#55 プロセスエコノミー 〜デジタル社会を生き続けるボクらの物語〜 ゲスト:尾原和啓(IT評論家)(前編)

【今回の内容】
今回のゲストは尾原和啓さん/たくさんの経歴/尾原さんと深井さんの出会い/COTEN RADIOパーソナリティの第一印象/越境的に多様な人と出会う/一体何者?真のフリーター?/尾原さんが語るCOTEN RADIOの魅力/時代の羅針盤としての歴史/アンラーニングの難しさ/時代の構造と英雄と化学反応/歴史を好きになるリスナーのパターン/COTEN RADIOどの話が好き?/時代を生きていくのに必要なマインド/尾原さんが語る「アフターデジタル」と日本の展望/時代によって活かせる価値/次回プロセスエコノミーへ

楊:はい、ええそれではコテンラジオ番外編を始めたいと思います。

樋口:お願いします。

深井:お願いします。

樋口:さて、今日の番外編はまたまたゲストをお招きして色々とお話を聞いていきたいと思います。ということで早速ご紹介しましょう。IT評論家の尾原和啓さんです。お願いします。

深井:よろしくお願いします。

尾原:はい、お願いします。嬉しいです。

樋口:いやあ、ちょっとこれ、今実は性の歴史シリーズをやってるところなんですけども。

深井:最中。

樋口:急遽、急遽尾原さんに出ていただきたいということになりまして。

尾原:性のど真ん中にプロセスエコノミーいきましょう。

樋口:すですね。性はプロセスエコノミーだということで出ていただこうと思います。まず簡単に僕のほうからプロフィールの紹介をさせていただきたいと思います。まず京都大学院で人工知能を研究、マッキンゼー、グーグル、iモード、楽天執行役員二回のリクルートなどでの事業立ち上げ投資を専門とし、経産省対外通商政策委員産業総合研究所人工知能センターアドバイザーなどを歴任。現在13職目、え、13。シンガポール、バリ島をベースに人事業を紡いでいる。ボランティアでTED日本オーディションBurning Japanに従事するなど西海岸文化事情にも詳しい。著書アフターデジタルは元経産大臣世耕氏より推挙されまして11万部売れました。

深井:有名ですよね、アフターデジタル。

樋口:モチベーション革命という本が2018年アマゾンキンドルアンリミテッドの年間一位を獲得しまして韓国台湾中国などで翻訳されてる。そしておそらく今日これ本題になると思うんですけど近著のプロセスエコノミーがなんと予約時でアマゾン書籍総合ランキング一位ですね。総合ランキング。

深井:これ、今だからめちゃくちゃ売れてますよね。

尾原:おかげさんでいろんな書店で総合一位とらせていただいて。

楊:僕も久しぶりに一気に集中して読めた本に出会った感じです。

尾原:まじですか。

深井:すごいわかりやすかった。

楊:そう。最後まで一気に最後読めました。

樋口:ということでなんと販売前から1万部増版が決定してたっていう。

深井:すごいですね。

樋口:すごいですね。ちょっとどうしますあと三回くらい読み上げます。みんなついてこれてます。

尾原:一回じゃわからない。

楊:本当に一人の人物の経歴なのかというね。

尾原:一言でいうとインターネットのプラットホームの始まりの歴史の始まりのところをずっと転々としてる人みたいな感じですね。

樋口:そうですよね。たぶんもしかしたら今10代の人ってiモードといわれてもピンとこないかもしれない。

深井:そうかもしれない。

樋口:いわゆるドコモのサービスで最初に携帯がパソコンになりかけた時に出てきたサービスと言っていいんですか、iモードって。

尾原:そうですね。携帯の中でそのままインターネット的な情報がとれたり絵文字使ったメールが簡単に打てるようになったってのが一番大きいですね。

樋口:ここから今のスマートフォンに繋がるといっても過言ではないことをやられたってことですよね。なんですけども、元々今回どういう形で尾原さんと深井さんは出会って今日に至ったんですか。

深井:元々は共通の出版社の方の知り合いがいて、その方に紹介いただいて六本木ヒルズのレストランでご飯食べました。すごいおしゃれなところで。

楊:おしゃれな出会い方してる。

尾原:もう、だってベンチャー界隈でコテンラジオ聞いてないやつは潜りですから。時代を変えようとする人間が時代が変わることを知らないとだめで。そういう意味でベンチャーの経営者でコテンラジオファンが多くてですね。で、僕も本当深井さんにお会いしたくてお会いしてくたしょうがなくて、ある方を経由してぜひ。

