【ポイント】
今回のテーマは、「ヤバ偉人列伝」吉田松陰。
弟子たちをはじめ、周りの人々の心を動かし続けた吉田松陰。
そんな松蔭の「感化力」について語ります。
コテンラジオ〜♪
樋口:はい、始まりましたコテンラジオ。世界の歴史キュレーションプログラムとなっております。私はパーソナリティーの株式会社ブック代表樋口聖典です。そして。
深井:株式会社コテンの深井龍之介です。
樋口:そしてそして。
ヤンヤン:同じく株式会社コテンの楊睿之です。
樋口:このラジオは歴史を愛し歴史の面白さを知り過ぎてしまった深井さんを代表とする株式会社コテンの方々と、歴史に関しては全くのど素人、歴史弱者の私樋口が歴史上の人物や出来事を半笑いで学んでいく、世界の歴史キュレーションプログラムです。という事で早速前回の続きに参りましょう。ヤバ偉人列伝〜。歴史に名を刻んできたあなたの偉人達、さぞかし立派な人物なのだろうと思ったら大間違い。偉人なのにヤバい、むしろ偉人だからヤバい。そんなヤバい偉人、通称ヤバ偉人を紹介するコーナーですという事でございます。宜しくお願いします。
深井:お願いします。
樋口:前回に引き続き今回は同じヤバ偉人さん、吉田松陰です。ということでございまして前回も結構ぶっ飛んだエピソード、脱藩したとか暗殺を企てたとか、キーワードだけで結構ぶっ飛んでるエピソードを色々聞かせて貰いましたけど、どうなんすかね。こんなもんじゃないんじゃないかっていう。
深井:そうですね。まだ何割だろう、1%ぐらい。
樋口:1%!?
(笑)
樋口:0.1はまだ。
ヤンヤン:もうネタしかないですからね、この人。
(笑)
樋口:歴史のプロのね、二人が語る吉田松陰という事でございまして、早速いっちゃいましょうか。大丈夫ですか?
深井:大丈夫です。
樋口:ではヤバポイント2つ目、どうぞ。
深井:吉田松陰は感化力がヤバい。
樋口:感化力。
深井:人の心を動かしまくりますね。
樋口:なるほど。感化させるの感化力って事?
深井:そうですそうです。
樋口:実際どういう事を?
深井:めちゃくちゃいっぱい、弟子が総理大臣とか大臣なったっていうのがまさにそれなんだけども、端的に分かり易いやつは吉田松陰って逮捕されてるじゃないですか。何回か逮捕されてるんですよ。そのまんま刑務所に行くんですよね。吉田松陰が刑務所に行ったら、刑務所の看守とか囚人が全員吉田松陰にめっちゃ影響されて、勉強し始めて、日本の将来について全員で議論し始める、みたいな事が何処の刑務所でも起こるみたいな。東京でも起こったし、江戸か。
ヤンヤン:そうだよね。
◦ 樋口:なんか逆ミイラ取りがミイラになる、みたいな。
深井:護送される途中とかでね。護送してる籠持ちの人たちが全員影響されて、吉田松陰と一緒に日本の将来について考え始めるとか。
樋口:相当感化してるっすね。
深井:相当感化してますね。で野山獄って所に入れられるんですけど、吉田松陰。
ヤンヤン:萩のですね、萩の牢屋です。
深井:萩の牢屋に入れられるんですけど、そこで色んな囚人がいるんですよ。若い人からほんとにもう何十年もここにずっと囚人としています、みたいな。当然その囚人で何十年もいるんで、自己肯定感もめちゃくちゃ低いし絶望してるみたいな人たちが。
ヤンヤン:人生どうでもいいみたいな。
深井:どうでもいいみたいな人たちがいるんですけど、吉田松陰がそこの獄に入れられて勉強してるんです、まず吉田松陰は獄中で。しかも声に出して読む、孟子とかを。で孟子とかを読んでてなんだろうね、みんなも一緒に勉強しようぜ、みたいになるんですよ、途中から。
ヤンヤン:普通言わないですよね。
深井:言わない。
樋口:シェアの精神が。
深井:この人はとにかく人の才能を見出して、開放させる天才なんで。
ヤンヤン:あーそうだよね。
深井:ホントに。それで全員開放されていったから、才能が。
樋口:へぇ〜。
