【ポイント】
①リベラルアーツとは今までの自分では持ち得無かった新しい世界理解のための「フレームワーク」
②既存の思考フレームワークにリベラルアーツを押し込んでも、それは単なる「雑学とハウツー」のであって「リベラルアーツ」ではない
③複雑多様化する社会において、複数の価値観の軸を持つことがそれぞれの人に合った「幸せ」の実現に繋がり、リベラルアーツはその機能を持っている
ヤンヤン:ではまた質問を
していきたいと思うけれども
最近はリベラルアーツ
という言葉がすごい多く出て
リベラルアーツに関する
本とか新書とかものすごく出ているけれども
ただ僕すげえ違和感があって
大学が文学部だったこともあるし
自分個人が
ずっと古典と歴史とか読んできた身からして
スキル向上とか
ビジネスに活かすっていう文脈でリベラルアーツを
捉えられてるっていうのが
ものすごく違和感を覚えてるんだよね
オレにとってそういうもんじゃないんだよね
深井:経営のための孫子とか
ヤンヤン:燃やしたくなるわけですよ
深井:分かる分かる
(笑)
深井:焚書
ヤンヤン:焚書したい
そういう浅いところで
リベラルアーツを捉えられてる現状に
ものすごく違和感を覚えてるんだけれども
そういう違和感は?
深井:全く同じ違和感があって
本末転倒だよね
リベラルアーツをスキルとして捉えて
やっていくなんていうのは
最も本末転倒で
ヤンヤン:会話の時にちょっと自分が
よく知ってるデキてる人間という風に
上手い話し方をするための
リベラルアーツっていう
深井:じゃないからね
ヤンヤン:馬鹿じゃねえのと思うんだけど
(笑)
深井:怒っとるね
(笑)
深井:端的に僕がリベラルアーツ
日本語で言った時に
厳密には違うけど
僕は人文
よく自分は人文学って言うんだけど
人文学の
大切さは端的に言うと何かっていうと
自分の考え方とか
自分のルーツからは
分からないことっていっぱいあるじゃん 世界で
ヤンヤン:ものすごくたくさんある
深井:自分の思考枠とか
フレームワークで解釈できないこと
これを相手の
自分じゃない人のフレームワークとか
思考方法とか
ルーツから理解する
っていう思考方法みたいな
人文学とかリベラルアーツって
だから
自分の今の既存のフレームワークの中に
リベラルアーツ入れちゃったら
それが本末転倒
ヤンヤン:確かにね
深井:何の意味もないそれ
そこから抜け出すってことがすごい大事だから
オレもほんとに思う孫子とかをさ
経営に役立てるための孫子とかさ
本当に本末転倒
逆だから
経営が孫子を理解するのに役立つだけだから
ヤンヤン:なるほど
深井:孫子はその上位概念というか
よりなんていうの
優れてるって意味じゃなくて上流
ヤンヤン:枠組み違う枠組みだもんね
深井:もう少し上流の枠組みの話だから
ここのレイヤー下げてやっちゃうと理解出来ない
孫子とか
ヤンヤン:自分の今の枠組みの中で
知識を増やしてるだけだもんね
深井:そうそう知識と
How to増やしてるだけになっちゃうけど
全く意味ない
ヤンヤン:枠組みを広げられてないわけよ
深井:だから例えばコーランを読んで
イスラム教徒は
どういう気持ちで毎日祈ってるんだろう?