深井:本当ありがたいです。そこで知り合ってから事業のアドバイスとかずっと継続的にいただいていて、本当になんていうんですかね、インサイトの深さが深いといったら表現が浅くなるくらい深い感じで。言語表現できない。

樋口:浅いと深いとそれ喋ってるの深井さんなんでむずいな。

楊:オヤジギャグですか。

尾原:まさかのダジャレ。

深井:こんなに洞察力が鋭い方僕はリアルでは会ったことなかったから。やっぱり実在するんだな。すごいですよ本当に。

尾原:なんでコテンラジオを経営者が見ないと潜りかという話になるんですけど、結局事業とか何か新しい歴史が起きる時ってその時代の必然性が準備ができた時に個性ある英雄が現れてそこの掛け算の中で変化が前倒しになってあるところで特異点が生まれるというのがスタートアップもそうだし歴史もそうで。そうなった時になんでこんなにコテンラジオが僕は好きかというと僕はその時いたiモードの立ち上げだったりとかリクルートが紙からネットにかわる時だったりとかスマホとしてアンドロイドが立ち上げる時だったりとか日本のベンチャーがグローバル化していく時だったりみたいな。まさに技術の必然性が高まっていくつものスタートアップが起きてくるというところの裏方をプラットホームでずっとやってるので。こういう必然性とあなたという個性が掛け算になったら多分選択肢ってこれとこれくらいですよねという話だったりとか。深井さんてこういう人だから楽に儲けようとするとこんなやり方もこんなやり方もあるんだけど、深井さん絶対こっち選ばないですよね。

深井:そういうアドバイスよくもらってる。

樋口:聞きたい、それ。

深井:具体的に言ってもあれだけどもらったアドバイスが後で現象として起こるんですよ。予言ぽいんです、すげえなと思って。そこすごいなとなってます。

樋口:それだけいろんなものを見てきたからこそある程度予測ができる。

深井:そうなんでしょうね。ほんとね。

楊:ちなみに質問していいですか。尾原さんが初めて深井君とあった時にどういう印象をもちましたか。それちょっと聞いてみたい。

樋口:聞きたい。

深井:こっぱずかしいな。

尾原:そういう意味ではコテンラジオの中だとあんなに深いことを滔々と喋られる方なのでもっとアドリブ型の方なのかなと思ったらお会いしたら意外と自分の中でこちらがキーワードをやったことを中で発酵させていいものに出してくるタイプだったので。最初会って5分間でコミュニケーションを変えましたね。

樋口:え。そうなんですか。

深井:全然気づいていない、それを。

尾原:だから例えば僕樋口さんと喋るときは樋口さんて典型的な丁々発止アドリブ型なので。ポンポンねたを入れていくとコールアンドレスポンスで返ってくる喋り方をしてて、ヤンヤンさんはどっちかというと弄られる中で発揮してありえないものを出してくれるタイプなので。ヤンヤンは初対面なのに最初から弄り口調で喋って。

楊:助かります。楽しいです。

尾原:それに対して深井さんて知識が豊富だから樋口さんみたいなアドリブ型かなと最初思ってたら実はそうじゃなくて自分の中で熟成させて自分だけの言葉を紡がれるタイプだと思ったので割とタネを多めに遠めに色々置くとそことそこ拾ってそう繋ぐんだっていう。

樋口:へえ。おもろ。

深井:なるほどね、おもろいね。

楊:今まで聞いた深井君の評論の中でめちゃくちゃささりました。

尾原:だから深井さんは勝手に尾原さんが預言者だと言ってるんですけどそうじゃなくて僕はたぶん深井さんが繋げて星座にしそうな星を適当に置いてると勝手に深井さんが星座にしてくれて星座ってそこに物語が生まれるから。

深井:だから予言ぽくなるんだ。

尾原:てことをやってるわけです。

深井:なるほど。

樋口:なるほどじゃあ予言の通りに行動させられてるんですね、深井さんは。

尾原:自分で勝手に僕が置いたインサイトから勝手に物語を紡いで勝手に物語の中で動かれるから。僕が星を置いたから僕が星座まで作ってると勝手に深井さんが勘違いしてるだけで。

