【ポイント】
①匿名性のある発言が史上初めて社会に影響を与えはじめた
―ネット登場以前はすべての発言に「誰が言ったか?」「発言だっ者の地位・社会的立場・経歴」が紐付かれていた。
―匿名性のある発言が社会に影響を与えるほど機能することは基本的になかったが、匿名性の発言が市民権を得たのがネット登場後の時代の特徴。
②膨大な数の発信者が出現した
―ネット登場以前では、情報が影響力を発揮するプロセスは、ある一人の偉大な発信者が多数の受信者に対して発信するというトップダウン型のコミュニケーションが殆ど。
―しかしインターネットの登場により個人の発信者の数が一気に増え、民衆だけで大規模な世論形成が可能になるなど、社会の在り方が大きく変化していく。
世界の歴史キュレーションプログラム、コテンラジオ〜♪
樋口:はい始まりましたコテンラジオ。世界の歴史キュレーションプログラム、コテンラジオ。パーソナリティーの全然歴史に詳しくない歴史弱者、株式会社ブック代表樋口聖典とそして。
深井:株式会社コテン代表の深井と申します。
樋口:そしてそして。
楊:同じく株式会社コテンの楊睿之(ヤンヤン)と申します。
樋口:このラジオは歴史を愛し、歴史の面白さを知り過ぎてしまった深井さんを代表とする
株式会社コテンの方々と、歴史弱者、歴史無知人間、歴史に学ばない愚かな、もうオレこれ毎回嫌になるんすよね読んでて。
(笑)
樋口:愚かな現代人代表の私樋口が、歴史上の人物や出来事を半笑いで学んでいく歴史の、世界の歴史キュレーションプログラムです。まあ要するに学校の授業ではなかなか学べない、国内外の歴史の面白さを学んじゃおうという番組となっております。
今回12回目、♯12なんですけども、前回の収録ではスパルタとというテーマで話していきましたけどもどうでしょう?何か反響ありましたか?
深井:またさらに前回より反響はあったね。
ヤンヤン:反響はありましたね。
樋口:あららら、どんなご意見を頂きましたか?
深井:一番人気だったのは。
ヤンヤン:性事情でしたね。
(笑)
ヤンヤン:みんな好きなんだなと。
樋口:それはね、やっぱ時代を超えますよね。人間の本質、突き詰めると性事情にいくっていう。
深井:そうですね。
樋口:なるほどなるほど。再生回数もやっぱ性事情が一番?
深井:伸び方が性事情が一番すごい。
(笑)
樋口:ニョキニョキ大きくなってました?
ヤンヤン:おそらくでしょうけれども、女性の視聴者が増えたんじゃないかと。
(笑)
樋口:どっちかなぁ。
ヤンヤン:どっちかな、どっちもあるか。
樋口:でも嬉しいですね。あとやっぱ意外な個人的なアレですけど、樋口さんとコテンのお二人が繋がってたんですね!みたいな。
深井:あーなるほど。
樋口:そうそう。普通に聴いてたらこれ樋口さんだったんですね!みたいな。聞いたりしていて、そういう意味では福岡でね会社をやるっていう上では、結構ありがたいなっていう。
深井:良かった良かった。
ヤンヤン:使っていただければ。
樋口:そうなんす、そうなんすよ。ということでございまして、早速今日のテーマをね。たいぶボリュームありそうなんで、早速入っていきたいと。
深井:いやー、楽しみですね。
樋口:思います。ということで今回のテーマは『オレ達人類のコミュニケーション史』です。今回はコミュニケーションに焦点を当ててみたいと思います。過去、人類がどのようにコミュニケーションをとって生活していたかっていうのを掘り下げていきます。もちろん人類が始まってからつい最近まで、スマホはもちろん電気さえもないって時代っていうのがあったんですけども、我々の祖先はどのようにしてコミュニケーションをとっていたのかっていう、その歴史っていうものがね気になると。ということでございまして、えーちなみに昨今SNS、いわゆるねソーシャルネットワークサービスですか。とかの台頭ありますけども、お二人から見てどう見えてますか?