っていうことを理解するであるとか
ヤンヤン:そうだよな
深井:あと 例えば2000年前の人は
今と全然時代背景も状況も
思想も違うんだけど
それってどういう感覚なんだろう?とかね
ヤンヤン:なるほど なるほど
深井:僕たちが普段
当たり前だと思ってることが
他のこういう人たちにとって
どれだけ当たり前じゃないかってことを
当たり前じゃない人達側の論理で
どう解釈で理解する
取りに行くっていうところが
リベラルアーツの真髄であって
ヤンヤン:そうだよな
深井:それはでも僕はホントに今の現代に
とても大切な
思考方法だと思う
これがね
50年くらい前
オレらの親世代とか
おじいさんおばあさんの世代だったら
やっぱり比較的
幸せのなり方
個人の目指すべき幸せのなり方って結構
画一化されてて
良くも悪くも
だからいい大学行って
いい会社入って
集団就職してとかさ
そこで頑張ってれば
幸せになりやすかったんだよね
ヤンヤン:年功序列で最後まで勤め上げるっていう
深井:別にそれを批判してるわけじゃなくて
そういう時代だった
今はどういう時代かっていうと
すごいインディビディアル化がすごい進んで
個人個人の
それぞれの人たちが
それぞれに合った形で社会に関わっていかないと
やっぱり皆もう
満足出来なくなっちゃってるんだよね
良くも悪くもそういう時代に突入しているので
それぞれの既存枠組みが破壊されてるっていうか
今までの前時代的枠組みとか
フレームワークとか価値観で
自分の人生とかを
測れなくなちゃってるわけ みんなが
ヤンヤン:なるほど
深井:人もそうだけど
多様性とか言われてるのもその一つだと思うし
LGBTとが認められつつあることも
その一つだと思うんだけど
そういう時代に
最も個人が幸せになるために
機能するのはリベラル ーツだと思うよ
組織がとかじゃなくて
組織のためにとか仕事ができるようになるために
とかじゃなくて
自分が幸せになるために
すごい大事だと思うリベラルアーツ
ヤンヤン:そうだよね
組織のためにとか
自分が仕事できるためにも
価値観の一つでしかないよね
深井:仕事が出来た方がいいんだっけ?
とかいうところから
疑うことがリベラルアーツだから
仕事ができた方がいいよねっていう
前提から始めるのが
今までの
How to本だから
ヤンヤン:仕事ができてなくても
幸せになった人たちって歴史にたくさんいるからね
深井:歴史上たくさんいるし
ゴッホみたいにさ
死んでから
評価される人もいるし
そもそも社会的評価って
僕たちに必要なんだっけっていうことも含めて
リベラルアーツだから
価値軸を同時に複数持つっていう
考え方だよね
ヤンヤン:なるほど
そういうことを
実感って 例えば今の仕事をしていく中で
感じる場面とかもあるの?
深井:いっぱいあるよ
社員の皆を面談しててもすごく感じるし
色んな会社で色んな
取締役とか顧問ていう立場だから
やっぱり面談する側で
ホントに千差万別色んな企業で
全部ベンチャーだけど
面談させてもらうこともあるけど
やっぱりみんな
悩んでるよねキャリアとか
ヤンヤン:キャリアね
深井:自分と仕事のリレーションシップを
関係性を
どう築くか?ってことに関しては
全員
不明状態に突入してる人の方が多いの
だから
昔だったら簡単だったんだよ
1種類か2種類しかないからだけど今は
自分てどう関わるんだろう?