樋口:おもしろい。

深井:面白いね。言語表現難しい、このすごさの。

尾原:こういうのをコンステレーションというんですけど。

深井:そういう風に言うんだ。

尾原:ユング心理学の言葉だったりしますけど。

深井:尾原さんてあらゆる領域精通してるんです。まじでいろんな領域に精通しつつあと僕尾原さん本当にすごいなと思ってるところの一つは本当にいろんな人と喋ってるんです。シンプルにこれすごくないですか。

樋口:しかもその道の本当にトップクラスのプロフェッショナルの方と普通に対等に喋ってるじゃないですか。全てのジャンルと。

尾原:だから昨日も東大の量子コンピュータの研究者の方と喋ってて。

深井:だからめっちゃそういう賢い系とかすごい社会的成功してる系の人たちとも普通に喋ってるし、僕達みたいなちょっと毛色が違う人とも普通に喋ってるし。

尾原:この前もいいかねパレットで対談させていただいて面白かったですね。

樋口:深井:そうなんですよ。普通にそういうのもできるじゃないですか。全対応型なのがそういうものできるのなんだなと思って。

楊:そうだよね。違う文化圏に行き来できる。

深井:そうなるよね。だから全文化圏で会話ができてる状態だと思う、それって。別に賢い賢くないという基準だけじゃなくて。

樋口:元々まず賢くないと無理だし、賢い上でそれができるというのはもう一個あると思う。それってそもそも意識してるんですか。

尾原:そこだけ喋るとそれで一回になっちゃうんですけど。歴史って越境者が加速させるというところがあって、境から境に超えていく人たちのことを越境者という言い方しますけど。僕3歳のころから俺ここにいちゃいけない人間だってずっと思ってた。

楊:3歳。

深井:3歳、本当3歳。すごい。

尾原:そう。逆に言うとここにいちゃいけないと思うからいろんな新しいところに行くとみんなそこに馴染んでない人たちだから。まだ何も起きてない新しい場所に行った方が自分は馴染みがあって。だからずっと新しいものが立ち上がるところだけをずっとずっとふらふらし続けるということをやってるというのが僕なんですよね。だからこのプロセスエコノミーみたいなのは経済問題見ながら実は人間の成長を書いてる本だったりしますし。その手前で書いたアフターデジタルというバリバリの中国で起きてる新しいことだったりとか。ディープテックというこれから世の中を変えるような深い技術の本を書くこともあれば、東芝のデジタル最高統括してる島田さん、東芝の常務の方なんですけど、この人がむちゃくちゃファンキーで面白すぎるから本にした方がいいよって。いろんなことを越境者だから新しい人をその言葉を他の人に伝えれる言葉に変換できるので、それで言葉を紡いで物語紡いでみたいなことをやってますみたいな感じなんですね。

樋口:僕今だに尾原さんが何やってる人かを人に説明できないんです。

尾原:そうでしょうね。

樋口:まず一番わかりやすいのは評論家ですよね。

尾原:そうですね。

樋口:評論家でご自身で本も書かれてるし、いろんな評論したり対談したりされてるというのもあると思うんですけど。それ以外にもめちゃくちゃ色々やられてると思うんですけど。何者なんですか、尾原さん。説明してほしいです。

尾原:5年前まではそこで書いたようにマッキンゼーから始まってiモード立ち上げたりリクルートだったりグーグルだったり楽天の執行やったりみたいなんで、新規事業の立ち上げ、主にプラットホームの立ち上げやったり事業投資、企業買収とかをさせていただいてたんですけど。6年前からバリ島とシンガポールに自分のベースを移してそっから先はいろんな企業のアドバイスをさせていただくていうところがメインにしながら、こういう本を書かせていただいたりいろんなところの委員やらせていただいたりという感じで生きてるフリーターみたいな感じです。

