#97 おもしろきこともなき世をおもしろく ー 高杉晋作の最期

【ポイント】
①倒幕への藩論は一致した長州藩は敵同士だった薩摩藩と手を結び、薩長同盟が実現する
②幕府による第二次長州征討軍を高杉晋作や大村益次郎らが中心となり撃退に成功
③戦争の大勢が定まったところ、結核を患っていた高杉晋作は戦線離脱し、半年後に急逝した


樋口:ということで前回は、もうほぼ終わりの状態から、たった一人で始めたクーデターを見事させた高杉晋作っていう、すばらしいストーリーのところで終わってましたけども、そのあとどうなってしまったんでしょうかっていう。

深井:やっぱり征長軍が来るんで、それに備えて軍備増強に走ります、晋作が。元から彼が考えてたやつですよね。で、密貿易をしようするんだけど、彼らは、ほら、朝敵だから、もう本当に誰とも貿易しちゃいけない状態にさせられちゃっていると。で、密貿易で、イギリスに直接言ったけど断られてるじゃん。だから、どうする?ってなるんですよ。しかも、密貿易計画を進めていることが攘夷志士たちにばれてしまって、彼らって貿易しようとしただけで殺してくるから、命をつけ狙われ始めるんですよ、今度晋作が。これで四国に逃げたりします。で、愛人連れていったりね。愛人、うのっていう人がいて、愛人連れていって。

樋口:やることやってるね。

深井:そう。

楊:(笑)

樋口:そんなことやってるんですね。

深井:うん。ずっとそんな感じです(笑)。

樋口:(笑)

楊:女は男を強くするんじゃないですか(笑)。

樋口:何だ、それ(笑)。

深井:何だ、それって(笑)。
一同 (笑)

樋口:どんな立場で誰に言ってんの(笑)。
一同 (笑)

深井:間違いないわ(笑)。

樋口:歴史の偉人に対して(笑)、21世紀から。
一同 (笑)

樋口:ほんで?

深井:で、同時期に桂小五郎が帰国するんですよ。彼、ずっと逃げてたんけど、帰国して藩政改革していくんだよね。

樋口:そっか。桂小五郎は生きてるんですね。

深井:生きてる。彼は本当逃げるのがうまいし合理的な人なんで、ずっと逃げたほうがいいと思って逃げてて、で、藩に戻ってきて近代的制度を作り始めるんですよ、彼が。で、同時期に、今日はもう、ほとんどこの人について話さないですけど、大村益次郎って結構有名な人がいて、この人が軍を今度は近代化していくんです。こうやって、実は近代化がいろんな人の才能によって、どんどん晋作以外の人たちで進められていく。

樋口:時代なんでしょうね。

深井:そう。で、ここですごく大事なことが起こるんだけど、めちゃくちゃ仲悪かった薩摩と長州が手を結ぶんですよ。

樋口:きたよ。

楊:薩長同盟。

樋口:薩長同盟。

深井:薩長同盟。これはすごく重要なこと。これがなかったら、やっぱり先がなかったと思う。権力闘争で負けた長州が、何とかまだ死んでない。で、死んでない長州を見て、薩摩は幕府と組むよりも長州と組むほうがよいと判断するんです、途中で。

楊:最初はずっと薩摩藩も公武合体派だったんですけど、いや、幕府ってちょっと使えないよねみたいな(笑)。

樋口:そっちになったんや。

深井:そう。で、長州としては、とにかく朝敵っていうやつをはずしたいわけ。で、その朝敵をはずすには、やっぱり薩摩、すっげえそこ、ぶいぶいいわせてるから、薩摩の力が不可欠だと思っているし、あとは近代化するための武器輸入をしたいと。で、前も言いましたけど、長州藩、お金は持ってるんですよ。お金はあるんだけど買えません。じゃあ買えるのを何とかしたいっていうことで、薩摩藩の名義を借りる。で、そこで坂本龍馬とかも動いたりしてる。

楊:そこでしっかりと、最初にそういう取引から、お互いの溝を少しずつ埋めていったっていうところですね。

深井:そう。本当いろいろあったんですよ。薩長同盟も一筋縄ではいってないんです。でも、これは桂小五郎と西郷隆盛が、2人がメインで進めていって、で、その間の取り持ってるのが坂本龍馬って感じですね。