っていうことを
分かんないか 分かっててもそこに
到達する方法が分からない人が
すごくいっぱいいるから
ヤンヤン:そうだよね
だからなんかすごい最近
キャリアコンサルタントが増えてるよね
深井:やっぱそうなんね
キャリアコンサル そうね
キャリアコンサルタントをディスるわけじゃないけど
キャリアコンサルタントよりも
ホントに
人文学勉強した方がいいと思う
だから
哲学 歴史とか
色んな思想を勉強するとか
そういうことの方が
今の自分の
思考が
他の思考のことを知ると
今の自分の思考とか思想が
どういうものなのかが分かる 逆に
ヤンヤン:相対化できるよね
深井:相対的に見ることができるので
分かりやすいんだよね
僕の考えってこういうルーツがあるんだとか
じゃあこだわる必要ないんだとか
ヤンヤン:そうだよね
昔の歴史の中に
実際同じような考え方してる人はいたんだとか
悩みとか
同じ悩みを持った人がいたんだとか
深井:それが人間にとって大切なことなのか
社会にとって大切なことなのか
個人にとって大切なことなのか
もしくは組織にとって大切なことなのかってことも
やっぱり
思想とか歴史を勉強すると分かりやすい
人間にとって大事なのと
個人にとって大事なことは以外は
プライオリティ一回下がるじゃん
だから組織と社会にとって大切なことってさ
別に
今みたいに色んな多様な関わり方を
社会にすればいい時代においては
自分の方を優先させる
それがインディビデュアルが進んでるって
そういう意味だから
どれを
気にしなくていいんだっけということも
なんか感覚的に分かりやすいよね
感覚的にね
論理じゃなくて
それがリベラルアーツを勉強する
一番大事な点
自分のことが良く分かる
社会のことが良く分かる
ヤンヤン:自分のとこが良く理解できるか
深井:良くできる
その結果
社会と自分を
どう関係付けていけばいいかっていうことを
自分で選択できるようになっていく
色んな種類を知ってるから
その種類がないと選択権がないんだよね
こうしようってなんない
オプションがないから
ヤンヤン:ずっと迷ったまんまになるもんね
深井:チンギス・ハンみたいに関わるのか
毛沢東…あんまり変わらんかった
(笑)
深井:吉田松陰みたいに関わるかのかみたいな
だから色んな関わり方があるんで
宮沢賢治みたいに関わるのか
どれがいい悪いってないんだよ
ヤンヤン:確かにね〜なるほど なるほど
深井:その価値は
社会ではたぶん
理解されてない気はするね やっぱり
書店に並んでる売れやすい本見てるから
ヤンヤン:基本的にみんな
仕事に集約されていくもんね
深井:まあね
お金を投資する対象としてやっぱりその
仕事に関連付かない限り
買わないんだよ みんな
価値を感じづらいからね
即効性もないし実際
リベラルアーツにはね
ヤンヤン:そういう目的じゃないもんね
なんかすぐに
結論を出すためのものじゃないからねあれは
深井:けどまあ
すごい大事だと思うよ
リベラルアーツだから逆に
今そうやってリベラルアーツが盛り上がってるのは
真の理解をしている人が少ないながらも
やっぱりそういうものが大事って思う人が
少なくとも前の時代よりも増えてきてるからこそ
そうやって話題上がってるわけじゃん
一昔前哲学を勉強しようなんて人は
ホントにたぶんいなかったと思うんで
いる時代もあるんだけど
いなかったんだと思うね
ヤンヤン:オタクだったもんね
として捉えられてたもんね
深井:アメリカとかでなんか
本質が理解されてるかどうか知らないけど
やっぱりリベラルアーツが大事だって言ってるのは
とても素晴らしいことだと思う
ヤンヤン:だから名門大学は絶対必修だもんね
深井:いや本当に必要だと思う
ヤンヤン:さっき個人のキャリアとか
自分の生き方の話をしたけど
逆に経営者の中で
ちゃんとリベラルアーツを
みなさんは勉強されてるのかな?
深井:どうなんだろ
してないんじゃない
ヤンヤン:してないの!?
(笑)
深井:やっぱ忙しいし
本からしか学べないじゃん
本質的な意味でのリベラルアーツは
全て経験からも学べるんだけど
今できる経験以外の
リベラルアーツって
やっぱり本からしか学べないんで
そこすごい距離あるよね
みんなが哲学書読んでるかって
言ったら読んないだろうし
歴史勉強してるかって言ったら
みんなが勉強してるわけじゃないし
ヤンヤン:それによって
経営の現場でどういったことが起きてるの?