樋口:スーパーフリーター。

深井:真のフリーターかもしれない。本当に。

楊:確かに。本当の意味でのフリーターだ。

尾原:そうですね。自由にさせてもらってます。本当にありがたい。

樋口:すごいな。そんだけ色々なところでいろんな活動されてるからそこだけ深い洞察されるということができると思うんですけど。そんな尾原さんに僕まじで聞きたいことがあって。めっちゃコテンラジオとかコテンという会社自体が面白いと言ってくれてると思うんですけども、何を面白いと思ってくれてるんですか、というのと、なんでみんなこんなコテンラジオとかコテンにハマってくれてるのか。いろんなベンチャー界隈の方々が。そこってどう思われてるんですか。

尾原:一言でいうと変化の時代って地図よりも羅針盤が欲しがるんです。だからもう正解が決まってる時代というのは自分が辿り着く道の地図があって、どの道を一番辿れば最短でたどり着けるのかっていうゲームじゃないですか。でも変化の時代ってそもそも大きな時代の方向性としてはこっちに行くんだけども、どう行くことが辿りつける海路なのか空路なのか陸路なのかがわからないんですよね。そうすると少なくともこういう方向に行ってはいけない、こういう方向に行く方が筋がいいという羅針盤を欲しがるわけです。じゃあてっとり早い変化の時代の羅針盤て何かというとやっぱり歴史ですよね。

樋口:過去と今があって、過去から今にこうきてるということは未来がこっちの方向にあるとか。こっちに向かうということが点じゃなくて線で理解できるみたいな。

尾原:そうです。であったり、もっと大事なことは過去から今に向かう、今から未来に向かうという時に右に行くべきなのか左に行くべきかというところの正解がない時代なわけです。その時にじゃあどっちに行くことが自分にとっての楽しさが増すのかとか自分らしさが増すのかとか、時代を持続的に変えて行く方向になるのかという正解がわからない時の右に行くべきか左に行くべきかの判断材料。それが欲しいというのがありますよね。

樋口:だからけっこうみんな迷ってたりするんですかね。

深井:本当そうですよね。

尾原:そうなんです。でも変化の時代に羅針盤を得るためには一番先にしなきゃいけないのはそれこそ手前でやってた学びシリーズが好きすぎるんですけど。

樋口:教育の歴史シリーズですね。

尾原:実は教育の中で本当は一番語りたいところなんですけどアンラーニングをどうするかということが一番重要なんですよね。なまじっか僕達って戦後ものすごい資本主義という便利でわかりやすくて拡張できるパターンを入手してしまったが故に金融資本主義から抜け出すためには金融資本主義を一回忘れなきゃいけなくて。アンラーニングをできるようになるってむちゃくちゃ難しいんです、成功体験捨てなきゃいけないから。

樋口:アンラーニングってあれですね、学んだことを一回捨てるというイメージですね。

尾原:そうなった時にコテンてある種アンラーニングの塊なわけです。ちょうどコテンで始まる歴史って前の時代が限界に来ていて、その限界の綻びが色々出て来てます、その時になんだろう例えば結局織田信長の歴史でいうと貴族というものの統治が地方で農耕がうまく行くようになったから綻びが生まれ始めていて、一方で地方の農耕の生産性が上がってきたから地方で侍として専業ができて、しかも自分の土地にとらわれず遊軍的に動かせるという兵が作れるだけの時代の準備ができて来た時にたまたま織田信長という土地の場所からそういう選択をしないと死んじゃう地域に生まれてしかも蛮勇だったからそれを勝ち得たていうさっき言った歴史の必然的な準備とそこに現れる英雄の個性の掛け算で生まれるわけですけど。まさにこの変革点というのが貴族社会から武家社会に変わっていく、しかも戦国活況気に入っていくというところをコテンラジオのいいところって貴族時代はこういう常識だったんだよね、なんだけどこれ限界にくるわけじゃないですか。だいたいヤンヤンさんがするどいツッコミ入れるみたいな。それに対して実はこういう人が現れてみたいなところでまじですかまじですかというところで樋口さんがのっけてくるみたいな形でワクワクしながらアンラーニングできる。

楊:歴史というコンテンツってそれこそ腐る程あるじゃないですか。陳腐されたコンテンツといってもいいくらい。その中でもなんでみなさんコテンラジオ聞いてくれてるんだろうなというのが僕らの間では長年の疑問だった正直。色々言われることはありますけど。