深井:そうですね。やっぱりコミュニケーションってテクノロジーの歴史ともいえるところもあってですね。
樋口:はいはい。
深井:こういう技術が出てきてコミュニケーションがこういう風に変わるから、人間の考え方と社会が変わっていくよね、みたいなところにポイントつけて喋っていけたらなと思ってるんですけど。
樋口:なるほど、なるほど。
深井:インターネットの登場というのは、まさに現代の大転換点。
樋口:えー。
深井:なんですよね。例えばその印刷とかモールス信号とかと同じくらいのインパクトか、それ以上のインパクトがあるなっていう風に思っていて、端的に言うと一番の変化点としては、自分が発信者であるっていう人の数がめちゃくちゃ増えた。
樋口:そうか、だからそれまでは受け取る側が多かった。
深井:圧倒的に受け取る側が多くて、発信者っていうのは社会的にある程度の地位があるであるとか、自分が喋っている領域に関する何らかのスペシャリストであるとか。
樋口:うーーーーーん。
深井:もしくはそういう代表。何かを代表する人が喋るっていうところが、全部だから発言とその人の地位とか俗人的な、属性が結びついた状態で喋ってた。
樋口:は〜〜〜、〇〇はこうである。(〇〇)ダンッ!ダン!がついてたっていう、証明がついてたんですよね。意見に全てが。
深井:それに初めて匿名性が出てきて、その匿名性の情報に価値がある、みたいになったのが現代が初めて。
樋口:じゃ2chとかもろに。
深井:もろにそうですね。ってかあれがホント、結構歴史としてはデカいと思います。
樋口:ハァ〜〜〜、ひろゆきさん!ひろゆきさんは相当歴史変えてるんですね、あの人。
深井:だからインターネットの登場から結構時間経ってますけど、別に匿名性って最初なかったんですよ。
樋口:はいはい。
深井:インターネットも。
樋口:確かに〇〇のホームページっていう。
深井:元々軍事目的で発明されたものなんで。
樋口:そうなんですか。
ヤンヤン:軍事と学術ですよね。大学間で研究データを共有するために、開発されたものだったんですよ。
深井:だけど匿名性っていう概念が出てきて以降は、だいぶ人間に対しての影響力は変わりましたね。自分で発言する今、またブログとか流行り始めてますけど。第二次ブログブームみたいになってますけど。
樋口:そうなんすか。
深井:なんかそんな気が勝手にしてます。noteとか流行ってるじゃないですか。
樋口:noteはね最近出てきた。
深井:あんな感じなものも出てきてるのも、すごく現代の特徴ですよね。
樋口:確かに僕、インターネットとどういうところで出会ったかっていうと、バンドやってた時なんですよ。バンドやってた時に自分のライブの告知って、ちょうど僕らが出てきた時って魔法のiらんどとか、iモードとかで。
ヤンヤン:あーはいはい。
樋口:iモードのサイトとか出てきた頃なんですよ。逆にそれまでどうやってたのかな?
っていうくらい普通に使ってたんですけど。bbs、bbsか。
深井:bbsかなぁ?bssかbbsかどっちか。
樋口:それは曖昧なんですよ、掲示板ですよね。
深井:懐かしいですね。
樋口:そういうので告知してたんですけど。で、ホームページ作ろうってなったら自分でHTMLを勉強して、プログラムを勉強してデザインをやらないといけなかったんですけど。mixiの登場が僕ん中では相当な衝撃。
ヤンヤン:あー、そうでしょうね、確かに。
深井:そういうmixiの登場みたいなのもすごくインターネット特有だし、新しいコミュニティ形成の形じゃないですかあれって。その前までの時代に、そんな土地を超えて年齢も超えて、同じ趣味で集まるとか同じ考え方で集まるってことは、基本的に出来なかったんだけどまさかできるようになったっていうのもそうだし、さっき言った匿名性の話をもう少し言うと、それまでの人たちっていうのはコンテクストだったんですよね。ちょっと言い方変えないと。
樋口:コンテクスト?なんすかコンテクストって。
深井:何かの意見を例えば言ってるとするじゃないですか。それはもう何でもいいです、何かの意見を言ってます。それはその人はずっと、例えばそれについて何かの意見をしていて、そういう然るべき例えば団体とか組織にも入っていて喋っていて、そういう文脈が。
樋口:文脈っすねコンテクスト。
深井:連続的文脈がある中で、意見が出てくるっていうこと以外の意見の出方って基本的になかったんだけど、今はいきなり誰かもわからない人がバンて喋って、その言葉だけが先行して走っていってまとめサイトにまとめられて、世論になっていくみたいな。属人性から離れた発言が増えていって、昔は誰が言ったかがめちゃくちゃ大事だったけど、今は言ったことが先にあってそれを誰が言ったかみたいな順番逆になってきてる。
それはインターネットの匿名性的な匿名の登場によって、そうなっていってるんじゃないかって思います。
樋口:それだけ聞くと、あのー影響力のある人が意見て強いって、普通に生活してたら思うんですよ。例えば会社だったら必ず社長の意見が一番強くて、例えば自分が尊敬してる人の言った意見てやっぱりガーンてくるじゃないですか。でも実はそれって本当の本質ではない部分もあって、説得力を排除した時ってそういう意味ではいい時代になってるとは思うんですけど、デメリットとかってあるんですか?