深井:囚人だろうが子どもだろうが、看守だろうが関係ないんですよ、吉田松陰。囚人に君はどう思うの?みたいなことを言うの。
樋口:囚人に対して。
深井:囚人に聞くの。それを言ったら、それ素晴らしいその意見超いいわみたいな話をして
、囚人もおっ!? みたいになっちゃうじゃないですか。
樋口:褒められたみたいな。
深井:褒められたぞみたいな。
樋口:なんや!?このおっさんみたいな、なりますよね。
深井:君のここがすごい、みたいな話をすごいして。それで全員で全員絶望してたんですよ。
樋口:なるほどなるほど。
深井:途中から、全員で本気で勉強し始めるんですよ。
樋口:ほぉ〜。
ヤンヤン:普通の人は出来ないですよね。
深井:あれだよ、出獄出来るかどうか分かんないですよ、全員。
樋口:もしかしたら一生いるかもしれない。
深井:そのままそこで死ぬかもしれないのに、全員勉強し始めるんです。
樋口:ほぉ〜。
深井:急に。っていうことを何回も起こしてるんです。
樋口:いや〜、マジでちょっとボイスレコーダー録りたいですね。どんなこと言ったら
そんなに人のモチベーションとかを。
深井:結構残ってるんですよね、何言ったかって。
樋口:へぇー。
深井:ちなみに。
樋口:うわ見てぇ。それとか、だから勉強すれば色々書いてるんですね、本とかに。
深井:いっぱいある。だから例えば不良がね、吉田松陰の松下村塾に不良が3人いるんですよ。そのうちの1人が吉田松陰にずっと反抗してたんですよね。
樋口:反抗。
深井:反抗してました。自分で来てるくせに反抗してて、そしたら吉田松陰がオレにお前はなんかこう不満があるんだね、と。不満があるんだったらオレに反抗するようなことをするなと。天下に向かって反抗しろと。
樋口:かっけえー。
深井:世の中に向かって本当に不満があるんだったら、ちゃんと世の中に向かって反抗しなさいと。君がそうやって何かを考えてやっているんだったら、僕はそれをほんとに応援するから。こんななんか村の塾のここで、オレに反抗するみたいなそんなスケールの小さいことはするなって。
樋口:おぉすげえな、かっけえ。
深井:そういうことを言う、みたいなことがたくさんある。
樋口:それだってヤンキー言われたら、やってやるよコラァってなりますもんね。
深井:なるし、オレがすげえなって思うのが、村のヤンキーに天下について真顔で言うっていう。
樋口:ヘェ〜、諦めてないんですね。
深井:諦めてない。だからすげえんよ。
樋口:分かると思ってるんですね、ちゃんと。
深井:そうなんです。
樋口:どんな人でも話せば分かるって。
深井:10歳くらいだよ。子どもだよ、しかも相手。
樋口:だからナメてないんですね、人のことを。
深井:ほんとその通り。
ヤンヤン:人の可能性を、なんだろうね100%信じ込んでる感じ。牢屋とかに入っててですよ。みんなこう腐ったような人生を腐ったような人たちがいて、で当たり前のように、おい そこのお前ちょっとこっちに来て人生の意味について語ろうぜ、って普通に真顔で言いますからね。
樋口:ヘぇ〜。
深井:課題とかも全部そうだよね。松下村塾で出してる課題とかも、全部そういう考えて、
お前のなんかこの考えを聞かせてくれみたいな課題ばっかり。知識とか問わない。
樋口:教えるんじゃないんですね。
深井:じゃない。
樋口:考えさせるっていう。
深井:ほんとそんな感じ。
ヤンヤン:今で言う、流行りのアクティブラーニングとかあるじゃないですか。あれ最初に初めたの松陰ですからね。
樋口:かっけえー。
深井:そうね。
樋口:へぇ〜。
深井:そう。手紙とかもいっぱい書いてるんですよ、松陰は弟子に。往け、晋作みたいな。
樋口:高杉晋作。
深井:晋作のこと晋作って呼んでないからそう書いてないんだけど、往け何々みたいなから始まるんですよ、手紙が。かっこいいんですよ、なんか。
樋口:なるほど。
◦ 深井:だから、往くわ!と思ってオレもそれに。
(笑)
樋口:往け!龍之介!