樋口:なるほど。それで同盟が。

深井:はい。ここで二つの反目し合っていた雄藩がついに手を結ぶことによって倒幕にいくんですよ。

樋口:なるほど。LINEとヤフーが。

楊:(笑)

深井:誰を倒すんだ、それ(笑)。

樋口:いや、わかんないですけど(笑)。

深井:で、幕府は1回目の征長軍を、将軍死んで解散したんだけど、また怪しいことをちょっとしてんぞ、長州藩がってなるわけですよ。それで、もっかい行こうってなったんですよね。あ、すいません。将軍死んだの2回目かな。

楊:そうだね。2回目。

深井:ごめんなさい。将軍が死んだの2回目の軍で死んだと思うんで、1回目は将軍が死んだんじゃなくて単純に解散しただけかな。まあどっちかですね。で、薩長同盟を結んだあと晋作とかは、長崎で軍艦買ったりとか兵器買ったりとかしまくるんですよ。

樋口:強くしていく。

深井:それで軍備増強して、さっきの大村益次郎とかが近代化とかを進めていって、実は強くなってるんです、長州藩。この長州に、今度は幕府が本当に攻めてくるわけ。

樋口:きたー。

楊:1回目は攻める直前で終わったんですけれども、2回目はガチで攻めてくるという。

樋口:きたきた。

深井:これを追い返すんです、長州が。もういろんなところで同時に戦線が起こるんだけど、長州も背水の陣だし、討伐軍も確かに長州倒さないといけないけど、幕府に言われて来てるほかの藩の人たちなんですよ。だから、ちょっとモチベーションのレベルが違う。で、蹴散らしていくわけ。長州のほうが強かったんですよ。

樋口:えー、すごい。

深井:これで幕府が、もっと権威が落ちていくんです。

樋口:だって死にかけですよ、一時期は、長州とか。

深井:でも長州が近代化してたから、もう倒せなくなっちゃったんですよ、幕府が。で、小倉城とかで戦ってるわけ、九州の。小倉城とかで戦ってるんだけど、さっき言った、ほら、将軍が途中で病死しちゃったから、どうする?みたいになって、一回引き返したりするんですけどね。でも小倉城にいる人たちは小倉城にいるわけじゃん。だから小倉城困るじゃん。仲間みんな帰ったけど、小倉城にいる人たちは小倉城の人たちだから、

楊:小倉藩の人たちね。

深井:そう。戦わないといけないみたいになって、で、小倉藩と結構仲悪いんだよね、また長州が。

楊:いろいろ因縁があってね(笑)。

深井:因縁があって。幕府側の人たちなんで、小倉って。それで戦って、この城を、今度また晋作が落としたりする。

樋口:小倉かわいそうやな(笑)。

深井:(笑)

楊:結局小倉藩は自分たちの小倉城を燃やしたんですよね。

深井:燃やしました。自分で燃やして逃げました。

樋口:小倉かわいそう、まじで。

深井:で、それも晋作が、わざわざ攻めなくても周り囲むだけで多分逃げるっつったら、本当にそのとおりになって逃げるみたいなで。

楊:戦上手だったか、

深井:まあ、戦はどこまでうまいかわかんないけどね。

楊:そうですね。そんな経験はなかったけどね。

深井:ない。でもやっぱ戦って、センスある人はあるから、あるのかもしれないですね。で、同時期に孝明天皇が崩御したりして、いろんなことが起こるんですよ、だから同時に。てんやわんや。で、この小倉城が落ちてるときに血を吐くんですよ、また晋作が、結核で。

樋口:きたー。病気だ。

深井:うん。で、この頃に「おもしろきこともなき世をおもしろく」って言ってる。

樋口:これが第1回目でふれた、

楊:そう。で、言ったところ。上の句を彼が読んで。

樋口:すげえ(笑)。

深井:だから征長軍を、もう本当に危機的状況のところから政権を奪取して近代化させて、征長軍が来たところを全方位で守って追い返して、いろんな運がいいところもあるよ、将軍が死んだりして。追い返して、追い返したぐらいのところで血を吐いて倒れるわけ、彼が(笑)。本当にドラマみたいな人生ですよね。血を吐いて倒れて戦線離脱するんですよ、そのまんま。それで療養しないといけなくなっちゃうんです。もうぼろぼろだったんですよ、実は彼は。そのぼろぼろのまんま征長軍と戦ってたんです。で、彼はそのまんま、もう本当に半年ぐらいで死んじゃうんです。戦線離脱してから半年ぐらいで死んで、そして彼が死んだその年に大政奉還が行われる。

