#44 エール株式会社 篠田真貴子さんと語る「聴く力」(中編)

【今回の内容】
聴くことの重要性に気づいたきっかけとは?/ほぼ日での経験とジョブレス期間で感じたこと/「こころの対話 25のルール」を読んで/自己認識と社会評価の解離/聴いてもらうことにより転職を選ぶ人は多いのか?/幸福の栄養素の変遷/心理的安全性って?/心理的安全性と聴くことの関係/心理的安全性と信頼は別/学び合うための心理的安全性/心理的安全性を作るテクニック/心理的安全性を保つジャッジメントの難しさ/判断軸を話し合う/ジャッジメントの前に抽象化と原点回帰をしてコンセンサスを得る/聴くことと従うこと/会社だけではない「聴いて欲しい」ニーズ

樋口:はい、ええ、今日の番外編も引き続きエール株式会社取締役篠田真貴子さんをゲストにお招きして話を聞いていきたいと思います。お願いします。

深井:お願いします。

篠田:よろしくお願いします。

楊:お願いします。

樋口:ええとですね、前回は篠田さんのプロフィール紹介がえげつないという話がまずありまして、すごいキャリア。

深井:それも深堀りしたいですけどね。

篠田:きくのかけらもないやつね。プロフィール的には。

樋口:そっからの流れで今の株式会社エールがやっている事業というところから聴くことの重要性というお話をお聞きしたんですけども。ちょっとそもそもその聴くことの重要性に気づいたきっかけの部分からお話をお聞きしたいんですけでも。何がきっかけだったんですか。

深井:うん。

篠田:いました。今ちょこっと言ったように少なくとも私が社会人になってから外資系のいろんな会社で働いてる間に聴くということに自分の意識が向く気配は微塵もないわけです。とにかくいかにパワフルに伝えるか、会議とかもいかに場を支配するか、こういうお話でも本当になんの後ろめたさもなく人の話にカットインして自分の主張を言うっていうことの研鑽を積んできてたんです。

樋口:いわゆるプレゼン、プレゼン力。

篠田:プレゼンもですし会議とかでもやっぱりそういうことじゃないんですよ、とか言って、言う。

楊:まさに議論ですね。

樋口:議論。

篠田:そうそう。ので、全くその頃は聴くということに何か自分が意識を向ける気配すらなかったって過去はあったんですけど。本当にそういうことねって意識できるようになったのはほぼ日を卒業したころからです。

樋口:ほぼ日ってたぶんみなさんご存知と思うんですけど、一応紹介してもらえますか。

深井:そうですね。

篠田:はい、わかりました。ほぼ日刊糸井新聞というウエブサイト、ウエブメディアがあって、もしウエブで検索していただくと出てくると思うんですけども、昔コピーライターであった糸井重里さんが代表をされているウエブメディアとオリジナルの生活雑貨の企画販売をやっている会社です。ほぼ日手帳という手帳をもしかしたらみなさんお店で見たことあるかもしれない、これも作ってる会社です。私はそこに2008年から2018年までいました。ウエブメディアで対談の記事がたくさんあるんです。だからその糸井さんだったり周りの同僚はその話を聞く、それがコンテンツになっていくところを近くでずっと見させてもらったってのが一つベースとしてすごく私のそういった意識にすごく大きな影響があったかなと思います。実際これを自分のことに置き換えてっていうふうになったのは、ほぼ日を卒業させてもらってすぐ次を決めちゃうと自分の視野が狭くなりそうだなと思って、そういった助言をもらったりもしたので、あえて1年仕事しないって、本当に仕事しないって決めましてぶらぶらしてた。

樋口:ジョブレス期間。

深井:いいな。

篠田:ジョブレス、

楊:何をされてたんですか。

篠田:何も、人と会って本読んで、

深井:羨ましい。

篠田:たまにカンファレンスとかで呼んでもらってたまに人前でちょっと喋ってみたいな感じで。子供が私二人いるんですけど、子供達もいるのでいきなり世界旅行とかいうような感じでもなく、普通にだいたい家にいたり、そんな感じだったですね。