◦ 深井:往け!龍之介って言われたらオレも往くよね。往け!とか言われたら。
樋口:でもやっぱりその、まず言葉が巧みだったってのが一個あると思いますよね。
深井:綺麗だよね。
樋口:っていうのとやっぱりカリスマ性というか、その人が言うんやったら本当だろうっていう説得力があったんでしょうね。だって街にだぁ〜っている訳分かんないおっさんが、宇宙の仕組みはなぁこうなってんだって言われたら、こいつヤバってなるじゃないですか。でもたぶん。
(笑)
深井:ちょっと面白かった。
樋口:宇宙はお前ぇ、全部お前ぇ物質で出来ててぇ、みたいなこと言われてもなんやこいつって思うじゃないですか。でも松陰が聞いてくれと。君!こうこうなってるから君はこうするべきなんだって言うと、ズーンってくるんですよね。色んなたぶんカリスマとか言葉の重さとか。
深井:ズーンてくること言うんですよね、この人は。
樋口:言うんでしょうね、いやぁ素晴らしい感化力。って言うか僕、2人に感化されました。
(笑)
樋口:なるほどなるほど。ちなみに感化力で言うと、まだあったりするんですか?
深井:いっぱいあるけどね。じゃあヤンヤン、言いたいこと言って。
ヤンヤン:その感化力。彼が教えた人たちに対する感化の一つの結果なんですけど、みなさんご存知の松陰て、処刑されるんですよね、最終的に。(松陰が)処刑された後の弟子たちが、先生が死んだっていうことで、弟子たちがばったばたと死んでいくんですよね。
樋口:死んでいくっていうのは自害?
深井:自害じゃなくて、覚醒していくんです。
ヤンヤン:覚醒していくんですよ、最後の幕末の。
深井:維新に向けてね。
ヤンヤン:今まで松陰が首相暗殺って言った時に、ちょっと先生待てよみたいなって言った人たちが、先生が死んだ事によって、これちょっとオレ達も死なないといけんじゃねえの?みたいな。
樋口:プッツンくるんすね。
ヤンヤン:そうなんですよプッツンくるんですよ。それくらい感化してる。
深井:目の前ですごい死に方してるから、吉田松陰が。あぁ!みたいな。
樋口:それ見てるんですか?死ぬ時の。
深井:処刑を見たかどうかはアレだけど、死体を片付けたりはしてる。
樋口:うわぁ、だから結構リアルに間近で見てるんですね、死を。
ヤンヤン:自分達が、先生がバァーって行こうとした時に止めたっていう罪悪感とかもめちゃくちゃあって、しかも松陰が死ぬ前に手紙とかを書くじゃないですか。手紙の中で死ぬ寸前ですよ。死の寸前でも弟子達のことを、お前はこうこうこうだね、お前はこういう風にもっと頑張った方が良いよって、死ぬ寸前も全部それを書くんですよ。それをもらったまんま
師匠が死んでいくっていう。もう死なないといけないみたいなそういう人が多いですよね。
樋口:だって死ぬ直前に、自分のことじゃなくて弟子のこと考えてるということですからね。
深井:だからなんかイエス・キリストにそっくり。
樋口:え、そうなんですか?
深井:イエス・キリストが処刑されて、直前(弟子の)全員が裏切ってるでしょ。ユダとかも含めてペテロとかも裏切ってるんですね。
ヤンヤン:似てるよね。
深井:裏切ったのにイエスが処刑された後、全員覚醒してキリスト教布教して殉教してくんです、みんな。
樋口:へぇ〜。
深井:あの構図にそっくり。
ヤンヤン:確かにね〜。
樋口:だから日本のキリストなんですね。
深井:と言ったらなんかね、色んなこと言われるから。
(笑)
樋口:ヤバイヤバイ、その辺の感覚が分かってないんで、ちょっとこれくらいにしときます。ヤバイエピソードということで、残念ながらお時間がね来てしまったということで、続きはまた次回。よろしくお願いします。
深井:ありがとうございます。
樋口:ということでエンディングでございます〜。2回にわたってね、ヤバエピソードっていうのを話してきましたけど、実際まだいっぱいあるんじゃないですか?
深井:いっぱいありますね、いっぱいあるけど。
樋口:色々聞きたいな。
深井:吉田松陰ね、若くして死んでますから。
樋口:へぇ〜、だから物凄い密度でやってるってことですよね。
ヤンヤン:そうですそうです。
樋口:本当は全部聞いていきたいところですけどもちょっとお時間の方がきたということがございまして、世界の歴史キュレーションプログラムコテンラジオは毎週木曜日にお送りしております。ということでございまして、それでは次回以降もよろしくお願いします。株式会社コテンのお二人、ありがとうございました。
深井・ヤンヤン:ありがとうございました。
樋口:また次回。