【今回の内容】
鉄を求めて三千里
宿敵・金
バカな王様でよかったぜ
エンジニアをさらいまくるスタイル
サイヤジンシステム
あんたも不老不死欲しいのね・・・
銀が好きならくれてやる!
人生一生は戦い(物理)
奥さんの数◯◯人
チンさんの自分へのご褒美とは?
樋口:はい、前回はモンゴル軍の圧倒的強さの秘密っていうところの話をお聞きしたんですけど、これが面白かったですね
深井: はい、強いのはよくわかってもらったかと思います。この強い軍隊がさらに伸長して、伸びていきますよね。で、あの、また鉄資源の話なんだけど、大きくなってきたわけ、軍隊が。そしたらその分もっと鉄が必要になってきちゃうわけ
樋口:ずっと鉄鉄ですね
深井:ずっと鉄鉄って言ってる。だからその鉄の重要性ってさらにさらに増していく。その金のね、この時点ではまだ金の、なんていうか配下みたいな感じになってる。
樋口:金ていう国ですね
深井:国のね。配下みたいになってるんですよ。けど鉄を求めてですね、色々なところに手をだし始めます。いろんなところにまとめた強い軍隊を使って獲得しに行くってことがここから始まっていきます。前も言ったみたいにモンゴル人自体が戦うことを求めてる。ていう状態で着々とですね、金との全面戦争に備えるんですよ。金と戦うっのを思ってた、わかってたし、自分たちが強くなってきたからね。金はもともとタタルを糸で引いてるでしょ。イェすゲイがタタルに殺されてるでしょ。だからやっぱり嫌いだったのかもね。わかんないけど、あんまりなんていうか信頼できる相手ではなかったんだと思います。だからその金を倒すってところに意識が向いていってここから着々と実は準備をしていたんじゃないかというふうに言われてます。ただ金はね、スーパー軍隊がでかい
楊:彼らも遊牧民だからね
深井:まず、騎兵が12万5千。歩兵が37万5千
樋口:うわあ、
深井:これにモンゴルは戦いを挑むわけよ
樋口:はあ。どんくらいだったんですかね、モンゴルって、その当時
深井:この時は10万くらいかな
樋口:はあ、でもだいぶ、5倍くらいはいる
深井:10万もいなかったかもしれない。最後が10万だったかもしれない、そんなにないです。
樋口:はいはい
深井:全部騎兵だけどね。で、金、ずっと機を狙ってるんですよね、だから、そこもすごく用意周到なタイプですね、チンギスって。やりたいからばんといっちゃうていうタイプじゃなくて
楊:そうだよね
深井:機をずっと待ってるんです。その機がどういう時だったかというと、王様が変わったときです。王様がバカだということで有名な王様に変わった時に軍隊としては圧倒的に負けてるけど今なら勝てるってことで、金の討伐を決意して、その攻めに行くんですよ。
樋口:はあ
深井:で、首都を陥落させます
樋口:すご
深井:首都陥落させて、そこでまた新しい物資であるとか鉄資源であるとか、あと人材、ここで有名な耶律楚材という人をゲットしたりするんですけど、人ね
樋口:人。はあはあ
深井:文書行政うまいひとね。この人とかをゲットしたりして、それをまた自分たちのさっきのみたいに言ったみたいに国の中で活かして行く。
樋口:へえ
深井:今度は西夏ってとこに攻めていって、そこで優秀な技術者を獲得していく。拐っていくってことですよ。エンジニアを拐う
樋口:西夏はもう勝つんですか
深井:西夏もというか、基本的にこの人たち負けないんで、戦ったら。強いから
樋口:愚問なんですね、勝つかどうかっていう質問
楊:西夏もまじ強い国ですからね
樋口:そうか。西夏と金は一時期は代理戦争というか支配下に
深井:それは西陵です。西陵と金
樋口:そうかそうか
深井:そう。それちょっとわかりずらいんですけど
樋口:間違った、普通に
深井:西に西陵、東に金、南に西夏、さらにその南に宋ていう国がある。こういう配置。で、西夏で技術者拐ってみたいな。で、金に侵攻して首都陥落させて配下にして鉄資源を確保して。西夏にも鉄資源あるんだけど。もうとにかくそんなことをずっとしてどんどんどんどん強くなって行くというね。これくらいからチンギスが焦り始める。死ぬかもしれないから
樋口:そうか、そこには勝てない
深井:もうね、50代くらいになってきて50代後半くらいになってきた。で、もうそろそろ死ぬんじゃないかって思うわけですね
樋口:死には勝てない