深井:ずーっと皆勉強してないっていうか
今に限らずそうだよね
それはだから
勉強してる時期もあったんだろうけど
時代としては
経営者が
だから起こってるというよりは
これから勉強し始める人が増えるだろうから
それでどう変わるっていう感じだよね
僕はそれによって
いま色んな価値があるから 社会に
昔はなんか
価値の種類がもっと少なかったんだよね
売り上げあげるとか
今は売り上げも大事だけど
それよりこっちの方が大事で
売り上げ2番目とかっていう会社も普通に
ヤンヤン:ソーシャルの目的が大事っていうね
深井:普通にたくさんあるし
そうなってきた時に
色んな価値が乱立すると思うんだよね
そうすると競争社会にならないじゃん
同じ価値の中で
戦ってるわけじゃなくて
コテンもそうだと思ってるんだけど
コテンって競合が今いないわけ
データベース作ろうなんてやつ出てこないから
だから
競争しなくていいわけ僕たちは
競争じゃなくて
戦う相手は自分自身みたいになるよね
いかにクリエイティブに価値を見失わずに
僕たちが本来出すべき価値を
ブレずに出すかの方が大事なんだよね
競争して競り勝つかどうかよりも
そうなったときに大事なのって
そういう世界で大事なのって
調和する力なんだよ 色んな価値と
だから色んな価値を
調和して吸収してく力が
経営者として僕はすごく大事だと思っていて
ヤンヤン:おぉ〜
調和
深井:調和ね
色んな人と一緒に働けるとか
例えばコテンにイスラム教徒も
入って働けるとか
ヤンヤン:確かにね
深井:全然指向性が違う
全然違う指向性の人を入れる
必要ないんだけど
指向性が違う人でも入って活躍できるような
座組みとか組織体制になってるとか
ヤンヤン:いわゆる拡張性だよな
深井:フルコミットじゃなくてハーフコミットとか
クウォーターコミットでもいいから
そういう人たちが入ってきて
活躍出来るような土壌になってるとか
その人たちは目指してる方向が
違うんだけど
手伝ってもらえてるみたいな
そういう時代に突入していくにあたって
やっぱ調和できる力って大事で
調和するときに結局大事なのは
さっきの戻るけど
あれなんだよ
リベラルアーツだから
ヤンヤン:相手の文脈で
深井:相手の文脈で相手のこと評価をする力
僕が例えばコテンやってて
人文学が一番大切だから
人文学勉強してない人以外は
全員ダメだと思ってたとするじゃん
その時点で崩壊してるけど人文学として
人文学勉強してない人はダメだなんて思ってたら
そういう人たちと働けないよね
人文学目指してない人達と
けど今は
そういう人達と働いた方がいい時代なんだよやっぱ
そういう意味でいくと
色んな価値と人は
その人達はそういうロジックと
そういう感覚で
考えてるからそうなるよねと
それはすごい尊重するよ
って思ってる力がすごい大事
だと思うホントに
ヤンヤン:そうだよな
確かに 確かに
深井:そこも私は分かんないけど
そうなんだねっていうのは
全然一緒に働けないわけ
リスペクトがないと働けないから
あー分かる分かると
自分は目指してる場所はちょっと違うけど
あなたがやってることは
すごく僕も大事だと思うしって思ってないと
一緒に働けないみたいな
そういう意味で
価値観が複数ないとダメなんだよ
ヤンヤン:そうかそうか
深井:自分の中に
多数の価値を内在させてないと
これからの時代の経営者は
僕はあんまり価値を出せないんじゃないかなと思う
ヤンヤン:確かに
多様な価値観を
価値観を自分の組織の
価値転換していく為にはまず自分の中で
価値多様化を
多様化を持たないといけないってことだよな
深井:自分の中で転換していくためにもそうだし
向こうの人たちが手伝ってくれるって
意欲が湧くためにも
相手のことに対しての深い理解がないと
ヤンヤン:そうだよな
深井:だってイスラム教徒が
イスラム教徒のことを全然理解していない会社で
働きづらいわけじゃん
尊重してくれないと
ヤンヤン:なんでこの人たちは礼拝するんだみたいな
深井:時間の無駄とか思われながら働けないじゃん
それはそれで大事だよねって思ってくれてるから
働けるわけで
そういう状態をやっぱ作るためにも
リベラルアーツはものすごく大事なわけ
ヤンヤン:そうだよね
深井:そうじゃなくても大事なんだけど
そこでも大事だよねって感じだね
ヤンヤン:なるほど なるほど
深井:そんな感じ
ヤンヤン:また勉強になりました