樋口:かーっ。これもドラマ。

深井:それで日本が明治維新になっていく。そういう、

楊:本当彼の人生は、このためだけにあったかもしんないですね。

深井:そう。劣勢だった長州が盛り返すっていうところが彼の人生の歴史を変えたとこね。長州が盛り返さなければ、やっぱり歴史は違うかたちになってたと思う。

楊:明治維新が遅れたりとか、もしかして、そもそもできなかったかもしんないし。

深井:うん。違うかたちになってたかもしれないね。だから薩摩も幕府と一緒に何かやろうとしてたかもしれないし、天皇型にならなかったかもしれないし、なってたかもしんない、わかんないけど。

樋口:そっか。もういないんですか、晋作は。

深井:いないっすね。すぐ死にました、まじで。この、すっごいいろんな、亡命して戻ったりとかで、彼は、何ていうんだろうね、ずっと仕事してる感じじゃなくて、本当に大事なところで自分が出てきて、ばんってやって、で、いなくなるんですよ。

樋口:そんな感じですよね。

深井:本当そんな感じ。だから奇兵隊も作って、山縣有朋がやってるわけじゃん。

樋口:本当や。

深井:(笑)。だから、そんな感じ。

樋口:人生もそうっすよね。

深井:人生もそんな感じ。

樋口:もういなくなってますもんね。

深井:いなくなりましたよね。一番、何ていうかな、だから生きてたら、本当、明治維新の中のすごく重要なポジションにいるはずなんですよ、彼は。

樋口:でしょうね。

深井:はい。めちゃくちゃ功労者なんで。

樋口:だって、その弟子というか一番弟子みたいなのが、

深井:はい。で、恐らく西郷隆盛と反目して内戦に突入してるんですよ、恐らく。知らんけど。けど死んじゃったからさ。桂小五郎とかは、ほら、

楊:そうだよね。明治の三傑。

深井:穏健だから、彼は。賢いし。

楊:彼、療養したところも松蔭の墓の近くじゃなかったっけ。

深井:そう。ずーっと松蔭の墓参りしてた、死にかけながら。ずーっと、最期は松蔭に思いを馳せながら死んでいきますね。

樋口:かーっ。ということで、亡くなってしまった高杉晋作ですね。

深井:亡くなりました(笑)。ちょっと最後、ぼんって終わりましたけど、

樋口:急にきて、ちょっと、何やったかな、アレクサンドロスか何かのときと同じような、え?っていう(笑)、そこでおらんくなるん?みたいな感じがしましたね。

楊:幻みたいな人ですね。

深井:喀血してからいきなりいなくなって死ぬまでが、やっぱすっごい早い。で、死ぬときも、見舞いに来てくれた人たちとかに、もう本当に、最後、よろしく頼むぞって言う。

楊:ちゃんとやってくれろよみたいな。

深井:そう。やってくれろ、やってくれろっつって、もう自分が死ぬんで。

樋口:なるほど。いやー、ここまでが高杉晋作の一生でしたね。ありがとうございました。

深井:ありがとうございます。

楊:ありがとうございます。
(音楽)

樋口:ということで、何かぽっかりと穴が開いた感じでエンディングです(笑)。

深井:そうですね(笑)。

楊:(笑)

樋口:いや、だってすげえ熱くなってたんですよ、俺。うおーってなって。

深井:さらっと終わらしましたからね(笑)。

樋口:(笑)。でも、多分それが人生なんでしょうねっていう感じがしましたね。

深井:ですね。

樋口:第1回目で「おもしろきこともなき世をおもしろく」って話があったじゃないですか。僕、第1回目聞くまでは、これ結構ポジティブな言葉だと思って、人生楽しくいこうぜみたいな雰囲気で捉えてたんですけど、そうじゃないんじゃないかって話を第1回目にしてくれたじゃないですか。高杉晋作、第1回目ですよ。で、どういうことなんやろうって思って、今回10回聞いて、この句を見ると、ちょっと深みが全然違うっすね。