深井:いやあ、いいな。自分もやりたいですね、どっかで。

篠田:いいですよ。

深井:むちゃくちゃいい。

篠田:これはこれでおすすめ、本当に。その時ですね、私なんの組織にも所属してない、そう言う意味でなんの利害関係もない人になっていって。本当ありがたいことにいろんな方がご飯食べようとかお話しましょうと声をかけてくださるんです。そこで話してると大概篠田さん次何するのとかこれから何したいのとか話になる。私は決めてないので、でも都度都度自分の心情が少しずつ変わっていくんですけど、都度やっぱり自分の感じてること考えてることをその方にお話しするんです。聴いてもらうことで自分の考えがちょっとずつ見えてくるのでありがたいなとまず思ったんです。加えて、そうやって私が話をすると結構な確率で相手の方もこちらが尋いてるわけじゃないんだけどその方のこれまでの人生の中の大きな決断とかあるいは今実はこういうことで悩んでててみたいな話をしてくださる。

楊:そこで共有させるんですね。

篠田:そうなんです。その対話があったことで私とその方の関係って一歩深まるというか、初対面じゃないわけですから、これまでもいろんなやりとりはあったけど、始めて伺う話とかそこまでは知らなかったという面を聴かせてもらって本当ありがたいなと感じることがたくさんあったんです。そういう経験をしてる中で時間があるんでいろいろ本を読んでたんですけど、その一冊、こころの対話25のルールっていう本があって、これは数年前に手に入れて読んだこともあったんです、これを再読した時に自分の感度も上がっているからですかね、基本私たちは聴かれてないですよねというところから始まる聴くということに関する本で。自分のキャッチ力がかなり変わってたので、うわ、これだわ、と私が経験してるの。こりゃすごい、と思い、そうなると他の本を読んだりいろんなものに触れても常にそういうレンズで自分が受け止めるようになるんです。その聴くということがすごいいいんだなという自分なりのポイントが集まってきて、これは今までちょっと認識してなかったけどこれはすごいわと思ってたそのタイミングで共通の知人を通してエールって会社があるんだけどと教えてもらった。これ聴くということが、私はそれまで完全に個人的な自分の体験としてしか捉えてなかったのが、これがBtoBのビジネスになってます、クライアントに例えば野村総研がいますとか、日本タバコがいます、そんなマッチョな会社に。この聴くということをお金払ってもらえてビジネスになってるって素晴らしいことだなと思ったし、なんとなく大企業の私が持ってたイメージってなかなか聴くという態度とはそうとう距離が遠い環境だと思っていたのが、あ、そういう大企業もあるんだな、変わろうとしてるんだなと感じて、その変化の変化したいと思ってるそういうところに自分なりに貢献ができるチャンスがあるんだったら、しかも聴くって私が今興味を持ってること、すごい大事だと思ってることが受け入れられる素地がちょっとづつできつつあるんだったらこれは手伝わせてもらいたなと思って手伝うというか入れてくださいということになり。

深井:へえ、誘われたんじゃなかったんですね。

篠田:私から、いきました。

深井:そうなんだ。ほお。

樋口:エール側からしたら、え、こんな人もくるみたいな感じですよね。

篠田:どうなんだろう。でもね、変な話すごい、私にとってもよかったので、その割とおかげさまでジョブレスの間に誘ってくださる会社さんもあったんですけど、やっぱりそれまでの私の経歴とかを知ってて、その篠田さんとみてたんですよね。エールのみんなはあんまそこ知らない。たぶんほぼ知らないんです。そういう形で出会えたのもすごいよかった。

深井:フラットな感じで。

楊:そういう意味でジョブレスという期間は本当に大事な期間だったんですね。新しい自分の展開を掘り下げて顕在化させるという。

深井:確かに、今無職ですといいながら入ることになるわけだから。

篠田:まさにそう。そうとう、

深井:たしかにフラットだね。

楊:すごい期間だ、これは。

篠田:そうなんです。本当に直感的だったけどそういうふうにして次に行かないとなんていうんですかね、もちろん自分の過去の経験てのは宝物なんですけど自分にとっての意味合いといわゆるマーケットで評価される意味合いって乖離がどうしてもあるじゃないですか。だからマーケットの期待値に自分を合わせるのになんかちょっと居心地の悪さを感じてたんだと思う。それはそれであるんだけど、いや、そこで勝負したいわけでもないだよなという気持ちだったんだと思います。

樋口:うわあ、これちょっと言えないんですけど、コテンラジオのサポーター特典というのがあって、公開してないサポーターだけが聞ける音源があるんですけど、まさにヤンヤンさんのその話を今月3月出してるんです。

