身分なんです。皇帝のお母さん、だいたい。
樋口:へえ。
深井:ほとんど奴隷。皇帝の。歴代オスマン帝国のお母さんの君主、スルタンていうんですけど、スルタンの母親はほとんど奴隷。
樋口:なんか理由あるんですか。
深井:理由あります。これはあとで説明しますけど。そもそも奴隷の概念が実はこの前やったアメリカ史のアメリカの黒人奴隷みたいなのと全く違う。
樋口:へえ。
深井:実は大臣とかもほとんど奴隷。
樋口:ええ。ちょっとわからんわからん。
楊:そしてムスリムじゃない人たちもたくさん。
深井:いっぱいいます。普通にギリシャ正教の人もいるし、キリスト教の一派ですね。キリスト教とかイスラームとか普通にめちゃくちゃ混ざってる。
樋口:へえ。
深井:宗教統治に対しても、これチンギス・カンたちもそうでしたけど、これも非常に寛容。
樋口:そうでしたね。
深井:はい。
樋口:はあはあはあ。
深井:そのまんまでいいですよ、基本的に。そのかわりお金払ってねっていう人頭税てのがあるんだけど。お金はらってくれたら、それもそんなに高くない。それで寛容な統治をしながら多様な民族を束ねつつもちゃんと専制君主制といって皇帝が権力をもった状態で国家を形成していると。これは非常に僕たち農耕民族の国家の作り方とはまた違うんで。チンギス・カンの時にも話しましたけど、やっぱりこれがまたチンギス・カンともまた違う。
樋口:へえ。
深井:あれは本当に濃厚な遊牧民国家だったんだけど。こっちは遊牧民出身の遊牧民でもないイスラーム国家なんで。
樋口:へえ。
深井:また色が違うんです
樋口:複雑だな。
深井:複雑だけどいろんなタイプがいるってことだよね。それは実は僕たちは全然知らなくて、自分たちをスタンダードだと思ってるんだけど、この時代に生きてたら、少なくとも日本はスタンダードじゃないし。ヨーロッパもスタンダードじゃなくてオスマンの方がでかいわけ、ヨーロッパより。だから、今の時代の感覚からはそこもだいぶずれてるわけですよね。
樋口:なるほどね。だからモンゴル帝国の時も思いましたけど、本当に異世界を見るような感覚に今回なりそうな感じがしますね。
深井:異世界のまた違うバージョンですよね。
樋口:はあ。
深井:オスマンていうのは常に最新の武器とかもすごく取り入れてますし。けっこうね、名君が多いんですよね。このオスマン帝国の。
楊:多いよね。
深井:名君がすごく多い。非常に優秀な人たち多いですし。一方で残酷な面もありますし。皇帝が即位する前に兄弟を全員殺すのが慣習になってたりとか。
楊:そうそうそう。まあリスクヘッジの一つだよね。
深井:そうそうそう。そういうのもあるし、今回イスラームていうところもキーワードで、イスラームの特徴の一つに、イスラム教のことね、イスラーム。今イスラム教とはあんま言わないんですね。イスラームって呼ぶんです。なんでかっていったら、やっぱり宗教という枠でくくれなくて、けっこう生活習慣であるとか、あと法律とかもけっこう変わってくるんですよ。イスラム法って法律を持ってて、イスラームって。
楊:シャリーアというんですけどね。
深井:それに従って生きてたりするんですよ。国家もイスラム法に従って、イスラム法に従って作ってたりする、法律を。オスマンもそうなんですけど。ここのイスラム法に従ってる国家としての紹介も今回はしていきたいなと思ってる。
樋口:ほお。じゃあ国のルールとまた違うルールがある。
深井:国のルールになってる。
樋口:なってる。
深井:国のルールの前にそのルールでみんなが生きてて。
樋口:そういうことか。
深井:だから国のルールとして作ったときにめちゃくちゃ浸透しやすい。最初からそれで生きてるから。
樋口:なるほどね。
深井:ただの宗教ていう祈る行為とかだけではなくて、生活の中でどうするとかという。裁判になったらどうなるって、そういうことも決まってる、最初から。
樋口:へえ。
深井:イスラム法の中で
樋口:なるほど
深井:めちゃくちゃ詳しくないですけどね、僕は。ただそういうのが決まってる。ていうところも含めて、オスマンの全体をみなさんが習得すると、習得というか理解すると、かなりね、かなり詳しいと思うよ。みんなこれ聴いて、アメリカ聴いた、オスマン聴いた、中国も一応聴いたでしょ。
樋口:モンゴルもいったし。
深井:モンゴルもいったでしょ。
楊:あとローマ帝国とか。
深井:あと、ローマやったら、けっこう詳しい。
樋口:明治維新もちょっとやりましたもんね
深井:けっこう詳しい、みんな詳しいです。リスナーのみなさん。
樋口:すごいね。
楊:もうコテンラジオ、初段クリアじゃないですか。
樋口:初段クリア。段があったんや、級から段。
深井:ま、ちょっとそういうところを、今日、オスマンを通じて紹介できたらなと思ってます。
樋口:なるほどなるほど。はい。いやあ、とりあえず第1回はこんな感じですかね。
深井:はい。
樋口:いやあ、壮大な入り口の前に立った気がします。
深井:壮大です。600年ですからね。
楊:今回喋りきらんけどね。
深井:喋りきらんですね。今回さっきいった何十ページもあって、7代までしか喋れない。もっといっぱいいる。
樋口:なるほど。
楊:30何代いる、たしか。
深井:倍以上いる。
樋口:なるほど。
深井:うん。
樋口:いやあ、楽しみになってきました。ありがとうございます。
深井:はい。
楊:ありがとうございます。