深井:ですよね。やっぱ盛り返して、本当にまだどうなるかわかんないんですよ、長州が。確かに征長軍は追い返したけど、これから幕府を倒しにいかないといけないっていう、もう一番大事な局面なんですよね、晋作にとっては。その一番大事な局面で、自分がこの若さで病気で、どうしようもなくなる。そのときに、まあどういう気持ちで読んだかはわかんないですよ、わかんないけど、すごく単純なポジティブじゃないことは確かだと思うよ。

樋口:絶対そうですよね。

深井:そう。「おもしろきこともなき世をおもしろく」までは言ってるから、おもしろく何とかって言おうとしてるとは思うんだけど、単純に、がんがんいこうぜみたいな意味ではないと思う。

樋口:これ、単純じゃないですよね。

楊:もう悔しかったと思いますよ。

樋口:悔しさもあるし、悲しみもあるし、でも何か、これが人生なんじゃねえのみたいな、ちょっと受け入れも、

深井:そう。

樋口:これが人生、おもしろねえなっていうのも、多分何%かあったんじゃないかなっていう、

深井:あるだろうし、やっぱ盛り返してるからね、今、いい感じのところではあるわけよ、長州が。大政奉還を見届けるまではいけなかったんだよね、晋作も。坂本龍馬もそうなんですよね。彼は大政奉還まで見届けられずに暗殺されるんです。だから、この人たちみたいな人たちが、そうやって未熟ながらも燃え尽きていくっていうその上に、僕たちの今の歴史というか、日本社会があるのが面白いなって思って。

樋口:いや、そこはすごいな。

深井:この人たちがここで頑張ってなかったら、今の俺の生活、ちょっと違うかもなみたいな、どっちかに転んでるかわかんないな、みたいなところが僕の中でロマンチックなとこです。

樋口:そこ、つながりが感じられるもんね、本当に。

深井:そう。つながりが感じられる。これはちょっとやっぱり、アレクサンドロスとかとまたちょっと違う感慨深さが、

樋口:違うな。それは僕らが日本人っていうのが相当、

深井:そう。日本人で、まだ150年ぐらいしかたってないからさ。たった150年前だよ。アレクサンドロス、二千何百年前だからね。

樋口:ですね。でも、リアルにやっぱり10回にわたって勉強していくと、ここであの人がこうなってたら、みたいなんで大きく変わるじゃないですか。

深井:ですよね。大きく変わりますよね。

樋口:多分、日本っていう国がなくなってるかもしれないし、

深井:かたちが変わってる可能性があるよね。

樋口:変わってるかもしれないし、例えば高杉晋作が投獄されてなかったら死んでたかもしれないしとか、一人でやるってもし言って、そこで、やっぱやーめたってなってたら、

深井:(笑)

樋口:船の勉強するときみたいに、やっぱ途中でやーめたってなってたらまた変わってたし、そこでやるって言ったときに、伊藤博文が、しょうがねえなってもし言ってなかったらまた違うだろし、もしかしたら山縣有朋が、そこで俺も行くって言ってたら、またそれは違ってたかもしれないし、もう、ちょっとスイッチがめちゃくちゃありすぎて、

深井:そうなんですよ。歴史というか、人間の人生とか社会って、やっぱそのスイッチの多さが半端ないんですよ。

樋口:ものすごい細―いトンネルを一個一個くぐり抜けて今にきてる感覚があるな。

楊:だから、僕、思うのは、今おっしゃったように、いろんな道とか条件とかが絡み合って今の状況に持ってる(?)じゃないですか。それをいちいち考えながら合理的に行動しても、あんまり面白くないし、意味ねえなと思うようにもなるんですよね。結局高杉って、僕らもいつも言ってるように、もうやりたいことをやっただけなんですよ。

樋口:そうですね。

深井:そうね。爆発させてんだよね、やっぱ自分のエネルギーを。しかも、ずっとくすぶってたし、空回りしてるんですよ、彼は、27までずっと。本当に最後の最後ですよ。クーデター以後だよ、彼がまともに爆発してんの。