尾原:簡単ですよ。他の歴史てのは変化の点しか教えてくれない。ビフォーアフターで何と言う常識から次の常識に変わったのか。それが必然と英雄という個性という偶然というものの中で変われました。これ全部セットで語ってるというのって意外とないし、もちろん大河ドラマとか塩野七生さんの小説とかあるんですけど、あれは長すぎるから。今の現代の人にはちょっと読みづらいところもありますよね。それはドラマティックにやってるというのともう一個は英雄どうしてもドラマは英雄に着目しすぎるんですけど。コテンラジオの場合は時代の必然性という構造変化がどう起こったかという比重が割と高くて、そこに対してでも英雄の個性があるから起きちゃうよね。英雄の個性がラブリーなわけじゃないですか。というところがいろんな人を変化のさっきの話に戻しますけど、変化で次の正解が見えない時代にみんなが求めると言う話なのかなという。

深井:めっちゃわかりやすかったけど、僕、これ。

樋口:本当にそうですね。僕はやってる側ですけどリスナーなんですね、僕って。

尾原:そうですね。最高のリスナーですもんね、樋口さん。

樋口:僕たぶんコテンラジオの一番のファンだと思う、僕が。

楊:最初のリスナーですね、コテンラジオの。

樋口:僕思うのはやっぱり一人の英雄とか人とかの個性も構造の中にちゃんといれて人間てこういう構造の中だとこういう挙動するという一人称目線じゃない、神の目線で深井さんが全部を俯瞰してみてくれる。別に深井さんが神とは言ってない。

深井:シンプルに社会科学なんでしょうね、でも。

尾原:だから、でもそこがまさにさっき言った羅針盤て話になるわけです。時代の構造の変化という大きな道の分岐点にたった時に自分という経営者は右という選択をするべきか左を選択すべきがさっき樋口さんが言ったようにコテンラジオの中では歴史のヒーローが彼の個性だからたぶんこんなことやっちゃったんですよね、ちなみにでもその人その個性のせいでこのあとこうなっちゃうんですけどね。みたいなことも含めて。

深井:ホームページで僕同じことを一応言語表現してるんですけど、尾原さんの今の表現の方が圧倒的にわかりやすかった、そっちに変える、そっちに変えさせてもらおう。

尾原:これはあれなんですよ。なんだろう。ベンチャー経営者がなぜコテンラジオを好きかという理由で。

深井:そうかそうか。

尾原:一般の方はそこの英雄の個性に惹かれる人と時代の必然性の構造的理由に惹かれる説明のブレンド具合が違ってる。

深井:そうですね、人によって違いますね。

尾原:ここら辺て多分一度対談した方がいいのかな。ビリギャルの坪田さんとか、編集者の柿内さんとかと対談されるとよくて。ビリギャルってなんで面白いかというとビリギャルという本当に底辺だった女の子が大学に受かるまでていう個性のストーリーが好きな人と、一方であの中に思いっきり受験のノウハウが入ってるわけじゃないですか。ドラゴン桜とかになると受験の構造化説明が多めなんですね。だからこの構造を知るというノウハウ好きな人に惹かれる人と英雄とか時代の中で選ばれて成長していくみたいなエモいグローイングストーリー、成長ストーリーを好きな人とブレンドが人によって多分割合違うはずなので。より多い方は英雄個性成分強めなんじゃないかなと個人的に思いますけどね。

深井:そこに対しての争いもありますからね、僕の中には。そっちはドラマとかでみんなやってるわけじゃないですか。だから時代背景からさっきの尾原さんが言ってくれたやつですよね。その時代の背景とその人の個性を見ないって化学反応じゃないですか。化学反応の確率論だと思う。何パーセントかの確率でこう言う人たちが生まれてきたらこういう場所でこういうことがぱんて化学反応としてケミストリーが。

尾原:ぐぐぐって。

深井:そうそう、ばばばと起こっちゃう。それがどういう背景だったかっていう説明をずっとしてる感じなんです、コテンラジオって。

尾原:だからそこらへんの配分がすごいコテンラジオが惹きつけるということだと思っているし。

樋口:確かにな。

深井:僕達がマス向けにやらなかったのがよかったんでしょうね、多分。だからマス向けにやろうとしてるとやっぱり第1話の吉田松陰みたいに吉田松陰がどんだけ面白い人だったかという話になるんですよ、たぶん。