篠田:ええ、聴けないのか。本当。

樋口:周りというか社会的な評価と本当の自分との乖離みたいな話をちょうどしてて。結構そこに通づるものがあったんで今うわっと思いました。

楊:そうですね。今の話を伺ってから逆に例えばエールさんの対話のサービスを受けられた組織に所属している方が自分の中でものすごい変化が起きて、最終的に彼や彼女が所属している組織にプラスとしてフィードバックされるということもあるんですけど、逆に、いや、もうやめると、転職するという展開もありうるんですか。

深井:それ、おれも聞きたかった。

篠田:0じゃないと思います。そこはエールもクライアントさんに別に退職しそうな人を引き止めるサービスでは全くないので、そこは自然体でっていうことはご理解いただいてるんです。その上で実際起きてることってどっちかというと自分の中のいろんな整理が進んだ結果やめようと言う人よりもなんで自分がこの会社にいたい或いはい続けてるかという理由がわかりましたという方の作用の方が人数とか内容をみてると大きいなというのが現実です。

樋口:いい話ですね、これは。

篠田:なかなかジョブレス期間の私がそうであったように、本当に自分が感じてることとか大事にしてること、本当はなかなかわからないんです。何か特別なきっかけでもない限り。特に日常忙しく仕事をしてるとそこを改めて振り返るということがしづらいのでいくらその会社の上の方からその会社の理念とか大事にしてるってことを強くメッセージングされても自分ごととして受け止める自己理解がちょっと私たちみんな追いついてないんだと思うんです。これが多くの方の場合エールのセッションを通して自分が大切にしてることとか何があると嬉しいのかとか、自分の頑張りの源って何みたいなことがちょっと言葉になってくるので、あ、それとうちの会社の理念でいってるこれというのが繋がってるんだなという認識のされ方をする方の方が多いですね、ずっと。

樋口:かあ。なんか今の話めちゃくちゃ面白いと思ってて、人間て幸福になりたいという前提でおそらく生きてると僕は思ってて。ただその幸福に感じる栄養素ってのが人それぞれ違うような気がしてる。なんとなくお金でよかったはずなんです、ちょっと前までは。お金は全てに変換できるから、変換しやすいからうまい食い物、車、家、異性からモテるとか変換しやすかったけど、今ってどんどんお金で買えないものとかが出てきちゃったりしてて相対的に価値が変わってきてる中で自分の幸福の栄養素ってどれかってのを自分の中で認識しないと一歩も動けないとういうような時様になってきちゃってるような気がしてて。だからまずそれは本当に例えば楽しいからなのかやりがいがあるからなのか自分への投資なのか何か自分が喜びってのが先ず何かってのが理解しないとそもそも何もできないのってすごく増えてきてる気がする、今。

篠田:いや、そうですよね。本当その例えば転職っていう今の文脈になってますけど、今樋口さんが言った幸福の栄養素ってこうしたいとかこうありたいと強く持ってる人って少数派だと思うんです。起業とかされる方はどっちかというとそういう方だと思うんですけども、けっして多数派ではなくて多くの私たちって私もそうんだんですけどこれやりたいって成し遂げたいみたいな栄養分はあんまり欲してないんですよね。それは本当人それぞれで、そこを自分で、しかも変わるしね、どんどん。

樋口:そうそう、時期によってかわりますもんね。

篠田:変わるんですよね。だからそこをうまく時々捉えるのってやっぱり人からの問いかけで改めて考えられるということが多々あるんじゃないかなと思いました。

樋口:なるほどですね。先ほど話気になったというか重要だなと思ったのが例えば話した結果転職ていうふうに向かってもいいって話ですよね。そこってコントロールしない部分、結論を。ここがあるかないかによって心理的安全性みたいなものが全然違うんだな、話を聴く側が自分の思い通りにしたいと思ってたら話す側が心理的安全性がないから。

深井:そうですよね、意味がない、話す意味が。どっかに誘導されるのがわかってたら。

樋口:その辺の心理的安全性って明確に意識されてる部分なのかってのは聞きたいところ。

篠田:エールのサービス自体が心理的安全性が高まりますよってことを直接言ってるわけではないですけど、私も心理的安全性という概念を打ち立てた心理学者がエイミー・エドモントソンさんていう方で、その方の本とか論文とかわかる範囲で見るとその心理的安全な場を作るのに聴くってのは本当にかなり大事な要素だと主張されてるのを読んでやっぱりねていう感じはありました。私がこの概念を初めて知ったのはグーグルが社内のパフォーマンスの高いチームの特徴を理解しようという何年かに渡るプロジェクトをやって、その結果が2015年だか16年だかに発表されて、それの最大貢献要素が心理的安全性だったというので一般人の私たちも知ることになったんですけど、組織としてパフォーマンスを上げるということを考えた時に心理的安全性の役割はブレーキを緩めることなんです。