深井:そう。でも、現時点ではまだモンゴル帝国が磐石な体制を築いてないと思ってるわけです、この人は。その磐石な体制を築く為には中東に攻めないといけないと思ってたみたい。らしい。
樋口:もういいと思うけどな
深井:けど安定的な鉄資源の確保であるとか、安定的な交易路の確保には
楊:そうそう交易路が
深井:そう、ホラムズシャー朝というところがあるところを倒して、そこの道を確保していかないといけない
樋口:なるほど
深井:あとは、西陵もこのときにはナチュラルに滅してるんですけど
樋口:気づいたら
深井:語るまでもなく滅しちゃってる。普通だったらアレクサンドロスの時とかも一つずつやる、なんか。この人たちも一つずつやってるのかもしれないけど、もう滅してる国の数が多すぎて一つ一つ語れないです。速すぎて、サイクルが
楊:部下がそもそも一人一人がサイヤ人で、それを統率する部下たちも息子たちも
深井:あ、だから、ほらサイヤ人て一人一人国に国っというか星に送られて、その国滅してやるやつ
樋口:そうやん、本当にそう
深井:あれと一緒
樋口:本当にそうやん
深井:完全にあれ。だからボウルチュとかが派遣されて、お前あそこみたいな
樋口:へえ
深井:感じで、お前地球みたいな感じで派遣されて、そこが滅ぼされる感じ。全くあのイメージ
樋口:本当にそうか
深井:すごいよね。だけど、不老不死を求めてね、あれと一緒、始皇帝と一緒だよ
樋口:始皇帝と一緒だ
深井:不老不死を求めるんだけど、やっぱり。それで有名な中国のね
楊:道士をね
深井:道士を呼ぶんですよ
楊:トップみたいな人だよ
深井:それ不老不死語れそうなおじいさんを呼ぶんですよ。でね、不老不死の方法はないかっていったらね。ありませんって言われて、そうか
楊:逆に
樋口:がっかりだ
楊:逆に健康とか養生が大事ですよって
深井:そう、健康を保つしかありませんって言われて。その回答にすごく満足するんですよ、チンギスは。まあそうだよね
樋口:そりゃそうよ
深井:ま、ないでしょうねってなって
楊:死に執着してねえな
樋口:はあ
深井:それちょっと面白かった
楊:アホやん
深井:それでね、西陵滅して、で、チンギスが率いる10万を超えるモンゴル軍の大群がついにホラズムシャー朝に到着するんですよ。ホラズムシャー遠いからね。けど彼らは機動力あって、1日210キロ進めるから、あ、2日で210キロ進めるから。何ヶ月かかけたら行っちゃうよね。
楊:イスラムの国かこれは
深井:イスラム。全然だから文化違うよ、イスラムの国。最初はなんか友好関係築こうとした
楊:そう、最初は通商関係を結びたいからそういう話で進んでいったみたいだけど、ホラズムシャー朝の地方の知事みたいな人が
深井:なめてたんだろうね
楊:そうそう、チンギス・カンから送られてきた使者400人を殺して奪略したんですよ
樋口:あら
楊:それでチンギス・カンが軍、攻めろみたいな
樋口:怒らせた
深井:なんかでもそれも口実らしくて、
楊:ああらしいね、それも
深井:本当はそれがスパイだったらしいです。だからスパイを送ってて、チンギスが、情報蒐集のために。そのスパイを殺した人をなんでおれらの使者を殺したんだっていって、口実つけて攻めに行く
楊:という説も、いろいろ説がある
深井:本当は彼らが持ってる交易路とかを確保したいだけかもしれないけど。その殺し、それでね、その捕らえるわけ、その地方行政官をね。イナルチュクという人らしい。その処刑の仕方がすごかった
楊:やばいね
深井:溶けた銀を流し込むっていう殺し方するんですよ
樋口:あっつ
楊:耳と目だっけ
深井:目と耳。目はやめてって思ったけど。目と全部やめて。
樋口:そうだよ。
深井:そのね、ヘレンケラーとの違いすごくない。
樋口:そうか、そうだった。おれらちょっと前までヘレンケラーやってた
楊:そうそうそう
深井:ヘレンケラーとの違いすげえっとか思った
楊:ね。銀が当時通貨として使われてたから、もしかしたらお前金が好きだったらいくらでもやるよみたいな、言いながら流し込んだかもしれない。
樋口:うわあ
深井:これでねホラズムシャー朝も滅ぼされにいくんですけど。子供達の軍隊、ジョチとかチャガタイとかウゲデイっていう子供がいるんですけど。この人たちが各所に派遣されて、さっき言ったサイヤ人方式で滅していく
