#39 世界を動かす日本人!ソーシャルベンチャーの旗手 ボーダレス・ジャパン田口代表が掲げる夢と志(中編)

【今回の内容】 ポスト資本主義?ボーダレス・ジャパンの利益配当/社会課題は誰の仕事なのか/非効率が放棄される時代のリデザイン/諦めなければ上手くいく/人間は2トライで成功する/志と夢の違い/みんなの夢になれているか

樋口:ちょっとそこにもしかしたら繋がるかもしれないですけども、利益配当についても結構特殊な制度が、ルールがあるじゃないですか。

田口:そうですね。深井さんがさっき聞いてくれた信頼関係すごいねっていうのは、もちろん人としてなんとか僕一人で始めたところに仲間が増えてくると素直に感謝なんで、そういう気持ちで接してるというのもあるかもしれないですけど。確かに仕組みのところも大きいなと思っていて。これが最初にいったこれが一般のビジネスの人には理解できないっていうか、わかるんだけど、わからないといわれるのここなんです。まずボーダレスって37社いて、社会起業家の集まりなんですけど、ボーダレス・ジャパンが法律上、ビジネス上は100%親会社というかみんな100%子会社の状態になっていて。つまり株式は社長たち1株も誰も持ってないんです。で、上がった利益、余剰利益なんですけど、余った利益に関してはみんな共通のポケットに入れようという考え方。そのお金集めようと、そのお金で新たな社会起業家が立ち上がるお金とそれを支援する費用にしようというのが大きなメカニズムで。なのでまず起業家たちは株を一個も持ってません。お金をポケットに集める時に株式会社間のお金の移動てのは配当が一番簡単なので、配当という形でお金の循環を作ってます。というところです。そこで、この配当するんだけど、ボーダレス・ジャパン自体の創業者である僕にお金が入っていくと、それはいわゆる親子関係といっていい、親関係。そうならないようにボーダレス・ジャパンは事務局としてのボーダレス・ジャパンていう会社には定款に株式配当の禁止が書いてあってですね。出資額を上回る配当はしてはいけないっていう書き方があるんです。

樋口:合計がですか。配当の合計が。

田口:はい。なんで、例えばボーダレス・ジャパンの株を1000万もって買ったひとは、1000万円までは戻ってきてもいい。でも1000万戻ってきたらそれ以上の配当は一切受けられないという。なので儲かることは一切ありえないという仕組みになっているんですね。ちなみに僕は、みんなが使える定款にしようってので書いてるだけで、実際僕は配当貰ってないんで、僕は出し損なんですけど。

樋口:え、配当は出資額まで貰えるのにそれも貰ってない。

田口:貰ってない。

樋口:なにをやってるんですか、え。

田口:いや、好きで始めたことなんでみんなが頑張ってね、社会のために循環するための仕組みを作ってるのに。僕の場合はそういうのはいらない。いらないというか、それは自分で始めただけの話。

深井:資本主義じゃない、ポスト資本主義なのか、完全に新しい仕組みですね。

田口:おっしゃる通り。資本主義って別にそんなに悪くないのかもしれないですけど、本質的に資本主義の課題は資本家が資本家であり続けるというか、資本家にお金が回る。ビジネスでいったらリスクを、立ち上がる時にリスクをとったんでリターンという考え方が出てくる。でもリスク取れる人ってのはもともとその体質が体力がある人である以上、そこにお金が回るってことはそこが増幅するっていう形になって。もちろん経済循環でみればその方がまた別に投資してってお金は回ってるんですけど。でも一方でその人に依存する形なんですよね。そうじゃなくて、やっぱりみんなのお金っていう状態で流通していく状態を誰かの意思とかじゃなくてやっていくことの方が、誰かに帰属した権利として置かない。だから僕らは、株式ってのは既得権益ですよね、基本的に。この既得権益を排除するという考え方。なんで、僕は創業者であるんだけど、創業者としてのもしくは大株主としての既得権益を排除した仕組みを作りたいってのが。

樋口:なるほどね、

田口:なので配当の禁止ってかんじですね。

樋口:ここがなかなか普通と違うところですね。

深井:今まで社会課題って政治の問題だったじゃないですか、基本的には。長い間そうだったと思う。古代とかだとまず社会課題完全無視みたいな状態があって。近代になってやっと福祉と社会課題違いますけど、福祉みたいなのが充実してくるようになってきて。社会課題に目を向けようというのが人権的な概念から生まれてきてというのがたぶん系譜としてはあって。僕がすごく面白いなと思うのは、今まで他の人がやってた仕事か他の人がやるべきだよねと思われてた仕事がその人たちはできなくて。それは新しい人たちがやり始めちゃうみたいなのって、完全に歴史が転換する時のすごい顕著な例なんですよね。転換点がまさに、絶対それが起こっていって。今までこの人たちがやるべきだったかやってたのに、その人たちじゃない人たちがやり始めるというやつ。ボーダレスさんがやってるのまさにそれだなと思って。ソーシャルベンチャー全体がそうだと思うけど。その中で実績として残していってるボーダレスさんがやってるやつまさにそれだなと思っていて。