樋口:そっか。だから人生で言ったら80%、90%ぐらいは、もうずっと空回りしてる。

深井:そう。ずっとくすぶってるし、苦悩の中にいたと思いますよ。困ったって言うなって言われてるんで言ってないですけど。

樋口:そうだ。困ったって言ってないですわ。

深井:言ってないけど、やっぱり苦悩はしてると思います。その舞台をずっと探し続けてたんだと思いますね、彼は。

楊:最後にそれを見つけて、一回舞台に立って死ぬ、舞台の上で死ぬっていうね(笑)。

深井:そう。こういう人生は、本当、何ていうか、もう楽しいね。

樋口:楽しいですね(笑)。

深井:(笑)。本当楽しい。

楊:エネルギーをとりあえずリリースするのが、一番いいよね、もう。

深井:楽しい。僕は、このくすぶってた時期があるから好きなんですよ。これがくすぶってなかったら、そんな好きじゃないよ。アレクサンドロスとかもそうだけどさ。

楊:最初っから優等生やもんね。

深井:そう。やっぱこの、ままならない時期がある人が。別に克服してるわけでもないと思うわけ、彼は何かを。ままならないけど頑張っただけなわけ。そこがすごく僕の中で人間臭くて好きだし、

楊:深みがあるよね、人間の。

深井:深みがあるし、自分の人生と照らし合わせても、自分の人生だってそうじゃないですか。ままならないことがたくさんある中で、それを克服しようとして頑張るんだけど、できるかどうかわかんないでしょ。できなかったらくそかっていったら、そんなことないわけよ。っていうことがすごい感じられるよね、この人の人生から。

樋口:まじでそうやな。

深井:彼がクーデター起こせてなくても、俺はすばらしい人生だと思うよ、本当に。

樋口:本当そうかもしんないですね。あとは、僕、結構感動したのが、要は、世の中の常識とか、こうすべきとか、これが正しいみたいなところにことごとく反抗して生きてるじゃないですか(笑)。で、多分なんですけど、自分の気持ちには従ってるような気がするんですよね。

深井:そうですね。自分の気持ちと、お父さんと松蔭の話は聞いてます(笑)。

楊:そうね。あるべき自分とやりたい自分っていうのかな、今風の言葉で言うとね。

深井:そうね。でも最後の最後で、やりたい自分に振り切りましたよね。途中まで、やっぱあるべき自分でやってるときは、ずっと失敗してんだよね(笑)。

楊:そうよね。確かにね。

深井:政務座役やってるときまでは、すげえ失敗してる、誰からも賛同得られてないけど、クーデター起こしてるときは、あるべき自分じゃないですもんね、この人は。やりたいことやってます。

樋口:そうか。やりたいことやってるんですね。

深井:そのときに伊藤博文に賛同されてる。面白いですよ。

樋口:そこなんですよね。結局、何ていうんですかね、自分の頭と心と体が一致してる感覚に、どぅんってなって覚醒したみたいなイメージなんですよ、そのクーデターしたときって。そこを見つけるためなんじゃないかって気がしましたね、僕、話聞いてて。

楊:そのときって全然合理的な判断じゃないもんね、ある意味。

樋口:そうなんですよね。

深井:全然合理的じゃない。

楊:もうやりたいから、ばーんってやるっていう。

深井:そう。どの方向で自分のエネルギーが爆発するかでやってますよね。

樋口:かーっ。何かたまらないですよね。

深井:幕末の面白いのは、やっぱこういう人がいっぱいいるからね。敵同士だったりするわけよ、こういう人たちが。それが面白いわけ。僕は高杉晋作は好きですけど、別に彼の思想を賛同してるわけでもないし、信奉してるわけでもないわけ。だから、別に西郷隆盛のことも好きだし、面白いなと思いますし、新選組のことも好きですよ。だけど、彼ら一人一人がやっぱ真剣に生きてるからさ、同じ時代に。

楊:自分が何者かを証明するために命を懸けてるような時代だもんね。

深井:そうだね。

樋口:で、これ、本当にイメージですけど、日本という世界があるじゃないですか。世界というか社会か、を、みんながそれぞれ違う思想を持って、生かそう、生かそうとしたそのエネルギーが変な融合を起こして、結局守りきったっていう、外から外敵も、ですよね。

深井:そうなんですよね。

樋口:一個一個は、右に動きたい、左に動きたいって言うんですけど、大きな視点から見たら、全員が協力して何かを一個達成したという感覚があって、すごい、上から客観的に見ても面白いなって思う出来事っすね、明治維新。