楊:サイヤ人方式
樋口:ぼこぼこ滅していく
深井:あと、末子トルイってやつもいるんですけど、このトルイもね今のイラン、アフガニスタン、トルクメニスタン、みたいなね。またがるそこの三国にまたがるような諸都市を血祭りにあげるって書いてあった
樋口:血祭りにあげる
深井:怖いなって思った。だって、トルイ一人でこのイラン、アフガニスタン、トルクメニスタン三国にまたがる諸都市を血祭りにあげてますから。ちょう強いよね。
樋口:だって、末子、末っ子ってことですよね。ラディッツみたいなやつ
深井:カカロットでしょうね
樋口:カカロットだ。カカロットは強いわ
深井:まあ、強かったわけです。みんな強かったんです。もうこのイスラムの人たち本当に怖がってて、これで。それでホラズム朝の皇帝のムハンマドって人もサマルカンドって首都から今のウズベキスタンかな、から逃亡して浮浪者のようして死んでいったって。悲しいね
楊:サマルカンドってあれだよね、アレクサンダーが来たところ
樋口:そうそう
楊:玄奘も多分きてる
深井:だからかぶってるよね。そういうところでね
樋口:懐かしい、サマルカンド
深井:俺知らなかったけど、この逃げて浮浪者のように死んだ、その子供は後々にチンギス・カンの軍隊に一泡ふかせる。これ、ロマンだよね。この人視点の話作ったら絶対おもしろいわ
楊:ホラズムシャーの滅ぼされた王様の子どもがいるんですよね。なんか、ジャラールウッディンていう子なですけど、めちゃめちゃ勇猛な戦士で滅ぼされたあとだったかな、忘れたんですけど、そのあとに父親が死んだあとにチンギス・ハンと戦うことがあった。それでチンギス・ハンに大勝するんですよね。めっちゃ勝つんです。しかもその戦いでチンギス・カンが自分の最愛の孫を戦士させる
深井:可愛がってた孫
楊:そう、可愛がってた孫。おそらくチンギス・カンの軍隊の一番最初の大きな敗戦だったというふうにいわれてて
樋口:負けたんや
楊:そう、これにチンギス・カンがまじぶちきれして、フルパワーでもう一回攻めていく
深井:こわい
樋口:こわいこわい
楊:フルパワーで攻めていって、その息子が戦った場所が玄奘の回でも出て来たバーミヤンなんですよ。あそこが殺戮の場になります
樋口:はあ、だってバーミヤンて目的地ですよね。学問の
楊:そうそう。あそこでフルパワーで攻めにいって、ムハンマドの孫をぶっ殺すんですよね
樋口:うひょー、なんかもう
深井:悍ましいですね。
樋口:悍ましいですね。ひええ
深井:その調子で一気に版図をばばばばばって広げていって。ずっと戦争してるんですよ、だから。ずうっと戦争してる、本当。ここはアレクサンドロスと一緒。ずっと戦争してて、戦争も戦争しながらも移動宮殿に住んでるんですよ。その移動宮殿にお妃さんたちもけっこう連れて来たりしてね。そのお妃を連れてってそこで一緒に暮らしたりしてるんですけどね。お妃の数が500人くらいいるらしい。名前残ってるのは39人だけど。お妃の数500人で、どうやら500人は部下に、言い方悪いけどあげてるらしい。これもすげえ感覚だと思ったんだけど、当時は倒した国の武将の妻を自分の妻とすることが勝利宣言の一つだったって。
樋口:ほお
楊:ほお
深井:500人いるってことは、武将を500人くらい殺してるってことになる。その人たちを、人の妻を奪う
楊:奪ってる。まじで奪ってる
樋口:どういうつもりや、まじで。でも、聞いた事ある、チンギス・カンの血を継いだ子供がめちゃくちゃいるっていうのは。なんか噂というか。めちゃくちゃ子供作った
深井:でも500人とそういう関係があったわけじゃない。
樋口:ああ。
深井:もうすでにだってチンギス・カンて40代になった時から有名になってるから、それまでは妻一人とかだから。で、その他の部族を倒す度にその妻が増えてるわけです。けっこう年なんでそんな元気じゃない
樋口:そうですね。物理的にね
深井:で、17mのね、宮殿に暮らしながらね、暮らしてるんですけどすごく質素な暮らしをしてる。さっき言ったみたいに。ちなみに質素なんだけどやっぱり贅沢だったらしくて、その中では。それがどれくらいなのが贅沢といわれてたのかといったら、毎日家畜の内臓を食べれるのが贅沢だった
樋口:なんじゃそれ。いいわ、おれ
深井:やばい
樋口:ポテトチップスとかの方がいいよ