田口:そうですね。社会課題って本当に誰の仕事だっていうことは、結構重要なテーマで。僕らが捉えてるのはこれこそがビジネスマンがやるべき仕事と定義、定義というか考えてて。なぜかというと、僕は実効性のないことをやることは嫌いなんですよね。もともと。人生を無駄に過ごしたくないというのは僕の大きくある軸なので。そういう意味においてやるんだけど、インパクトがないものをやってもなと思ってるので。一番インパクトあるのは原因に対して直結した対策を取らないと結局なかなか良いことやっても肩透かしに終わる。いろんな社会問題が起こってる中でいろんな原因で起こってるんですけど。大きくいった時に一つ社会課題の起こり方の典型的な例の一つが、やっぱりこの今の経済社会で簡単にいうと資本主義というのはビジネスですよね、いってしまったら。ビジネスで回ってる。この経済って効率の追求という経済なんですよね、ビジネスというのは。やっぱり効率よく、売値をあげるってのは難しいんで、コストを下げる方が楽というか。コストが高くなったので売値あげますってできないんで。基本的に効率的にオペレーションを回すということとか、できるだけ安い調達をしていくという形、コストに目が向くのがあれですね。今のやり方。なのでITベンチャーとか出てきて、だいたい効率の追求ツールとかが出てくると思う。つまり非効率なものってものがどんどん取り残されていくっていう今の起こってるとこなんです。

樋口:そうだ、その通りです。

田口:例えば耕作放棄地の話をさっきしたんですけど。大消費地に近くて、大きな土地で水が近くに流れてるような、トラクターがごそってできるところで耕作放棄地なんて一個も起こってなくて、取り合いなんですよ、むしろ。やっぱりどういう所かというと山間地域の狭いところで、なんかここでやると効率悪いぞというところ、飛び地だったりとか。こういうところが手空いてくるという話であったりとか。例えば障害者雇用がとかいう話をしますけれども、やっぱり敢えて障害者を雇うということで、みんな優しいい人たくさんいるんですけど、敢えて障害者雇うっていうことでやっぱり効率がどうしても落ちてなかなか難しいというビジネスの仕組みがあっちゃって。そうやって雇用がなかなか効率よく働けない人たちに対する雇用が結局漏れていく。という話なんで。なので、じゃあそういうところに対して全部助成金というか別の形で担保するというのは対処療法としてはいいんですけど本質的な解決ではないよね。

樋口:そうですね。やっぱ自治体とか国レベルでそれをやってたってこと、今までは。

深井:今までは福祉としてそれがなされてたんだけど、

田口:福祉としてやってた。本当はこの非効率をも含めて経済が回ってるということが大切なはずであって。もっと具体的にいうと、非効率も含めてビジネスっていうものをデザインするというのが僕はソーシャルビジネスの一番やるべきことだと、思っていて。なんで、例えば、じゃあ障碍があって、効率よく、みんなより少し効率は落ちちゃうんですっていう。なので、その人たちが物作りをやると少し生産コスト、同じ給料でもらうと生産コストが少し上がっちゃう。でも、みんな働きたいといってるんだからということで、そういうコストが上がった前提で物作りをやるブランドを最初から作りに行こうよ。そこを目的としたブランド作り。こういう経済というかこういうビジネスがどんどん増えていくということはすごく大切かなと思ってる。このパターンてとても多いんじゃないかな。

樋口:多いです。多いです。僭越ながら僕は今地域創生の仕事をしてるんですけども。やっぱりそこも同じ課題がある。結局人がいなくなったところで仕事をするって非効率的なんで普通はやらない。でもなんでやるかっていうと補助金狙いなんですね、やっぱり。補助金がないとできない。で、補助金を狙うために本当は最初はやりたいことがあってやってたんだけど、どっかから補助金がとれるような企画書が書ける人間だけが残っていくんです。

田口:そうですね。

樋口:この問題って結構僕直面してて。僕そうならないように食いしばってるところで、それができてる田口さんがめちゃくちゃすごい。

深井:そうですね。めちゃくちゃムズイ。

樋口:めちゃくちゃむずい。

深井:すごい、わかってても実際の仕組みを考えついて実行して利益を上げるというところまでは本当に難易度が高いなという感覚があります。

樋口:鬼ですよ。

田口:難易度はね高いんですけど。ビジネスが成功するかしないかって何で決まるかというと、やめるかやめないかでマジで決まっちゃう。ソーシャルビジネス強いなと思うのは、めちゃくちゃ明確な目的とそれに直結した対策としてのビジネスモデルを組んでるので、難易度は確かに高いけど、やっててやめる気にはさらさらならない。

樋口:そこやな。

田口:そうすると、全然うまくいかないんだけど、やめないので、なんとかかんとか修正修正ずっと繰り返しながら結局最後はなんとなくうまくいく。人間てすごくてずっとやってたら知恵出してなんか出来上がっちゃう、どんな人でも。なんでボーダレスがすごく大切にしてるのは。