尾原:まあ、あれはなんで吉田松陰を選んだというところで。

深井:吉田松陰はやっぱり世界史通じてすごい面白い人だなと思ってて。あんなぶっ壊れた人なかなかいない。だからああいうところから変わっていきましたもんね、僕の好みだから、結局。

樋口:最初はテーマごとに変えてましたよね。吉田松陰は人間ストーリーでいきましょう。

深井:スパルタはどうでみたいな。

尾原:そうですね。コミュニケーション史で割と構造に振って。スパルタも俯瞰ですからね、若干。

樋口:ヘレンケラーとかガンディーとかは結構人によってみたいな、ヒトラーもそうか。最近でいうと織田信長とかってたぶんドラマの織田信長的なやつを期待してる人ってちょっとイメージ違うのかなと思って。

尾原:だって織田信長のシリーズなのに織田信長が出るまでに三回かかります。

深井:そう。最後らへんにしか出てこない。あれはね、なんていうか記録めっちゃちゃんと残ってる人とそうでもない人がいる。

樋口:まあね。

深井:そう。残ってる人はやっぱドラマティックで言えたら言いたいです。やっぱり自伝とか残してる人とそうでない人で違う。

樋口:だからどのシリーズが好きかとかどういうところが好きかってリスナーさんによってめっちゃ違う。

深井:それも面白いですね。

尾原:コテンラジオ解説したらいくらでもできて。あとコテンラジオの場合は英雄も弱さに着目するので。

楊:へんに持ち上げないからですね。

尾原:どうしてもドラマで基本持ち上げてその人のラブロマンスとか人間関係の中での弱さは出すけどヒーローとしての弱さはあまりださないんですけど、コテンラジオの場合って英雄もこういうダメなところがあって、でもたまたまカバーされたんだよねみたいな話だったりとか途中でボロが出始めるみたいな話。

深井:そこも気をつけてますからね。

樋口:ガンディーがめっちゃ家族を不幸にしたみたいな話めっちゃ好き。

楊:でも割とそうです。吉田松陰の時からもうその辺のスタンスというか感覚というのは僕らの中では共有してて偉人前提で語るというよりも偉人てよくよく勉強したら普通にみんなやばいやつらだよねとか社会にあまり適合できてないんじゃないと普通にナチュラルにそういう結論に至ってじゃあそれを話そうというのがスタンスとしてありました。

深井:あんまり神格化的に見ないようには頑張ってやってる。

尾原:なので、話戻すと経営者からするとそう言うところも含めて自分の羅針盤を鍛えるのにすごくいいし。もっというと変化の時代って全員が経営者にならなきゃいけないんです。

樋口:はあ、はいはい。

深井:すごい思います。

尾原:時代のルールが決まってる時って他人が作ったルールの中で一番ゲームを攻略できる人間が強いからだから官僚がすごかったりとかするわけで。でも変化の時代って自分でゲームのルールを作りなおせる人が生き残りやすいので、そうすると全員が経営者になってきますよね、変化の時代は。

樋口:そうなんですよね。会社員の方でも経営者マインドがないとってことですね。

深井:そうですよね。

尾原:そうです。

樋口:立場的に。

尾原:少なくとも副業が認められてるてことは自分のメインの会社員としての仕事とサブの仕事って、ポートフォリオ、なんの組みあわせ考えてるんですか。これ一つとっても経営ですから。そういう意味で全員が経営者になっていく時代の中で個人が歴史の羅針盤を自分の中に内在化するしいろんな歴史は過去の常識を上書きしてきたものだから、自分がたまたまこの30年とか40年成功したパターンてたまたまなので次いかようにでも上書きされるんだということを楽しく学ぶ中で。

深井:そうですね、それがアンラーニングてさっき言ってもらったやつだなと思います。上書きできる能力というか手放して上書きしていくとか。今の自分が超信じてる成功法則がどういう条件のもとだとそれが機能するかということを俯瞰してみれてる。こういうのが大事な時代だなと思います。これが絶対だ、これが正しんだみたいな感じじゃなくて。これが正しいのこういう状況とこういう状況でこういう社会だからだみたいな。そこがすごい大事だなという気がしてますね。

楊:確かにね、普通に自分の成功体験に対するスタンスとしては俺が優れてたからという結論になりがちなところでそういう考え方、一歩引いた俯瞰的に分析してみるというのが確かに重要だよね。