深井:やばいなと思った。チンギスは毎日家畜の内臓を食べれてたからすごい贅沢な方の暮らし
樋口:すげえ。
楊:まあでもよく考えたらそうで。冷蔵庫がないんですよね。だから家畜を殺すってのは贅沢なんですよ
深井:すごい贅沢だよね。なんだろうね、今で例えたらなんだろう。生産できるものを一つ壊すことになるんで
樋口:そういうことか。車毎日乗り捨ててるみたいな感じ
深井:そうですね。1ヶ月毎に車変えれるくらいの感じはあるかも。遊牧民からみたときのチンギスのこの時の食生活
樋口:まだ使えるやんって感じ
深井:うわあ、もったいない、みたいな感じかもしれないです。
樋口:そうかそうか
深井:で、ずっと中央アジアに侵出してから7年間くらいずっとね、こうやってる中でホラズムシャーとかも滅していってですね。最後の最後に目をつけたのが西夏なんです。やっぱ西夏邪魔だなってなって。この、ここは東西交易の大動脈を握ってる。この大動脈を獲得するためにもチンギスは西夏を攻めるってことを決めて、また西夏を攻めにいくんです。もう70代くらい
楊:すげえな、武闘派ビジネスパーソン
深井:60代、70代なんだけど、このときのモンゴル軍が13万くらいいたんじゃないかって言われてるけど、ここで陣中で死ぬんです
樋口:あら。あらら、急に
深井:まあ、結構急に死にます
樋口:へえ
深井:やっぱ病死の説と、あと落馬してそのまま弱って死んだってみたいな説が二つある
樋口:へえ、あっちゃあ。死ぬ時は一瞬だな
深井:この時のエピソードは半端なくて、西夏王がね、あ、ちょっと待って。自分が死期を悟ったチンギス・カンがもうそろそろ西夏を滅せそうだったんで、その滅ぼす時にもし西夏王が謁見に来て命乞いしても全員殺せって言って死ぬんです。その通り全員殺されるんです、西夏の人が。なんでそんなこと言った。
樋口:そんなこといったんだろう。
深井:なんで死ぬ前にそんな事言ったんだろうって思うんですけど
樋口:ほお
深井:ね、ま、66歳から73歳くらいの開きがあるんだけど、その読みの死亡推定年齢
樋口:そうか、死んでしまいました。
深井:死んでしまうんですけど、これは後継者どうするかって話があるんですよ
楊:決めてたっけ
深井:後継者は一応決めてたんです。決めてて、それはホラズムシャー朝に攻め入る直前くらいに逸話が残ってる、これ本当史実かどうかわかんないけど逸話が残ってて、妻からそろそろチンギスもお年召されてるし後継者について考えないとばいけないのでは、って言われて、そっか、みたいな。じゃあ考えるかっていって子供を集めたら子供がめちゃめちゃ仲悪かったんだって。めっちゃ喧嘩するんだって、長男と次男がとくに。長男と次男がばばばって喧嘩して、で、長男と次男が喧嘩してどっちも埒があかなくて、じゃあどうするって聞いたら、もう、じゃあ長男でも次男でもない三男のウゲデイって、オゴタイとも呼ばれますけど、オゴタイとかオゴデイとかウゲデイとか呼ばれるんだけど、今の流行の呼び方ウゲデイ
樋口:ウゲデイ。全然違うけど、まあまあ
深井:今の流行ウゲデイ。このウゲデイって人にした方がいいて話を長男と次男がして。襟首掴むレベルの喧嘩したらしいよ、長男と次男が。じゃあウゲデイにするかっていって、ウゲデイになるんです
樋口:別に自分たちがなりたかったわけじゃなかったんですね
深井:まあ、これは歴史家からすると多分嘘って言ってました
樋口:へえ
深井:そんな決まり方するかな、って言ってた
楊:そうか。
深井:なんかいろんな意図が本当は裏にあって、権力闘争とかも本当はあって、そうなったのを隠してるんじゃないかみたいな
樋口:ありうるな
楊:それちょっと納得するかもしれない
樋口:さっきのおれが死んだら成都、西夏殺せみたいなやつも、もしかしたら殺したあとにチンギスの遺言のせいにした可能性もあるなとか
深井:そうかもしれない
樋口:わかんない
深井:あんまりちゃんと残ってない歴史ってこんな
樋口:こんな感じになるのか
深井:想像するしかないんですよね。で、次、次回はこれラストなんですけど。チンギスが死んだ後のモンゴル帝国についてさらっと喋る
樋口:わかりました。
深井:終わりたいと思います
樋口:いやあ、今回もボリュームたっぷりでありがとうございました
深井:ありがとうございます
楊:ありがとうございます