深井:どんな人でもなんだ。

田口:どうやったら成功するかじゃなくて、失敗し続けられる環境をどう作るかがボーダレスの本質なんですよね。だから僕らは一つの会社を立ち上げるのに、初期費用500万円で、ランニング費用というか1000万円渡す。計1500万円でワントライなんです。で、これが通帳があって通帳を渡されて。で、通帳が0円になったら一旦ストップていう。なんだけど。だけど続けたい限り何トライでもできる。3トライやって4500万円なくなって、さすがにおれ疲れたからいいやって、それは別にいいよって感じで。返してねとか、そういうことじゃなくて。

樋口:すごい。

深井:いい。

田口:でも、みんなだいたい2トライで成功すると思ってる。

樋口:じゃあ、1トライ目は失敗を前提、覚悟してる。

田口:失敗前提です。2トライ目で人はやっぱりそういう難しいんだけどとても素直に実直なモデルから逃げないでなんとかやり続けてると、2トライ目くらいで筋が見えてくる。

楊:ちょっと一個質問していいですか。その多分この人にお金を渡すか渡さないかというのは、たぶん田口さんと直接お話しながら判断されてると思うけど。この人は諦める人か諦めない人かってどういうところで見られてますか。

樋口:知りたい。

田口:わかんない。

樋口:直感ですか。

田口:わからないですよね、人って。ちなみに僕は決めてなくて。これは社長会が全て決まるんで。だれがジョインしてくるかは社長会が全ての主権ですので、新しく入る人は全部社長会にかかる。だから毎月一回くらい社長会が開かれていて、そこにプレゼンしてジョインが決まる。僕は全然意思決定者じゃない。

楊:そうですよね。

田口:ちなみにわかんなくて、ただ色々やりながらわかってきたことは、いわゆる志と夢というものの違いというか。みんな社会にいいことやりたいという言葉は発するんだけども、どっかでそれは個人的な範疇の夢だなみたいなこと、つまり自分が第一にあって、どうせやるんだったら社会のためにってのが二番目という人と、本当に社会のためにやりたいというのが第一にあって、そのために自分にできることを探そうというのが二番目みたいな。この言葉は同じなんですけど、その裏側にあるどっちが一番目なんだろうかっていう、これが夢と志の違いかなと思っていて。社会が第一になる人は志を持ってことに当たるし、自分を守るものが最初にあって、二番目に社会が出て来てる人はやっぱり個人の夢の範囲としての語り方をするんで。頑張り方もその範囲にとどまるなって感じで。ボーダレスの場合はみんなが、ちょっといろんな仕組みがあっていっぱい話たいんですけど、みんなで助け合いながら経営をやってるんで、実はそれ個人的な夢だよねというのがいると、少し濁るというか、お互いにギブアンドギブしあうという関係性が少し崩れちゃうんで、そこはみてます、とても。

深井:なるほど。

樋口:なるほど。志と夢か。面白いですね。確かにありそうだな、それ。

田口:やっぱりみんなに応援してもらうってみんなの夢になるようなものじゃないと志ってのは。ボーダレスでやってて嬉しいのはいろんな人が応援してくれるんです。それはやっぱり、例えばボーダレスのという全体感でいけば、僕個人の夢でやってるものでなく、みんながそうあったらいいよねっていうみんなの夢になれてるかなってのは、すごく関係してるんじゃないかなと思っていて。

樋口:なるほどね。だからいろんな人たちがいっぱいジョインしてきて、大きくなっていくってことですよね。関係者が増えていくというか大きくなるということがあれですけど。

深井:テレビでみましたけど、社員の方、社長の方だったかどっちか。前職から年収が半分になってやりがいが10000倍になったって言ってました。

樋口:言ってましたね。カンブリア宮殿で紹介されてましたけど。

深井:すげえなと思って。

田口:IKEAだったかな。

深井:10000倍とか思って。

田口:まあ、何千万てもらってる給料、もらってる人たちが、正直半分どころじゃない、彼なんかは実は創業したての、社長一人しかないところに二番目のメンバーできた。だから、給料なんか払える状態じゃないところに、給料いらないから一緒にやりたいっていって入って来たやつなんです。彼なんかは。だから、すごい年俸を捨ててジョインしたいっていう感じで。

深井:そういう流れまだまだごく一部ですけど増えてきましたよね。

田口:増えてるんじゃないですかね。やっぱり。

深井:すごい感じます。

田口:ソーシャルビジネスのいいのはいつまでも年俸低いわけじゃなくて、最終的にビジネスなんで。もちろん創業期はどんなベンチャーも年俸なんて激安でしょって感じですけど。でもちゃんと先があるっていうことも一つの安心でしょうね。やっぱりずっと給料40万円だよとか50万円でずっと終わりですというと、さすがにそういう人たちもこれないかなというのはある。ちゃんと先が描けるというのもソーシャルビジネスのいいところかもしれないなと思います。

樋口:なるほどですね。ちょっと話が尽きなさすぎるんんですけど、一旦ここでしめまして。次回はその中でいま田口さんがとても力を入れてるハチドリ電力について。詳しくお話をお聞きしたいと思います。ということで一旦田口さんありがとうございました。

田口:ありがとうございました。

深井:ありがとうございます。

楊:ありがとうございました。

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