尾原:特に日本てものつくり大国としていっぺん昭和で焼け野原になったのに東洋の奇跡と呼ばれるくらいの50年の躍進てすごかった。もちろんここ10年15年くらい失われたと言う話はあるにせよやっぱり戦後の登り方半端なくすごい時代にハマった。でも逆に言うと時代にハマったら危険なわけです。時代のルールが変わった時に過去のルールにしがみついちゃって次のルールにいけないから。だからコテンラジオは40代以上の人は日本人全員見た方がいい、本当に。

深井:是非。是非。

尾原:だから僕は実はここ最近の売れてる本て全部この法則で書いて。

樋口:どういうことですか。

尾原:だからアフターデジタルも日本てメーカー大国として生まれてきて成功体験もってる。アフターデジタルで書いたことは何かと言うとみんなリアルにいるときもみんなスマホ見てる。具体的に言うと旅行にいくときって事前に旅行も決めずに現地に行ってからスマホでどこにいくか決めて、しかも行った場所でスマホでInstagramとか見て一番インスタ映えするとことに行ってお店の中に入っても何頼もうかとかも食べログとかグーグルマップのメニューみて一番いいものを食べようみたいに。もうリアルのインターフェースが全部スマホになってきてるんです。そうすると何が起こるかというと逆にものの作り手からすると今までって車をはいって渡したらそこから先ってそんなにお客さんと接点持てなかった。例えばテスラて今車を買ってから後からアップデートされて性能よくなったりするんです。充電がよくなったりとか自動運転がついたりとか。そんなふうにネットっていうのは今まで点でしかお客さんと向き合えない、ものを売ったら終わりというものからむしろものを渡すのは始まりでものを売ってからずっと繋がっていく中でいろんな事ができるんだよということをビフォアーデジタルだしアフターデジタルということで本を書いたんですけど。そしたらなんでこれがウケたかっていうと、今まで日本て点で渡しますというものが失敗しないし安いし高品質だから日本てメイドインジャパンていわれてめちゃくちゃウケてた。だけどこれのメイドインジャパンの力が残念ながら今や中国製とか東南アジア製とかそういったものの製品と差がつかなくなって、むしろ負けてきていて。だけどお客さんと線で繋がれると考えたら日本てもともとおもてなし大国だからずっとお客さんを線で繋がることでお客さんを先回り先回りしてあげるということを考えれば日本に力ってむしろアフターデジタルの方がもう一度強くなるんじゃないかということを書かせていただいたら前の前の経産大臣の世耕さんからこれって日本の進むべきデジタル化の道しるべだよねみたいな。めっちゃうけたんです。

樋口:なるほどな。

深井:希望があるのがいいですね。

尾原:そう。アンラーニングをお前もうだめだと言うとアンラーニングてしにくいんですけど。今たまたま前の時代の成功方程式がダメになってるけどでもね実はあなたの奥にあるおもてなしの精神をもう一度表に出せば次のゲームでも成功者になれますよという言い方をしてあげると喜んで次の。

樋口:なるほどですね。

楊:視点を変えて捉えてみるということ。あるものを。

尾原:だから今まで表に出てた強みのゲームはもう負けゲームになってる。実はこの裏側にある日本人らしさみたいなのをもう一回表に出すと実は次の時代日本が世界をリードできるよという書き方をしてあげると喜んで次の冒険をしたくなるんです。

深井:そうですよね。

樋口:うわあ。僕歴史で学んだやつで面白いなと思ったのが中国ってずっと官僚制がめちゃくちゃ強固で完璧にできてるからそれで勃興した時代とそれによって遅れた時代ってある。例えば産業革命が中国で起こらなかった理由てのは中国の官僚制がすごすぎたから貴族の力よりもあっちの力の方が強かったからってのが確かありましたよね。俺学びました、コテンラジオで。

深井:貴族の力が強かったからですね。だからブルジョアジーが育たなかった。

樋口:そういうのがあったと思う。それって中国ってずっと性質変わってなくて、変わってったのは環境で環境が変わることによって同じ性質がメリットになったり時にはデメリットになったりとか。だから日本の今のさっきの話もまさにそうだと思って。日本はずっと線で捉えておもてなしの心を持ってたというのが一回デジタル化をすぐしちゃった時にデメリットとして働いちゃった。でもさらにずっとずっとアフターデジタルでITで繋がってる世界になるとそれがまたもう一回くる。だから何も変わってないのに時代が変わると勝手に自分の価値が変わっていくという流れを感じるというのが面白い。