深井:ほう。

楊:ブレーキ。

篠田:ブレーキ。でもアクセルは別個必要で。

深井:ですよね。

篠田:この両方があって初めて本当の意味で高いパフォーマンスが出せるんです。多くの会社だとこの心理的安全性、ブレーキを緩めるということに全く意識が行かず進まないなあっていってアクセルをばんばんばんばん踏みまくる。すごくそれは同時にブレーキ上がっちゃってるので効率がよくなくて、それこそ結果的にそれがプレッシャーになってメンタルみたいになっちゃうのも例えばアクセルもだけどブレーキも強いということの一つの現れだと表現されてたのを思い出しました。その内容をもうちょっとちゃんと読むとですね、要素が二つあって、グーグルでは、言ってて。一つはそのチームのメンバー間で話す量が均等である、二つ目が非言語のコミュニケーションに長けている。この二つです。

樋口:非言語。

篠田:非言語。その表情とか身振り手振りとかなんとなく様子。

樋口:目線とか。

篠田:目線とかね。そうですそうです。その状況を具体的にチームで何が起きてるかってビジュアルで想像してみると、例えば話す量が均等って上司もメンバーも例えば全部で5人だったら全員に2割づつだけなんです、話してる時間。ということは8割の時間聴いてるわけじゃないですか。て思うと、それでああだからもしかして心理的安全性ということと聴くって相当密接なんじゃないかなって思ったんですよね。実際エドモントソンさんの書かれた本を読むとかなり聴くということが大事と書かれていて。これフラットに考えると心理的安全性てつまりネガティヴに受け取られるかもしれないこと。例えばチームの中で篠田さん喋り過ぎですみたいなこと誰かが感じてて言うみたいな時に言えるっていう状況を指すので言えるってことは絶対聴いてもらえるっていう信頼なわけです。だからそこで繋がるんだなと理解をしています。

深井:すげえな。今のわかりやすいな。絶対に聴いてもらえる信頼を築くのが大事なんですね。その心理的安全性を構築する中では。

篠田:そう。今信頼という言葉を一般用語として使ったんですけど、これ。細かく言うと信頼とはちょっと別の概念で、心理的安全性というのはあくまで組織風土なんです。だから仮に私この4人でチームだとして、私の3人のみなさんに対する信頼度って人なんで等しく同じように信頼してるということは起き得ないと思うんです。

樋口:やっぱり樋口が一番信頼してますよね、樋口のことを。

篠田:そうそうそう。

深井:そういう話ではない。

楊:本心ですか、それ。

篠田:今、すごい聴いてもらってたのかな。まあいいや。うそうそ。

樋口:いらんこと言いました。

篠田:ええと、なんですけど、心理的安全性はあくまで組織風土、チームの中で醸成される風土なんでお互い個々の信頼度合いは一旦さておき、ここの場では聴いてもらえるということを信じられる状態。