深井:そうですね、だからそのみんなが意見を自分の地位とか立場にかかわらず言ってそれが取り沙汰されるっていう意味では、みんなが言いたいことを言えてるって意味ではいいですよね。
樋口:しかも本質をちゃんと見極める。
深井:言葉を見てくれるっていう意味ではその人が言ったからとかじゃなくて、内容を見てもらえる時代になっていってるって意味では良いんだけども、一方でそのコンテクスト上に載ってないのに言っちゃう人が出てきますよね。例えばそれについて何かのニュースについてって別によく知りもしないし。
樋口:あーなるほど。
深井:そういう基礎的情報を持ってもいないのに、感想で何かバンて言っちゃう。言っちゃったことがめちゃくちゃ広がって世論になっていくみたいな。
樋口:うわ〜そっかぁ。
深井:この技術とこの匿名性による失言だと思う。だからこれに名前がついてたら、そういう広がり方はされなったはず。
樋口:名前がついてたらってのは?
深井:言った発言に。
樋口:署名がですね。
深井:誰が言ったのか、そうです。
樋口:はぁ〜。ってことはなんかあれですね、言葉のテクニックが上手い人がまたちょっと強くなるかもしれないですね。同じ意見でも普通にいうよりも、面白おかしく言ったりとか
言い回しが上手かったりとか、そういうなんて言うんですかね誰が言ったかじゃなくて、言葉自体のテクニックがあると。結構僕SNSとかで見るとなんかこう、何かのキャラクターに模して言ってたりとか。
ヤンヤン:そうですね。
樋口:一時期サザエさんbotとかあったじゃないですか。スナフキンのなんかなりきって言ってたりとか、そういうテクニックがまた力が出てくるのかなと。
深井:そうですね、それも特徴でしょうね。
ヤンヤン:色んな意見が出てきたけれども、深みがその分薄くなったっていうのはあるかもしれないですよね。昔で発言してるさっき深井くんが言ったように偉い学者とか宗教家の人がある種責任、社会的な立場を持ってリスクを背負って発言してるわけじゃないですか。今は別に責任取らなくても良いし、例え自分が投げた言葉が炎上しても自分は匿名性によって守られてるから、罰則されないんですよ。今では特定されることもあるでしょうけれど、そこがやっぱり良いか悪いかは別として、意見が検証されることがなくなった機会が失われていったのはあるよね。
深井:まあそうですね、そんな感じで今SNSってかインターネットの話をしましたけど、コミュニケーションっていうもの自体は、すごく人の思考回路をものすごく司ってるというか影響を与えていて、それが一番、一番人類にとって一番でかいインパクトは実は文字の出現なんですよね。
樋口:なるほど、そうかそうか。
深井:文字が出現したときにめちゃくちゃ考え方が変わっていくんですよ。その後の技術っていうのは、例えば印刷であるとか色んなものがあるんですけど、モールス信号とか印刷とか飛脚が情報をどうやって伝えていくかとかそれはあるんだけども、全部その結構延長線上
、その変革の延長線上にあって、その文字による思考の変遷みたいなのが結構もう近代になってやっと完成していくんですよ。
樋口:ふ〜〜ん。
深井:文字が出来てからもう何千年も経ってますけど、結構ほんと最近までずっと変遷の途中だったんですよ、文字による。それがだいたい終わってきて今、そこから新しい動きになっていってるってのが、まさにいま言ったインターネットであるとか。
樋口:なるほどな。
深井:ちょうどマスメディアくらいからの登場くらいから、もういきなりもっと次のステージみたいになってきてる感じ。
樋口:うわ、ちょっとこれはもう冒頭からいきなり興味をそそられる話ですけども、ちょっと次回からですね、項目立てて一つずつお話出来ていければと思います。ありがとうございます。
深井・ヤンヤン:ありがとうございます。