尾原:ものつくりの良さで勝ってた時期があって、ものつくりってのがハードウェアの作りじゃなくてネットの中のものつくりになった時に日本ここが弱いからアメリカにぼこぼこにされちゃったんだけど。アメリカがネットの中のものつくりが終わってずっと人と接触し続けるようになると日本のおもてなしの強さが立ち上がってきて、日本強くなりますね。たまたまインターネットの立ち上がり15年だけはインターネットものつくりの時代だったからアメリカさんにバトン渡したけど彼らがユーザーと繋がり続ければオッケー。

深井:自己否定をしなくても次のステップにいけるのがいいですね、今の話。自己否定してるじゃないですか。日本て自己否定の歴史だなと思っていて。基本的に外来の情報すごく高貴なものだと思ってる。だからアメリカのシリコンバレーで行われてることがどれだけ自分たちより明らかにすごくて、これはすごいぞと思ってる。今の話のいいなと思ったのは我々の中にオリジナリティで当然ですけどいいところがあって、それをどのように今の時代に生かしていくのかという視点を持つ。シンプルにアメリカの進んでるグーグルというIT企業みんなで真似しようみたいな話ではなくてということですよね。

樋口:そうだそうだ。

尾原:だからそれがコテンの構成と似てると思ってるんです。だから時代の構造把握をちゃんとすればその構造の中で自分の個性の輝く部分があるよということを言ってるわけじゃないですか。

深井:本当そう。だから教養を勉強した方がいいと僕が今言ってるわけですね。めっちゃ言語化されますね。

尾原:だから教養てリベラルアートなので、リベラルアートて自由になるための技術なので。自由て何かというと自分が好き勝手やることが自由じゃなくてその時代にどういう構造が何を輝かせるかと言うことを理解した上で、じゃあそこで自分が奏でるわけです。だからギリシャの時代にやっぱり音のハーモニーの理論みたいなことをリベラルアーツとして習うのはどういう音楽が綺麗な音楽かという理論がわかってるとその上に自分のちょっと甲高い音でもこう乗せればハーモニーが生まれるねというのがわかることだから。それを同じで時代の変化という構造が理解してれば自分の歌の歌い方、自分の体の動かし方でも時代にハーモニーをのっけていけれるよっていうことは言えると思っていて。

樋口:ちょっと表現がロマンチック。おしゃれ。

楊:成功体験に縛られてるということが逆に不自由な状態ということですね。

深井:そうだね。

尾原:だから今度はその成功体験に縛られてるものパート2ということでアフターデジタルは物が出ても、ものをいいものを出すという勝負からいいものを出したものが起点でそこから次ユーザーと繋がり続けるおもてなしの世界がくるよというのがアフターデジタルなんですけど、今度逆で、もうプロセスエコノミーになるとそもそもいいものでは稼げなくなっちゃったんですよ。まずこの現実を認めようよ。なぜかと言うとインターネットがばきばきによくなりすぎて、もうメーカーの性能が上がりすぎてもういいものを作ってもすぐに同じような高性能なもので溢れちゃうから、もういいものは差別化できないから。そうするとへとへと勝負で安い勝負になっちゃうんですよね。コンビニスイーツがこんなにうまくって安い国ってないですからね。

楊:確かにそうだ。本当だ。

樋口:ちょっと、すいません。本題のプロセスエコノミーの話にくるまでに盛り上がりすぎて前半終わっちゃいます。

尾原:そうなんですよ。なので、わざわざ頑張って頑張ってストーリーラインを変えないようにプロセスエコノミーまでようやく辿り着けました。

樋口:今日、これを話すつもりで今日きたのに。

尾原:そうですよね。でもいいんです、僕はコテンラジオファンだから。

深井:すごい話なんで。ぜひみなさんにも聞いていただきたいので。次回ですかね。次回後編で、後編というか中編になると思いますけどね次回は。そこでがっつりプロセスエコノミーの話聞いていきたいと思いますんで。

尾原:はい。

樋口:ですね。一旦今日はここまでですね。ありがとうございました。

深井:はい。

尾原:ありがとうございました。

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