樋口:なるほど。

深井:なるほど。

楊:状態、場なんですね。

篠田:場なんです。

樋口:そういうことなんだ。

深井:場に対する安心感ですね。

篠田:そうなんです。

深井:でもこの人が入ってくるとその場が崩れるみたいなこと容易にあるじゃないですか。

篠田:ある。ある。ある。

深井:それをも超える場作りをしていることが心理的安全性があるってことですね。

篠田:まさに。

深井:誰が入ってきても必ず自分が話を聴いてもらえる状態。

篠田:まさにそうです。

樋口:これ、なんかただのルールで縛るものじゃないでしょうね、これ。雰囲気、空気みたいな。

深井:空気ありますよね。だって空気ないと言えないもんね。

楊:時間もかかりそう。

篠田:そうそうそう。空気と違う、動きをした人にはそう言うことではないんですよ、ここでは。ってやっぱり理解してもらうメカニズムが必要だし。

深井:言う側もうまく言えるとは限らないじゃないですか。

篠田:そうそうそう。

樋口:まあね。

深井:めちゃくちゃ下手くそな言い方して角が立つかもしれないじゃないですか。という自覚もあるじゃないですか、言う側も。それを超える場が必要なんですね。

篠田:そう。

深井:言い方が下手でいいから言ってみたら解釈しようとするよという。

篠田:そう。そう。まさにそうです。まさにそういう感じ。本当ある意味極めて人工的な場作りなんです。自然体でいたら当然お互いの相性はあるし機嫌いい日も悪い日もあるし、なんだけどそういう場があることが、これはなんのためにあるかと言ったら集団で何か仕事成し遂げようとする時って必ずミスが起きるし見落としはある。さらにはずっと同じことやってたらその活動はいつか停滞しちゃうから刷新していくことも必要で。そう言う時の元になる情報ってまさにお互いそれをミスから学ぶ或いは新しく変わる機会から学ぶ。学び合うということをしないとチームは死んでしまうんで。学びあうということが実はやりたいことで、そのために必要な環境が心理的安全性なんですって。

深井:じゃあ目的というかチームが最大機能するために必要なクリティカルなものは互いが学びあってる状態。それを実現するために手段として心理的安全性の場が必要ですって意味ですね。

篠田:はい。はい。

深井:めっちゃ勉強になります。

樋口:これはちょっとすごい。俺後、人工的なものなんだと言い切られたのが結構。

深井:そうですよね。意識しないとできないということですよね。ものすごくそうしようとしないとできない。

篠田:はい。

樋口:これは人工的に響いてます、今。よく分からないですけど、そうですよね。自然にできないですよね、そんな場作り。

篠田:自然にはなかなかできない。

深井:これ本当大事だよね、これから。

樋口:だから知識としてまずそれが重要と知った上で頑張って振る舞わないと絶対作れないってことですから。めっちゃ頑張る必要がありますね、場作りをする側は。

深井:これ、難しいんだよね、やろうとしてるんだけど、ぼくいろんな場所で。できてる場所もあるし難しいところもあるんですよね。これ正しいよ。

樋口:ごめんなさい。これ、本当に浅はかなあれなんですけど、浅はかですよ、どうやったらできるかテクニックを知りたいです、僕。テクニック。

篠田:ええ、私もそんなプロじゃないので、ねえ。もっと全部がわかってるわけじゃないんですけど。例えばエールで実際やっててすごいできてるなと思うことでいくと、例えば。ミーティングであるテーマでミーティングで何人か集まるじゃないですか。その時にまず意見をみんなが言い出す前に5分とかとって付箋に自分がこれについてはこう思うという考えとかアイデアをとにかく書くんです。

樋口:なるほど。

深井:なるほど。

篠田:書いて、みんなそのホワイトボードに貼って一人ずつ簡単に説明するんです。その説明してもらってる時はそれに対する意見は言わない。あくまで自分が理解できてないなと思ったその理解をしたいっていう目的でこれはこういう理解であってるんですかって質問だけOK。というふうにすると、まず必ず聴いてもらったっていうことが作れるんです。

楊:ちゃんとルールをしっかりと儲けて。

篠田:人工的って言ってるのは例えばこういうことで。

深井:そこはルールでやる。

篠田:そうそうそう。決めちゃう。そうすると必ず発見があるんです。あ、その観点ねみたいなのもあれば、私とまったく逆の意見を出してくださって、でもそういう意見があるっていう事実にもし私が先にこういうことですよねぱーんて言っちゃってたらその存在にすら気づけないわけだから。

深井:これね、ちょっと僕も質問していいですか。さらに難しい質問になるかもしれないけど、今の話きいて僕が思ったのは、受け取るフェーズとそれをジャッジメントするフェーズてのを明確に分けてそのジャッジメントフェーズを後ろに持っていきましょう、受け取るフェーズを必ず作りましょうというのをルールで作りましょうてことだと思ったんです。いづれにせよその後ジャッジメントフェーズがくるじゃないですか、会社で会議していると。ジャッジメントフェーズがきた時に結局のところ採用されないということが起こりますよね。