楊:あ、そうそう、ちょっと一個補足すると、明治維新終わったあとに、明治維新ですげえ頑張った下級武士、今、明治維新になって士族たちなんですけれども、全部リストラされるんですよね。

深井:そう。頑張ってるけど、結局全然報われないんです、この奇兵隊の人たちとかって。それで反乱起こして殺されたりしてます。

楊:もうそういう軍事力要らねえからみたいな。それがまた明治政府になってからも、いろんなところでぼんぼん反乱起こして、最終的に西郷隆盛の西南戦争で内戦が起こって、それが最後の内戦になるんですよね。

深井:そう。血みどろなんだよね。そういう非合理的なこととか理不尽なことがたくさん起こるんだけど、僕は今までの、まあたかだかまだ34年ぐらいですけど、生きててすごい思うのが、理不尽だからよくないとか、そういうことが起こるから明治維新がくそだとかいうのは本当に違うなって思っていて、いろんな論説があるんですけど、やっぱりそういう理不尽なことをやってるからよくないんだとか言ってる意見とかあるんですよ。理不尽なことをするなよということを言っている意見とかがあるんだけど、これ、伝えれるかどうかわかんない***、全然そう思わない。世界って、もともと理不尽だなって思ってるんですよね。だから、その真実を見てない感覚になっちゃうんです、そういう意見見ると。当たり前のことが当たり前のように、今、目の前で起こってる。それは、そのファクトを積み上げていくとそうなるっていうことは合理的にも説明が、ある程度しようと思ったら社会科学的にできる。それを批難するって意味ないなって思うんです。全く意味がないと思うんですよ。人間は羽根が生えてないからくそだって言ってんのと一緒だなと思うわけ。空飛べない人間なんてくそだって。それ、無駄に期待して、無駄に美化して、無駄に妄想膨らまして、そうじゃない落差に勝手に絶望してるように見える。でも歴史から学べることって、そういうのの(?)逆のことだと思ってて、偉人の汚いところとかを見て絶望するとかも一緒だと思うんですけど、勝手に期待しないとかだよね。そういうのすごい大事だなと。こういう本とか、今回も、やっぱ本読むと、そういうことがいっぱい書いてあるわけ。晋作たちはテロリストだとか、だからだめなんだっていう論説で書いてあったりするんだけど、全くそんなこと思わない。確かに彼はテロリストだと思うよ。だめだとは思わないね。その意見に意味があると思えない、僕の中で。

樋口:なるほどですね。だから理不尽っていう考えも、合理的じゃない、つまり合理っていう正解とは違うって言ってるだけですね。合理が正解っていう基準すら、もうないっていうことですよね。

深井:彼の人生を、彼のように歩んでいてああなるのはそうだろうという話であって、それを評価することが僕たちの人生にとって意味があるかっていう話なんですよ。僕はないと思う。ないと思いますって言い切ったらあれですけど、しないほうがいいなって思ってます。

樋口:なるほどですね。

深井:勇気をもらえるよね。

樋口:勇気もらいましたね。

深井:だから僕は、会社とかでしんどいときあるじゃん、まじで。自分からしたら絶望だと思うときってあるやん、みんな。

樋口:いっぱいありますね。

深井:経営者のリスナーの方もすごい思うし、経営者じゃなくてもそうですよ。誰だってそうです。

楊:普通の人生生きてる中で、あるよね。

深井:絶望だなと思うときあるじゃん。高杉晋作を思い出して(笑)。

樋口:(笑)

深井:って思う(笑)。絶望かどうかは関係ないんだよ、だから。絶望だと思うかどうかが大事なのであって、本当に絶望かどうかはあんまり関係ないんですよ。

楊:もう陽明学ですよ、そこは。もう自分の心しだい。

樋口:(笑)。突っ込もう。
一同 (笑)

樋口:俺、突っ込みやす(笑)。見ててください(笑)。

深井:楽しみです。

楊:「すみなすものは心なりけり」ですからね。

樋口:(笑)。そうですね。というわけでございまして、今回も、学びたくさん、刺激たっぷりのコテンラジオでございました。ということで、世界の歴史キュレーションプログラム、コテンラジオは、毎週月曜日と木曜日にお送りしております。以上、コテンラジオでした。ありがとうございました。

深井:ありがとうございます(拍手)。

楊:ありがとうございます(拍手)。

関連エピソード