篠田:もちろん。

深井:これが僕今まで組織で所属してて心理的安全性を作ろうとして結構難しかった点てここで。聴いた振りするところまでみんな結構やってくれるんですよ。その後に結局響いてない、全然。聴いてる振りして聴いてないとか、本人もわかってない、聴いてる振りして聴いてないことは理解してないけど、自覚はないんだけれども、ちょう具体的に想像したりもしないし、その人が何を言ってるかを。その寄り添おうともしてない状態で聴いてしまって、ジャッジメントする時に、もしくはそうやって寄り添って聴いたんだけどジャッジメントする時に、でもとはいえこうじゃないよねってフェーズにいった時に。これってどっちともちょう聴いてる状態がないとそのジャッジメントに対してのコンセンサスって得られないですよね。本当にそれでいいね、確かにそうだね、自分の意見も踏まえて、あなたの意見も踏まえた上で確かにそうなったね、と納得だわってなるって状態にもっていくのめっちゃ難しかったんです、今まで。超属人的なんです、そこが。できる人たちを集めたらできるんです、これ。簡単に。それが感度が高い人間だけを、ようは対話スキルがある人だけを集めたら簡単にそれできるんですけど、対話スキルがない人が一人でもいて、かつ、これが上の方の人だともう総崩れするんです。これを、これどうするんだろうと思って。

樋口:会社で決断するとなると本当に間違ったこというかもしれない。数字を出すって目標なのに数字が出ないことを言っちゃうとそこ決断できないって結論になるといくら意見を何個言っても採用されないみたいなこともありますしね。アイデアの精度が低い場合。

深井:そうそうそう。そういう時ってどうしてるんですかね。なんか、こう突き詰めてる人たちは。

篠田:単発の判断の話と繋がるんですけどより組織とか考えて割と長い時間軸の中で一緒にやってるので、この話と二つの組み合わせだなと思って今聴いてました。先にお断りしときますけど、私別に心理的安全性のプロでもなんでもないんで。私はこう理解してこういう努力をしてますという一例として聴いていただきたいんですけど。あのですね、そのみんなの意見が出るようにお互い聴くていうフェーズとジャッジのフェーズの間に、私があったらいいなと思ってやっているのは、ちょっとその集まったアイデアを抽象化というかグループ化してこういう塊とこの塊が出ましたね。例えばこの投資をやることに賛成という人と反対という人。賛成、反対どちらも例えば短期の成果を見て言ってる意見と長期の成果を見てる意見とあるよね、というようなグルーピング、マッピングをしてみるんです。そこまでもフラットじゃないですか。そうね。みんなの意見が色々あるのはこのマップの上にある。話がシンプルであればそこで、そもそもこの投資するかしないかってその先で何をしたいと思ってるんだっけ、みたいなていうところに一旦立ち返って、必要だったらもう一回そこでさっきのアイデア出し的なことをもう一回挟んでも良くて、こういう整理ができた中でこの投資は何のためにやるのかということでもう一回自分たちの考えを言語化するためにもう一回考えて出してみようとやってもいいし。その必要がないんだった、そもそもこういう目的だとしてもう一回ここで出た意見というのをどう考えたらいいか、そこからディスカッションに入ったりする。ここで言ってることは判断軸っていうものは何かってことの話し合いをする。その話し合いにまたフラットに意見を出し合うことが必要ならそれもそれに対してやる。ていう感じができると割と自分の始めの考えと違う結論にいっても、感情的にはまたちょっとあれかもしれないけど、少なくとも話の道筋としては理解はしやすい。

楊:ジャッジするための判断軸をみんなで一緒に積み上げて、織り込んでいく。

樋口:なるほどな。

篠田:そうですそうです。

深井:いいな。

樋口:面白い。だから最初に自分が出したアイデアが却下されてもそれは納得できるんですね。

篠田:そうですそうです。自分は短期の、短期的な成果ってのですごい着目してこれ絶対やめたほうがいいって言ってたんだけど、そのこうやった話してるうちに短期は損するかもしれないけど長期的にやっといたほうがいいなっていうことをみんなが言ってるんだねってとこまでは理解できるんです。

樋口:だから、勝ち負けとか正しい間違いみたいな簡単な問題じゃなくなっていくってことですね。

篠田:そうです。まさにそうです。だから話が複雑であるってことが共有されるとけっこういいのかもしれないですね。大体の判断て複雑ですからね。

深井:これすごい学びがありますね。

楊:とても人文学的です。

樋口:いいですね。

深井:とても人文学的だから、ぼくは本当人文学を推してる。会社でめっちゃ役立つと思ってる。人の話聞けるようになるから。解釈できるから。

篠田:人がやることですもんね。

深井:ジャッジメントじゃなくて解釈できるようになるからすごい強いんですけど。今の話で僕が学んだことをちょっと言語化してみると、先ず納得できる領域まで抽象化していくってのが大事なんだなと思いました。納得というかお互いの話を具体的にしすぎてしまうとすぐにジャッジメント領域にいってしまって、そのジャッジメント領域にいってしまうとメリット、デメリットの話になってしまうんだけれども、その判断軸であるとかそもそもなんでここにいるんだっけっみたいな話もしていいと思う、今の話を受けて。そういうより抽象レイヤーの話をしていくということを通してお互いがそうだなと思うところまで抽象化して、一回、戻っていって原点回帰しちゃって、そこからまた具体的なところにいくっていうフローをたどることによって、多分お互いの対話、それは対話しないとそうはならないと思うんですけど。納得して心理的安全性がある状態で結論をコンセンサスを得るということができるんだろうなと、今の話を聞きながら思ったんです。ていうのと、それをやるためにものすごく重要だなと思ったのが、リーダーがそれを決断してることが不可欠だなと思いました。リーダーがわかってなかったらこれ難しいんだろうな。だからこそたぶんエールさんは全体の底上げをされてるんだろうなと思う、その第三者のヒアリングっていう仕組みによって。それは今の話を聞きながらすごい、これ僕の私見なので別に総括でもなんでもないんですけど。そう思いましたね、いま話聞きながら。

篠田:いやあ素敵、すごいすごい。

樋口:本当そうですね。リーダーの決断は場作りの責任者ですね。

深井:ですよね。リーダー、究極社長がわかってなかったらむずいですよね。どっかのタイミングで躓づきますよね、必ず。だからこそ底上げが、社会全体を見たときは聴く力と聴くことの重要性に対する底上げが必要で、啓蒙ですよね、ある意味。

篠田:そう。大それた感じになっちゃいますけど、気持ちとしてはそうです。聴くっていうこと、あまりに私も含めて無知かつ無意識だったから、この出発点からしたらほんのちょっとでも聴くということに意識が向く人が増え、そういうことに意識が向けられる場が増えるだけでそうとう組織のパフォーマンスはよくなると思う。伸び代だらけです。

樋口:なるほどな。

深井:ほんとうそうですね。

篠田:今仕事の話だけしましたけど、当然個人としてもいいことがいっぱいあるはずで。これはなんか聞いた、社内で聞いた話なですけど、そのエールのセッションを受けておられたある大企業の男性がご自分としてそういうことをどこまで意識してたかわからないですけど、そのエールのセッションを3ヶ月受けていたら、思春期の息子さんがもうかなりほぼ初めて今度の日曜日にお父さん勉強教えてって言ってくれた。

樋口:うわあ、たまらん。

楊:これは泣くわ。

樋口:たまらん。なるほど。

篠田:きっと私が推察するに、そうやっていい聴いてもらうって経験を重ねることでその方がどこまで意識されてたかはわかんないですけど、多分ご家族の話を前よりは聴くようになってらっしゃったんじゃないかと思う。

深井:これいいな。これ、あれですね。なんか、これ誰が決済してほしいかでいくと、リーダーの一つ下くらいの人がこのサービス導入を決済してほしいですね。

篠田:そうですね。リーダーを説得し、みんなを巻き込み。

深井:リーダーが話聴けるようになる、みたいな。

篠田:そうそうそう。まさにまさに。

樋口:いいな、これは。

深井:めっちゃ面白い。

樋口:これは素晴らしいことやられてますね。

篠田:でしょ。

深井:素晴らしい。これ本当大事だと思う。本当大事だと思う、これ。

篠田:聴くのパラドックスの問題、私も陥ってた問題があって、これまでの今もある常識だとビジネスパーソンとして優秀であろう成功しようと思えば思うほど聴くから遠ざかるんです。

深井:そうですよね。

樋口:うわあ、いい話ですね。

深井:コントロールしようとしますからね。優秀なビジネスパーソンは人を、人と社会を。

篠田:そうですそうです。子供の頃から例えば親に言うこと聞きなさいって聞きなさいイコール従えじゃないですか。だから聴くイコール従うってのが本当に強く刷り込まれてるでしょ。

深井:ヤンヤンもそうだんだね。

楊:中国では子供が親の話を聞くっていう熟語がある、听你的父っていって話を聞くっていう。

深井:ティンティンパー。

楊:ティンフアーという熟語が子供が親の話を聞く、従うというそのままの意味です。

篠田:そうなんだ。英語でも。

楊:これが一つの儒教的な美学として今でもあります。

篠田:英語でも、日本語でいう、話聞きなさいというのと全く同じニュアンス同じ場面でlisten to meていうのは、まさに聞け。

深井:そうなんだ。listen to me.

篠田:listen to me てのは従えっていう意味を強く含むんです。

樋口:ですよね。

深井:実に面白い。

楊:洋の東西関係ないんだ。

篠田:洋の東西。

深井:統率がとれてなかったからだと思う、昔は。

楊:そうだよね。上下関係ヒエラルキーが大事だった。

深井:ヒエラルキー構造が必要だったんだけど、今はもう教育度合いが上がりすぎて全員自分で考えるフェーズに入っちゃったから、聞けじゃなくて考えようねってなってる。

篠田:まさにそうだと思います。ヒエラルキーが社会全体である時ってヒエラルキーがあるってことはやっぱり個人じゃなくて役割だしポジションが決まってるからこの近代日本でも官が上で民が下とか、男が上で女が下っていう、その位置が決まってて、そうなると情報が流れる経路も固定されるわけです。ていうこの要素があった時にその聞くじゃない、伝えるということがものすごいパワーを持つんだと思う。伝える権利を手にいれる感じだから。

樋口:伝える権利ね。

篠田:うん。そこのポジションの取った人はいくらでも言いたい放題なわけです。土管を通して流していける。

深井:面白い、伝える権利か。

篠田:そう。エリートイコール伝えられる場所に行くことですよね。

深井:本当そうですよね。歴史的にもそうです。エリートのみが情報発信者だった、今まで。今ある意味ニートとかが政治に影響与える発言力を持ててるのはある意味だからそれから脱してるんです。

楊:技術の進歩。

篠田:そうそう。

深井:菅さんとかに文句言ってそれが実際に考慮されるという時代なんです。

篠田:ね。だから数年前ですけど保育園落ちた日本死ねっていう匿名のブログが本当に国会も動かしたわけですもんね。

樋口:そう。

深井:ちょう勉強になる。

篠田:本当バランスとして話すとか発信するってことのウエイトが下がってきてて、一方そのバランスもあるし、そうやってちょっとヒエラルキーとかカテゴリーみたいなのが今崩れつつあるので、よりネットワークぽくなってる、つながりが。

楊:企業だけじゃなくて教育機関にもぜひサービスを使っていただきたいです。

篠田:いいと思います。そう思います。

深井:本当そうだよね。

楊:学校とかね。

深井:ソーシャルワーカー的な要素もある、これ。

樋口:聞いた話で暴走族が今いないですけど暴走族ってあるじゃないですか。

深井:田川いますけどね。

樋口:田川たまにいますけど、ちょっと待ってください、ぶれるぶれる。深井さん、おれの話を今聞いて。安全性が。

深井:カットインしましたね、僕、今。

樋口:安全性が、ちょっと待ってください。暴走族がバイクでばあばあばあばあいってるじゃないですか。あれって僕の話を聞いてよって社会に言ってるんだって聞いたことがあって、まさにそうだと思った。

深井:めちゃくちゃ下手くそなんでしょうね。表現の仕方が、暴走しちゃう、特攻服着て暴走しちゃう。

樋口:そう。だから先生とか親とかが聞いてくれてたらあんなに社会に向かって大きな音出さなくてもいいんじゃないか。そんなことも思いながら話を聞かしてもらいました。

深井:そうか、そのレベルまでですね。会社とかじゃなくて。

樋口:と、思いましたね。ということでけっこうなお時間が盛り上がりすぎて。

深井:本当だわ。

篠田:けっこうなお時間になってしまった。

深井:30分以上喋ったかな、ここの回。楽しいは、ずっと喋りたい、これ。

篠田:止まらないですね。

樋口:ですね。まだ終わりたくないんで、これ。またここで切って後編行きます。

深井:次。これが中編にして、僕あれも聞きたくて、篠田さんがこういうキャリアを積まれて、女性として働いてこられてるじゃないですか。そこも単純に聞きたい。

樋口:聞きたい。

篠田:OKです。

深井:どういうことがあったのかとか。

楊:生い立ちですよね。

篠田:生い立ちからいきますか。

樋口:オッケー。一旦今日はここで。次回も篠田さん個人にどんどんフォーカスしていければと思います。一旦そんな感じですかね。ありがとうございます。

深井:ありがとうございます。

篠田:はい、ありがとうございます。

楊:ありがとうございます。

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